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三村美衣
(みむらみい)

書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。


6月24日(火)S8#24『レプリケーターの正体』

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■レプリケーターの帰還

合成麻薬の事件が解決した夜、クワンティコのガルシアのシステムがレプリケーターの侵入を受けた。ホッチはニューヨークに滞在中のBAUのメンバーに緊急招集をかけるが、ストラウスには連絡がつかない。ロッシがホテルに駆けつけるが、部屋にストラウスの姿はなく、窓が開け放され、床にはミニバーのボトルが散乱していた。一度はアルコール依存症に陥ったストラウスだが、ロッシはサイドテーブルの上に残されていた断酒記念のメダルを手に、ストラウスが再び酒に手を出すはずがないと断言する。ホッチの携帯にストラウスから着信が入るが、しかし電話をかけて来たのはレプリケーターだった。緊急車両のサイレンの音から、電話を掛けてきた場所を見切ったホッチは、ストラウスを発見する。しかしレプリケーターに薬物をもられたストラウスは、そのままホッチの腕の中で息を引き取った。

■ストラウスが仕掛けた罠

ストラウスの命を奪ったのは、エクスタシーとメタンフェタミンの合成薬だった。レプリケーターはさっそく解決したばかりの事件を模倣したのだ。レプリケーターは電話で、ヘイリーを殺害したフォイエットの名前を出して、ホッチを挑発した。しかしヘイリー殺害の一件は公開されておらず、BAUは犯人が内部の人間ではないかと考えはじめる。検視の際にストラウスの腕に、数字の8が刻まれているのが発見される。レプリケーターからのメッセージと見られるが、しかしBAUが解決した事件にそんな事例はない。ホッチは、内部犯行であることを察知したストラウスが、罠を仕掛けたのではないかと推測し、彼女が提出した報告書を検証。やがてデトロイトで起きたフィル・コナーの事件に「被害者の手首に8の字の傷」という改竄が加えられているのが発見される。つまりこの報告書を読んだ人間の中に、レプリケーターはいるのだ。ホッチは司法省の議員にコンタクトをとり、この2年間に報告書を読んだ人間の名前を入手する。

■レプリケーターの正体

ストラウスの検視にたちあったロッシがオフィスに戻ってきた。机の上にあった報告書を手にとって読んだロッシは、心配して様子を見に向かったモーガンに銃を向けた。書類にはストラウスの腕を傷つけたワイングラスにモーガンの指紋がついていたと記載されていたのだ。ロッシの取り乱し方は尋常ではなく、ホッチは、彼が薬を盛られたことに気がつく。やはりエクスタシーとメタンフェタミンの合成薬が、報告書に付着していたのだ。皮膚からの吸収だったためにロッシの命には別状はなかった。ストラウスとロッシに盛られた薬は同一だが、ニューヨークで出回ったドクターデスとは別物で、もっと苦しむように調合されていた。生化学者で連邦議員でハッカー。果たしてレプリケーターとは、何者なのか……。わざわざニューヨークでストラウスを狙ったことには理由がある。そう考えたBAUは再度一連の事件を検証する。模倣はサイレンサー事件から始まった。ブレイクが転任してきた最初の事件だ。犯行のきっかけはブレイクの着任ではないか……。ブレイクとストラウスの間に溝ができた炭疽菌事件は、2001年にニューヨークで起き、炭疽菌は封筒で届いている。レプリケーターはこの事件で、ブレイク同様に不当な扱いを受け、復讐の機会を狙っていたのではないか。ストラウスの報告書を見た議員とそのアシスタントの中で、2001年当時にニューヨークにいて、現在も存命の人間はたった1人だけだった。ジョン・カーティス。ブレイクと同期で入局したが、炭疽菌事件の後降格され、地方に飛ばされた人物だった。

■レプリケーターとの対決

BAUは2機のヘリに分乗し、ジョン・カーティスが所有するヴァージニア郊外の広大な邸宅に急行する。しかしカーティスはヘリの自動操縦に侵入しヘリを不時着させ、機内からブレイクを連れ去った。BAUが屋敷に突入すると、彼女は椅子に繋がれており、邸内には爆弾が仕掛けられていた。解錠の文字は6種類で8個。数字と呼応する言葉は「ツークツワンク(zugzwang)」だ。リードは解読が簡単すぎることに疑問を抱きつつ解錠する。戒めを解かれたブレイクが動いた瞬間、圧力センサーが作動、扉が閉まり爆弾のカウントダウンが始まる。「ツークツワンク」、つまり動かないのが最上の手だったのだ。ガルシアとケヴィンが通信妨害で信号を妨害し爆発を遅らせる。その間に、薬物の影響のために一足遅れて現場に到着したロッシがチームを救出する。一行は退避するが、しかしロッシはひとり現場に残り、レプリケーターが確認のために戻ってくるのを待っていた。逃げられないと悟ったレプリケーターは、扉を閉めてロッシを道連れにしようとする。しかしロッシは予め、扉の間にストラウスの断酒メダルを挟み、扉が完全に閉まらないようにしていた。「ツークツワンク」。ロッシはそう言う館を脱出、その直後、レプリケーターごと邸宅は爆発する。

【格言】
「人が苦痛を感じるのは、売れるためではなく、目覚めるため。悔やむためではなく、賢くなるため」『宇宙戦争』で知られる英国の作家H・G・ウェルズ(1866年9月21日-1946年8月13日)の言葉。
「本当の家族を結ぶ絆は血ではない。互いの人生を尊び、喜ぶ心だ」リチャード・バックの言葉。リチャード・バックは、前回の「ホッチナー兄弟」につづき2回連続で使用されている。
【クレイマー議員】
ホッチが司法省で会った相手は、クレイマー議員。シーズン7の第一話「家族の絆」でプレンティスの公聴会にも登場しています。演じているのは『デスパレートな妻たち』のポール・ヤング、『マッドメン』のダック・フィリップス役のマーク・モーゼス。
【BGM】
エピローグで流れるのは、リリー・カーショウのAshes Like Snow。リリー・カーショウはシーズン4のファイナル『地獄からの帰還』で誘拐されたケリーを演じている。また『クリミナル・マインド』のディレクターのひとりであるグレン・カーショウの娘でもある。1年前、同じロッシの邸宅の庭で開かれたJJの結婚式のダンスシーンで流れたのも、やはりリリー・カーショウの曲だった。あれから1年。「去年はこの庭で、まったく違う祝杯をあげた。人生と、愛と、2人の善き人に。今年はあれと真逆の集いだ。しかし、それが家族ってもんだろ。大変な1年だった。だが今夜は祝福しよう。よく生き、よく愛した、よき女性に」ロッシの最後の言葉が、心にしみますね……。

2014.6.24|エピソード・ガイド|コメント(7)トラックバック(0)

6月17日(火)S8#23『ホッチナー兄弟』

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■ショーンからの電話

ニューヨークでベスとの休暇を楽しむホッチの元に、弟のショーンから電話が入った。ショーンはシェフになる夢を諦め、今はエディンバラというクラブでバーテンダーをしているが、その彼の目の前で、女性客が目や鼻から血を流して死亡したというのだ。警察はエクスタシーの過剰摂取で片付けようとしていたが、ショーンは身体中から血を吹き出すという異様な症状と、さらに先週、元カノのリンダが同じ症状で死亡していることに不審感を募らせ、兄に助けを求めてきたのだ。ガルシアの調査で、ニューヨークで先週に同様の事件が3件起きていたことが判明。事件はこれで終わらないと見たBAUはニューヨークへと向かった。

■死の合成麻薬

BAUの予想は的中、今度はクラブのパーティイベントで6人の若者が死亡した。彼らはドラッグの効きが遅かったために、量を追加し、過剰摂取を起したのだった。検視の結果、ドラッグにエクスタシーの他にメタンフェタミンが混ぜられていたことが判明する。最近出回りはじめた合成麻薬で、メタンフェタミンによってエクスタシーの効果が隠れ、過剰摂取事故が相次ぎ、問題になっているものだった。しかしリンダも、先週死亡したエリック少年も、ドラッグを使用してはいなかった。やがて家族での食事中に、ハチェット夫妻が血を流して死亡する事件が発生。夫妻が食前に飲んだワインボトルから、エクスタシーとメンフェタミンが検出される。何者かがワインに合成麻薬を混入、エリックやリンダは、そのワインを飲んで死亡したのだ。

■ワインへの混入

エリックとハチェット夫妻が飲んだワインは、どちらもエディンバラに出荷されたものであることがわかり、BAUはエディンバラの誰かが、ワインボトルに薬物を入れたと推測する。事件の重さを痛感したショーンが捜査協力を申し出、隠しマイクを身につけて戻って、店長のセインとオーナーのピーターズにかまをかける。ピーターズはワインを全て捨てるようにセインに指示するが、パントリーに向かったセインはワインのケースから、一部だけを引き抜いて処分しようとする。なんと、セインはレイプ目的でワインに薬を仕込んでいたのだ。セインはショーンに2本を廃棄させ、さらにもう3本入ったケースがあるはずだとパントリーを探すが発見することができない。リンダの死がセインのせいであることを知ったショーンは激昂、BAUが突入してセインは逮捕されるが、オーナーのピーターズは逃走。ショーンも現場から姿を消してしまう。

■真相

その夜、ピーターズが、喉に合成麻薬を流し込まれ殺害される。犯人は合成麻薬でドラッグの使用者を殺そうとしたが、ワインの一件は意図したことではなかったのだ。計画を邪魔されて怒った犯人はピーターズに直接手を下したのだ。ピーターズの死に怯えたセインと従業員は、保護と引き換えにドラッグの入手経路を証言。国内への流通経路が判明する。そしてその経路にあるフランクリン空港の職員を調べたガルシアは、手荷物係スパイアーズの銀行口座に、定期的に大金が振り込まれていることを突き止める。不思議なことに、スパイアーズは4週間前に死亡しているが、その後も口座への入金が続いていた。何者かがスパイアーズを殺害し、なりすましているのだ。ピーターズと薬物に対する憎悪が犯行の動機と考えたホッチは、ガルシアに、空港職員で、最近、家族を薬物によって亡くし者がいないか調査するように指示。ラリー・フェレティッチという職員の娘が、ピーターズの店で、エクスタシーの過剰摂取により死亡していることが判明し、フェレティッチを逮捕する。エリックやハチェット夫妻が飲んだワインは、金に困ったショーンが、毒物が混入されているとは知らずに雑貨店に横流ししたものだった。事件解決後、ショーンはホッチを訪ね、罪を償ってやり直すことを誓う。

【格言】
「ひとつ屋根の下で家族が互いに成長を遂げるのは稀である」アメリカの作家、リチャード・バック(1936年6月23日-)の言葉。
「兄弟の争いほど悲惨なものはない」古代ギリシアの哲学者アリストテレス(前384年-前322年3月7日)の言葉。
【ゲストスター】
セイン役のショーン・マグワイアーは、イギリス出身の歌手、役者。子役で注目を集め、その後『イーストエンダーズ』などに出演。パロディー映画『ほぼ300<スリーハンドレッド>』ではレオニダスを演じている。ホッチの弟ショーンはシーズン1の16話「虐殺の儀式」にも登場。弁護士になるのをやめて、シェフになると語っていた。演じるのは『ルーキーブルー ~新米警官 奮闘記~』ルーク・キャラハン役、『ヤング・スーパーマン』のラナのボーイフレンドでフットボール部のスター選手ホイットニー・フォードマン役のエリック・ジョンソンだ。
【タイレノール事件】
1982年9月。シカゴで、頭痛薬タイレノールを服用し、7人が死亡した。タイレノールの製造・販売元が商品を回収して調べたところ、死亡した7人が服用したものを含め、8本の瓶のカプセルが、シアン化合物に入れ替えられていたことが判明する。事件は未解決だが、ユナ・ボマー(セオドア・カジンスキー)が関与した可能性もあるとされている。その後、この事件の模倣事件がいくつか発生し、1986年にはエキセドリンの瓶の中身がシアン化合物にすり替えられ、2人が死亡する事件が起きている。この事件は、被害者の妻が夫を殺害するために瓶に薬をいれ、それを隠蔽するために他の事件を引き起こしたと見られている。
【レプリケーター登場】
エピローグの最後のシーンで、ついにレプリケーターの姿が登場します! BAUのガルシアのコンピュータの画面が、チームの盗撮写真と「ツークツワンク」の文字で埋め尽くされ、ニューヨークでは、事件の捜査に同行したストラウスのホテルの部屋に、ひとりの男が現れる。その人物は、かなり面変わりしてますが、ルーク・スカイウォーカー、マーク・ハミルではないですか!! いったい彼は何者なのか、そして何のためにBAUをつけ狙っているのか……。シーズンファイナルとなる来週のエピソード「レプリケーターの正体」をお楽しみに!

2014.6.17|エピソード・ガイド|コメント(3)トラックバック(0)

6月10日(火)S8#22『夫婦の誓い』

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■夫が妻を、そして妻が夫を……

デトロイトで2台の車のトランクから、2組の夫婦の遺体が発見された。最初はケイン夫妻、次がギャレット夫妻。拉致から殺害まで約1週間あり、どの遺体にも50ヶ所を超える刺し傷があった。夫婦の傷はちょうど鏡合わせで、場所も数もほぼ一緒で、妻の刺し傷は上から斜めに入っており、夫は水平方向だった。2組の夫婦は身長が異なるのに、刺し傷の向きが同様であることから、ブレイクは、向かいあった状態で夫が妻を、そして妻が夫を刺したことに気づく。犯人は互いに刺しあわせるために、夫婦を誘拐しているのだ。地理的プロファイルを行ったリードは、犯人は夫婦の行動パターンを熟知しており、2人をデート現場から拉致したと分析。しかし、たとえ2人であるために気をゆるめていたにしても、犯人がどうやって同時に2人を制圧したかに疑問が残る。やがて夫婦が拉致、遺棄された自家用車を調べたモーガンとJJは、車がハッキングされ、電子キーが無効にされていたことを突き止めた。

■第6の被害者

やがて第3の被害者メアリー・ハモンドが発見される。しかし今回、拉致・殺害されたのは、妻だけだった。ハモンド夫妻は毎週木曜に同じ店で食事をする習慣があったが、メアリーが拉致された日、夫は急な仕事で行くことができず、彼女はお店で待ちぼうけくらったのだ。これまでとは異なり、メアリーは監禁時間が短く、傷の数も少ない。その傷も全般的に浅く、最後だけは思い切り深くてほぼ即死だった。辛抱強い犯人が、夫と一緒になるのを待たずにメアリー1人を攫ったことも併せ、BAUは、犯人が既に別の男を誘拐していると考えた。そしてその推測を裏付けるように、さらに既婚女性エマ・チャーチルが消えた。「この犯行には第6の被害者。犯人にとって自分の結婚の失敗を思い出させるような男性が存在し、メアリー、そしてエマに対して同じ役割を果たすために生かされている。この第6の被害者の特定が犯人逮捕への近道になる」とBAUはプロファイルを発表する。

■被害者の車の走行履歴

ガルシアの調査で車がハッキングされたのは、拉致の3日前であることが判明する。被害者が車を修理工場や販売店に預けた記録はなく、犯人がどこで車をハッキングしたのかという疑問が浮上する。ホッチは自動車会社のCEOを集め、車の走行履歴の開示を要求する。ためらうCEOに対して、リードはカーナビの使用契約の際にユーザーは走行履歴の情報提供に同意させられていること指摘、ホッチは人命救助を理由にその場での承諾を迫る。こうして走行履歴を手に入れたBAUは、ハッキングされた日に、全ての車がスポーツ公園の駐車場に止められていたことを突き止める。第6の被害者も同じ場所で犯人に目を付けられた人物だと考えたBAUは、行方不明者リストのフィリップ・コナーという人物に着目する。彼の捜索願いが出されたのはメアリー拉致の直後であり、妻とは不倫の末の略奪婚と、犯人を刺激する要素が揃っているのだ。

■彼は被害者ではなく、犯人だ!

フィリップ・コナーの母親を訪ねたリードとブレイクは、彼もスポーツ公園にかよっていたが、それはトレーニングのためではなく、妻のマヤを監視するためであったことを聞く。マヤには何の落ち度もなかったが、略奪婚で彼女を手に入れたフィリップは、マヤがまた同じことをすると考えたのだ。フィリップは精神的に病み、自傷癖もあって、夫婦は既に別居中だった。その話を聞いたリードとブレイクは、フィリップが被害者ではなく、犯人であることに気づく。マヤが去ったことが犯行の引き金、そして3件目で夫を誘拐し損ねたために身代わりを演じ、もともと自傷癖のあるフィリップは、そこで新たな快楽に目覚めたのだ。監禁場所を突き止めるためにフィリップの経歴を調べたBAUは、彼がかつて勤めていたマクロプロセッサ工場が現在閉鎖中であることを発見する。しかし、追い詰めれば、フィリップはエマを殺害するに違いない。そこでブレイクは一計を案じ、妻のマヤを現場に伴う。フィリップはエマを盾にするが、マヤの説得に応じて投降する。

【格言】
「今年の自分と去年の自分は別人。それは愛する人も同じ。変わりゆく相手を、自分も変わりながら愛し続けられたら、幸運である」『月と六ペンス』などで知られる英国の小説家で劇作家サマセット・モーム(1874年1月25日-1965年12月16日)の言葉。

【ゲストスター】
ブレイクの夫ジェイムズを演じているのは、『スイッチ ~運命のいたずら~』で元メジャーリーガーの父親ジョンを演じているD・W・モフィット。フィリップ・コナーは『シークレット・サークル』でアダムの父親イーサンを演じていたアダム・ハリントン。

【イズラエル・キーズ】
アメリカのシリアルキラー。連続殺人、強姦、放火、銀行強盗などの容疑がある。最低でも3人、8人殺害の嫌疑がかかっているが、2012年に収監されていたアラスカの刑務所で自殺したため、犯行の詳細は明らかにされていない。リードが例にあげたのは、2011年のバーモント州エセックスでの、ビルとロレーヌのCurrier夫妻の殺害事件のこと。

【ナズ】
車の中でブレイクが無意識に口ずさむナズのヒップホップ。ナズは、14歳で学校をドロップアウト、ストリートでの生活に身を置きながら、独学で勉強をつづけ、18歳の時にメイン・ソースのアルバムでフィーチャーされ注目を集めた。リードがモーガンに無理やり聞かされたという『イルマティック』は、1994年にリリースされたナズのデビューアルバム。以降のアメリカ音楽シーンに大きな影響を与えたネオクラシックで、今秋には、発売20周年を記念したドキュメンタリー映画『Time Is Illmatic』が公開予定だ。

【ブレイク夫妻】
ブレイクの夫で国境なき医師団のドクターであるジェームズ。突然の帰国にブレイクは嬉しいと同時に、何かあったのではないかと不安ナ表情。我慢できずに、仕事場から時間を見つけ、ジョンに電話をかけて問いただしてみると、なんとハーバード大学から招聘されたというのだ。彼は「妻にも言語学教授のポジションを」と大学側と交渉、承諾を得たというのだ。仕事優先、ただし「夫婦に戻りたい」といつでも言える、というのが2人が結婚のときに決めたルールだった。しかし離れ離れなのもつらいが仕事にも愛着がある。メイヴとの別れを経験したリードは、そんなブレイクに、仕事に終わりはないが、幸せはなかなか見つからないとアドバイスする。事件解決後、救出され夫と抱き合うエマの姿を見たブレイクは、ジェイムズにこのまま仕事を続けたいと伝えるのだった。

2014.6.10|エピソード・ガイド|コメント(1)トラックバック(0)

5月27日(火)S8#21『子守キラー』

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■連続拉致殺害事件

カリフォルニア州ではこの5年、毎年同じ時期に、ベビーシッターと子供が誘拐される事件が起きていた。子供の方は24時間以内に返されるが、ベビーシッターは5月13日に遺体で発見される。死因は熱湯での溺死、遺体にはレイプや焼き痕など、激しい拷問の痕跡があった。最初の被害者だけは、拉致されたのも捨てられたのもグリフィス公園。その後は誘拐場所はカリフォルニア全域にわたるが、遺棄場所はLAだった。唯一、3人目の被害者タラ・リオスだけは、監禁場所から自力で逃げ出して保護されている。しかしモーガンとJJが認知面接を行ったが、トラウマが強すぎて犯人について何も聞き出すことができなかった。そして今年もまた犯行の季節が近づき、BAUは事件を未然に防ぐためにカリフォルニアに飛んだ。しかし、BAUが到着するよりも早く、LAでベビーシッターのジーナ・メンデスと2歳のフィービー・ペイトンが誘拐された。

■プロファイル

犯人はこれまで、死体を遺棄する5月13日にこだわり、この日の4日以上前には動いたことがなかった。しかし今回は二週間前に誘拐を決行。これまでなら24時間で返された赤ん坊も、一向に戻されない。犯人はなぜ、これまでこだわっていた手順を変えてきたのか……。フィービーには重い喘息の持病があって、吸入薬を与えないと生命に関わるために、現場には焦燥感が募った。フィービーを返さない理由に着目するBAUは、犯人の真のターゲットは子供の方で、ベビーシッターと子供の絆にも惹かれているのではないかと分析する。「犯人は白人男性。年に一度という犯行スケジュールを守る辛抱強さがあることから30代から40代。おそらくロサンゼルス在住。日中の人の多い公園で犯行に及んでいることから、社会性があり、人に警戒心を抱かせない。子供を失ったことにより長年ストレスと抱え、心の空白を埋めたいという父性願望に陥っている。ベビーシッターに対して激しい怒りをぶつける原因もそれだろう。大人に対しては情け容赦ないが、子供には極めて同情的」BAUはマスコミを集め、プロファイルを発表。さらにフィービーの両親のペイトン夫妻を記者会見に出し、犯人の父性に訴える作戦に出る。

■封印された記憶

一方、JJとモーガンは唯一の生存者タラ・リオスの元に向かっていた。シアトルで暮らすタラは、ようやく心的後遺症から立ち直りかけたところで、最初は事件について語るのを拒絶していた。しかしTVでペイトン夫妻の記者会見を見た彼女は、被害者のことを思い、協力を申し出る。JJとモーガンは、PTSDで封印された記憶を呼び戻すための治療EMDRを使ってタラの認知面接を行う。タラはそこで、犯人が子供を見て「妹を思いたした」と言ったこと、ロスコーという名前の大型犬を連れていたこと。そして、もうひとり金髪で、青いシャツを着たアリソンという女性が、同時に監禁されていたことを思いだした。やがてガルシアが、その女性は3年前にLAに出張中に行方不明になったアリソン・アスターであること、保存されている身元不明死体の中に、アリソンとおぼしき死体があることを突き止める。遺体はグリフィス公園に捨てられていたもので、腕の骨に大型犬による噛あとがあった。アリソンは元海軍の看護兵で、タラが誘拐されるのを目撃し、助けようとして拉致されたとBAUは推測する。

■犯人の過去

最初の被害者の拉致、ジーナとフィービーの拉致、アリソンの遺棄場所、そして犯人から逃げたタラが保護された場所を地理的プロファイルしたリードは、そのエリアにドッグパークが4つあるのを発見する。愛犬家の中に顔見知りがいると考えたBAUは、タラの証言から作成した似顔絵を持ち、公園とドッグパークで聞き込みを行う。その結果、ロットワイラー犬を飼っているジョニーという男性の名前が浮上。ガルシアは近隣の動物病院のカルテから、その男がジョナサン・レイ・コヴィーであることを突き止める。コヴィーは幼い頃に、喘息の妹を風呂場での事故で失っていた。原因はビーシッターの怠慢だが、裁判で無罪の判決が出たために、ずっと恨み続けていたのだ。ベビーシッターは6年前に病死し、復讐するチャンスを失った喪失感が、犯行の引き金となったのだ。そして、その妹が死亡したのが5月13日だった。コヴィーの自宅にモーガンとJJが急行。ジーナとフィービーは無事に保護され、逃げたコヴィーは銃撃戦の末にJJに射殺される。現場に駆けつけたタラは、犯人の死体を自分の目で確認する。ペイトン夫人は、そんなタラの元に近づき、感謝の言葉とともにタラを抱きしめるのだった。

【格言】
「子供は、大人の言葉ではなく、人となりから学ぶ」スイスの精神科医・心理学者カール・ユング(1875年7月26日 - 1961年6月6日)の言葉。 「たったひとりで生きていく……それは誰ひとりとしてできないこと」アメリカの詩人で作家マヤ・アンジェロウ(1928年4月4日-)の詩Aloneの一節。マヤ・アンジェロウは、20代前半までコックやバスガイド、ダンサー、ウェイトレスなどの職業を転々とし、30代で歌手・女優として認められ、その後文筆活動を開始。1969年に上梓した自伝『歌え、翔べない鳥たちよ』が高い評価を受けた。

【ゲストスター】
タラ役は、『ザ・ユニット米軍極秘部隊』のアニー役のヤラ・マルティネス。

【子守唄】
ジーナがフィービーに歌ってきかせている曲は、A la nanita nana。もとはスペインやエクアドルの古いクリスマス・キャロルのひとつだが、現在は子守唄として歌い継がれている。『チーターガール』から誕生した女性3人のユニット、チーターガールが歌ったことでも有名になった。

【EMDR】
Eye Movement Desensitization and Reprocessing(眼球運動による脱感作および再処理法)のこと。フランシーン・シャピロにより開発された心理療法で、PTSDを始めとして、パニック障害、恐怖症、解離性障害などに有効。左右に動くものを目で追う眼球運動を行いながら、過去の外傷体験を思い出させるというもの。

2014.5.27|エピソード・ガイド|コメント(3)トラックバック(0)

5月20日(火)S8#20『錬金術』

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■連続バラバラ殺人事件
リードは購読している地方紙の記事から、連続殺人事件を発見する。サウスダコタのパインリッジ先住民保留地と森林で、森林伐採業に従事する男性のバラバラ死体が発見されていたのだが、保留地がFBIの管轄であったため、関係性に気づかれなかったのだ。BAUは、被害者の年齢、身長、体重、肌の色が似通っていることから、誰かの身代わりと分析。森林伐採に嫌悪感を持つ、環境保護活動家、動物保護活動家。また被害者の背中に吸い出し療法の吸引カップとおぼしき痕が残っていたことや、死因がソラニン中毒であることから、薬草師や呪術医(シャーマン)の犯行も視野に入れて捜査が開始される。やがて新たな行方不明者の情報が入る。容姿は前の2人と似ているが、行方不明になったチャド・デュモンは観光に来た空軍大尉で、これによって犯行動機から、環境保護活動家や動物保護運動家の可能性が消える。やがて被害者の身体に残されていた吸玉療法が、生殖機能を高めるためのものであることが判明する。

■プロファイル
BAUはプロファイルをまとめる。犯人は妊娠を強く望む女性で、薬物によって被害者を支配下に置き、子供の代わりを手に入れるための生殖相手にしている。妊娠が目的であることから考えて、年齢は30歳以上で40代の前半まで。病的なまでの母性願望は、最近失った子供の代わりを求めているからと思われる。失った子供の父親はもう殺されているかもしれない。子供を失った原因は男の責任であると信じ、被害者たちに復讐している。遺体を切断したのは運びやすくするためだが、切断するにも運ぶにも、それなりの力が必要となることから、彼女には従順なパートナーがいる。これまで、被害者をパーティーやバーで誘いだし、48時間後に殺害している。チャドの失踪から30時間、彼はまだ生きているが猶予はない。

■子供を失った女
リードの熱意に動かされたFBI支局の捜査官が、12年前に保留地の呪術医に薬草術を学び、他の弟子にソラニンを盛ろうとして追放された人物がいることを掴む。非先住民のロジャー・ウィトコムという男だが、しかしウィトコムは2001年に転居し、それ以降のデータが何も発見されなかった。JJは、チャドが失踪当夜に、滞在先のモーテルをキャンセルしていること、他の被害者も宿や簡易施設での仮住まいであったから、犯人が滞在先を提供したと推測。ホテルの経営者で子供を失った人物を検索した結果、ホテル経営者を夫に持つテス・マイノックの名前が浮上する。彼女は3年前に5歳の息子アダムを亡くし、その命日の週に最初の事件が起きていた。アダムの父親はテスの元恋人で、ふたりがアダムを連れて湖にピクニックに行った際に口論になり、その間にアダムは湖で溺れ死んだのだった。

■洗脳
現在のテスの夫で、ホテルの経営者であるラウールには、2002年以降の記録しかなかった。モーガンは、ラウールとロジャー・ウィトコムは同一人物ではないかと推測する。主犯はテスではなく夫で、保留地に遺体を捨てたのは、12年前の追放の仕返しなのだ。テスはアダムを亡くした後に難病を患ったが、ラウールの治療で回復、その縁で彼と結婚した。ラウールは治療を通してテスを洗脳し、彼女を利用することで人を殺したいという昔からの夢を叶えているのだ。その頃ホテルでは、テスがラウールに対して不信感を募らせていた。これまでラウールの命じるままに従ってきたが、一向に妊娠の兆候はなく、さらに彼が従業員のアンバーを殺したことが引き金となった。薬を盛られ、朦朧としていたチャドだが、テスとラウールが揉めた隙をついて反撃にでる。そして、ふたりが揉み合っているところにBAUが到着。チャドは一命をとりとめるが、しかしテスは現場から逃走。もうアダムが戻ってこないことを確信した彼女は、息子が死んだ湖に身を投げて後を追った。

【格言】
「夢は、続く限り現実。我々も夢に生きている」ヴィクトリア朝時代のイギリス詩人アルフレッド・ロード・テニスン(1809年8月6日-1892年10月6日)の言葉。The Holy Grail and Other Poemsに収録された「より高き汎神論」の一節だ。
「泣くなとは言わない、涙が悪いものとは限らないから」英国の作家J・R・R・トールキン(1892年1月3日-1973年9月2日)の『指輪物語』の一節。この言葉は、長大な物語の最後、西の国へと旅立つ別れの場面でのガンダルフの言葉だ。

【マシュー監督作品】
今シーズン2話目のマシュー・グレイ・ギュブラー監督作品。ホラー的な味付けがマシューらしい持ち味。そしてメイヴの事件に苦悩するリードの姿が幻想的に描かれている。メイヴの夢を見るのが怖いから眠らない――。夢でメイヴに踊ろうと言われ、そして夢に身を任せると、永遠に彼女を失いそうで、だから無理に起きていると語るリード。クワンティコに帰る飛行機の中で、ロッシはそんなリードに、夢は錬金術と同じで、嫌なものを黄金に変えることができる、だから「成り行きに任せろ」と助言する。そしてその後、夢の中でメイヴに会ったリードは、メイヴの求めに応じてダンスを踊る。「記憶のかけらになる前に抱きしめて欲しい」というメイヴの最後の言葉が切ない。このシーンでかかる曲は、、アメリカ人兄弟のインストゥルメンタル・デュオSANTO & JOHNNY が1959年に発表した「Sleep Walk」。スティーヴン・キングが脚本の『スリープウォーカーズ』や、『12モンキーズ』や『ラ・バンバ』など、さまざまな映画でBGMとして使われ、ラリー・カールトンやジェフ・ベックなどさまざまなギタリストがカバーしている名曲だ。

【ゲストスター】
テスを演じているのはアンジェラ・ベティス。映画『尼僧の恋 マリアの涙』やサイコホラー映画『MAYメイ』で主演。2013年に公開された、26監督によるホラー・オムニバス映画『ABC・オブ・デス』の「Exterminate 駆除」では監督もつとめている。チャド役は、『アルカトラズ』でヒロインの祖父トミー・マドセンを演じたディヴィッド・ホフリンだ。

【ペルティエの件】
保留地がFBIに対して批判的である理由としてロッシが口にした「ペルティエの件」というのは、アメリカ先住民の人権運動家レナード・ペルティエの殺人容疑と逮捕のこと。ペルティエはアメリカインディアンの権利運動団体AIMのメンバー。1975年6月26日、FBIがAIMのキャンプを襲撃、銃撃戦となり、AIMの18歳の青年と、FBIの捜査官2人が死亡。FBIはペルティエを含むAIMのメンバーを指名手配する。ペルティエは逃亡先のカナダで逮捕され、現在も服役中だが、免罪を訴えている。事件に至るFBIの先住民に対する行動にはさまざまな問題があり、さらにペルティエ逮捕には法的手続きに問題があるとも言われている。現在、アムネスティなどの複数の人権擁護団体がペルティエの釈放を訴えている。

2014.5.20|エピソード・ガイド|コメント(5)トラックバック(0)

5月13日(火)S8#19『タイムカプセル』

19

■タイムカプセルに入れられた生首
1988年。コロラド州のブロンソン・スプリングスは、「未来の町賞」に選ばれ、その記念として裁判所の前の広場にタイムカプセルを埋めた。それから25年。いよいよ、そのカプセルを開く式典が行われたその時、中から出てきたのはミイラ化した人間の生首だった。被害者はウェイド・バーク。当時23歳で、大学を出て、親の経営するカーペット会社に入社したばかりの青年だった。そしてその2日後、今度は元保安官補チャーリー・フィグの首なし遺体が発見された。なんと、チャーリーとウェイドの首を切り落としたのは、同じノコギリだった。

■未来の町の裏の顔
市民の不安に応えタウンミーティングが開催されるが、その夜、地元新聞の編集長ワンダ・サリヴァンが殺害され、やはり首が持ち去られる。ワンダはこの町が「未来の町賞」の候補にあがっているというスクープをとり、さらに新聞で「事件簿」コラムを連載。町で起きた警察沙汰を全て記事にすることで、当事者に恥をかかせ、町の浄化に貢献してきた人物だ。しかし麻薬撲滅に熱心だった彼女の家の庭から、大麻を植えた植木鉢が見つかる。さらに最初の被害者のウェイド・バークも優等生と見られていたが、実際には、ひき逃げ事件を含め大学時代に6回逮捕されているのを、父親が金を使ってもみ消していた。家族思いと評判の保安官補のチャーリー・フィグも、実際には二重家庭生活を行うなど、私生活にいろいろと問題を抱えていた。つまり清廉潔白な表の顔と、もうひとつ別の裏の顔を持つ人間が殺されていたのだ。

■プロファイル
犯人は45歳から55歳の屈強な男性。偽善者と思える相手を襲っている。ウェイド・バークは表彰もされる模範学生だったが、その裏で何度も法を犯してはもみ消していた。ワンダ・サリヴァンは麻薬撲滅運動に熱心だったが、自宅でマリファナを栽培していた。チャーリー・フィグも法の執行官という立場にありながら、2つの家族を持っていた。町が、「未来の町」として表彰されたのをきっかけに、犯人は偽善者を罰しようと決意。被害者個々人ではなく、町全体に復讐を仕掛けている。タイムカプセルが25年間開かれないのを承知で首を入れた、桁外れの忍耐力を持ち、犯行の前にも入念に計画を練っている。根気強く、完璧主義。仕事はおそらく長い時間をかけて1人で作業する職人系。タイムカプセルの秘密を自分しか知らないという満足感が支えに、殺人衝動をコントロールしてきた。しかし、カプセルが開けられた瞬間に、殺人者として覚醒。今は、この町をパニック状態に置いたままにしようとしている。首を切ったのには理由があり、次のメッセージを準備している。

■被害者同士の接点:レイプ事件
被害者の接点を探っていたガルシアは、ウェイド・バークが行方不明になる1ヶ月前にレイプ事件を起こしたことを突き止めた。しかしこの事件は、ワンダのコラムにも掲載されていない。そしてその際に現場に駆けつけた警官がチャーリー・フィグだった。さらに第4の犯行が起きるが、その被害者であるトッド・バッカスは、事件の目撃者であると推測される。ウェイドの父親はレイプ事件もまた、金の力でもみ消したのだ。やがて当時の捜査資料から、被害者がリーアン・ティプトンという16歳の少女であること。さらに資料から、犯人は取り調べの一部始終を留置場から目撃していたであろうことがわかる。その夜、留置場にいたのは、器物損壊で一晩泊められたトーリー・チャップマンだった。チャップマンは家具職人。そして彼の妻こそが、レイプ事件の被害者リーアン・ティプトンだった。彼女を救うのは自分しかないという妄想を抱いたチャップマンはウェイドを殺した後、偶然を装いリーアンに近づき、そして結婚したのだった。

■リーアンのもうひとつの顔
その頃チャップマンは、夫が事件の犯人であることに気づいたリーアンを拉致し、裁判所に向かっていた。リーアンはチャップマンの行動を止めようとして、彼に驚くべき真実を告白する。それは、リーアンとウェイドは実は恋人同士で、レイプも喧嘩が発端で起きたことで、父親に事実を知られるのを恐れたリーアンがレイプだと嘘をついた、というものだった。信じていたリーアンにも裏切られたチャップマンは、裁判所に並べた被害者の生首を彼女に見せ、その前で、彼女の首も切り落とそうとする。一方、BAUは事件の供述書からリーアンの嘘を見抜いていた。そして、チャップマンの作業場から彫刻道具や文字型を発見したロッシは、裁判所に胸像が並んでいたのを思い出す。チャップマンは裁判所にいるとの連絡を受けたホッチ、ブレイク、リードが現場に急行。間一髪のところで到着。チャップマンは自分は心神喪失を理由で釈放される、もし釈放されないとしても、何年かかってもまた出てくると宣言し、BAUに投降する。

【格言】
「記憶とは何かが少なからず起きたときに残るもの」マルタ島出身の医師で作家のエドワード・デ・ボノ(1933年5月19日-)の言葉。既成の理念や概念にとらわれずに物事を解決する思考方法である「水平思考」の提唱者として知られる。
「現在も未来もない。あるのは過去だけ。それが今、何度も繰り返されているのだ」ノーベル文学賞も受賞したアメリカの劇作家ユージン・オニール(1888年10月16日-1953年11月27日)の言葉。

【インターバルの長いシリアル・キラー】
「縛るbind」「拷問torture」「殺すkill」の頭文字からBTKと自称したデニス・レイダーは、1974年にカンザス州のウィチタで一家4人、3ヶ月後に21歳女性を刺殺、それから3年沈黙し1977年に活動再開2件の殺人を犯したが、その後再び沈黙。2004年に、1986年、1997年に殺人を行ったという声明を新聞社に送り、そこから足がついて逮捕された。“ミルウォーキーの食人鬼”ことジェフリー・ダーマーは、1978年の最初の犯行の後9年間沈黙、1987年からは立て続けに犯行を行った。キーストン・キラーはシーズン1の15話「蘇ったシリアル・キラー」に登場した殺人鬼。初期の犯罪から18年のインターバルをおいて、犯行を再開した。ゾディアックは1968年から1974年にかけて5人を殺害(自称37人)。その後、犯行が止まっている。

【BGM】
エンディングで流れるのは、2005年にデビューしたアメリカのシンガー・ソングライターDrew Holcomb and the Neighbors のTOMORROW。2013年のアルバムGood Lightに収録されている曲。美しいメロディーと語りかけるような歌い方で、わたしたちはいつも明日を待っていると歌っている。

2014.5.13|エピソード・ガイド|コメント(1)トラックバック(0)

5月6日(火)S8#18『光と影』

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■空をみあげろ
モーガンの故郷のシカゴで、相次いでふたりの男性が殺された。一人目は修理業のマイケル・クローリーで深夜のジョギング中に、コンビニ店主のアンソニー・ランゴは閉店準備をしていたところを襲われた。後頭部を鈍器で殴り、相手を支配した後に拳で連打。レイプの痕跡はないが、ズボンと下着が足首までおろされていた。「手口の暴力性からみて、犯人は怒りに満ちており、犯行はこれでは終わらない」というBAUの分析を裏付けるように、シカゴに到着するやダイナーの前で3人目の遺体が発見される。現場に向かったJJは、殺害現場のゴミ箱に「空を見上げろ」という落書きを発見する。そして同じ文言は他の現場にも残されていた。

■カール・ビューフォード
子供のころ、ユースセンターの所長カール・ビューフォードに性的な虐待を受けていたモーガン。なんと「空を見上げろ」というのは、ビューフォードが猥雑行為を行うとき、子供たちに言っていた言葉だった。モーガンはチームに、過去をカミングアウトする。ビューフォードは2006年に殺人罪で逮捕され、現在は終身刑で服役中だ。虐待は時効が成立していたために罪には問えなかったが、被害者はかなりの数に及ぶと見られた。「犯人は30代後半から40代前半の黒人で、サウスサイド出身。子供の頃、ユースセンターに通い、性的虐待を受けた被害者のひとりだ。虐待を受けたという怒りを消化できずに、何かのきっかけで爆発。トラウマにより境界性人格障害を発症、またアルコールか薬物を濫用しているために、行動は予測できない」というプロファイルを発表する。

■虐待者リスト
ビューフォードの虐待被害者の洗い出しは難航した。モーガンは6年前の事件で知り合ったジェームズに話を聞こうとするが、プロフットボール選手を目指す彼は、過去のことを掘り返して欲しくないと、証言を拒絶する。リードとJJはユースセンターの資料に当たるが、ビューフォードが逮捕前に処分したのか、情報が不十分で虐待を受けた人物をピックアップすることができない。そうこうする内に、4人目が殺害され、時間的な猶予はないと考えたモーガンは、ビューフォード本人から聞き出すことを決意。ホッチと共に刑務所に向かう。モーガンはビューフォードから、免責を引き換えに、膨大な被害者のリストを受け取る。そのリストと、ユースセンターの資料、そして犯罪歴などを照合した結果、DVや加重暴行で逮捕歴のあるケロン・ベンダーの名前が浮上する。しかし逃走しようとする彼を捕らえたが、ただの麻薬常習者でしかなかった。

■ロドニー
モーガンに説得されたケロンは、リストにはない、意外なビューフォードの被害者の名前をあげた。ロドニー・ハリス。モーガンを目の敵にしていた、ギャングでも一番のワルだ。やがてガルシアの調査で、最初の被害者クローリーがロドニーの息子の水泳コーチであること、コーチの立場を利用して息子にイタズラをしていたことが判明する。クローリー殺しは復讐だが、それが引き金となってトラウマが蘇ったロドニーは、ビューフォードの身代わりに、彼を連想させるような人間を殺しはじめたのだ。BAUは、ロドニーの携帯のシグナルを追跡、別れた妻の家にいることを突き止めると、現場に急行した。ロドニーは妻子を人質に立てこもるが、「息子の人生を台無しにしたいのか?」というモーガンの説得と、息子の「愛してる」という言葉を聞き、銃をおろして投降する。

【格言】
「私は死んでいる。私を蘇らせるのは復讐のみ」アメリカのファンタジー作家テリー・グッドカインド(1948年-)の言葉。《真実の剣》シリーズの第2部『魔石の伝説』の中のヒロイン、カーランの言葉。
「光が修復できないものを、闇が蘇らせる」ロシアの詩人ヨシフ・ブロツキー(1940年5月24日-1996年1月28日)の言葉。1972年6月4日にソ連から国外追放され、1980年には米国の市民権を得た。その後1987年にノーベル文学賞を受賞。紀行文『ヴェネツィア―水の迷宮の夢』などが翻訳されている。

【疑惑のプロファイラー】

今回の事件の根底にあるのは、シカゴのユースセンターの所長、カール・ビューフォードが子どもたちに行っていた性的虐待だ。詳細は第2シーズンの12話「疑惑のプロファイラー」のブログをお読みください。

【ピーチコブラ】

アメリカの家庭で作られる定番スイーツ。桃を切って砂糖などをかけて焼き、さらに上にビスケット状の生地をのせて焼いたもので、果物はブルーベリー、りんご、プラムなど、焼いても美味しい果物ならなんでも材料になる。それってクランブル? と思って調べてみたんですが、どうやらクッキー生地がそぼろ状だとクランブル、板状だとコブラと呼ぶようです。

【モーガンと虐待】
6年前には誰にも何も打ち明けず、全てをひとりで解決しようとしたモーガンだが、しかし今や、過去を恥じるのではなく、それを乗り越えてきた自分と、そして自分を支えてくれる仲間を信じられるようになったモーガンは、皆にビューフォードに虐待された過去を語る。しかしそれでも、刑務所でビューフォードに握手を求められ、トイレで嘔吐する。ロドニー逮捕で全てが終わるわけではない。虐待による心の傷を身を持って知っている彼は、TVカメラの前でカミングアウトし、同じ虐待を受けた被害者に強くなるように語りかける。その姿にジェームズやケロンをはじめ、多くの人々が感銘を受けた。しかしこの会見を目にしたのは、街の人々だけではなかった。アメリカの刑務所では、児童に対する性的虐待犯は他の囚人より制裁を受ける事が。そしてビューフォードもまた刑務所で他の囚人に囲まれ、リンチの末に殺害されてしまう。飛行機の中でビューフォードの死を知らされたモーガン、そして瞬時に何が起きたか悟ったであろうチームのメンバーたち。エピローグ。修復されたフラットの窓から空を見上げるモーガンの、ガラスに映る祈るような表情が印象に残ります。

2014.5. 7|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

4月22日(火)S8#16『レプリケーター』

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■レプリケーターからの挑戦
クワンティコの受付に、JJ宛の花束が届いた。添えられたカードの言葉は「ツークツワンク」。メイヴの事件でリードにかかってきた電話の言葉だ。当時は、犯人のダイアンからの電話だと思われていたが、実はBAUを付け狙う模倣犯「レプリケーター」からのものだったのだ。花束を届けたのは地元のフラワーショップだが、支払いに使ったカードは盗まれたもの、注文はフィラデルフィアからプリペイド携帯からと、残念ながら、花束から犯人につながる情報はほとんどなかった。レプリケーターによる犯行の最初はダラスだ。サイレンサー事件の1ヶ月後に、口を縫い合わされた死体が発見された。次はニューメキシコ近くの国境で、他人の足を縫い付けられた男性の死体が、そして3件目は人間マリオネットにされた遺体が、フェニックスで発見されている。そしてさらに今朝、フィラデルフィアで、血を抜かれ、まぶたが切り落とされた女性の死体が発見されたのだ。

■復讐?
これまで、レプリケーターの犯行は、オリジナルの事件と同じ場所で行われてきた。しかし、今回はオリジナルはサンフランシスコで起きたにもかかわらず、なぜかフィラデルフィアで発生。これまでの模倣から進化し、犯人がルールを変えてきたということなのか……。さらにチームがフィラデルフィアに到着する前に、新たな遺体が発見される。そしてまた、間をおかずして、公園で3人目の遺体が発見される。なんとその遺体には、隠し撮りしたホッチの写真がのせられていた。レプリケーターの目的はFBIへの挑戦や愚弄ではなく、復讐心によるものだ。そう考えて、復讐の原因の分析にとりかかったBAUは、殺された3人共が看護師の経験者であることに着目。過去の看護師絡みの事件を洗いなおしたガルシアは、BAUが15年前に担当したピッツバーグでのナース連続殺人へと行き着く。

■誤認逮捕
「犯人は40代から50代の白人男性。犯罪や法医学に詳しいので、犯罪歴があるか、捜査方法を学んだもの。犯人はBAUのチーム全員をストーキングしており、国中を動き回る時間と手段を持つ人物。足取りを残さずに捜査の手を逃れる知恵もある。始まりは15年前のピッツバーグ。4人の看護師を殺した犯人のジャック・リー・ケンパーは最近死刑になっているため、死刑になったことへの復讐か、あるいは彼を無罪だと信じている人物、ケンパーの家族や知人、もしくは解決が遅すぎたという恨みも考えられる」というのは、この地点でのBAUによるプロファイルだ。しかしケンパーの周囲をいくら洗いなおしても犯人につながる人物は出てこない。捜査が暗礁に乗り上げたと思われたとき、当時を知るロッシが、この事件で容疑者として勾留されたドニー・ビドウィルのことを思い出した。ビドウィルは誤認逮捕だったが、実名が公表されたために仕事も失い、さらにそのことがもとで酒場で絡まれ重い障害まで負っていた。やがて家族ともうまくいかなくなった彼は、2、3年前に妻と別居、5ヶ月前には離婚が成立していた。引き金はケンパーの死刑ではなく、この離婚だったのだ。地元警察とBAUはビドウェルの自宅に急行、ビドウェルはリッゾ刑事に向かって銃を撃つが、モーガンの機転で事なきを得、逮捕される。

■ツークツワンク
しかしBAUは逮捕後のビドウェルの態度に疑問を抱きはじめる。自宅からBAUの写真や、まぶたが発見されるが、部屋は散らかっており、で緻密なレプリケーターのプロファイルと合致しないのだ。JJとブレイクが子供の話から突破口をひらき、ビドウェルの証言を引き出すことに成功。しかし彼は、看護師殺しに関しては認める発言をしたものの、他の事件のことを聞くと態度を一変、露骨に動揺して電話と弁護士を要求する。そして電話を1本かけたのち、痙攣を止めるための薬を大量に服用し、自殺してしまった。ビドウェルは操られていただけで、真犯人は別にいる。そう考えたBAUはガルシアにビドウェルの電話とメールの記録の再調査を指示。ガルシアは彼がこの半年、毎月同じ日の同じ時刻にプリペイド携帯から電話を受けており、その携帯の支払いは、花束の支払いと同じカードで行われていたことをつきとめる。そして、携帯の電波から犯人の居場所を割り出したBAUは、現地の警察と協力し、その所在地に突入。しかしそこにはすでにレプリケーターの姿はなく、新たな模倣殺人の被害者と、壁一面に貼られたBAUのメンバーの写真、そして「ツークツワンク」の文字だけが残されていた。

【格言】
「模倣とは最も偽りのないへつらいである」英国の作家チャールズ・ケイレブ・コルトン(1780-1832)の言葉。

【ゲストスター】
ドニー・ビドウェル役は、歌手で俳優のスコット・グライムス。『ER緊急救命室』の10シーズンから登場したアーチー・モリス医師役で知られ、『ER』ではドラマの中で何度かその歌声も披露している。リッゾ刑事役は、『ザ・ソプラノズ/哀愁のマフィア』のブライアン、『リゾーリ&アイルズ』でリゾーリの幼なじみのジョバンニを演じたマシュー・デル・ネグロだ。

【レプリケーター】
リードがいきなり犯人に命名したこの言葉、「複製子」という英語なんですが、でもこの言葉を口にしたのはリード。リードといえば『スタートレック』! その『スタートレック』の中では、料理をはじめとして、分子を材料として実物とほとんど変わりのないコピーを作り出す架空の装置のことを、レプリケーターと呼んでいる。

【フィッシャー・キング】
シーズン1からシーズン2にかけて連続で放映されたエピソード『地獄からの挑戦状』の犯人のこと。

【ストラウスとブレイク】
ストラウスは、炭疽菌事件の際に誤認逮捕の矢面にブレイクをたたせ、彼女ひとりに責任を負わせた過去がある。そのことをずっと気に病んでいる様子で、ブレイクに幾度も話しかけ、「償いを形にしたい」と語っている。犯人ビドウェルは、かつてFBIに誤認逮捕され、それがもとで全てを失い、今回の犯行に及んだ。起きてしまったことの「償い」というのは、ストラウスの言葉ではないが、簡単なことではない。さて、登場した頃はBAUのチームと真っ向から対立、プレンティスをスパイのようにチームに送りこんだ経緯などもあるストラウスだが、アルコール依存症の問題や、ロッシとの密会もあって、その関係は少しずつ改善されている。そして今回のエピソードの中では、上層部が捜査からBAUを外そうとした際に、ホッチの判断を全面的に受け入れ、「じゃあ長官にこう言うわ。彼らを外したかったら、わたしをクビにするか殺してくれってね」と発言。このままチームと連携できる頼もしい上司になってくれるのかな。

【BGM】
レプリケーターがかけている曲は「ジャスト・イン・タイム」。チャップリンの長男、シドニー・チャップリンが主演したミュージカル『Bells are ringing』で歌われた曲で、その後、ディーン・マーティンとジュディ・ホリデイ主演の映画の中でも歌われている。ディーン・マーティンをはじめフランク・シナトラなどいろんな歌手が歌っているが、使われているのはアメリカで最高の男性歌手と言われるトニー・ベネット・バージョン。隠し撮りの写真、ツークツワンクという赤い文字、死体。不気味な部屋とは対照的な明るい声は、ちょうどいい時にあなたに会えた、と素敵な人と人との出会いを歌っている。

2014.4.22|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

4月15日(火)S8#15『622』

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■連続誘拐殺人
テキサス州オースティンで、1週間に3件の拉致事件が発生した。最初は大学生のクレイグ・ピケット。寮のパーティの最中に消え、翌朝、駐車場で死体が発見された。死因は鈍器による殴打。2人目はヘザー・ウィルソンで、お見合いパーティの会場から消え、刺殺されて発見された。そして昨夜ミシェル・ブラッドリーが結婚祝いのパーティの途中に姿を消した。被害者に接点はなく、遺体で発見された2件とも過剰殺傷で、クレイグは顔がへこむほど殴られ、ヘザーは時計以外の衣服を剥ぎ取られ、女性器が切られていた。やがて道路脇に捨てられたミシェルの遺体が発見される。ミシェルの死体も、ヘザー同様に時計だけを身につけていたが、友人はそれはミシェルの時計ではないと証言する。また、検視によってクレイグは殺された後に服を着せられていたことがわかり、BAUは犯人とクレイグは顔見知り以上の関係と分析する。寮の部屋を見たブレイクは、クレイグがゲイであったことを知る。やがて4人目の被害者が発見された。被害者はダグ・ウォーン。ボストン出身の会計士で、鈍器で後頭部を殴り、その後男性器を刺し、さらに顔を潰していた。彼の時計も時間がずらされており、被害者の腕時計を調べたリードは、全ての時計が犯人によって6:22にずらされていたことを突き止める。

■プロファイル
犯人は20代半ばから後半の白人男性。同性愛者であることに悩み、しかし同性への欲望を打ち消すこともできず、性衝動を抑えこんでいた。ところが最初の被害者であるクレイグ・ピケットに会い、欲望に負け、その同性とのセックスが犯行の引き金となった。セックスによるセロトニンの上昇とセックス後の急激な下降は、男性を落ち込ませるが、彼の場合、そこに同性に魅力を感じるのは間違いであるという思い込みが加わり、相手の男性に衝動的な暴力を振るった。そして精神状態が落ち着くと、今度は自分を正そうとして女性と関係を持とうとする。しかし女性では性的な興奮を得られない彼は、原因が彼女たちにあると考え、怒りをぶつける。この堂々めぐりは、長年にわたる精神的・肉体的虐待が原因であり、犯人は崩壊した家庭で育ち、父親か母親の支配のもとで虐待を受けていたと考えられる。犯人は女性とのセックスに失敗したり、男性への欲望に屈したりするごとに、より絶望し、犯行を重ねる。――BAUのまとめたプロファイルは以上の内容だった。

■転向施設
「6:22」とは何を意味するのか。ガルシアが日付、聖書で検索をかけたが、それらしい情報は発見されなかった。しかし聖書と同性愛というヒントを得たリードは、時計のメッセージは「18:22」で、聖書の「レビ記18章22節」が同性愛を戒める文言であることを指摘。近隣の同性愛転向施設を調べたところ、郊外のキャンプ・ウィリングが、この聖書の文言を使用していることがわかる。キャンプに事情聴取にでかけたJJとブレイクは、人間を画一的なものにしようとするキャンプの姿勢、そして上級セラピーという名の人権侵害が行われているであろうことに嫌悪を覚える。またキャンプでは、入所者全員にミシェルがつけていたものと同じ時計をさせていることも判明する。ガルシアがキャンプの入所者と、被害者の接点を調べた結果、2003年にキャンプに参加したミッチェル・ルイーズが4人目の被害者ダグ・ウォーンの同僚であることが判明。そのミチェルも職場からダグの家に向かったまま消息を断っていた。

■虐待、そして復讐
ミッチェルの過去を調査したガルシアは、彼の両親が、キャンプ入所から3週間後に、娼婦のイザベラ・グラントのダミー会社に定期的な支払いを行っていることを突き止めた。刑務所に収監中のイザベラと面会したホッチは、イザベラの司法取引要求を拒絶、彼女の目の前で行動を分析してみせる。イザベラは施設の求めに応じで、少年たちと性的な関係を持ち、そしてその行為を両親に見せ、共犯者とすることで、告発されないようにしていたのだ。ミッチェルと同時期の入所者でかつイザベラに金を振り込んでいた者、でダブル検索をした結果、ミッチェルの学校の同級生ポール・ウェスティンの名前が浮上する。その頃、ポールは彼のことを心配してやってきたミッチェルを連れて、父親の家に復讐に向かっていた。しかし父親とポールがもみ合い銃が暴発、ミッチェルが銃弾に斃れた。絶望したポールは、父親を殺し、さらに自殺しようとする。そこにポールが父親への復讐に向かうであろうと分析したBAUが到着。ポールは、「生きて証言者となり、今も苦しんでいる他の被害者を助けろ」という説得に応じて投降する。やがて彼の証言からキャンプに強制捜査が入り、虐待の実態が暴かれることとなる。

【格言】
「世界は全ての人を壊し、多くの人は壊された場所が強くなる」アメリカの作家アーネスト・ヘミングウェイ(1899年7月21日-1961年7月2日)の小説『武器よさらば』の一節。

【聖書】
「女と寝るように男と寝るのは恥ずべきことだ」というのは「レビ記」の18章22節。「レビ記」は旧約聖書のひとつで、成立については諸説あるが、神がシナイ山でモーセに語った内容とされ、律法として尊重されてきた。18章は性的な戒律を記しており、22節は同性との関係を戒め、他にもこの章では近親者や獣と性的関係を結ぶことを禁じている。
 ロッシが語った「新しい掟を授けよう。互いに愛しあいなさい。わたしがあなたを愛したように。互いに愛しあうのです」は、「ヨハネ書」の13章34節。ヨハネ書は新約聖書のひとつで、この部分は最後の晩餐でのイエスの言葉を記している。

【バスルームに虎】
「明日の朝は、バスルームに虎でもでるんじゃないの?」というのは、低予算ながら大ヒットした人気コメディ映画『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』のネタ。一晩羽目を外して飲み潰れ、翌朝目覚めてみると、室内には鶏、バスルームには虎、クローゼットには見知らぬ赤ん坊がいて、さらに肝心の花婿の姿が消えていた……という展開。

【ゲストスター】
ポール役は、『4400未知からの生還者』ショーン・ファレル役、現在は『シカゴPD』に出演中のパトリック・ジョン・フリューガー。

【全員集合】
授業中のブレイクへの呼び出しの発信者はガルシア。画面には「AVENGERS ASSEMBLE」。「全員集合!」と伝えるこの文言は、アメコミのヒーローもの『アベンジャーズ』のキャッチフレーズだ。ところでこのときのスマホの画面は8:16。日本の大学はたいてい9時始業だが、アメリカの学校は朝が早く、7:30始まりのところが多いそうです。

2014.4.16|エピソード・ガイド|コメント(1)トラックバック(0)

4月8日(火)S8#14『姉妹』

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■娘たちが消えた
ソールズベリーの911に、取り乱した男の声で電話が入った。男は「娘たちが消えた」と訴えて助けを求めるが、娘たちの姿を最後に見たのは36時間も前で、不審な部分が多々見受けられた。さらに彼は、1年前にも同じように911に電話をして、「妻が消えた」と訴えていることがわかる。このときもやはり失踪から2日目の電話で、未だに妻は見つかっていない。男はブルース・モリソン。作家で大学教授。妻のジュディが仕事の同僚ジェフ・ゴッドウィンと不倫関係にあったこともあり、ブルースに容疑がかかったが、証拠不十分で逮捕には至らなかった。ブルースはその後、事件のショックで大学も休職、17歳のセラと13歳のケイティの面倒を見ながら暮らしてきた。彼は果たして連続犯罪の被害者なのか、それとも犯人なのか……。BAUは急ぎ現地に飛んだ。

■犯人はブルース?
ブルースはいまだに妻の場所をあけてベッドの片側に寝ており、ジュディの私物もそのまま残している。その様子は、妻の帰りを待ち続けている誠実な夫のそれだ。しかしその一方で、空白の1日に関しては記憶がないと言い張るばかり。娘たちが消えた後、捜索したが所持しているはずのショットガンと38口径の銃の所在も不明だし、彼のシーツと靴からは硝煙反応もでた。さらに近隣の住人の証言から、ブルースは飲んだくれで、娘たちが消えた月曜の夜にも、父娘が言い争っていたこともわかる。やがて、捜査陣の祈りも虚しく、妹ケイティの遺体が川辺で発見される。ケイティの死因は鈍器による殴打で、死んだ後に川に投げ込まれていた。彼女の爪の間から皮膚が見つかり、そして、ブルースの腕には爪による防御創が残されていた。しかし、やはり本人は、それがなんでついたのか覚えていないと言うばかりだった。

■二重人格の発現
姉妹のメールを調べるガルシアは、セラがジュディの不倫相手でサッカーコーチのジェフと始終メールのやりとりをしていたことを発見する。そのことを問い詰められたジェフは、ブルースがアルコール依存症で、家族に暴力をふるっていたために、相談を受けていたと証言。その後、ケイティが虐待ホットラインに電話をしていたことも確認される。そして、その事実を突きつけられたブルースは、いきなり豹変、粗暴な態度を見せた。なんと彼は解離性同一性障害で、別人格が発現したのだ。ジョニーと名乗るその人格は、娘たちを川辺の廃屋に連れだして、懲らしめたと語る。現場に急行した捜査陣は、雨の中、ショットガンを手に森をさまようセラを発見。怯えるセラの顔は殴られ、腫れ上がっていた。

■JJの違和感
子どもの頃に、姉を失った過去のあるJJは、妹を失ったセラに自分を重ねて同情していた。しかし、自宅までセラを送り届けたところで、彼女の様子にどうしようもない違和感がある。姉妹を亡くしたというのに、セラが妙に落ち着いているのだ。不審に思い、モリソン家の物置を調べたJJは、セラが犯人であるという確信を抱く。また母親名義で入手していた父親の抗酒剤を、セラが打ち切っていたことも判明。ジェフに接触したのも、妹に虐待ホットラインに電話させたのも、妹の誕生で愛情を奪われたと思い込んだセラが仕組んだ策略だったのだ。JJが気づいたことを察知したセラは、JJに銃を向け「PTSDであんたの銃を見て怖くなったの」と言いのける。そこにモーガンとリードが到着。モーガンの説得に、傷ついた演技を続けながらも仕方なく銃を下ろしたセラは、そのまま後ろ手に手錠をかけられ連行される。物置でJJが発見した箱には、犯罪の記念品である、母親が消えた日で開かれたスケジュール帳には、母親のネックレスが挟まれていた。

【格言】
「愛に自然死はない。無知、思い違い、裏切りによって愛は死ぬ。疲れ果て、力尽き、輝きを失って息絶えるのだ」フランス生まれの作家アナイス・ニン(1903年2月21日-1977年1月14日)の言葉。11歳から数十年書き続け、銀行家であり芸術家でもあるヒュー・パーカー・ギラーと森林監督官のルパート・ポールとの重婚、ヘンリー・ミラーの愛人であったことなどを綴った日記や、性愛小説、自由奔放な生き方で知られる。
「つらい思い出にしろ、楽しい思い出にせよ、とらわれていては誰も幸せになれない。それがこの世の悲劇」物理学者で作家アラン・ライトマン(1948年11月28日-)の小説、『アインシュタインの夢』の一節。

【トーマス・ギブソン監督作品】
今回のエピソードは、ホッチ役のトマス・ギブソンの監督作品。彼はシーズン9の16話でもメガホンを握っている。マシュー・グレイ・ギュブラー同様に、毎シーズン恒例企画になる?

【ゲストスター】
父親役のケン・オリンは、『ヒルストリート・ブルース』のハリー・ガリバノレディ役で注目され、現在は俳優と同時に監督・総指揮も勤める実力派。『ブラザーズ& シスターズ』では総指揮とヴィッド・カプラン役、『エイリアス』の総指揮、『スリーピー・ホロウ』の監督などで知られる。フリードマン刑事役はキース・ザラバッカ。『エンジェル』のシーズン3で、エンジェルの敵として登場するバンパイア・ハンターのダニエル・ホルツ、『コールドケース』では嫌われ役のドーティ副本部長などを演じている。

2014.4. 9|エピソード・ガイド|コメント(6)トラックバック(0)

4月1日(火)S8#13『血の肖像』

13

■血を抜かれた死体
サンフランシスコで、ビニールに包まれた遺体が2体発見された。1人は40代の白人男性で、職業はヘッジファンド・マネージャー。もう1人は大学に入ったばかりの若い黒人の女性で、バイトを掛け持ちする苦学生だ。被害者は、人種、性別、生活レベルなどすべて異なるが、2人とも生きているうちに血液の大半を抜かれ、遺体には血液が半リットルも残っていなかった。拷問の一種か、血への執着か、吸血行為のためか。犯人の意図が解けないまま、さらに第3の被害者が発見される。その遺体は、血が抜き取られているだけではなく瞼が切り取られていた。さらに検視で、被害者の血中から麻酔用のケタミンが検出され、吸血行為の可能性は消去された。

■そのころリードは……
メイヴの死から2週間が経過したが、リードは未だそのショックから立ち直ることができず、仕事も休み、部屋に閉じこもっていた。ガルシアやJJは、幾度も彼の部屋に足を運ぶが、扉は閉ざされたまま。モーガンも何度も電話をしていたが、応答はなかった。ところが、モーガンがサンフランシスコから事件の概要をリードの留守番電話に吹き込むと、リードから間髪を入れず、折り返しの電話が入った。リードは、犯人が眼球を傷つけないようにしているならば、それは被害者の視線が大事なのだと指摘、事件以外の話は避けるように電話を切った。翌日さらに4人目の遺体が発見される。リードの助言をふまえて、遺棄現場を検証するブレイクは、無理やり開かれた被害者の視線の先に、石像があることに気づく。これまでの遺棄現場も全て、絵や壁画など芸術作品のある場所だった。

■プロファイル:血のアート
「犯人は20代から30代の白人男性。アートに取り憑かれ、自分を画家か、芸術家だと思っている。遺体遺棄現場のアートは、いずれも見向きもされないようなものばかりで、これは犯人自身を象徴している。瞼を切り取ったのは、自分の見ているものを被害者に無理やり見せようとしたから。そして、抜き取った血は、アートを作るための絵の具代わりにつかわれている。犯行のペースが早いのは、作品を描けば描くほど、認められるチャンスが増えると思い、絵の具を必要としているからだ」というのが、BAUがまとめたプロファイルだった。

■血への衝動
やがて画廊に血で描いたアートを持ち込んだ人物がいることが判明する。その絵は最初の被害者を描いたものだった。買い手からその絵画を押収・分析したところ、絵の具にした血液から白血球や血漿が取り除かれていた。いったい何のために? 全員が首を傾げたそのとき、2週間ぶりに部屋を出たリードがサンフランシスコに到着。犯人は血友病患者で、白血球や血漿を取り除くのは習慣によるものではないか、血への執着の強さから鑑みるに、血友病患者のなかでも重篤なクリスマス病ではないかと指摘する。さらにBAUは、被害者の血液型が全員違うことから、犯人はどの血液型にも適応できるAB型であると推測。ガルシアの調査と絞り込によって、ベイエリアの美術館の管理事務所に勤めるブライアン・ヒューズの名前が浮上する。その頃、画廊経営者のマディソンが行方不明という情報が入った。彼女の画廊には争った痕跡があり、壁には血の絵画がかけられていた。ブライアンは自分の絵を認めてくれなかった彼女を拉致し、瞼を切り取って無理やり全てを見せようと考えたのだ。ブライアンのナイフがマディソンに向けられたまさにそのとき、BAUが到着。抵抗したブライアンは射殺され、間一髪のところでマディソンは救出された。

【格言】
「私の血を奪うがいい。ただ、長く苦しませないでほしい」フランス国王ルイ16世の王妃マリー・アントワネット(1755年11月2日-1793年10月16日)が1793年10月14日の革命裁判で述べた言葉。
「忘れることより、やり直し方を学ぶことの方が、時には難しかったりする」作家でブロガーのニコール・ソボンの言葉。

【ゲストスター】
ブライアン役はジョン・パトリック・アメドリ。『ゴシップ・ガール』のシーズン2でセリーナがつきあってたアーロン・ローズを演じていた(そういえば彼もアーティストでしたね)。画廊のマディソンは、『メルローズ・プレイス』レクシー・スターリン役のジェイミー・ルナーだ。

【ハノーファーの吸血鬼】
1919年から1924年6月までに、有罪と認定されたものだけでも24人を殺害した、ドイツのハノーファ出身の殺人鬼フリッツ・ハールマンの別名。ハールマンは、ハノーファー中央駅で若い男性浮浪者や男娼を物色、自分のアパートに誘い、男色行為中に犠牲者の喉を噛み破って殺害した。1924年12月19日に有罪判決を受け、1925年4月15日早朝にハノーファー地方裁判所の刑務所でギロチンによる斬首刑に処された。ハールマンは殺した人間の肉を市場で豚肉と偽って売っていたという噂もある。

【マグナム・オーパス】
今回のエピソード、原題はマグナム・オーパス。ラテン語で「最高傑作」を意味する。

【リードの復帰】
メイヴを失ってから2週間。食べ物や花を入れたバスケットを扉の前に置くガルシアにも、出勤前に様子を見に立ち寄るJJにも、そして何度も何度も留守番電話にメッセージを入れるモーガンにも返事をせず、悲しみの殻に閉じこもるリード。そんな彼の心の扉を開けたのは、モーガンの捜査に関する質問だった。事件の資料を取り寄せたリードは、部屋を出て、サンフランシスコでチームに合流する。彼を迎える仲間たちの優しい表情、なかでもヘイリーを失ったホッチとの会話が切ないですね。そして事件解決後、リードはモーガン、JJ、ガルシアに手伝いを頼み、荒れ果てた部屋を片付ける。決して忘れることはできないが、こうやって、少しずつ整理して乗り越えて行くのでしょうね……。

2014.4. 2|エピソード・ガイド|コメント(6)トラックバック(0)

3月25日(火)S8#12『ツークツワンク』

12

■謎の電話
リードとメイヴが定期連絡を取り合う日曜日。リードが、いつものように公衆電話でメイヴからの折り返しを待っていると、「アダム・ワース」と名乗る人物からコレクトコールが入った。電話の相手は、変声機を通した声で「ツークツワンク」とだけ告げ、一方的に電話を切った。アダム・ワースはモリアーティ教授のモデルで、「ツークツワンク」はチェスで身動きすると詰んでしまう状況を指す。リードはメイヴがストーカーの手におちたこと、そして電話は、犯人からの「降参か、死を覚悟でつづけるか」というメッセージだと確信。ホッチとBAUに助けを求めた。

■メイヴの婚約者
リードはメイヴの顔も本名も知らなかったが、やがてガルシアの調査で、彼女はメンデル大に務めるメイヴ・ドノヴァン教授で、10ヶ月前から大学は休職中であること、両親が買った倉庫に隠れ住んでいることが判明する。モーガンとJJが向かったメイヴのロフトには、誰かと争った様子が残されているが、押し入った形跡はない。警戒していたにもかかわらず犯人はなんらかの方法でメイヴの警戒を解いて、ドアを開けさせたと考えられた。また両親への事情聴衆で、メイヴに婚約者がいたことがわかり、リードは動揺する。そしてその婚約者ボビーこそが、メイヴと待ち合わせたレストランで、リードが疑いの目を向けた男であった。しかしボビーは、メイヴから突然婚約を破棄されたために彼女のことを心配し、様子を見に行っただけだし、自分もストーカーに狙われていたと語る。

■犯人は女だ!
ガルシアとJJは、ストーカーがメイヴの顔を塗りつぶした道具がアイライナーなのに気付く。犯人は女なのだ。変声機を通して電話をかけてきたのも、メイヴにドアを開けさせたのも、女なら説明がつく。リードはボビーの新しい恋人ダイアンが、初対面のはずの自分を「ドクター」と呼んだことを思い出す。犯人は彼女だったのだ。しかし捜査陣がボビーの家にとってかえしたときには、そこは既にもぬけの空で、争ったあとが残されていた。冷静に分析できなくなっているリードは、ブレイクと共に公園にでかけ、チェス盤と向かいあいながら認知面接を受け、メイヴと交わした会話を分析。リードは、犯人は博士になれない人物で、メイヴに論文をボツにされたために逆恨みしていると推理する。やがてガルシアの調査で、メイヴが論文を審査したダイアン・ターナーという名前が浮上。「自殺患者における自発性細胞死について」という論文を提出していたことがわかる。

■ふたりでなら……
ダイアンはボビーを拉致するが、メイヴが愛している相手はリードの方であることを知る。メイヴから全てを奪い取り、自分の有能さを証明しようとしていた彼女は、用のないボビーをあっさり殺害。その後、メイヴを屋上に連れだして飛び降りろと命じる。自殺を促すダイアンの発言を聞き、メイヴは彼女の論文を思い出した。メイヴは論文の瑕疵を指摘するが、ダイアンは聞く耳を持たない。その頃、ダイアンの自宅に着いたリードは、部屋の監視カメラに向かい、「彼女と代わりたい」というメッセージを提示。ダイアンはメイヴと無理心中しようとしている。それを阻止する方法は、ダイアンをメイヴと同等に認められる存在として扱うしかなく、そのためにリードはダイアンに「愛してる」と言うつもりだった。こうしてメイヴとダイアンの元に辿り着いたリードは、ダイアンの論文を褒めちぎる。リードの言葉にダイアンの自尊心はくすぐられるが、しかし、リードと唇を重ねた瞬間に嘘に気づく。そしてダイアンは、メイヴを道連れにして、拳銃自殺をとげる。血だまりの中に斃れたメイヴを見つめ、リードはただ、泣くことしかできなかった。

【格言】
「深く愛されれば人は強くなり、深く愛すれば人は勇敢になる」老子の言葉。67章の「慈じはもって戦えばすなわち勝ち、もって守ればすなわち固し」の英語意訳だ。

【ゲストスター】
メイヴは前にも紹介したが、『レバレッジ 詐欺師たちの流儀』の泥棒パーカー役のベス・リースグラフ。ダイアンを演じているのは『ゴシップガール』のジョージーナ・スパークス役でもとばしてたミシェル・クリスティン・トラクテンバーグだ。

【ジョセフ・ベルとアダム・ワース】
リードが使っていた偽名ジョセフ・ベルは、コナン・ドイルの医学生時代の恩師でホームズのモデルとされている人物の名前。ベルは病気の診断には観察力が重要だと学生に説き、患者の外見から職業や家族構成を言い当てて学生らを驚かせた。一方のアダム・ワースはモリアーティ教授のモデルと言われた稀代の大泥棒。ゲインズボロが描いた肖像画「デヴォンシャー公爵夫人」を盗み出したことで知られ、ベン・マッキンタイアー『大怪盗―犯罪界のナポレオンと呼ばれた男』に生涯が詳しく書かれている。

【ツークツワンク】
チェスの主に終盤の局面で発生するもので、相手から直接狙われていないにもかかわらず、自ら状況が悪化する手を指さざるを得ない、動くとチェックメイトで負けてしまうような状況を指す言葉。ドイツ語を語源とする。チェスにはパスというものが存在しないので、悪い結果が見えていようと、動かざるを得ない。チェス用語が転じてゲーム理論の用語としては、「手番であることでゲーム結果が悪化する」場合を指す。

【ロザンナ・アークエット】
祖父はコメディアンで、父と3人の兄弟と妹が俳優という芸能一家の長女。『マドンナのスーザンを探して』や『800万の死にざま』などに出演、女優の素顔を多数おさめたドキュメンタリー映画『デブラ・ウィンガーを探して』で監督としてデビューした。TOTOの「ロザーナ」は、彼女がキーボードのスティーブ・ポーカロと交際していた頃の曲で語呂がいいので名前は使ったが、実際にはロザンナ・アークエットをイメージして作ったわけではないと語っている。一方ピーター・ガブリエルの「君の瞳に」(In Your Eyes)は、ガブリエルとロザンナが同居していたときに作られた曲だ。

【ペンローズの三角形】
1950年代に数学者ロジャー・ペンローズが「不可能性の最も純粋な形」として発表し、広く知られることとなった通常の3次元空間では作ることのできない図案。文章で説明するのは難しいが、エッシャーの「滝」のような不可能図形の基本的なもの。錯視によって作ることは可能で、オーストラリアのパースには見る方向によっては三角形に見えるオブジェが存在する。

【トマス・マートン】
メイヴがリードに渡したコナン・ドイルの『ジョン・スミスの物語』の見返しには、「愛することは人の宿命。ひとりでは見つけられない人生の意味も、ふたりであれば見つけられる」というトマス・マートンの言葉が記されていた。メイヴの「トマス・マートン」、「あなたがぜったいに奪えないもの」という最後の言葉が強く印象に残りますね……。

【BGM】
ラストシーンで流れるのは、英国のシンガー・ソングライター、リチャード・ウォルターズのINFINITY STREET。2011年にリリースされた EP盤YOUNG TREESの中の一曲。流れるのはこの曲の繰り返しの「わたしはいつもあなたのためにあかりを灯す」という部分。

2014.3.25|エピソード・ガイド|コメント(5)トラックバック(0)

3月18日(火)S8#11『転生』

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■背後からノミで一突き
アラバマ州の「第一の夜明け教会」の庭で、フロレッサことニーナ・スキナーが背後からノミで一突きされ殺害された。その2日前にはミシシッピ州ガルフポートの森でチャーリー・クレイトンが、同じく方法で殺害されている。いずれの遺体の周りにも大量のウジ虫が群がっていた。被害者は人種、年齢・性別・経済状態などが異なるうえに、接点もない。またフロレッサは6年前に入信して以来、信心深い生活を送っており、外部の人間との接触はまったくなかった。やがてチャーリー・クレイトンの自宅周辺で聞きこみを行ったロッシとモーガンは、クレイトンのことを「テイラー」と呼び彼を探していた人物がいたことを突き止め、目撃者の協力を得て人相書も作成する。

■ウジ虫の謎
死体の周囲にいたウジ虫は生後3日。遺体はまだ腐敗前であるため、犯人がわざわざ遺体の周辺に撒いたとしか考えられない。また、どちらの被害者の口からも木の欠片が発見されており、犯人は猿轡のかわりに木片を咥えさせたと考えられた。手口は1967年から87年にかけ、南部で娼婦8人を殺したシリアルキラー、ラッセル・スミスと同じだ。しかしスミスは射殺されているため、模倣犯の犯行と見られた。そして、フロレッサが殺された翌々日、今度はフロリダで事件が発生した。殺されたのはダイナーの店員のブリアナ。車の中で殺され、やはり車内には大量のウジ虫が撒かれていた。同僚の証言から、犯人はブリアナのことを「キャロル」と呼び、誕生日サービスのデザートを要求、ブリアナが証明書を求めると逆上し「生まれた日のことを嘘をつくわけない」と叫んだということだった。

■輪廻転生
ダイナーの店員が、犯人の頬には似顔絵にない傷があったと証言していたことを思い出したホッチは、ラッセル・スミスの顔写真を取り寄せる。スミスの顔にはやはり、同じ位置に傷痕が存在した。犯人はラッセル・スミスになるつもりで、自ら、顔に傷をつけたのだ。やがて犯人が口にした名前「テイラー」や「キャロル」が、かつてスミスに殺害された被害者の名前であることが判明する。なんと、今回の被害者はみな、スミスが殺人事件を犯した日に生まれており、出生地も殺害場所と同じだった。犯人はスミスが殺した被害者が、その日に生まれた赤ん坊に輪廻転生したと信じており、被害者の周囲に撒かれたウジ虫は、被害者が再び人間に転生しないように、犯人が魂の器として用意したものだったのだ。

■さらなる転生を求めて

だとすれば、犯人は自分のこともラッセル・スミスの生まれかわりだと信じている。そう考えたBAUは、スミスが死亡した日に同じ場所で生まれた人物を調査、こうしてウィリー・ケスラーの名前が浮上。取り寄せたケスラー顔写真は人相書にそっくりだった。ケスラーは3ヶ月前に自動車の接触事故を起したが、輪廻転生した被害者が仕返しで車に細工したと考えたのだ。ガルシアは残り5人の被害者が殺された日に誕生した人物を22人ピックアップ。その中のひとり、テッド・シスラーは13年前にすでに死亡していたが、ホッチは、ケスラーがさらに次の世代を狙うと分析する。車の手配からケスラーの居場所を掴んだBAUは、モーテルに急行、そこで13歳のエイダン・ドナヒューを保護する。ケスラーはエイダンを殺すことができず、「20年後、殺しに戻る」と言いおいて去ったというのだ。ケスラー自身も転生しようとしており、転生する新生児を求めて病院に向かう――そう考えたBAUは病院に急行しケスラーを発見する。包囲されたケスラーは赤ん坊と銃を一旦床に置くふりをするが、銃を手にして反撃し、射殺される。今際の際にケスラーの目に入ったのは、撃たれたはずみで散らばったウジ虫の姿だった……。

【格言】
「人殺しは必ず幽霊を恐れる」アイルランド議会の議員で判事ジョン・フィルポット・カラン(1750年-1817年)の言葉。カトリック擁護派として合邦法(アクトオブユニオン)に反対した。
「魂は滅びないという教えは、慰めというより脅しである」アメリカの警句家メイソン・クーリー(1927-2002年7月25日)の言葉。

【リーマン予想】
リードが緊張をほぐすために解いているのは、ドイツの数学者ベルンハルト・リーマンが1859年に提唱した数学の予想。リーマン自身も証明することができず、未だに解決されていない。2000年にアメリカのクレイ数学研究所が100万ドルの懸賞金をかけた数学の未解決問題7つのうちのひとつ。

【BAUと謎の模倣犯】
事件が解決し、クワンティコに戻ってくつろぐBAUのメンバーをホッチが再招集。なんと昨日、ニューメキシコのラスクルーセスの砂漠で脚を切断し、別の脚を縫い合わせた遺体が発見されたのだ。先月もサイレンサー事件を模倣し、口を縫い合わせた遺体が発見されている。この一連の事件の犯人は、BAUが解決した事件を再現しているというのだ。ホッチは通常の事件と並行して、この事件を捜査すると宣言。ついに第一話からBAUを付け狙う謎の人物に焦点があたり始めました。犯人は何者なのか、そしてなぜBAUを見張っているのか……。今後の展開が気になりますね。

2014.3.19|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

3月4日(火)S8#9『悪を聞き、悪を見る』

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■悪を聞き、悪を見る
シアトルで2日続けて刺殺事件が発生した。最初の被害者は28歳の青年のリンカーン・ベル、2人目は42歳の女性シンシア・ストローブル。殺害現場はいずれも自宅アパートで、部屋の壁には赤いペンキで「悪を聞き、悪を見る」という意味の通じないメッセージが残されていた。殺された2人は、人種、性別、年齢、居住エリアも異なる。シンシアの住居はセキュリティーが厳重で、リンカーンの住居はエレベーターもない6階にあり、犯人はそれぞれに侵入する知力も体力も持ち合わせている。また、被害者は共に、まず頸動脈と大動脈を切って確実に殺し後にめった刺しにされており、犯行には使命感と怒りが現れている。また検視の結果、殺害に使われた凶器が、半円型の特殊な形状の刃物であることが判明、リードは犯行が儀式的な意味合いを持つのではないかと推理する。

■自己啓発セミナー
当初は接点がないかと思われた被害者だが、やがて2人が、バリー・フリンの自己啓発セミナーの参加者であったことが判明する。フリンはネヴァダ出身で本名ハロルド・カーウィン。以前は車のセールスマンで、飲み屋でケンカを起こし暴行罪で逮捕されるなどの過去もあるが、あるときいきなり妻と別れ仕事もやめて砂漠暮らしをはじめた。そして3年、砂漠でひたすら瞑想して真の才能に目覚めた彼はバリー・フリンとなって、学校などで講演を開始。またたく間に信者が増えて、今やセミナーを開くと1000人会場が満員となるほどの人気ぶりだ。マネージャーの証言で、生きているシンシアに最後に会ったのはフリンであることは判明するが、肝心のフリンの行方はマネージャーにもわからなかった。やがてフリンの車がゲイバーの駐車場で発見される。彼がプライベートをひた隠しにしていたのは性癖のせいだったのだ。フリンは何者かに拉致されたらしく、車のそばには血痕が残されていた。

■プロファイル
「犯人はバリー・フリンの信奉者で、恋愛妄想に陥っている。犯人は男性で、犯行は忍耐力を要するため、年齢は30代から40代。独身で、社会的には未熟で、対人能力に欠けている。恋愛妄想を持つ者が暴力に訴えるのは、対象との仲を邪魔されたときである。最初の被害者2人は、フリンといるところを犯人に見られて嫉妬から殺されたか、もしくはフリンへの愛を証明するために殺されたかのどちらかだ。犯人がフリンに愛されていると思い込んでいる場合、現実でその関係を否定されると、フリンを殺すことでその絆を証明しようとする可能性がある。時間が経てば経つほど、現実と妄想のズレが露呈するので、急がなければ新たな被害が発生する」というのがBAUのプロファイルだ。ところがその後、新たな事件が発生する。3人目の被害者は、ジャネット・ドット。壁にはまたも、意味の通らない「赤を聞き、赤を見る」という言葉が残されていたが、ジャネットにはフリンとの接点がなかった。

■共感覚
犯人とジャネットは、いったいどこで知り合ったのか――。ジャネットの記録を照合したBAUは、彼女が度々電話をしていたルクソール銀行のコールセンターに、カール・フィンスターというフリンのファンの男性が勤めていたことを突き止める。カールは奇矯な振る舞いが多くさらに客を罵倒したために、4ヶ月前に解雇になっていた。カールの応対録音を聞いたリードは、「言葉を見れば本性がわかる」という彼の発言から、カールが言葉を聞くと色のついた文字が見える共感覚の持ち主なのだということに思い当たる。かねてより共感覚に悩まされていたカールは、ある日、フリンの自己啓発CDに触発され、才能を開花させようと決意。さらに色が善悪を表していると思い込んだ彼は、電話応対した相手の中から「悪者」を選び、それを順に始末していくことにしたのだ。カールはフリンを道連れにして次の標的であるハワード・ジェフソンの家に向かった。ところがそこにいたのはジェフソンから家を賃貸したコールドウェル夫妻だった。人違いにもかかわらず、殺そうとするカールを、フリンは賢明に止めようと説得する。しかし、カールの目には、フリンのその言葉が悪を意味する「赤」に見えた。フリンに対する不信感がいっきに募ったカールは、フリンに斬りかかる。そこに顧客リストから対象を絞り混み、ハワード・ジェフソンにたどりついたBAUが到着。カールを説得して投降させ、フリンとコールドウェル夫妻を救出した。

【格言】
「わずかな勇気の欠如が、多大なる才能の損失を招く」イギリスの文筆家、聖職者シドニー・スミス(1771年-1845年)の言葉。
「人間の存在の真髄は生き長らえることではなく、生きる理由を見つけることである」ロシアの文豪フョードル・ドストエフスキー(1821年11月11日-1881年2月9日)の言葉。

【ゲストスター】
フリンを演じているのは映画『ザ・ラスト・エクソシズム』のパトリック・ファビアン。カールを演じているのはラファエル・スバージ。『堕ちた弁護士ニック・フォーリン』では同僚弁護士ジェイク、『プリズン・ブレイク』では悪役のラルフ・ベッカーを演じている。

【共感覚】
共感覚というのは、一つの刺激に対して通常の感覚だけでなく、異なる感覚が無意識に働く特殊な知覚現象のことを指す。たとえば、文字や音に色を感じたり、匂いや動きを感じたりする。今回のエピソードでは話している言葉が文字として認識され、それに色が見えるとちょっと複雑だが、共感覚の中でも文字に色が見える色聴が一番多く、音に色が見える、数字に色が見えるなども多数報告されている。ピアニストのエレーヌ・グリモーや、ビリー・ジョエルなど、音に色が見えると語っている。

【モーガンと父親の相棒】
殉職した父親の相棒だったジェイソンが、9.11の功績で英国大使館から勲章を授与されることになり、モーガンはパーティでのスピーチを依頼される。ガルシアは目ざとく招待状を見つけ、一緒に出かける気満々だが、モーガンは渋い表情で欠席すると言うばかり。ガルシアにはその理由がわからず、何度もモーガンから聞き出そうとする。事件解決後、モーガンはようやく重い口を開き、出席したくない理由を語りはじめた。モーガンはかつて殉職者の追悼式典で、父親のことを語るように依頼されたが、気持ちの整理がつかず、うまく語ることができなかった。だから、父親への気持ちを整理できないまま、それを差し置いて他の警察官を讃えることなどできないというのだ。頑なに主張するモーガンに、ガルシアはフリンのマグカップとCD、そして彼が事件解決のお礼にと貸してくれた車のキーを手渡す。ようやく出席を決意モーガンは、借りた高級車を飛ばして会場へ。スピーチに立った彼は、ジョークを交えて父親の思い出を語る。父への尊敬の思いを素直に語り、そしてその父が家族以外で一番大切にしていた親友のジェイソンを讃えたのだ。

【BAUを狙う謎の人物】
そのパーティの席で、モーガンが使ったグラスをジップロックに入れる謎の人物が登場。第一話から登場するBAUのメンバーの写真を盗撮している人物だが、それだけではない。彼はサイレンサーを真似て被害者の口を縫い閉じたり、神コンプレックスのジョン・ネルソンの犯行を真似て、被害者の足を切断したりしているのだ。果たして彼の狙いは何なのか。この連続エピソード、どうやらまだまだ続く模様です。先の展開が気になりますね。

2014.3. 5|エピソード・ガイド|コメント(1)トラックバック(0)

2月25日(火)S8#8『スクールバス・ジャック』

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■バス・ジャック発生
ワシントンDCに近いヴァージニア州フレデリクスバーグで、セントラル高校のスクールバスがジャックされた。乗っていたのは24人の生徒と運転手と監視員の合計26人。GPSは作動しておらず、乗客全員と連絡がとれなくなっていた。BAUは、生徒のいたずら、運転手への逆恨み、乗客のうちのひとりがターゲット、などさまざまな方面から捜査を開始する。やがて運転手の射殺死体が発見され、さらにガルシアが信号が遮断されていたGPSの追跡に成功して、バスのある場所を突き止める。バスはからっぽだったが、生徒たちは近くの納屋に監禁されており無事だった。しかし、納屋にいたのは14人だけで、犯人は10人の生徒と監視員を連れ去っていることが判明する。

■対戦ゲーム
BAUは救出された14人と面談し、バス・ジャック発生時そしてその後の状況を聴取する。彼らによると、犯人は車の故障を装ってバスを止め、いきなり運転手の足を撃ってバスを制圧。ガスマスクをかぶっていたために人相はわからないが、20代前半の白人2人組で、農場で人質に首輪をつけて、かわりばんこに10人を選んで連れ去ったというのだ。その話を聞いたロッシは、状況がオンラインの対戦型ゲーム「ゴッズ・オブ・コンバット」に酷似していることに気がつく。「ゴッズ・オブ・コンバット」では、ゲームプレイヤーは公共機関を乗っ取って、自分の手駒を集める。キャラクターは、リーダー、副官、下士官2人、それに歩兵の5名ずつで、殺し合いをさせ、より多く殺した側が勝利を収めるというものだ。犯人は極度のゲーム依存症で、生徒たちを誘拐、スコア稼ぎの道具にしているのだった。

■ゲームによって作られた絆
「ゴッズ・オブ・コンバット」のユーザーは全世界で600万人。そのうち4万人がDCに居住している。緊急事態に助っ人に駆り出されたケヴィンは、このゲームの改造レベル「ヘルモッド」でブラックリストに登録されたプレイヤーの名前をリストアップする。この「ヘルモッド」、負けるとゲームプロフィールが全て削除されるルールになっている。犯人は長年の成果を取り上げられ、オンライン上でやり直すかわりに、自分たちでゲームを作り競い合っているのだ。ガルシアは、ひと月前、このヘルモッドに入って、同時に追放された人間が2人いることを発見する。どちらも10年ほど前からゲームに参加しており、総プレイ時間は数千時間。IPアドレスが同じことから、ルームメイトか兄弟の線で絞込、やがて元セントラル高校生のジョシュ・ムーアとマット・ムーアという兄弟の名前が浮上する。両親が離婚したために離れ離れになった兄弟が、オンライン・ゲームを絆に成長し、そしてそれが暴走したのだ。

■ゲームの法則
その頃ジョシュとマットは、拉致した生徒を使ってゲームを開始していた。カメラを仕込んだ廃工場を舞台に、電流首輪で人質を支配し、イヤホンから指令を与えていた。ジョシュが選んだアディソンは、家族の名前を出して脅されトレントを射殺してしまう。マットの2番手はウェンディだったが、ビリーが代わりをかってでる。ビリーはジョシュのプレイヤーだが、マットがルールを変更。ジョシュは用がなくなったウェンディを射殺する。ふたりの行為はゲーム内でも暴走をはじめていた。一方、ガルシアとケヴィンは、ボイスメールの周波数を探り、ジョシュとマットの居場所を察知。ハッキングで制御を奪い、ビリーのインカムに割り込むことに成功する。ガルシアから首輪の外し方を教わったビリーは、アディソンと共に脱出を試みるが、ハッキングに気がついたマットに見つかってしまう。マットがアディソンを殺そうとしたそのとき、BAUとSWATが工場に到着。生き残った生徒たちは無事に救出される。投降し、逮捕されたマットは、抵抗したために射殺されジョシュの遺体を見て、「俺の勝ちだ」とつぶやくのだった。

【格言】
「私は死を恐れない。人生とは命をかけたゲームなのだから」『オンディーヌ』などの著作で知られるフランスの外交官・劇作家・小説家ジャン・ジロドゥ(1882年10月29日-1944年1月31日)の言葉。
「壊れた大人を修理するより、強い子どもを作るほうが簡単だ」 アメリカの政治家のフレデリック・ダグラス(1818年2月14日-1895年2月20日)の言葉。メリーランド州出身の黒人で奴隷であったが、1838年に脱走。奴隷制度廃止運動家でその姿勢は強硬であったが、武力蜂起で急進的な奴隷革命を行うのではなく言論から訴えかけた。

【ゲストスター】
マットは、『NUMB3RS~天才数学者の事件ファイル』のクリスタル事件の恋人バック・ウィンターズ役のデイヴィッド・ギャラハー。ジョシュは『跳べ!ロックガールズ』でアイク役のアンドリュウ・ジェイムズ・アレン。ビリーは『『GREEK~ときめき★キャンパスライフ』に出演していたDevon Werkheiser。アディソンは『Men of a Certain Age』や『ねじれた疑惑』のブリタニー・クランが演じている。

【チャウチラ事件】
リードが先例としてあげたバスジャック事件は、1976年7月15日にアメリカのカリフォルニア州にある小さな町チャウチラで起きたもの。犯人はバンでバスの進路を塞ぎ、バスごと7歳から14歳の生徒26人と運転手を拉致。15キロほど離れた場所で、全員を2台のバンに乗せて、人里離れた採掘場に作った地下室に閉じ込めた。ところが、小さな町で起きた未曾有の事件で町は混乱。さらに全国ネットで報道されたために学校と捜査本部に電話が集中し、チャウチラの電話回線がパンク。犯人たちは学校に身代金要求の電話をかけることができず、そのままフテ寝してしまった。その間にバスの運転手と2人の少年が機転をきかせ、監禁場所の天井に穴をあけ、誘拐された全員が監禁場所から無事に脱出した。その後、採石場の所有者の息子と二人の友人が逮捕され、終身刑を宣告された。

【MOD】
modify(改造する)から派生した言葉で、ゲームの拡張パックのこと。主にファン・ベースで制作されたもののことを指して使用され、ゲームメーカーがリリースするものは「拡張パック」「アドオン」などと分けて呼ばれる。

2014.2.26|エピソード・ガイド|コメント(4)トラックバック(0)

2月18日(火)S8#7『英雄との再会』

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■黒焦げの死体
サンタモニカで相次いで、三体の死体が発見されたが、最初の2体が男性、最後が女性という以外は、身元も年齢もわからないほど焼け焦げていた。事件の間隔は最初が4日、次が2日と短くなっているため、BAUは急ぎ現地に向かった。サンタモニカは観光地で、犯人の遺体のさらし方には、注目を集めたがっているように見えた。やがてガルシアの調査で女性の身元が判明する。名前は、リンジー・リーマン。ミネソタ出身の19歳で、2ヶ月前に歌手を目指してサンタモニカにやってきたところだった。

■ホームレス・シェルターでの再会
やがてリンジーが母親に教えていた住所も民間の郵便センターで、彼女がホームレスであったことが判明。リンジーについて聞きこみのためにホームレス・シェルターに向かったロッシは、そこでベトナム従軍の新兵時代の上官スコット軍曹と再会する。やがてBAUの危惧した通り、4件目の犯行が発生。今度は、ホームレス・シェルターの前に、遺体が遺棄された。遺体は焼かれてこそいないが、消毒液に浸されて全身がただれていた。しかしスコットの協力によって、その遺体がホームレスで画家のジェレミーであることが判明する。ロッシらは、スコットの助けを借りて、ホームレスの人々に警告、自衛を訴えた。

■英雄の失墜
スコットはホームレスに転落しているが、ロッシの命の恩人であり、ベトナム戦争の英雄だった。ロッシはそんな彼に救いの手を差し伸べようとするが、スコットは頑なに拒んで立ち去ってしまう。しかしその夜、彼の目の前で、ホームレス仲間のサラが拉致される。犯行を阻止できず自暴自棄になっているスコットに、ロッシは飲酒問題を指摘すると同時に、認知面接による協力を要請。スコットは元海兵隊員ならではの観察眼で、犯人が使用していた車の車種とナンバープレートの一部を見ていたことを思い出す。ガルシアが車の登録から絞り込んだ結果、三代つづく消防士一家のチャド・ミルズの名前が浮上する。ミルズは、ホームレスが不法占拠していた倉庫火災で6人を救出、しかしその火事では9人が死亡していた。ミルズの家に急行したBAUは、サラを発見保護する。一方、自宅から逃走したミルズは、計画を台無しにしたスコットを逆恨みして連れ去った。

■殺菌
やがてミルズは倉庫火災での救出の際に、ホームレスから結核に感染、そのために消防士をやめていたことが判明する。ホームレスを焼却したり消毒剤に浸けていたのは、殺菌の手段だったのだ。彼は結核感染のトラウマに、元来の強迫性障害が加わり、ホームレスを根絶やしにすることで病気の感染拡大を防ぐという妄想にとらわれているのだ。BAUは、ミルズは、スコットをトラウマを受けた場所に連れて行くと考え、火災のあった倉庫に向う。BAUが倉庫に到着したのは、まさにミルズがスコットにガソリンをかけて火をつけようとしているところだった。このままでは全員が火に巻かれると判断したスコットは、軍隊時代の口調で、ロッシに撤退するように命令する。しかしそれは、ベトナムでのある経験をもとにしたスコットからのメッセージだった。それを理解したロッシは、撤退するふりをして犯人の背後にまわり、無事にスコットを救出。犯人のミルズは自らに火を放ち息絶えた。

【格言】
「真実に向き合ったときはじめて自分がわかる」アメリカの女優、歌手のパール・ベイリー (1918年3月29日-1990年8月17日)の言葉。
「倒れても構わない。そこから立ち上がることができれば」第16代アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーン(1809年2月12日-1865年4月15日)の言葉。

【ゲストスター】
スコット軍曹を演じるのは、メシャック・テイラー。アトランタのインテリアデザインの会社を舞台にしたコメディ『浮気なおしゃれミディ』で唯一の男性社員アンソニーを演じている。

【ベトナムの真実】
ベトナム戦争の英雄ハリソン・スコット軍曹。ロッシの思い出の中の彼の姿は、新兵を鍛える鬼軍曹のイメージそのものだが、やがて、退役後に彼を苦しめ酒に逃避させた原因が明らかになる。ロッシはジャングルの行軍中、地雷のトラップの中に足を突っ込んでします。動けば爆発する状況に、スコットは部隊に退避命令を出すが、自らはロッシに付き添い、爆発の瞬間に溝に飛び込めば助かると励ましたのだ。スコットの計画は功を奏し、ふたりとも命は助かるが、ロッシはその際に負傷。意識のないまま隊を離れ、そのまま本国に送還された。そしてスコットは英雄的行動を讃えられ、勲章を授与された。しかし、この一件にはロッシの知らないもうひとつの真実があった。実は、前線でロッシとスコットに命を助けられたことのあるエルナンデスが、自分の身を挺して、地雷から2人を守っていたのだ。しかしプロパガンダのためには、死者よりも生きた英雄が欲しかった軍は、エルナンデスの行為をなかったことにし、スコットをまつりあげた。スコットはその事実から逃れるために、酒に逃避していったのだ。サンタモニカでの事件後、ロッシが上奏し、エルナンデスには勲章が授与される。こうしてスコットのベトナム戦争はようやく終わりを迎えることができたのだ。

【ニュー・ディレクションズ】
ニュー・ディレクションズ・フォー・ベテランズ。退役軍人のためのサポート施設。薬物やアルコール依存症からの回復、ホームレスへの住宅提供などに力を入れている。

【献辞】
ロッシは新作『眠らない悪魔』の献辞を誰にするかで頭を悩ましていたが、事件解決後「この本をハリスン・スコット軍曹と、アントニー・エルナンデス一等兵に捧げる。彼に救われた命によって、私は他の生命を救うことができたのだ」と記して脱稿した。しかし、「虐殺者の復活」、「歌うピアノマン」とか、「レディX」とか、なんだか聞き覚えるある事件のような……。

2014.2.19|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

2月11日(火・祝)S8#6『殺しの教室』

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■動物虐待から娼婦殺しへ
マイアミの裏通りで、23歳の娼婦の遺体が発見された。被害者は激しく殴られたうえ、ビニール袋を被せられ、窒息死させられていた。マイアミでは、先月、犬が6匹、やはり殴られた上に窒息死させられており、現場から出たDNAが今回の事件と一致していた。ただ、犬を殺したのは中産階級の多い郊外の住宅地だが、今回の娼婦の遺体が見つかったのは、治安の悪い裏通りだった。動物虐待を行うのは一般的に十代が多いが、それから狙いを人間に変えるのは二十代半ばなのに、この犯人は急激に成長しており、すぐに次の刺激を求める。そう考えたBAUは急ぎ現地に出発した。

■犯人は師弟関係にある2人組
BAUがマイアミに到着して間もなく、第2、第3の犯行が発生する。やはり被害者は娼婦で、死因は同様にビニール袋による窒息死だった。しかし計画性のない乱暴な1件目とは異なり、今回は1発殴っただけ、遺体には噛み痕があるが、手がかりとなるような足跡はきれいに消されている。手口の進化にしては早過ぎる、そう考えたBAUは、犯人は2人組で、師弟関係にあると分析、プロファイルを発表する。「白人男性の2人組で、年齢は離れており、若い方は思春期のティーンエイジャー。自宅は事件のエリア内で、地元の高校生である可能性が高い。年上の方は30代後半から40代前半。手際のよさから見て暴力犯罪の前歴者。年上が年下に殺し方を仕込んでいる」というものだった。

■師弟の出会い
モーガンは未成年犯罪者リストにあったひとりの少年が、ハンマーで殴られ、通院したことに着目。リードが少年に共感を示すことで信頼を得て、認知面接にこぎつけた。実は彼は、見知らぬ少年が犬を虐めているのを目撃。怒って殴りかかったのだが、そこに来た大人にハンマーで殴られたというのだ。彼は少年の顔を覚えており、似顔絵が作成されることとなる。一方、過去の犯罪データを洗っていたガルシアは、20年以上前に、2件目に酷似した犯行が起きていたことを発見。しかしその犯人であるルディ・スタインは、この7月に刑務所内で死亡していた。BAUは、スタインが今回の大人の方のさらに教師で、その人物は、急死した師匠への恩返しのために自分も誰かを育てようとしたのではないかと推理する。やがてスタインの刑務所仲間から、未成年の男娼を襲ったマイアミ在住のデヴィッド・ロイ・ターナーの名が浮上する。

■関係の崩壊
ターナーの自宅で発見したノートPCのメールから、弟子に当たる人物が高校生のトビー・ホワイトであることが判明する。トビーは3年前、姉と一緒にいたときに暴漢に襲われ、姉はレイプされた末に殺害されていた。ところがトビーはその際、逃げるチャンスもあったが、見ているのが楽しかったと語ったというのだ。トビーはサイコパスだった。その頃トビーは、バイト先のペットショップ店長ホリーを誘拐し、ターナーの元に運んでいた。ターナーは、そんなトビーの不用意な行動に激怒し、ふたりの関係はいっきに崩れはじめる。トビーは、ターナーが疎ましくなって殺そうとするが、逆にターナーに返り討ちにあってしまう。さらにターナーがホリーに手をかけたまさにそのとき、BAUが突入。刑務所に戻りたくないターナーはそれでも武器を捨てず、射殺される。

【格言】
「独学で千日学ぶより、1日、良き指導者につけ」日本の諺。日本でいうところの、「千日の勤学より、一日の名匠」。
「他人のためにできる最高のことは、自分の財産を分け与えることだけではなく、相手の持つ財産に気づかせること」ベンジャミン・ディズレーリ(1804年12月21日-1881年4月19日)は、ユダヤ人ながら保守党党首となり、二期にわたって首相を務めたイギリスの政治家。作家でもあり、政治を題材にした『ヴィヴィアン・グレイ』などの作品でも知られる。

【ゲストスター】
ターナー役は『スクリーム』や『デッドマンズ・カーブ』の悪役で知られるマシュー・リラードだ。

【トーマス・ディロンとジョセフ・ダンカン】
トーマス・リー・ディロン(1950年7月9日-2011年10月21日)は、オハイオのLDSK。1989年、39歳で最初の犯行に手を染め、1992年までに5人を狙撃した。ジョセフ・ダンカン(1963年2月25日-)は、児童に対する性的虐待を繰り返し、2005年、アイダホ州で民家を襲い、母親とボーイフレンドと13歳の長男を殺害し、9歳のディラン(後に遺体で発見)と8歳のシャスタを連れ去った。その後7月に逮捕されるまで2カ月近く、シャスタに性的虐待を繰り返した。ただしジョセフ・ダンカンに関しては、2005年が初めての殺人ではないという疑いが強い。

【ドント・シンク・フィール】
チームの人数が足りないからと、FBIの野球チームに駆り出されたリード。頭の中で数式を考えながらバットを振るリードに、モーガンは「考えるな、感じろ」とアドバイス。「考えるな、感じるんだ」というこのセリフは、映画『燃えよドランゴン』(1973年)の冒頭のシーンで、ブルース・リー演じるカンフーの達人が、少年に手ほどきをしながら口にする言葉。ブルース・リーが、香港公開用に自ら演出して撮影した部分で、当初の脚本には存在しなかったが、フィルムを見た監督が、アメリカ公開版にも採用した。そしてシークレットサービスとの試合当日。9回裏、リードはなんと逆転ランニングホームランを放ち、ホームにスライディング。その後、大喜びで、BAUのみんなと抱き合うリ。そんな彼らの様子を写真に撮る人物が……。1話から彼らを隠し撮りするこの謎の人物はいったい……。

2014.2.12|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

2月4日(火)S8#5『鮮血の大地』

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■連続拉致事件
オレゴン州の小さな町グランデで、1ヶ月半の間に4人の男性が行方不明になった。全員車で出かけたまま行方を絶っており、遺体は発見されていない。最初の3人は地元の出身だが、4人目のロジャースだけは、2ヶ月前にこの町に来たばかりだった。ロジャースは、水洗トイレもない山小屋で、世捨て人のような生活を送っているが、ロードアイランドで結婚と離婚を2回しており、2度目の結婚では子どももいることが判明。被害者はすべて、健康を気にする父親ばかりであることがわかる。やがて川からロジャースの遺体が発見される。手足には縛られた痕があるが、暴力を受けた形跡はなかった。

■プロファイル
「犯人は女性。秩序的で我慢強い。拉致の手口が複雑かつ洗練されていることから、年齢は30歳から40歳。地元の出身者、もしくは住んだことのある人物で、人里離れた場所に被害者を監禁できる土地や建物を持っている。誘拐されたのはいずれも健康に気を使う男性で、犯人は、被害者に父親としての能力を求めている。ロジャースが殺されたことを鑑みるに、犯人はなんらかの選択システムを持っており、数名の候補者から理想の繁殖相手を選ぼうとしている」というのがBAUがまとめたプロファイルだった。しかし、やがて5件目の拉致事件が発生。なんと5人目の被害者は臨月の女性だった。犯人は帝王切開で子どもをとりあげ、母子ともに病院の駐車場に放置しており、犯人は繁殖相手を探しているという分析の訂正を余儀なくされる。被害者の胎盤がこそぎとられていたことを聞いたリードは、犯人が胎盤を食べたのではないかと推理する。しかしプロファイルには食人傾向は出ておらず、犯人像に矛盾が生じる。

■病と自然志向
ロジャースには、グランデに来る前に5ヶ月間、ガルシアでも足取りを辿れない空白の時期があった。買い物リストの内容が免疫力を高めるものばかりであることに気付いたリードは、彼が重い病気で、海外で治療を受けていたのではないかと指摘。やがてロジャースは、癌で、メキシコの病院に入院していたことが判明、検視結果からもそのことが裏付けられた。拉致現場の嘔吐物から鎮静作用のあるメラトニンが発見されていたが、ロジャースの体内からは、それだけではなく、様々な天然成分の鎮静剤、そして鼻の粘膜から天然のおがくずが検出された。BAUは犯人が天然成分を使用していることから、犯人自身も病気を抱えていると推理する。やがて誘拐された男性が、ファーマーズマーケットや、自然食スーパーに寄っていることがわかる。リードは、動物の死骸を土壌改良に使う際に、窒素バランスをとるためにオガクズを使用することから、犯人は被害者の身体を肥料にしているのではないかと推理、JJもまた犯人が拉致した妊婦の帝王切開を行ったのは、農場で家畜を取り上げた経験があるのではないかと指摘。誘拐された日のファーマーズマーケット、自然食スーパーの出店者で、農場の所有者を絞り込んだ結果、エマ・キャリガンの名前が浮上する。

■遺灰
エマは1年半前に夫を交通事故でなくし、今は10歳の娘とふたり、郊外の40万平米の農場で暮らしていた。さらに彼女は心気症で、この半年、緊急外来に30回も通っていることがわかる。実は彼女は、夫が死亡したとき、重い皮膚病を患っていたが、夫の遺灰を畑に撒いたあと、奇蹟の回復をとげた。そして、自分と娘が再びその皮膚病に冒されているという妄想にとりつかれた彼女は、夫の代わりになる人物を誘拐、天然物由来の肥料をたっぷり与えた後に殺害し、畑の肥料とすることで、病気を治そうとしていたのだ。胎盤をとったのも、同様に治療のためだった。エマの農場に急行したBAUは、まさにエマが娘を畑に寝かせ、被害者の血を娘に与えようとしているところに到着する。ブレイクが咄嗟の判断で芝居をうち、暖炉の灰をエマの夫の遺灰だと偽って渡すことでエマの注意を逸らすことに成功、エマを拘束した。

【格言】
「長く耐え難い正気の合間に、私は常軌を逸した」アメリカの詩人・作家エドガー・アラン・ポー(1809年1月19日-1849年10月7日)の言葉。この言葉は、1848年1月に医学生ジョージ・ワシントン・イレブンスに送った手紙の一節。ポーの言葉はは、S4#14『愛しき骸』、S7#5『母と子』でも使用されている。
「庭を見せなさい。あなたの人となりを当ててあげよう」英国の詩人・作家アフルレッド・オースティン(1985年5月30日-1913年1月2日)のエッセイThe Garden That I Love の一節。

【ゲストスター】
妄想に囚われるエマは『Dr.HOUSE』の非常な女アンバーを演じたアン・デュデック。

【PG】
モーガンが呼びかける「PG」は、ペネロープ・ガルシアの頭文字。ガルシアが応えるPG指定のPGはparental guidance。子供の鑑賞には保護者の指導を推奨するというもの。

【ハロウィン】
友だちから「ハロウィンには本物のモンスターも街にくる」と聞き、さらに深夜、JJとウィルが「いくらがんばってもモンスターはいなくならない」と話しているのを聞いてしまったヘンリーは、モンスターを怖がって、ハロウィンのトリック・オア・トリートに行きたくないと言い出し、JJを悩ませていた。困ったJJは、ヘンリーに「どれが本物のモンスターでどれが違うかを、分析してみたら?」と提案。元気になったヘンリーは、憧れのプロファイラー、リードの仮装でBAUに現れる。久々のヘンリー登場です。

2014.2. 5|エピソード・ガイド|コメント(1)トラックバック(0)

1月28日(火)S8#4『神コンプレックス』

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■足を奪う殺人鬼
ニューメキシコで、1週間に2人の男性が拉致され、右足を切断されるという事件が発生した。1人目の被害者リチャード・ハベルは足の切断中に死亡し、死体はメキシコ側に遺棄された。2人目の被害者のトニー・アンダースは、足の切断後、モーテルに放置されたが、一命をとりとめた。切り口は縫われていたが、しかし切断面は壊疽を起こしており、医師にしては技術的にも知識的にも疑問点があった。また人体売買絡みの組織犯罪の線も考慮されたが、右足しか奪われていないのは不自然であり、その可能性も消去された。1人目の被害者の検視に赴いたリードは、足の切断面と骨にあけられた穴を検証、犯人は医者ではないが訓練をきちんと受けた人物。そして目的は金儲けでも殺人でもなく、科学的な実験、それも移植手術をしようとしていると分析する。またロッシとモーガンはトニーと認知面接を行い、トニーが足を切断された場所が、民家のガレージであったことを突き止める。その頃、3人目の被害者が、自らの足で病院に辿り着き、そこで死亡した。そしてリードの分析通り、その被害者の右足には別の人間の右足が移植されていた。

■プロファイル――神コンプレックスの医者
犯人は、「神コンプレックス」の医者。自分を神だと信じており、生物学や解剖学の常識に逆らえると思っている。極度のナルシストなので、トラブルも多く、免許を剥奪された医師や、学則を犯した医学生などの可能性も高い。サイコパスではないため、反社会的な態度をとることはなく、生活レベルは中流から上流で既婚者。社交的な性格で、世間でも一目おかれるような存在だ。ナチスの医師などに見られたダブリングと呼ばれる心理状態で、虐殺を行う顔と、よき家庭人としての二面性を持っている――。以上がBAUのプロファイルだった。

■葬儀師
ところが、この地域の医者と医学生には該当者が多く、絞り込みは杳として進まなかった。リードは、足の接続に使われていた人工器具の成分から、犯人は医師ではなく、葬儀師ではないかと推理する。医師ではなく、葬儀師だとすると、犯人はどうやって被害者を見つけていたのか。医療データベースは厳重に管理されているために、犯人がアクセスすることはあり得ない。トニーに再度聴取した結果、彼が、拉致の直前に献血車で献血をしていたことが判明。犯人は献血車を装い、被験者のデータを収集していたのだ。

■誰のために?
やがて新たな被害者が発見される。被害者はヒスパニックの女性で、死因は失血死。そして左足に、白人女性の足が移植されていた。まだもうひとりの女性は生きている可能性があると見たBAUはプロファイルを進め、犯人は他人の命を犠牲にしても治したい相手、配偶者か子どもがいると分析する。一方、犯人が被害者の選定に献血で検査を行った背景には、被害者の共通因子を探る目的があるのではないかと推理するリードは、メンバーにも秘密にしている謎の女性に電話で相談、水疱瘡による先天性四肢切断の可能性に到達。これらの情報をもとに、ガルシアが2ヶ月前に葬儀社を退職したジョン・ネルソンの妻が水疱瘡が原因の先天性四肢切断を患っていることを突き止める。その頃、犯人のネルソンは移植の成果を妻のリンダに見せようとしていた。リンダは夫が人を実験台にしていたことにショックを受ける。そこにBAUが突入、ジョンは白人女性を人質にとるが、妻のリンダの説得に応じ、ジョンは劇薬の入った注射器をおろし、投降した。

【格言】
「悪事に走った医者は第一級の犯罪者となる度胸も知識も持ちあわせているから」英国のミステリ作家アーサー・コナン・ドイル(1859年5月22日-1930年7月7日)の小説「まだらの紐」の一節。「まだらの紐」はホームズが活躍する短編のひとつで、引用の一節は、物語の終盤のセリフで、ホームズはこの後、この例として、ルーグレーの毒殺魔ウィリアム・パーマーと、アンチモンで妻と妻の母親を殺したエドワード・プリチャードの名前があげている。なお、今回のエピソードでリードが電話ボックスから謎の女性に電話するときに手にしている本はホームズものの長編『四つの署名』、彼女の部屋にあるのは同じく短篇集『シャーロック・ホームズの思い出』だ。
「治療において体と心はひとつであり、切り離して考えてはいけない。体同様、心を癒やすことも必要なのだ」アメリカの遺伝子学者ドクター・ジェフ・ミラー(1874年-1936年)の言葉。

【ゲストスター】
レイ・ワイズは、『ツイン・ピークス』のローラ・パーマーの父親リーランド役、『24シーズン5』の副大統領役、映画『ロボ・コップ』のレオン・ナッシュ役などで知られる。妻のリンダは、全7話制作された女性版ダーティ・ハリー『女刑事レディ・ブルー』シリーズで主演を務めたジェイミー・ローズ。足を切られた大学生のトニーは『パーセプション 天才教授の推理ノート』に助手マックス・ルウィッキ役で出演しているアージェイ・スミスだ。

【ダブリング】
アメリカの精神科医ロバート・J・リフトンが、ナチスのホロコーストについて論じた際に使用した言葉で、家ではよき家庭人である医師が、ナチスのホロコーストに加担し虐殺を行った、自我の二重構造性を意味する。

【リードに彼女が!?】
リードに謎の相談相手が登場。どうやら頭痛に悩まされていたころに、リードが発表した論文に手紙をくれたことで交流がはじまった遺伝子の専門家らしい彼女。演じているのは、髪の色も雰囲気もまったく違うが、『レバレッジ ~詐欺師たちの流儀』のパーカー役で人気を得たベス・リースグラフ。リードと対等に会話する頭脳明晰なドクターらしいのだが、名前もまだわからないし、なにやらワケありの様子。今後の展開が気になりますね。

2014.1.29|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

1月21日(火)S8#3『家族ゲーム』

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■狙われたファミリー
カンサスシティで、日系人のヤマダ一家が自宅から失踪。5日後に、夫婦と16歳の娘の射殺死体がハイウェイ脇で発見された。凶器の銃は遺体のそばから発見され、父親の右手からは硝煙反応が検出された。しかし、一家には大きな問題もなく、父親が左利きであることから、BAUは事件を無理心中を偽装した殺人事件と判断。また発見されていない息子のスコットが真のターゲットだったという可能性も考慮に入れて捜査を開始。そこに新たな事件発生の連絡が入った。カンザスシティ郊外で、17歳の娘と11歳の息子がいるアクリン一家が自宅から失踪したというのだ。両家の家族構成は似通っており、同一犯の可能性が高い。もし犯行のパターンが同じなら、アクリン家に与えられた猶予は3日。BAUは急ぎカンザスシティに向った。

■幸せ家族の本当の顔
失踪現場である自宅を検証したBAUは、犯人が息子を人質にとることで家族を制圧したと分析する。両家の男の子はおとなしい性格で、アクリン家のブレイデンはアスペルガーの診断を受けており、性犯罪のターゲットとなりやすいタイプだ。しかしその後、スコットの遺体が工事現場で発見されたが、レイプや拷問の痕跡もなく、性犯罪者というプロファイルとは合致しない点がでてきた。さらにどちらの家族も、ブログやHPを作成し、幸せファミリーをアピールしていたが、聞きこみや家宅捜査から浮かび上がってくるのは、それとは真逆で、借金やメンタルの題をいろいろ抱える病んだ家族像だった。

■プロファイル
犯人は40代半ば。誘拐と殺害を計画するだけの知性がある。家族はなく、自分の手に入らないものを羨み、破壊している。崩壊した家庭で育てられ、家族が殺されたということも考えられる。犯行は無作為ではなく、ネットで、自分の家庭と似た構成の家を選び、犯行に及んでいる。父親の犯行に見せかけているのは、家族が抱える問題を父親のせいにしているためで、少年に自分を重ねている。ただし、その少年も安全だというわけではなく、救うために殺すこともあり得る。拉致現場と死体遺棄現場の地理に詳しい人物――というのがBAUが出したプロファイルだ。

■鏡越しの対面
その頃、アクリン家の両親マイクとデブラ、そして娘のマッケンジーは、一方の壁がマジックミラーになっている一室に閉じ込められていた。やがてマジックミラーの向こうに、椅子に縛り付けられたブレイデンの家庭教師ヴァネッサが現れる。そしてスピーカー越しに男の声で「彼女が誰か家族に言え」とマイクに命令する。実はマイクとヴァネッサには肉体関係があったのだが、マイクがそのことを伏せて「家庭教師だ」と返答するや、ヴァネッサは射殺されてしまう。その後、真実を言わないとブレイデンを殺すと脅されたマイクは家族の前で関係を告白する。つぎにミラーの向こうに現れたのは鎮痛剤の瓶で、マッケンジーが母親の鎮痛剤をドラッグ代わりに使用したことを暴き立てた。その次は、拘束されたマッケンジーのボーイフレンドのダレン。犯人はデブラに「人の息子の命か金か、どちらかを選べ」と要求する。マッケンジーが薬に手を出したのはダレンのせいだと考えて恨んでいたデブラは、迷わずに金を選択。マッケンジーの目の前でダレンが射殺されてしまう。最後にミラーの向こう側にブレイデンが現れる。そして犯人は一家に銃を与え、3人が自殺すればブレイデンを助けると告げるのだった……。

■完璧な家族
両家の住まいを再度調査したBAUは、家のあちこちに取り付けられた監視カメラを発見する。どちらの家もリフォームされており、施工会社は異なるが、下請けには共通した会社が散見された。そしてその中にスコットの遺体の発見者アーサー・リコフがいることが判明する。リコフは46歳独身で未婚。母親を早くに亡くし、父親は宗教に傾倒。16歳のときに近所の家庭に憧れていたが、ある日、その家の父親と学校の教師がキスをしているのを目撃し、完璧な家庭を壊した教師を襲撃した。リコフはそれ以来、代わりになる家族を探し続け、そして2年前に広大な農場を手に入れ、この犯行に着手したのだ。その頃、自殺を迫られたアクリン家では、デボラが耐え切れず、自らの腹に銃を向けて引き金を引いた。そこに捜査陣が到着。リコフを逮捕、ブレイデンは救出される。さらに銃は空砲でデボラも無事だった。しかし壁には自動小銃が隠されており、リコフは一家を助けるつもりはなかったとBAUは分析する。

【格言】
「行動とは、その人の本当の姿が映し出される鏡である」ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(1749年8月28日-1832年3月22日)の言葉。ゲーテは小説『若きウェルテルの悩み』、詩劇『ファウスト』など、詩人、劇作家、小説家として知られているが、それあけではなく自然科学者、政治家、法律家と多方面で活躍した知の巨人だ。引用は1809年に刊行された長編小説『親和力』の中の言葉。二組の男女の姦通をテーマに、情熱や理性など心の動きが描かれ、賛否両論を呼んだ作品。示唆に富んだ言葉が多く、これ一冊からゲーテの格言集が編纂されているほどだ。
「人生の奥底にある秘密。他人のための行いにこそ価値がある」ルイス・キャロル(1832年1月27日-1898年1月14日)の言葉。キャロルは『不思議の国のアリス』で知られる、英国の作家で数学者。今回のエピソード「家族ゲーム」の原題THROUG THE LOOKING GLASSは、『不思議の国のアリス』の続編で、アリスが姿見を抜けて異世界に旅する『鏡の国のアリス』からとられている。しかしこの引用は『鏡の国のアリス』ではなく、ルイス・キャロルが女優のエレン・テリー宛て手紙の一文。キャロルが目をかけていた女優志望の少女にエレン・テリーが助力したことに対する感謝の言葉だ。

【ゲストスター】
アクリン家の父親役は、『私はラブ・リーガル』ジェーンの上司J・パーカー役のジョシュ・スタンバーグ。デブラ役は『The O.C.』などに出演していたダニエル・ビスッティ。

【マシュー・ホフマン】
2010年11月10日、オハイオ州のアップルバレーで、ティナ・ハーマンの家に侵入。ティナ、その友人、11歳の息子を殺害し、13歳の娘サラ・メイナードを誘拐・監禁し、レイプを繰り返した。誘拐から4日後にホフマンは逮捕され、サラは保護された。犠牲者の遺体の遺棄場所を明らかにすることを交換条件に死刑を回避、2011年1月6日に仮釈放の可能性がない終身刑となった。

2014.1.22|エピソード・ガイド|コメント(1)トラックバック(0)

1月14日(火)S8#2『処刑同盟』

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■処刑スタイル
カリフォルニア州のサンディエゴとロサンゼルス。200キロほど離れたこの2カ所で、3時間の間に2人の人物が同様の手口で殺された。どちらも頭を殴られた後に車に繋がれて引き回され、死亡した。サンディエゴの被害者ブレンダは、2人の子どもを持つ教師。ロサンゼルスのマーク・コールマンは、薬物依存症の青年だった。健全な暮らしの主婦と、リハビリ施設に住むジャンキー。被害者はタイプも異なり、お互いに面識もない。しかし両者とも、プリペイド携帯から「会いたい」というメッセージを受け取った後に外出し、同様の処刑スタイルで殺されている。

■被害者の過去
検視の結果、マークは生きたまま、ブレンダは頭部への殴打で殺害されたあとに引き回されたことが判明する。わずか2時間で、犯行手口が急激に成長している。そのことに疑問を覚えたBAUは、この事件が2人組によるという仮説にたどり着く。その頃ガルシアの調査で、マークが過去に8歳のケリー・テイラーのレイプ殺人の容疑者であったことが判明する。ケリーは発見されていないが、失踪と殺人は立件できず、マークはレイプは認めて服役し、ひと月前に出所したところだった。やがて、男性が、車で引き回して処刑されるという新たな犯行が起きる。被害者のポール・モンゴメリーは、なんとマーク・コールマンの親友だった。マークだけではなく、もうひとりの被害者ブレンダの過去にも何か事件に関わることがあるのではないか、そう考えたホッチはガルシアに調査を依頼、彼女が17歳のときに酒気帯び運転で2歳のサム・ドーランを死なせ、少年刑務所に服役。父親が政治力を使って2ヶ月に減刑させたことを突き止めた。

■プロファイル
JJはサム・ドーランの遺族に面会するが、父親は事件当夜は海外出張中、母親は息子の死と、ブレンダの減刑が原因で、自殺したことが判明。一方のケリーの両親とは連絡をとることができなかった。また犯人からブレンダへの通話記録を調べたところ、几帳面に毎晩2回、電話が入っていることがわかる。ブレンダは教師で、家庭も円満、さらに犯人と落ち合ったのは家の近くであることから、BAUは犯人は女性2人だと分析、プロファイルを発表する。「彼女たちは、司法制度に幻滅し、自らの手で正義を果たそうとしている。緻密な計画に基づくこと、犯行の完成度から、犯人の年齢は30歳以上。それぞれの事件に個人的な関係がある可能性が高い。おそらく子どもを失った母親か、その親戚や友人。また1人は死後だが、残りの2人が生きたまま車で引き回されていることから、犯人の片方はミッションをうまくこなせていず、主導権を握っているのはもう片方である」というものだった。

■被害者の伯母と母
ふたりが出会ったのは、ネットの事件被害者支援グループではないか。そう推測したBAUは支援グループのチャットやメールを調査。サム・ドーランの事件を話題にしている中に、サムの伯母エレン・ラッセルが、そしてエレンの話相手に、ケリーの母親ダーリーンと思しき人物がいることに着目する。それぞれの事件に対して納得のいかない伯母と母親が、犯人の出所を機に殺意が高まり、交換殺人を持ちかけたのではないか。そう考えたBAUは、ケリーの事件を再調査。殺されたマークとポール以外にも、事件に関与した可能性の高い人物がいることを突き止める。BAUは、そのひとりジェーソン・ネルソンの自宅に急行するが、時既に遅く、ジェーソンの家はもぬけのからで、何者かに侵入された形跡があった。

■サイコパス対処刑人
その頃、ジェーソンはダーリーンとエレンに、ケリーの遺体の在処を教えるからと、命乞いをしていた。しかしサイコパスのジャーソンは、その情報を盾に、逆にふたりを操ろうとする。そして「遺体のありかを知りたければ、この場で、誰かを殺せ」と脅迫。ダーリーンは拒むが、エレンは通りすがりの車に発砲。ジェーソンはようやくふたりを、ケリーの遺体を埋めた場所に案内する。しかし、ケリーの遺体がバラバラに切断されたことを知ったダーリーンは逆上し、ジェーソンを撲殺。エレンと共に逃走する。ジェーソンの自宅を調査したBAUは、倉庫から土のついたスコップを発見し、土壌から死体を埋めた場所を推定。そしてその現場でジェーソンの遺体を発見する。犯人は逃走し、事件は終ったかに見えた。しかし、ケリーの部屋で、生前に母娘が行くはずだったメキシコのビーチの写真の切り抜きを見つけたロッシは、休暇を利用してメキシコに向かい、そこでエレンを発見する。たまたま席を外していたダーリーンは、エレンの逮捕を見てその場を離れる。エレンは、乗り合いバスの中からこちらを見つめるダーリーンに、そっと別れのほほえみを投げかけるのだった。

【格言】
「悪魔はさらなる不幸を生み出そうと常に画策している。人間のあくなき復讐心を利用して」ラルフ・ステッドマン(1936年5月15日-)。英国生まれ。アメリカで活躍するイラストレイター、アーティスト。ハンター・S・トンプソンの『ラスベガス☆71』の表紙で注目を集めた。『つきのはなぞの』などの絵本も邦訳されている。
「勝ったときは何も語るな。負けた時は多くを語るな」ポール・ブラウン(1908年9月7日-1991年8月5日)、NFLの発展に大きく寄与した、アメリカンフットボールのコーチ。シンシナティ・ベンガルズの本拠地スタジアムにその名を残している。

【ロッシの休暇】
休暇を31日も貯めてしまったロッシ。ちなみにリードの言う「2年前」の休みとは、第6シーズンの3話、『殺しの記憶』のこと。休みをとって自主缶詰状態にもかかわらず執筆に行き詰まっていたロッシは、ホッチから「ブッチャー」の話を聞いて即座に休暇返上で、クワンティコに戻ってきてしまった。ロッシは、このたまった休暇を、配偶者がアフガンにいる局員に譲って25日分消化。そして残った6日が結末でのメキシコ行きに使用されることになる。

【見知らぬ乗客】
1951年制作のヒッチコック映画。原作はパトリシア・ハイスミスの同名の長編。電車の中で、見知らぬ男から交換殺人を持ちかけられたテニスプレイヤーのガイを主人公にした、サスペンス映画の傑作。

【ゲストスター】
エレイン役は『どこかでなにかがミステリー』で、ロックシンガーの母親役を演じていたマッケンジー・フィリップスだ。

【アレックスの横顔】
第8シーズンより登場の新メンバー、アレックス・ブレイク。第1話では才媛ぶりを発揮、リードと学者同士のような会話を繰り広げた彼女だが、今回は、サンディエゴとロサンゼルスを2時間で移動できるのか、という問いかけに対して、立板に水の勢いで応えるリードに唖然。ガルシアとの行き違いにひきつづき、これもBAUの一種の通過儀礼のようなもので、こうやって少しずつ、チームに馴染んで行くのでしょう。さらに今回はリードとの会話で、ブレイクが既婚者であることが判明。夫は国境なき医師団のドクターで、海外赴任中とのことだ。

2014.1.15|エピソード・ガイド|コメント(1)トラックバック(0)

1月7日(火)S8#1『沈黙の逃亡者』

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■口を縫われた死体
テキサス洲アビリーンで、刑務所を出た救急車が転落。救命士と運転手が死亡し、搬送中の受刑者が逃走した。犯人は逃走の際に刑務官を殺害しており、その口は糸で縫い付けられていた。その手口は、8年前の未解決連続殺人事件の犯人「サイレンサー」とまったく同じだった。サイレンサーは2004年に立て続けに3人の女性を殺害したが、その後、犯行が途絶え、未解決になっていた。実は別の事件で刑務所に収監されていたのだ。しかし8年前の被害者は殴打の末に、遺体は野ざらしにされていたが、今回は被害者のタイプも異なるし、そこまでの怒りをぶつけてもいない。なぜ犯行が変化したのか、そして口を縫い閉じる署名的行動の背景は何なのか。リードとロッシはそれを探るべく、刑務所へと向かった。

■連続殺人犯・サイレンサー
犯人は2004年に交通違反で捕まった。車中から消音銃が発見されたが、黙秘を続けたため、身元不詳のまま懲役30年を言い渡され、さらに服役中に2人殺害し、終身刑となった。独房を調べたリードは、サイレンサーがたいへんな読書家であることを発見する。それもマルチリンガルで、フランス語の本を読み、英語で書き記していた。しかし読む力は人並みはずれているが、文章表現はたどたどしい。ブレイクはそのギャップを、耳が不自由だったことが原因と推測する。一方、検視局に出向いたモーガンとJJから、殺された刑務官の口が、生きたまま縫い付けられたこと、そしてその口の中にビニール袋に入れた紙片が押し込まれていたことが報告される。その紙片には「向こうの世界から見る」と記されていた。やがて新たな殺人事件が発生する。サイレンサーは、逃走用の車を調達するために、車のガレージを襲い、店主を殺害した。そして今度は「蜜の味を待ちわびる 夏の香り」と書いた紙片が発見された。さらに犯行はつづき、子連れの父親が殺害され、車が奪われた。

■プロファイル
BAUは、「犯人が被害者の口を縫い合わせるのは、犯人自身が沈黙を強いられたことに由来する。言語障害を抱えており、母親から虐待を受けたために、自分の言葉に価値がないと思っている。言葉のことで貶められ、怒りを抱き続け、それがついに爆発して犯行に至った。犯人がこのエリアに留まっているのは、ここでやるべきことがあるからだ」と分析。さらに、8年前の事件の被害者が40代後半の女性であったのに、今回は全員が男性である点に着目。犯人が既に一番憎い相手である、母親への復讐は済ませているのではと推理。その観点から被害者を調べ直したBAUは、最初の被害者ジュリー・マイヤーズが、フランス領だった過去のあるルイジアナ洲の出身であること、3人の息子がいることを突き止める。さらに犯人の写真を分析したブレイクは、犯人の左耳の傷痕が、人工内耳の手術痕である可能性に思い至る。やがてガルシアの調査でマイヤーズの一番下の息子ジョンが、14歳で人工内耳の臨床試験の被験者になっていたことが判明。聴覚障害を持ち、沈黙の世界で本を友にして成長した少年は、14歳でいきなり手術を受けさせられ、音を消すことができなくなり、母親を憎んだのだ。

■「向こうの世界」へ
ジョン・マイヤーズが目指している場所、「蜜の味を待ちわびる 夏の香り」「向こうの世界」とは、果たしてどこなのか。紙片の言葉は、話し言葉の断片ではないかと考えたブレイクは、それぞれのフレーズを再検証。「待ちわびる」の助詞の使い方に、テキサス中北部の用法を見出す。マイヤーズは懲罰房に入れられていたために、彼に接触できた人間はほとんどいないが、隣の房の声は聴こえる。ホッチはガルシアに、他の受刑者を畏れて、わざと懲罰を受けたような、刑務所に慣れていない人間を洗い出すように指示。スイートウォーター出身のダニー・タッカーの名前が浮かぶ。スイートウォーターは養蜂業が盛んな場所だ。刑務所暮らしに耐えられないダニーは、正気を保つために楽園の話を語り、マイヤーズはその話しに魅入られたのだ。しかしダニーは既に土地を手放しており、楽園など存在しない。BAUはダニーの家に急行。失望したマイヤーズが、ダニーの口を塞ごうとしたまさにその瞬間に到着。ブレイクは手話で、投降するようにマイヤーズに呼びかける。マイヤーズは優しく語りかけるブレイクの説得に応じるが、しかし、刑務所に戻るしかないと知り、絶望から自らの命を絶った。

【格言】
「歳をとるにつれて私は人の言葉より行動に注目するようになった」アンドリュー・カーネギー(1835年11月25日-1919年8月11日)カーネギー鉄鋼会社を創業し「鋼鉄王」と称されたアメリカの実業家。晩年は慈善事業に捧げ、図書館や学校の創設に私財を投じた。
「沈黙はその人を物語る」オリヴァー・ハーフォード(1863年~1935年)アメリカの作家・詩人・芸術家。

【アレックス・ブレイク】
新しくチームに加わった捜査官アレックス・ブレイクは、カリフォルニア大学バークレー校で2つの専攻をおさめ、FBI勤務の傍らで、クリントン大統領や緒方貞子など、多くの政治家や著名人を排出する私立の名門校ジョージタウン大学で教壇にも立つ才媛。24歳でFBIにスカウトされ、1996年のユナボマー逮捕で活躍した。しかし10年前、炭疽菌事件の誤認逮捕で矢面に立たされ、出世コースから失脚。ストラウスとはこの一件で確執が生じている。

【ジーン・トリプルホーン】
アレックスを演じているジーン・トリプルホーン(1963年6月10日 - )は、オクラホマ州タルサ出身で、タルサ大学を卒業後地元ラジオのDJとして働き、1986年には名門ジュリアード学院に入学し演技を学んだ。1990年に卒業、その後『氷の微笑』のベス役で映画デビュー。シャロン・ストーンの美貌が話題となった映画だが、物語後半のジーン・トリプルホーンの存在感も印象深い。最近では、宗教的な立場から一夫多妻制を実践する家族の物語を描いたTVドラマ『ビックラブ』に出演。プライベートでは2000年にリーランド・オーサーと結婚、2002年に男児が産まれている。

【ユナボマー】
1978年5月、ノースウェスタン大学の材料工学科教授に小包爆弾を送りつけたのを皮切りに、1995年までに、全米各地の大学・航空業界・金融関係者に爆発物を送りつけた。大学・航空会社爆破犯 University and Airline Bomber 略してユナボマーと呼ばれた。一連の事件で3人が死亡、29人以上が重軽傷を負っている。1995年に、犯行声明文の全国紙への掲載を要求し、 ニューヨークタイムズとワシントンポストが紙面を割いた。しかしこの犯行声明の文体が兄の文章に似ているとの通報から捜査が進み、1996年に逮捕された。犯人はセオドア・ジョン・カジンスキー。16歳でハーバード大学に進学、ミシガン大学大学院に進学し、数学の修士号と博士号を取得した人物だ。卒業後は1969年までカリフォルニア大学バークレー校の助教を務めたが、その後大学を辞し、モンタナ州の郊外で自給自足の生活を始めた。裁判では、仮釈放なしの終身刑とする司法取引が成立、公判を開かないまま刑が確定し、カジンスキーは現在もコロラド州にあるフローレンス刑務所で服役している。

【第8シーズン開幕!】
待望の第8シーズン開幕です。チームに新たなメンバーアレックス・ブレイクを迎え、さらにエピローグには、BAUの写真を現像する謎の男が登場。このシーンがどう展開していくのか、気になりますね。恒例となったマシュー・グレイ・ギュブラーの監督作品は、今回は10話と20話の2作。さらになんとホッチ役のトーマス・ギブソンも、14話の監督を努めているそうです。また、気になる情報としては、リードの恋愛エピソードも盛り込まれているとか。ドラマともども、ブログもよろしくお願いします。

2014.1. 8|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

6月18日(火)S7#23『仮面強盗 -前編-』

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■銀行強盗か、シリアルキラーか
ワシントンDCで銀行強盗事件が発生。3人組の犯人が、開店間もない銀行に入り、警備員を射殺して金を要求した。同一犯による犯行はこの7ヶ月で7軒目で、犯人3人がトランプの〈キング〉〈クイーン〉〈ジャック〉の面をかぶっていることから、マスコミから「絵札強盗」と呼ばれていた。犯行は常にきっかり2分で手際が良く、犯行の度に、1人を銃で殺害していることから、ホッチはこの犯人をシリアルキラーであると分析したが、FBI本部はその意見を却下していた。しかし今回犯行のパターンが崩れ、犯人は駆けつけた警官と撃ち合いになり、刑事1名が死亡、犯人側も〈ジャック〉が撃たれて重症を負って逃走に失敗。銀行内で人質をとって立てこもることとなった。事件の報告を受けたFBIは、危機交渉チームが海外に派遣されて留守なために、BAUを現地に派遣する。そして同僚を殺され、〈ジャック〉を撃った刑事は、JJと共に暮らすためにワシントンDC警察に転属したウィルだった。

■ジャックとキングの正体
BAUは監視カメラの回線に入り、中の様子を観察。ドアや窓の前に人質がいるために、突入は難しいと判断する。また撃たれた〈ジャック〉を〈キング〉が純粋に心配していることから、男性2人は血縁関係にあると分析する。また、これまでの犯行は、小さな支店や地方銀行ばかりであること、銃を撃ったのは常に〈クイーン〉であることなどが過去の資料から判明。〈クイーン〉は、警備員をはじめ、女子供などの区別もなく、常に腹部を撃って、弱っていく間に強盗を働く。被害者が苦しむ姿や、周囲の怯える様子に快感を覚えるサディストなのだ。やがてガルシアが、映像から犯人の身体的特徴を割り出し、データベースからクリスとオリヴァーのストラットン兄弟を割り出すことに成功する。その頃、クリスはロッシとの交渉でオリヴァーの治療のために医者を要求していた。「1つ要求をのめば、際限がなくなる」としてホッチとロッシはその要求を却下しようとするが、FBIの長官命令を受け、救命士に扮した捜査官を入れることで妥協する。しかし手当の途中でオリヴァーが死亡、逆上した兄のクリスが捜査官を射殺してしまう。

■クイーンと真のパートナー
そんな折、プレンティスにインターポール時代の上司クライドから連絡が入り、〈クイーン〉がヨーローッパ各地でも銀行強盗を働いていたことが判明する。しかし6つの諜報機関とインターポールをしても、〈クイーン〉の素性は明らかにされていなかった。「犯行の主導権を握っているのは〈クイーン〉。小さな銀行を襲ったのは兄弟のための練習で、〈クイーン〉が兄弟をプロの銀行強盗に育てている。しかし金属探知機がある銀行は今回が初めてだったとはいえ、入念に下調べをし、指紋も一切残さないような犯人なのに、なぜそれにひっかかり、さらに通報され、逃げ損ねたのか」分析は進むが、その一方で、新たな疑問も浮上する。警察への通報を調べたガルシアは、通報メールが、なんと犯行開始以前に送られていることを発見する。通報したのは犯人たち本人だったのだ。また銀行の監視カメラにマスコミだけではなく、海外からのハッキングがあることも判明、BAUは〈クイーン〉にはもう1人、本当のパートナーが存在し、彼女はそのパートナーを意識して犯行を行なっていると分析する。そして、そのことを材料に、クリスと〈クイーン〉と対立させて、隙を作る作戦に出る。

■ウィルが行内へ
しかしクリスは〈クイーン〉の言葉に操られ、ロッシとの交渉を拒絶。交渉相手として、弟を殺した警察官=ウィルが銀行内に出向くことを要求する。BAUがためらうと、人質を射殺、さらにウィルが来るまで、60秒に1人を殺すと宣言。JJは反対するが、ウィルは犯人の要求を受け入れ、銀行内に入る。しかし不安は的中し、クリスはウィルの姿を見た途端に発砲。さらに監視カメラの映像が、ウィルが銃弾に斃れた瞬間に途切れ、ウィルの容態も、中の様子もわからなくなってしまう。この事態を受け、ホッチは突入を指示。しかしウィルは、人質の1人である元海兵隊員マシューの手当を受け一命を取りとめていた。そしてウィルは自分に注意を引き付けることで、人質を外に逃がすことに成功する。一方、〈クイーン〉の動きを再検討していたリードは、彼女が出口を探すふりをしているだけで、実際はガス管と電気線に細工をしていることに気づく。人質が逃れたのを確認した突入チームが、銀行に近づいたそのとき、銀行から爆音が響き火柱があがった。(シーズン・ファイナル「仮面強盗 後編」につづく)

【格言】
「恐怖を撃ちぬくことができるのは勇気である」アメリカの軍人で、陸軍参謀長を勤めたジェームズ・F・ベルl (1856年1月9日-1919年1月8日) の言葉。

【コスプレ】
SFコンベンションに参加しようとしたリードとガルシアは、『ドクター・フー』のコスプレ。リードのロングマフラーはトム・ベイカー演じる4代目ドクター、ガルシアのトルコ帽と蝶ネクタイは、マット・スミス演じる11代ドクターのコスチューム。ケビンも同じ11代目ドクターですね。

【ゲストスター】
イジーの役は、『GALACTICA/ギャラクティカ』で美しい人型サイロンのナンバー・シックスを演じたトリシア・ヘルファー。

【エンタプライズ艦長大集合】
リードが見に行きたがっていた「エンタープライズ艦長大集合」の、エンタープライズとは、これまで何度もネタで使われてきた『スタートレック』の舞台である宇宙船のこと。企画内容は不明だが、エンタープライズ号の艦長となったのは(就任期間が非常に短い人もいるが)、ジョナサン・アーチャー、ロバート・エイプリル、クリストファー・パイク、ジェイムズ・T・カーク、ウィラード・デッカー、スポック、ジョン・ハリマン、ジャン=リュック・ピカードなどだ。

【シーズンファイナルに向けて】
自ら警察に強盗情報をリークし、警察内部に立てこもる方向に仕向けた〈クイーン〉。なぜ彼女は、ストラットン兄弟を育成しようとしたのか。なぜ今回は、敢えて、立てこもることを選択したのか。そして彼女がカメラの向こうに意識している、真のパートナーとは何者なのか。爆破の狙いは何か? 次回はいよいよ、シーズン7のファイナル。BAUは〈クイーン〉とそのパートナーにたどり着くことができるのか、そしてウィルの運命は果たして……。

2013.6.18|エピソード・ガイド|コメント(1)トラックバック(0)

6月11日(火)S7#22『プロファイラー入門』

22

■2012年
ロッシは、古い友人であるグラント博士に頼まれ、大学で犯罪学の授業のゲスト講師に招かれ、BAU全員がその授業に協力することになった。授業で扱うのは、BAU史上、最多の殺人を犯したシリアル・キラーのケースについてだった。この日、ロッシにはもうひとつ、刑務所である人物と面談を行なうという、重要な仕事があった。ところがその刑務所で暴動が発生したとの電話が入る。ロッシは、ホッチの司法省へのツテを使ってでも、刑務所での面会を取り付けようとするのだが……。

■1992年シアトル
事件の発生は1992年に遡る。被害者は、レイチェル・ムーア、17歳。出身はワシントン州スポケーンだが、実家は貧しく、酔っては暴力をふるう父親に愛想をつかして、母親が出て行き、家庭は崩壊状態で、家出中だった。手首、足首に拘束されていた痕があり、食事も水も与えられないまま数日監禁され、そして生殖器を切除して殺害された。レイチェルは53ヶ所刺され、遺体は裏道のゴミ捨て場に、遺棄されていた。過剰殺傷と呼ばれる状態で、犯人の憎しみや欲求不満、それに経験の未熟さを表している場合が多く、BAUは、犯人はこのレイチェルの殺害が初犯で、この後、手口を確率していったと考えた。そして2週間後、シアトルの大学生ティナ・ダイソン、19歳の遺体が、郊外で発見され、遺体の状態から同じ犯人による犯行と断定された。ティナの実家は裕福で成績優秀、家族からも愛されていた。その日、夏休みでシアトルに帰ってきていたティナは、女友だち2人と、年齢を偽ってロックバーに入店。飲み過ぎて気持ち悪くなり、店外に出、1人になった隙に拉致されたのだ。1992年当時BAUに在籍していたロッシは、市民への警告が必要であると考え、新聞社やTV局に連絡、そのせいか、犯人の動きが止まったため、捜査も打ち切られた。

■1997年サンフランシスコ
1997年、サンフランシスコのゴールデンゲート・パークで2つの新たな遺体が発見された。1人目は1ヶ月ほど草むらに放置されていた状態で、そして2人目はやはり土に埋められた状態で発見されており、検視で死後1週間と判断された。1人目は25歳の麻薬中毒患者の娼婦、2人目は27歳の主婦。やはり2人共、数日間食事なしで監禁されたあげく、生殖器を切除されていた。ロッシはマスコミに流す情報をコントロールし、犯人をあぶり出そうと考えるが、マスコミをうまくコントロールすることが出来ずに、「子宮ハンター」というセンセーショナルな名前が一人歩きする結果となった。しかし犯人は話題となっても、大胆になってボロを出すようなことはせず、沈黙を守り、捜査はまたもや行き詰まった。

■2005年ロサンジェルス
その次の事件は2005年。ロサンジェルスで、娼婦の遺体が発見され、遺体の状態から同一犯によるものと断定された。このときのプロファイルは「犯人は30代前半から半ばの白人男性。社交性はなく、自己評価は低い。日雇いか、雑用係のような、一時的で単調な仕事に従事し、仕事につけるだけの愛想はあるが、決して目立つことはない。被害者を何時間も監禁しておけるスペース、被害者を運ぶためのトラックかバンを所有している。子宮を切除するのは、臓器フェチ、生まれてきたことを恨むような深い自己嫌悪、誕生にまつわる何かがトラウマになっている、または母親への憎しみの現れ。被害者は犯人の怒りを表すための復讐道具に使われている。また、いつでもまず娼婦や家出人をまず誘拐、その後、学生や主婦を選んでいる。次は30代の子持ちの主婦が選ばれる」というものだった。しかし、その後、子持ちの主婦の遺体も、失踪事件も起きず、捜査は打ち切られた。

■2009年シアトル
さらに4年が経過。2009年、再びシアトルで40歳の娼婦の遺体が発見された。BAUは、これまで犯人は常に南下していたのに、シアトルに戻った点に着目。戻らなければならない、何らかの理由があったと分析する。やがて42歳の主婦グレイス・パウエルが誘拐されたとの報が入るが、その誘拐現場は、なんと92年の女子大生ディナ・ダイソンと同じ場所だった。ガルシアはその場所のあらゆる情報を収集、ついに、1966年にそこで16歳の少女ジョージナ・イエイツがレイプされ、レイプ犯の子供を産んでいたことを突き止めた。ジョージナは出産中に死亡し、トーマスと名付けられた子供は祖父母に引き取られた。トーマスは二度、放火で学校を退学、15歳のときには、自分を虐めた相手を刺殺し、少年院で3年、刑務所で7年服役。最初の事件の直前に仮出所したことが判明する。また、トーマスは服役中、精神科医に、祖母が自分のロクな食事も与えず、犬小屋で眠らせたり、暴力をふるっていたことを告白していた。さらに調査で、つい最近、祖父が死亡し、祖母が末期がんでホスピスに入院したことが判明。トーマスはそのためにシアトルに戻ったのだ。捜査陣は祖母の入院する病院で入手した住所に急行、間一髪のところでグレイスを救出、トーマスを逮捕した。しかしトーマスは尋問に対して一切口を開かず、無言のまま、死刑判決を受けた。

■2010年~2012年、そして……
そして2年前の今日。ロッシはそのトーマスから電話を受け、刑務所に向かった。彼は101人の殺害を告白、減刑と引き換えに、被害者の名前を教えるというのだ。彼はまず40人名前と遺棄した場所のリストを提出。そして今後、1年に1人ずつ、彼が選んだ日に、名前と遺棄場所を告白するというのだ。自分の誕生にトラウマを抱えるトーマス・イエイツが選んだ日は、ロッシの誕生日だった。以来、ロッシは毎年誕生日に刑務所に出向き、トーマスから被害者の情報を聞き、遺族にそれを伝えるという恒例行事を淡々とこなしているのだ。そして今日が、その日だったのだ。授業終了後、ホッチの力添えもあり、ロッシはトーマスとの面会に刑務所へと向かった。

【格言】
「生きるものには敬意を、死者には真実のみ伝えるべし」フランスの哲学者であり、作家、文学者、歴史家ヴォルテール(1694年11月21日-1778年5月30日)の言葉。
「悪人にとっての勝利は、善人が何もしないことだ」アイルランド生まれの哲学者、政治家エドマンド・バーク(1729年1月12日-1797年7月9日)の言葉。『フランス革命の省察』、『崇高と美の起源』などの著書でも知られる。

【チカチーロ】
リードが子宮を食べた例として名前をあげるアンドレイ・チカチーロ(1936年10月16日-1994年2月14日)は、ロシアのシリアルキラー。「ロストフの殺し屋」、「赤い切り裂き魔」などの呼び名を持つ。1978年から1990年にかけて、52人を殺害。インポテンツであったが、相手の抵抗や、めった刺しにすることで性的興奮を覚えていた。内蔵や性器を切り取り、それを食べることもあった。死刑判決を受け、1994年に刑が執行された。

【シリアルキラー】
KY学生ジマーマンくんの「その犯人聞いたことない」との発言のあとにモーガンが並べる名前は、全て、大量の人間を殺した殺人鬼だ。エフレン・サルディヴァー(1969年9月30日-)は、ロサンジェルスの死の天使と呼ばれた呼吸技師。1988年から1998年の間に、筋肉弛緩剤で高齢者を殺害、6人の殺害で仮釈放なしの終身刑を言い渡されているが、本人は1度、50人の殺害を告白。専門家による内部調査では120人に関与の疑いが持たれている。デイヴィッド・パーカー・レイ(1939年11月6日-2002年5月28日)は、別名、トイボックス・キラー。おもちゃ箱と呼ばれる拷問部屋で14人~60人の女性を拷問し殺害したとされている。2002年に心臓発作で死亡した。ジョン・エドワード・ロビンソン(1943年12月27日-)は、インターネットのチャットで知り合った女性8人を殺害、史上初のインターネット殺人鬼と呼ばれている。

2013.6.11|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

5月28日(火)S7#21『金髪コレクター』

21

■死刑執行、そして模倣犯の誕生
オクラホマ州で25人の女性を殺害した連続殺人犯ロッド・ギャレットの死刑が執行された。ところが刑が執行された直後、同州のイーニッドでキャラ・スミスという女性が、自宅で殺害された。凶器はアイスピッグで心臓を一突き。手口はギャレットのものに酷似していた。一行は飛行機でオクラホマ州に向かうが、その機内に、新たな犯行の知らせが届く。殺害のインターバルはわずか6時間。ホッチとモーガンはギャレットの信奉者による模倣の線を捜査するために、刑務所を訪ねる。しかし刑務所長は、ギャレットは収監されていた7年間、誰にも心を開くことはなく、妻のヘレンだけが毎日かかさず面会にきていたと語る。さらに、ギャレットはその7年間で2度、刑務所内で襲われているが、ナイフを奪って逆に相手を刺し殺しているというのだ。

■殺人犯の妻と、殺人犯の信奉者
ロッシとプレンティスは、ギャレットの妻ヘレンと会うために自宅を訪ねる。ヘレンは10年前にギャレットと出会ったが、その後すぐに病気が見つかり、化学療法や手術を繰り返していた。ギャレットはそんな彼女を見捨てることなく寄り添い、病気が治った後に結婚した。犯行が始まったのは、結婚後すぐだが、ヘレンは、自分が病気のためにギャレットの求めに応じることができず、彼が犯行に走ったのではないかと自分を責めていた。そのために、逮捕後もギャレットを見捨てず、最後まで支えつづけたのだ。ロッシたちはヘレンからギャレット宛に届いたファンレターを預かる。そこにはギャレットに対する賛辞が溢れており、その中の1通に、ギャレットが死ぬ直前に暗唱したという『千夜一夜物語』の一節が書かれていた。

■金髪コレクター
やがて第一の被害者も、第二の被害者も共に、犯人によって髪を切られていたことが判明する。さらに第3の犯行が発生し、その被害者からは、頭髪の一部が剃り取られていた。ギャレットは記念品を持ち帰ることはなかった。これは模倣犯ではない! BAUは急ぎ、プロファイルを発表する。「犯人が30歳から40歳の白人男性。若くて体力のある女性にも抵抗させないだけの腕力がある。現場に物証を残さない周到さも持ち、自信家で、犯行後、すぐに発見させて、捜査陣を嘲笑っている。細かく立てた計画通りに成功していることから、犯人は定職に従事する力があるが、その仕事には満足していない。金髪女性ばかりをねらっているのは、被害者の一部を所有したいのか、被害者の象徴である女性を貶めようとしているのかもしれない。犯人はギャレットのことを最初は称賛していたが、今はその地位を奪おうとしている。また殺害インターバルは6時間。次の犯行は午前0時に行われる」

■ハートで囲まれているのは……
BAUは市民へ警戒を呼びかけたが、しかし第4の犯行を阻止することはできなかった。用心のためにボーイフレンドを伴って帰宅した被害者は、犯人に拉致され、めった刺しされて自宅そばに遺棄された。そして遺体からは、頭皮ごと金髪が奪われていた。なぜ犯人はわざわざ拉致した被害者を、自宅そばに遺棄しに戻ったのか。犯行現場の地理に意味があるはずだと考えたBAUは、現場をつなぐ線がハート型であることを発見する。そしてそのハートは、ギャレットの妻、ヘレンの自宅を囲んでいた。犯人はヘレンに思いを寄せ、ギャレットにとってかわろうとしている。刑務所でギャレットが襲われたのも、犯人の仕業だったのだ。しかし、ヘレンはこの7年間、刑務所と自宅を往復するだけの毎日だった。そんなヘレンと接点を持ち、刑務所内での殺害を仕組める人物とは……。こうして、刑務所内でのシャトルバスの運転手ディラン・コーラーの名前が浮上。さらにガルシアの調査で、彼がかつらを作る道具一式を注文していることが判明。彼は、化学療法と手術で毛髪を失ったヘレンのために、金髪のかつらを作ろうとしていたのだ。BAUは、ディランの作業場に急行、拉致したヘレンに、無理やり、自作のかつらをかぶらせているところに踏み込み、ディランを逮捕した。

【格言】
「成し遂げられぬ欲望を育むより、ゆりかごで赤子を殺した方がよい」イギリスの画家、詩人、銅版画職人であったウィリアム・ブレイク(1757年11月28日-1827年8月12日)の詩「地獄のことわざ」(『天国とと地獄の結婚』)の一節。
「恋愛と殺人においてのみ、人は今も誠実である」、スイスの劇作家、推理作家、エッセイスト、フリードリッヒ・デュレンマット(1921年1月5日-1990年12月14日)の言葉。

【銃殺刑】
現在、アメリカでの死刑執行の方法は、主に薬殺かガス室のどちらかであるが、一部の州では死刑囚本人の希望により、電気椅子や銃殺を選択できる。銃殺が選択できのは、アイダホ州とオクラホマ州の2州。ユタ州では現在は禁止されているが、禁止法案成立以前の死刑囚には遡及しないために2010年6月に銃殺刑が行われ、大きな反響を呼んだ。

【千夜一夜物語】
妻の不貞によって女性不信となったシャハリヤール王は、以来、国の若い女性と一夜を過ごしては翌朝、その娘を殺害するようになった。大臣の娘シェヘラザードは、その行為をやめさせるため、自ら志願して王と一夜を共にするが、床入りが終わったあと、シェヘラザードの妹ドゥニヤザードが姉にお話をねだり、姉はさまざまな物語を語りはじめる。しかし話が佳境に入った所で「続きはまた明日」とシャハラザードが打ち切る為、王は次の話が聞きたくて、シェヘラザードを殺すことなく、それが千夜にも渡った。というのが、『千夜一夜物語』(アラビアンナイト)物語の外枠。死刑囚のロッド・ギャレットが最後に口にしたのはこの最終章、シェヘラザードは王の正妃となり、国王も残虐な行為を改めたという大団円の部分。花嫁姿のシェヘラザードを称える詩の一部である。物語の本篇はシェヘラザードが夜毎語る説話集で、「アラジンと魔法のランプ」や「シンドバッドの冒険」などが含まれる。さまざまな翻訳、注釈つきのバージョンが存在し、リードの指摘するバージョンとは、おそらく「バートン版」のことと思われる。バートン版は、1885年から1888年にかけて博学を誇った探検家リチャード・バートンによって英語に翻訳され出版されたもの。アラビア語で出版されたさまざまなバージョンからエピソードを拾い、さらにバートン自身による脚色も含んでいる。性風俗に関する注釈が豊富なことでも有名だ。

【占い棒】
今回のエピソードのタイトルは、ディヴィニング・ロッド。これは水脈や貴金属を探す、ダウジングに使用する占い棒で、二股にわかれた木や、L字型の棒を手に持ち、振り子のように振動させ、その動きで水脈などを発見するというもの。「悪い男を嗅ぎ分けて、惹き寄せられる、占い棒のような存在」と父親に言われてしまったヘレンが、哀れに思えてならない。がしかし、エピローグ、惹き寄せられるだけの受動的な立場から、自ら働きかける者へと変貌するヘレンの姿には恐怖を禁じえません。

2013.5.28|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

5月21日(火)S7#20『奴隷契約』

20

■8年ぶりの再会
妹のデジレーが交通事故を起こしたという電話で、急ぎシカゴに戻ったモーガン。彼は病室でデジレーから驚くべき話を聞かされる。彼女の車が信号で停止したとき、なんと、隣の車に、8年前に行方不明になった従姉妹のシンディが乗っていて、デジレーはとっさにその車を追いかけたために事故に遭遇したというのだ。モーガンはシンディの件をホッチに連絡、チームはシカゴに急行する。そもそも事のおこりは8年前。シンディはジョン・ヒッチンスという男のストーカー被害にあっていた。しかし相手は、法的手段に訴えられる一線は超えていなかったため、困ったシンディはモーガンに相談、モーガンは転居をすすめた。しかしその引越しの最中にシンディは行方不明となった。そしてその2週間後、ヒッチンスはシカゴで拳銃自殺をとげ、警察は彼がシンディを殺したと結論づけた。

■奴隷契約
BAUはヒッチンスの自殺を再調査。自殺に使われた銃を購入したのは、ヒッチンスではなく、マルコム・フォードという男であることが判明する。マルコムの経歴を調べたところ、恋人や行きずりの女性から、暴行で複数回告発を受けており、むしろヒッチンスよりも彼のほうが、シンディのストーカーのプロファイルに当てはまる。BAUは、シンディには実はふたりのストーカーがおり、マルコムはライバルだったヒッチンスを殺し、容疑を彼になすりつけたと分析。マルコムの住所に急ぐ。家はもぬけの殻で、人影はなかったが、女性が暮らしていた形成があり、されに部屋から拷問道具、暖炉には証拠隠滅のために燃やした書類の燃え残りがあった。そしてその中から、シンディがマルコムと交わした「奴隷契約書」が発見される。

■ストックホルム症候群
BAUはプロファイルをまとめる。「シンディ・バーンズの自我は、マルコム・フォードのもとで8年に渡り監禁される中で、砕け散った。シンディは極度のストックホルム症候群であり、その結果、犯人は彼女が逃げないと確信し、ある程度の自由を与えている。またマルコムはSM愛好家のグループは、一種のロールプレイングとして、あたかも奴隷売買を行なっているかのようなフリをしている。しかしシンディは、『組織』の存在を信じさせられており、主人を怒らせたり、逃げたりすると、組織によって罰せられると思っている」というものだった。やがて、スーパーマーケットで、マルコムとシンディらしき二人連れがトラブルを起こしたとの通報が入り、モーガンとロッシが現場に急行。しかしマルコムを追跡し、その車を停止させてみたものの、車内にシンディの姿はなかった。連行されたマルコムは余裕の表情で、弁護士も要求しない。モーガンはシンディが殺害されたのではないかと動揺するが、やがて、そのシンディが弁護士を伴って現れ、マルコムの釈放を要求する。シンディは、かけつけた母のイヴォンヌに「ご飯を作ってあげなきゃ……」という言葉をつぶやき、マルコムと共に警察署から出て行ってしまう。

■ご飯を作ってあげる相手とは?
シンディがスーパーマーケットで通報されたのは、缶詰を万引きしたためだった。その缶詰のブランドを見たモーガンは、それが子供のころにシンディと一緒に食べていたものであることに気づく。「ご飯を作ってあげる」相手は、マルコムではなく、彼女の子供なのだ。マルコムの家に子供が暮らしていた形跡がなかったことから、どこか別の場所に子供が預けられており、それがシンディを縛りつけている。そう考えたモーガンは、弁護士に揺さぶりをかけ、子供を隠している山小屋の場所を白状させる。BAUは山小屋に急行、そこにはなんと、シンディの子供だけではなく、複数の拉致被害者の子供が隠されていた。モーガンはマルコムと乱闘になるが、銃を持ったシンディが、それをマルコムに向ける。彼女は洗脳されていたのではなく、子供のために、奴隷生活に耐え続けていたのだ。こうしてマルコムは逮捕され、シンディは8年ぶりに、母の元に戻ることができた。

【格言】
「ウソをつくよりひどいことは、ウソの人生を生きることだ」アメリカの著述家ロバート・ブロールト(1963年~)の言葉。

【ゲストスター】
シンディを演じているのは、『シェイムレス 俺たちに恥はない』のヴェロニカ役のシャノーラ・ハンプトン。モーガンの姉サラは、『ヴェロニカマーズ』でウォレスの母アリシアを演じたエリカ・ギンペル。

【ストックホルム症候群】
被害者が恐怖と生存本能に基づく自己欺瞞的心理操作から、犯人に対して必要以上の同情や連帯感、好意などをもってしまうことを言う。1973年にストックホルムで起きた銀行強盗人質立てこもり事件において、一週間に及ぶ監禁の後にようやく解放された人質が、犯人をかばい警察に非協力的な証言を行ったことから名付けられた。

【パトリシア・ハースト】
ストックホルム症候群の例として名前の出たパトリシア・ハーストは、新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハーストの孫娘で、1974年に左翼ゲリラによってサンフランシスコで拉致された。犯人は「カリフォルニア州の貧民6万人にそれぞれ70ドル分の食料を与える」ことを要求。その後、犯人一味が銀行を襲った際、防犯カメラの映像に銃を構えるパトリシアが映っていたことで、話題となる。その後も、パトリシアは犯人一味と行動を共にし、誘拐から一年半後にようやく逮捕された。そしてその後の裁判で、洗脳によるもので無罪を主張するが、判決は有罪で懲役35年が下された。しかし嘆願書によって刑は懲役7年に短縮、さらにその後、カーター大統領による特別恩赦で仮釈放された。

【海の牢獄】
シンディのエピソードはシーズン6の23話「海の牢獄」を受けている。フロリダ州ジャクソンビルで、海底の浚渫作業中に大量の白骨が発見された事件で、被害者の身元を示す手がかりは何もなく、行方不明者の家族に情報提供を呼びかけたのだ。その中にモーガンのおばイヴォンヌも混じっていた。イヴォンヌは娘を探し続けており、身元不明の遺体がみつかるたびに、娘ではないかとモーガンに問い合わせていた。やがてモーガンは、シンディを殺したのはこの事件の犯人ではないと確信するが、イヴォンヌを気遣うモーガンは、犯人が殺害を認めたと嘘をつき、全てを終わらせようとした。

【エピローグ】
家族が再会、そしてガルシアが現れる感動のエピローグ。流れる曲は、アメリカのバンド、ザ・フレイのBe Still。2011年にリリースされた3枚目のアルバムScars and Storiesに収録されている。

2013.5.21|エピソード・ガイド|コメント(3)トラックバック(0)

5月14日(火)S7#19『悪魔の花嫁』

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■悪魔教儀式?
元触法精神障害者施設聖ボールドウィンで、女性の遺体が発見された。被害者はエマ・ベイカー38歳。遺体にはルネッサンス風のドレスが着せられ、顔には不自然な白化粧がほどこされていたため、悪魔教の儀式が疑われた。現場のボールドウィンは98年に火事で東棟が焼けて閉鎖。その後、廃墟になり、壁は落書きだらけだった。やがて検視の結果、被害者の死因は、ドレスに染み込ませたニコチン系の殺虫剤による中毒死であることがわかる。死に至るまでには1時間程度を要したとみられるが、ドレスは併せの部分が縫いつけてあり、自分では脱げないようになっていた。しかも被害者の足には長時間水に入れられていたと思しき痕跡が見つかる。犯人は被害者を殺害前に水に浸けて拷問していたのだ。

■ドレスは誰が?
被害者が着せられていたドレスの布地は特殊なもので、ドレス自体もホームメイド。ただ縫い目が不揃いで、作業の質から、手が小さく、集中力のない、十代の少女が作ったと見られる。犯人は遺体を運んだ男性と、年下の共犯者の二人組みと考えられた。遺棄現場の壁の落書きを見ていたプレンティスは、その中に被害者の名前と数字を併記したものがあることに着目する。名前は「クリスティン、エマ、アリス」と続いていた。その後、空き店舗のフロアで新たな遺体が発見される。被害者の名前は「アリス」だった。遺棄現場の空き店舗の窓から外を見たロッシは、向かいの劇場がシェークスピア劇を上演予定であることに注目。犯人が着せたドレスが舞台衣装なのではないかと考えた彼は、劇場に出向いて調査する。結果、ドレスはなんと前年の秋に『ウィンザーの陽気な女房たち』で使用されたものにそっくりであることが判明。衣装が一点ものであることから、ロッシは劇団の関係者を調査するようにガルシアに指示する。

■プロファイル
さらにガルシアの調査で、先々月からクリスティン・トレスという名の女性が行方不明になっていることが判明する。落書きを再度調べたリードは、数字は誘拐した2日後で、さらにそれが悪魔教の生贄を捧げる祝日であることに気づく。悪魔教の次の祭日は2日後であり、生贄は今日、誘拐される。BAUは急ぎプロファイルを公表する。その内容は……「被害者の化粧や着せられていた衣装から見て、犯人は入り組んだ空想の世界で生きている。犯人の年齢は断定し辛いが、おそらく20代から30代。自分を悪魔のために働く特別な人間だと考えている。被害者を殺害する前には、数日間、水に浸けて苦しめている。慎重で我慢強く、想像力がたくましい人物だ。衣装からみて、歴史オタクかシェイクスピア・ファン。社会的に孤立した人間で、一見普通で警戒されない。犯行の原動力はあくまでも幻想と思い込み。女性または未成年の共犯者がドレスを縫っているが、これは必ずしも犯行のパートナーではなく、無理やり手伝わされているか、彼女自身が被害者の可能性もある」

■犯人は悪魔崇拝者ではなく……
やがてリードは被害者の状況と魔女裁判との類似に気づく。裁判では、魔女かどうかを水に沈めて判定していた。死ねば潔白、生き延びたら魔女なので死刑という、どちらにしても死しかない判定だ。この犯人は悪魔崇拝者ではなく、特定の誰かを守るために、悪魔と戦い、魔女を殺しているつもりなのだ。その夜、新たな行方不明者が出た。姿を消したのは27歳のサラ・ギャモン。クラブから姿を消したのだが、店の監視映像には彼女に話しかける青年の姿が写っていた。一方ガルシアは、劇場の衣装は、16年前に『ウィンザーの陽気な女房たち』に出演したケイト・ハリスという女優が寄付したものであることを掴む。ケイトは1988年、ボールドウィン病院の火事で死亡した患者のひとりだった。ケイト・ハリスの本名はキャサリン・ヒースリッジ。繊維会社の相続人で、精神疾患を抱えていたが、16年前に娘を身ごもったために薬を中断、劇場で錯乱し、他の女優を悪魔の妻だと思い込んで刺し、さらに劇場から逃げ帰った彼女は、悪魔に見染められないようにと娘の左腕を切落としたために、ボールドウィンに収容されたのだ。「キャサリンの死後、誰かがその使命を引き継いでいる」そう考えたBAUはヒースリッジ家を調査。父親は事故死しており、母親の死亡後祖父に育てられたが、昨年死亡。26歳のジェームズは3年前に神学校を退学、16歳のララは6週間前にハイスクールをやめていることがわかる。

■幻想の果て
ジェームズは、祖父の死後、ヒースリッジ館で母の幻影と語らいながら暮らしていた。母は彼に、妹のララを悪魔から守るように彼に言い遺していたのだ。ジェームズは拐って来た女性を水に浸け、蘇生すれば悪魔の妻として殺害していた。ところがサラ・ギャモンが蘇生しなかったため、ララが兄の間違いを非難し、警察に通報すると言い出した。動揺したジェイムズは、ララにニコチンの入った衣装を着せ、彼女を連れにくる悪魔と直接対決しようとする。そこにBAUが到着。ララは間一髪救助されるが、ジェームズはホッチと乱闘になり、井戸に転落して死亡する。

【格言】
「人は皆悪魔、われわれがこの世に地獄を作る」アイルランドの作家・戯曲家オスカー・ワイルド(1854年10月16日-1900年11月30日)による戯曲「パドヴァ大公妃」の一節。
「見るもの全ては夢のまた夢」エドガー・アラン・ポオの詩「夢の夢」の一節。1949年、ポォが謎の死をとげたその年に書かれた詩の最後の一節。詩全体は、まるで死を予期し、自分の人生をふりかえるような内容で、その最後をしめくくるのが、この、「全ては夢のまた夢」という儚さを憂うような言葉だ。全文は『ポォ 詩と詩論』福永武彦訳で読むことができる。

【ゲストスター】
ジェームズを演じているのはカイル・ガルナー。『ヴェロニカ・マーズ』のキャシディー・“ビーバー”・カサブランカス役や、『CSI:ニューヨーク』でマックの亡妻クレアの息子リード・ギャレット、そしてリメイク版の『エルム街の悪夢』でクエンティンを演じている。妹のララは『カリフォルニケーション ある小説家のモテすぎる日』でハンクの娘ベッカ役のマドレーヌ・マーティン。母親のキャサリンは『バフィー ~恋する十字架~』ドゥルーシラ役のジュリエット・ランドーが演じている。そして今回のスペシャル・ゲストはガスナー刑事を演じているロバート・イングランド。『エルム街の悪夢』の初代殺人鬼フレディや、『オペラ座の怪人』で知られるが、『V.』の心優しい宇宙人のウイリー役も印象深い。

【ペルセポネ】
ガルシアのPCの名前。ペルセポネはギリシア神話の春の女神で、大地の女神デメテルの娘。冥府の王であるハデスがペルセポネに一目惚れし、冥界へと連れ去ったエピソードで知られる。PCにつける名前としてはあまりピンとこないが、今回の悪魔の花嫁というテーマからの連想で用いられたのだろう。ただし、ハデスは冥府の王ではあるが、キリスト教的な悪魔とはまったく異なる存在である。

【元祖服を使った毒殺】
リードが生地屋で語ったギリシア神話のエピソード。ネッソスはケンタウロスで、ヘラクレスの妻デイアネイラにちょっかいを出したために、弓で射られて殺された。死ぬ間際にネッソスは、自分の血液が媚薬であるとデイアネイラに語る。後にヘラクレスの心変わりを恐れたデイアネイラはこの血液を衣服に湿布。これを着たヘラクレスは毒によって身体が腐り、命を落とした。

【マシュー監督作品】
毎シーズン、監督をしたいと語っていたマシュー・グレイ・ギュブラー。1シーズン5の6話『母の祈り』、シーズン6の18話「もうひとりのプレンティス」につづいて3度めの監督作品。マシューはこの後、シーズン8では10話と20話を監督、そしてなんとシーズン8ではホッチ役のトマス・ギブソンも14話で監督をつとめている。なお、マシューの公式HPでは、本エピソードのストーリーボードの写真なども公開されている。
【ウィンザーの陽気な女房たち】
ウィリアム・シェイクスピア作の喜劇。オペラ化もされており、『ウィンザーの陽気な女房たち』(1849年)など、たびたびオペラ化されている。ウィンザーにやってきたフォルスタッフは、既婚女性をたぶらかしてお金を手に入れようと、ふたりの女性に恋文を送るんだが、手抜きにもこの2通の手紙がまったく同じ内容。そのことを知った女性から、手ひどいしっぺ返しを食らうという内容。今回のエピソードから怖い話を連想しそうだが、痛快なコメディです。

【左手】
エピローグ。衣装を処分するララ。玄関の呼び鈴がなり応対しようと階下におり、そして玄関のドアノブに手を延ばす。ノブを回す手は左手。母親に切り落とされて、義手になっているはずの手だが、このシーンでは生身の手になっている。ドアの外には悪魔のシンボル。差し出された相手の手に、重ねられるララの手はまたも、生身の左手だ。

2013.5.19|エピソード・ガイド|コメント(4)トラックバック(0)

5月7日(火)S7#18『翼』

18

■発見された少年
アリゾナ州の辺鄙な地域の道路で、ひとりの少年が発見された。長期に渡り、どこか日の当たらない監禁場所に閉じ込められていた様子で、目には黄疸、足首には鎖で繋がれた痕があった。そして、少年が保護された直後、現場から遠くない町で、13歳の少年ビリー・ヘンダーソンが行方不明になった。アリゾナでの誘拐の発生率の低さから、BAUはこの2件の事件に関連性があると見て捜査を開始する。モーガンとJJは保護された少年に面会するが、しかし事件解決の鍵をにぎる少年は、机の下にうずくまったままで、犯人についての語ることはおろか、極度の緊張から、治療のために近づくことすらできない状態だった。少年の状態を確認したモーガンは、発育不全や肌の状態を見て、行方不明の児童の検索を2000年頃まで遡るように指示する。

■忌まわしい記憶
BAUが現地に到着する前に、警察にサム・アレンという女性が現れ、30年前に同じように鎖に繋がれた少年を見たことがあると語った。しかし彼女はそれだけ言うと、気が変わったのか、突然、帰ってしまった。サムが写真を並べている棚を見て動揺した様子だった。そこには、前の署長と、警察署の建設を請け負った業者の社長が、握手している写真が飾られていた。そしてその社長こそが、JB・アレン、サムの父親だった。サムを訪ねたロッシとプレンティスは、「なぜお父さんが関与してると思うのか?」と核心に斬りこむ。しかしサムは父親の関与を否定して何も話そうとしない。

■翼あるもの
少年の心を開かせようとするモーガンは、彼に、自分のお守りであるチャレンジ・コインを手渡す。一方JJは、スペイン語で名前を聞くことを思いつき、実行する。優しく語りかけるJJに、やがて少年は、コインに書かれた鷲の翼を指さし、自分の肩甲骨のあたりを指した。背中に翼のある者。少年の名前はエンジェルだったのだ。しかしエンジェルという名前の失踪人記録がないことから、JJは不法就労者の子供である可能性を指摘。失踪届ではなく小学校の中退者名簿から捜索をかけ、2004年に2年生で学校をやめたエンジェル・スアレスの記録にたどり着く。こうして母親を発見するが、自分を恥じているエンジェルは母親に会う前に手首を切って自殺未遂を図る。

■父親の犯罪
一方、一度は全てを否定したサムだが、その後警察に現れ、プレンティスの認知面接を受け、幼い頃の記憶を蘇らせた。その夜、サムは窓の外で、父親が鎖に繋がれた男の子をトラックに閉じ込めようとしているのを目撃していたのだ。プレンティスはサムに父親の家の地下室を探るように頼むが、しかし、地下室からは異常なものは何も発見されなかった。エンジェルは、根気よく話しかけ続けるモーガンに次第に心を開き、ついに、自分の身体に犯人の歯型が残っていることを告げた。サムは父親が数年前に歯の被せ物がとれたという話をしていたことを思い出す。また父親が誘拐の記念品である犬をサムにプレゼントしていたことも判明、BAUはJBを犯人と断定し、彼の家に突入する。しかし秘密の地下室を発見するも、すでにそこはもぬけのからだった。やがてサムの証言から、JBがシャベルカーの試乗で少年たちの気を引き、ターゲットを物色していたこと。足繁く最初に手がけた分譲地に通っていたことが判明。その分譲地で、シャベルカーで生き埋めにされかけていたビリーを救出、JBを逮捕した。

【格言】
「記憶とは複雑なものだ。真実の親戚ではあるが、双子ではない」アメリカの小説家、詩人、バーバラ・キングソルヴァー(1955年4月8日-)の言葉。
「忘れたいという願いほど、強く記憶に働きかける力はない」著作『エセー』で知られる、16世紀ルネサンス期のフランスを代表する哲学者ミシェル・ド・モンテーニュ(1533年2月28日-1592年9月13日)の言葉。

【回復記憶】
あまりに辛い記憶があるとき、人は、自己防衛のために、その記憶を抑圧することがある。そしてそれが蘇ったものを回復記憶と呼ぶ。1988年、エレン・バスとローラ・デイビスの著書『生きる勇気と癒す力』が出版されたが、この中で女性が理由もわからず鬱に悩んでいる場合、少女・幼児期に受けた性的虐待の記憶を抑圧されている可能性が高いと指摘、大きな注目を集めた。この本に刺激を受けた、生きにくさを感じている多くの女性が、その原因を抑圧された記憶に求めた結果、父親の虐待という偽の記憶を主張。社会問題となった。また、エイリアンによるアブダクションの記憶も、この一種と考えられる。

【チャレンジコイン】
アメリカ軍やFBI、消防署などの組織において、帰属意識や士気を向上させるために隊員に与えられる直径4センチほどのコインのこと。部隊名、ロゴ、参加した作戦名などが刻印されている。コインと呼ばれているが、貨幣ではなく、記念メダルだ。コインは兵士や隊員の誇りであり、運転免許証やクレジットカードとともに自分の財布に入れいつでも持って歩き、執務室にコインを飾る士官も多い。モーガンが語るパイロットのエピソードはチャレンジコインの歴史でも有名な逸話。また、酒場で誰かが「チャレンジコイン」とコールすると、その場にいる人はみなポケットからコインをテーブルにだし、持っていなかったものが酒代を払うというルールもある。

【モーガン】
モーガンがエンジェルに語るカール・ビューフォードとは、モーガンが育った地域の青少年センターの責任者で、彼にフットボールを指導したコーチだ。しかし親切な仮面の下で、彼は少年たちに性的虐待を繰り返していた。詳しくは、シーズン2の12話『疑惑のプロファイラー』を参照ください。

2013.5. 7|エピソード・ガイド|コメント(7)トラックバック(0)

4月30日(火)S7#17『禁断の果実』

17

■狙われたカップル
ワシントン州シアトルで、二組のカップルが殺害された。まず最初はマークダニエルズとベン・プリーストーリーの男性カップル。次がミラー夫妻で、娘がこっそり彼氏に会いに外出している間に殺害された。共に現場からは何も盗まれておらず、レイプもない。凶器は22口径で、クッションで消音し、後ろから頭を撃つ処刑スタイル。しかしどちらの家にも押し入った形跡がない。また被害者全二組に接点はないが、共通点はどちらも近所づきあいがよく、地域活動にも熱心だったということだ。「こういう残酷で計画的な事件は次がある」そう考えたBAUは急ぎシアトルに向かった。予想は的中し、シアトルに向かう飛行機に、第3の事件発生の一報が届いた。同じエリアでまたもや夫婦が殺されたのだ。シアトルに到着後、現場に出向いたリードは、子供がいなかったはずの夫妻が、コンセントカバーなど子供用の安全対策を行なっていることに気づく。やがてミラー夫妻の娘から、両親が教会のボランティア活動に熱心だったという情報がもたらされ、2番めと3番目の夫妻が共にその教会の里親プログラムに参加していたこと、そしてそれは地区センターとの合同プログラムで、最初のカップルも同じプログラムにボランティアで参加していたことが判明する。やがて4件目の事件が発生。やはり同じ里親ボランティアに参加していた女性が殺害され衣服を奪われた。

■プロファイル
BAUはプロファイルを発表する。「犯人は白人の女性。30代後半から40代で、この2、3日中の出来事が原因で子供を手に入れるには、人を殺すしかないと思い込んでいる。被害者はいずれも里子を預かっていたが、犯人が訪れた時にはすでにいなかったために、犠牲になったと考えられる。犯人を突き動かしているのは母性欲求で、これは子供を亡くした場合や、身ごもれない場合に生じる。流産した女性が衝動的に人の子供をさらってしまうのもその一例だ。犯行スピードの加速から見て、犯人は不満を募らせており、一刻も早く止めないと、大量の犠牲と犯人の射殺という結果に終わる可能性が大きい。主産後精神の破綻をきたした患者をあらうと同時に、被害者が里親であることを知ることの出来た人物、地元の里親プログラムのスタッフや関係者も調べて欲しい」

■犯人が探していたのは……
しかし里親プログラムのスタッフに該当者はなかったために、BAUは犯人の精神状態、それに犯人が4件目の被害者から衣服を盗んだことに着目し、施設でおしゃれのできなかった人間が、退院後にアイデンティティを取り戻そうとしたと分析。調査を依頼するが、やはり何も出てこなかった。そんなとき5件目の事件が発生。犯人は公共の場でカレンという女性を撃ち、連れていた赤ん坊をさらって逃走した。カレンが襲われたのは小児科の前で、数十人の女性がいたのに、他の女性には目もくれなかたことから、単なる母性欲求ではなく、彼女の連れていた子供が目的の犯行と分析を変更。ガルシアが誘拐された里子の生みの親を調べたところ、4日前に女子矯正施設から釈放されたマギー・ホールドマンであることが判明する。子供は、マギーと、彼女の16歳の教え子トミー・ブラウンの子供ジョニーだった。被害者は全員、ジョニーの臨時里親で、マギーは家族を取り戻したいという気持が暴走し、犯行に及んだのだった。

■もうひとりのジョニー
そのころ、ジョニーをさらったマギーは、赤ん坊を連れてトミーの元に現れ、母親によって引き裂かれたが、今でもマギーが好きなトミーは、彼女についていこうとする。たまたまやってきた近所の同級生ジュリーはトミーを止めようとするが、マギーは彼女を撃ち、トミーと共に車で逃走した。一方、マギーの調査を進めるBAUは、彼女が以前に勤めいていた高校でも、生徒と性的な関係を持ち、両親から児童虐待で訴えられていたこと、そしてその生徒の名前がジョニー・ルイスであることを突き止める。彼女はトミーとの子供の名前に、昔の生徒の名前をつけていたのだ。そして刑務所からトミーだけではなく、ジョニーにも何十通ものメールを出していた。さらにマギーはルイス家がかつて住んでいた家を購入していることが発覚。トミーと赤ん坊を連れていった先はそこに違いないと考えたBAUは、かつてのルイス家へと急行する。BAUの姿を見たマギーは激昂し、トミーに銃を渡して戦うように促す。しかし、ジョニー・ルイスの身代わりでしかないことを告げられたトミーは銃を捨て、その銃に飛びついたマギーはホッチに撃たれる。トミーは駆け寄って抱き起こすが、そんな彼にマギーは「愛してるわ、ジョニー・ルイス」と囁くのだった。

【格言】
「愛とは自分を滅ぼす力を相手に与えた上で、滅ぼされないと信じること」引用元不明。
「どんな大義名分を持ってしても、ウソが真実に優ることはない」アメリカの実業家ボー・ベネットの言葉。

【ゲストスター】
元教師のマギー役は、『フェリシティの青春』でベンがつきあっていた人妻(そのときの役名もマギーでしたね)、『ホワイトハウス』の第7、8シーズンで、ヘレン・サントスを演じていたテリ・ポロ。一方のトミーを演じているのはJohn Bain(※日本語表記不明)『CSI:科学捜査班』などにも出演している役者さんで、なんと1985年生まれ。高校生を演じていてなんら違和感がないけど、当時27歳とかなんですね。

【ガルシアとケビン】
火曜日のデートを重ね、愛を深めているガルシアとケヴィン。ついにケヴィンがプロポーズを決意し、そのことをモーガンに相談する。その様子を遠目に見たガルシアは、ふたりが何を話していたのか気になって、シアトルのモーガンに電話をかけまくり。一方のモーガンも、ケヴィンの相談にすげない態度をとったうえに、ガルシアの電話も完全に無視する始末。
しかしケヴィンのPCを覗いてプロポーズであることを察知したガルシアは、事件解決後、モーガンに向かって、正式なカップルになると妥協が生じて、必ず別れがくると、不安な胸の内を訴える。そしてケヴィンにも、このままの関係でいたいと伝えるのだが……。バカップルぶりが微笑ましかったガルシアとケヴィンの関係についに終止符がうたれるのか。この話は次回以降につづく模様です。お楽しみに。

2013.4.30|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

4月23日(火)S7#16『つぐない』

16

■共犯者
ジョージア州アトランタでこの2週間で3人の娼婦が殺害された。凶器は刃物で、肺に達するほどの深い傷があり、殺し方はいたって残忍だ。しかしいずれも性的暴行の痕跡もなく、逆に遺体の捨て方は被害者への敬意があった。着衣にも乱れがなく、両手を組ませた状態で、静かな公園に寝かされ、さらに250ドル身につけていたにもかかわらず、盗まれてもいない。愛情深い遺棄と、怒りに満ちた殺害方法のギャップから、BAUはこれが複数犯による犯行と睨む。「犯人は20代後半から30代前半の白人男性二人。凶暴な犯行だが後悔の念も見える。主従関係に近いコンビで、従順な方はルールーに従い、相棒の好みを知り尽くしている。支配的な主犯が、被害者の腿を拘束するなど、殺人の儀式を済ませたら、遺体を捨てに行く。主犯格は性的に不能であり、被害者に与える苦痛と恐怖が快楽になっている。快楽はすぐに消え、暴力による満足はほんの一時で去る。そのために犯人には冷却期間がなく、すぐに次の犯行に及ぶ」というのが最初の分析だった。

■車椅子の犯行
しかし、その後、第4の犯行が発生。被害者ジェリー・ハーモンはセックスセラピストであったことから、犯人は発達性、身体的、情緒的に問題を抱えていることがわかる。どの被害者の太腿にも拘束具を使ったような痣が残されており、人を殺すだけの腕力を持ちながら、そういった道具の力を借りなくてはならない人物――リードは犯人は車椅子を使用しているのではないかと推測する。JJとプレンティスは、3人目の被害者レベッカの友人から、レベッカが姿を消す直前に、駐車禁止ゾーンに古いグレーのワゴン車が停まっていたことを聴きだしていた。障害者であれば、駐車禁止ゾーンに長時間、車を停めていられたことの説明にもなる。「犯人の怒りの強さからみて、障害の原因は自分ではコントロールできない事故によるもので、共犯者は障害を負わせた張本人」と分析したBAUは、マスコミを通じて共犯者に働きかけ、裏切りを誘おうと試みる。

■依存しあう家族
しかし記者会見の効果はなく、名乗りでてくる者はいなかった。共犯者の行動を再検討したBAUは、遺体の捨て方がきれいなことから、共犯者は女性を含む3人であるとプロファイルを修正する。しかし通常3人組みは分裂しやすく、完璧な絆がないと難しい。JJは両親が子供を守っているのではないかと指摘。その観点からプロファイルを見なおしたチームは、「両親が子供に障害を負わした事故」、そして今回の事件が最初ではないと考え、州内の未解決殺人事件を洗いなおすことにする。やがてガルシアが、5年前に女子大生が殺害され、公園に遺棄された事件をピックアップ。被害者の腿には同じような拘束痕があったことを突き止める。そして女子大生が通っていたら大学で、障害者駐車場の許可をとっており、事件後、大学を辞めた人間で検索した結果、スポーツ選手だったが15才のときに事故で下半身不随となったジェフリー・コリンズの名前が浮上する。

■母親
当時の調書によると、母親リンダが運転していた車が事故を起こし、ジェフリーは障害を負ったことになっているが、BAUは事故の状況から、実際に運転していたのは父親で、母親は身代わりとなったと分析する。そして一行がコリンズ家に向かおうとしたそのとき、父親ドナルド・コリンズが自動車事故で死亡したという連絡が入った。ドナルドの事故は自殺によるもので、ポケットには4件の犯行を自供する遺書が入っていた。しかしもし事故を再現するつもりだったとすれば、妻子を乗せていたはずだ。そう考えたBAUはコリンズの自宅に急行する。その頃、コリンズ家に遊びに来ていたジェフリーのパーソナルトレーナーのエリカが、ジェフリーの部屋で、血まみれのネックレスを発見。そのことに危機感を覚えた母親のリンダは、エリカを殺そうと銃を向けていた。そこにBAUが到着し、リンダに投降を呼びかける。しかし家庭内の問題を全てを自分の手で始末しようとするリンダは説得に応じず、息子のジェフリーに銃を向け、射殺される。

【格言】
「怒りの奥底には、必ず苦しみが潜んでいる」ドイツ生まれ、カナダ在住のスピリチュアル系作家エックハルト・トール(1948年2月16日-)ん言葉。『さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる』、『わたしは「いま、この瞬間」を大切に生きます』などが翻訳紹介されている。
「自分の子供にとって正しい人の見本になるように生きなさい」アメリカの自己啓発本の著者H・ジャクソン・ブラウン・ジュニアの言葉。数々のベストセラーを世に送り出しており、日本でも『人生のささやかな真理―5歳から95歳まで350人が学んだこと』などが翻訳紹介されている。

【ゲストスター】
父親役は映画『ワン・カップ・オブ・コーヒー』の主演、『ライトスタッフ』スリック・グドリンなどを演じたウィリアム・ラス。TVでは『ボストン・リーガル』や『CSI:ニューヨーク 』など数々のドラマに出演している。ジェフリー役はデレク・マジャール。『スタートレック エンタープライズ』シーズン4のタッカー少佐の部下の機関部員ケルビー役や、ゲイカルチャーを描いた映画『ボーイカルチャー』の主演などで知られる。また今週末公開の北村龍平監督の『NO ONE LIVES ノー・ワン・リヴズ』にも出演している。母親役ドラマ『ピケット・フェンス』や 『ボストン・パブリック』などに出演している舞台出身のキャッシー・ベイカー。

【ホッチとベス】
事件解決後、いよいよホッチが出場するトライアスロンが本番を迎える。ロッシ、モーガン、リード、そして前夜からの女子会で二日酔いの女性陣と、ジャックが応援する中、ホッチは無事に完走。チームの祝福を受けるなか、ベスが登場。ホッチはジャックに、ベスを紹介するのだった。そしてベスも伴い、BAUの仲間たちと一緒に食事に出かける。ホッチの爽やかな笑顔がすてきですね。

2013.4.23|エピソード・ガイド|コメント(1)トラックバック(0)

4月16日(火)S7#15『殺人キャンペーン』

15

■一家惨殺
経済が落ち込み、犯罪率が上昇しているカリフォルニア州南部。サンバーナディーノの住宅で、深夜、家宅侵入事件が発生。幼い娘と赤ん坊を含む一家4人が惨殺された。同地ではこの1週間で2件、同じ手口の事件が起きており、いずれのケースも、電線と電話線を切断、孤立させたうえで侵入して、家族全員を射殺している。さらにどちらの現場でも被害者が反撃したらしく、身元不明の犯人の射殺死体が現場に遺されていた。事件には不審なところがあった。まずは射殺された犯人の身元。一人目のアレックス・コリンズは、20才で、麻薬不法所持、武装強盗などの前科があるギャング。ところがもうひとりのロナルド・アンダーウッドは19才の黒人青年で、貧しい地域の出身だが、優等生でボランティアをやったうえに、大学の学費を自分で稼いでいるような青年だった。そしてふたりとも血中から高濃度の鎮静剤が検出された。

■人種間憎悪の演出
事件現場は白人中産階級の多いエリアの住宅で、札付きのワルが狙うようなターゲットとは考え辛く、さらに家族に事情聴取したBAUは、彼らが共犯者であることに疑問を抱きはじめる。そしてそれは現場検証により、確信へと変わった。「犯人の射殺」は何者かによって演出されたものだったのだ。その後、さらに新たな事件が発生。現場には共犯者と見せかけた遺体が残されていたが、今度は黒人ではなくラテン系だった。これらの捜査を受け、BAUが発表したプロファイルは「犯人は20代後半から30代前半の白人男性。黒人ギャングや不法移民の犯行に見えるように現場を演出し、人種問題を引き起こそうとしている。犯行をこなすだけの計画性と集中力があり、この任務からパワーや充足感を得ている。高価な鎮静剤のオキシコドリンを使っていることから、医療関係者や介護者など、処方箋を入手しやすい人物。犯人は使命感を持って事件を起こしているので、降参という頭がない」というものだった。

■市長選の行方
街では市長選挙が行われており、モーガンはその候補のひとりであるプレストンの人種憎悪むき出しの発言に着目。彼の支持者が犯人ではないかと疑いを抱く。BAUはプレストンに面会、人種憎悪発言を控えるように要請するが、その際にモーガンは、プレストンの人となりに不審感を抱く。プレストンには金銭的に不透明な部分があり、モーガンは彼の身辺を調査する。新たな事件が発生した。しかし今回の事件では、薬をもられ、共犯者に仕立てられそうになったメキシコからの不法移民の男が、途中で意識を取り戻して逃亡したのだ。彼の証言によって車の特徴や、犯人の居住エリアが特定され、ガルシアがその特徴をプレストンの後援会とスタッフ、関係者と照合。その結果、毎月プレストンの事務所に寄付しているパメラ・ミルズの息子、トレヴァーの車が合致した。ミルズ家は10年前に強盗にあい、父親のロバート10歳のジュリーが殺害され、母親のパメラはレイプされたうえに脳に障害を負って、ベッドに寝たきりの状態だった。その事件後、プレストンが全面的に遺族の生活の面倒を見ているのだ。プレストンはトレヴァーが弱っているところに取り入って洗脳し、有色人種による治安悪化を演出する人殺しに変えたのだ。

■代償
BAUの捜査に危機感を覚えたプレストンは、トレヴァーを遠ざけようとした。そのことに動揺したトレヴァーは、さらにプレストンの関心を買おうと、市長選対立候補のヒラリー・ロスの自宅を襲撃、間一髪のところでBAUが駆けつける。ヒラリー銃を向けるトレヴァーに対し、モーガンはプレストンの本当の姿を突きつける。トレヴァーの家族を殺した犯人は、なんとプレストンに金で雇われていた。犯罪率が上がると不動産の価値が下がる。プレストンはそうやって不動産価格を操り、富を得て、のし上がってきたのだ。しかしトレヴァーは投降せず射殺され、その後、プレストンも逮捕された。

【格言】
「平等は正しいかもしれないが、いかなる力もそれを実現できた試しがない」19世紀フランスを代表する作家オノレ・ド・バルザック(1799年5月20日-1850年8月18日)の言葉。
「わたしは真実に味方する。それが誰の言葉だとしても。私は正義に味方する。それが誰のためになるとしても」アメリカの黒人公民権運動活動家マルコムX(1925年5月19日-1965年2月21日)の言葉。攻撃的な黒人解放指導者として知られ、「黒は美しい」という言葉でも知られている。

【ゲストスター】
プレストン役はポール・ヨハンセン。『ふたりは最高! ダーマ&グレッグ』のダーマの元カレ役、『ビバリーヒルズ青春白書』の嫌な先輩ジョン・シアーズ役、そして「One Tree Hill」では、やはり傲慢な市長役を演じている。トレヴァー役のケヴィン・シェリダンは『ヴェロニカ・マーズ』でローガンの友人ショーンを演じている。

【チャールズ・マンソン】
チャールズ・マンソン(1934年11月12日- )は、アメリカのカルト指導者で、1960年代末から1970年代の初めにかけて、カリフォルニア州にてマンソン・ファミリーと呼ばれる共同体を率いて、集団生活を行なっていた。「テイト・ラビアンカ事件」とは、1969年8月9日、ロマン・ポランスキーの妻で当時妊娠8ヶ月だった女優のシャロン・テート、ラビアンカ夫妻ら5人を殺害した事件。実行犯は3人の女性信者だが、共謀罪を宣告、1971年4月19日に死刑判決が下された。

【ヘルター・スケルター】
1968年に発表された2枚組アルバム『ザ・ビートルズ』(ホワイト・アルバム)の収録曲。「ヘルター・スケルター」というのは、塔のまわりをクルクル回って滑る、滑り台のことだが、マンソンはこの曲に、黒人の急進過激派が蜂起し、核戦争を起こすというハルマゲドンの予言を見出す。そして黒人蜂起の後、最終的にはマンソン・ファミリーが黒人に代わって世界を統治するというのだ。そしてそのハルマゲドンを早く起こすために、犯罪を起こし、黒人によるものであるかのように偽装した。

2013.4.16|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

4月9日(火)S7#14『罪と罰』

14

■ビーチで発見された遺体
カリフォルニア州ロサンゼルス。サウスベイのライフガード小屋で、身元不明の遺体が三体みつかった。被害者はいずれも男性、20代から40代で、頭を銃で撃ち抜かれていた。2体はビニールで包まれていたが、ショーン・テイラーだけはむき出し、そして全ての遺体から男性器が切除されていた。しかし被害者はいずれも出張中のビジネスマンで、人種も、社会的地位もバラバラだった。そしてチームがLAに着くや、マンハッタン・ビーチのライフガード小屋からさらに、新たな遺体が発見された。被害者は42歳の男性ジョセフ・テイラーで、その遺体もまたビニールで包まれてはいなかった。

■キーワードは「喪失」
被害者の共通点はなにか、そしてビニールに包まれていた被害者と、包まれていなかった被害者の差はなにか。遺族への聞き取り調査を開始したBAUは、やがて被害者が全員、家や仕事を失っていることがわかる。「犯行がはじまったのは2ヶ月近く前。犯人も何かを喪失しているなら、この時期に失業、または離婚して、親権を争っている最中。被害者の事情を短時間で知ることのできた人物で。サウスベイをよく知っていて、消えてもすぐ発覚しないようなよそ者を狙うことができる。人当たりが良く、目立たない人物」というのがBAUの分析だった。やがてガルシアが、被害者のひとりは、レンタカーを借りているが、その車が行方不明になっていることを掴んだ。やがて新たな犯行が発覚し、被害者に関して新たな共通点が見つかる。

■プロファイルの発表
BAUはプロファイルを発表。それは「犯人は30代から40代の白人男性。情緒不安定な男を狙っている。被害者とは事前に面積はなく、一晩の間にターゲットを選び、親しくなり、殺害している。被害者に心を開かせ、個人的な事情を聞きだせるような人物。犯行はアイデンティティを守るため。被害者同様に、犯人も何らかの喪失感を抱えており、殺害することで被害者を救ったつもりでいる。殺害後に局部を切り取っているのは、自分が男性としての自信を失っているから。また被害者が借りたレンタカーが未だ発見されないことから、車についての知識が豊かで、GPSを解除するノウハウを持っている人物」というものだった。

■犯人はバーテンダー?
全員がアルコールを摂取していたのだ。しかし不思議なことに、いずれの被害者のカード仕様歴を調べても、その日、アルコールに関係するような店で支払いをした形跡が発見されなかった。初対面なのに短時間で悩みを聞き出し、そして酒を飲んだ支払いをもみ消すことのできる人物。ロッシは犯人がバーテンダーだと推理する。さらに新たな遺体が発見される。今度の被害者ケルシーは女性だった。ケルシーの夫から話を聞いたJJは、ケルシーも夫と別れるという喪失感を抱いていたが、しかし、その原因を作ったのがケルシーの側であることに着目する。被害者はみな家庭を失っているが、ビニールで包まれていたふたりは裏切られた側、むき出しのふたりは浮気した側だったのだ。

■奪われた息子
さらに新たな被害者が見つかる。殺されたダグは、スクラップ工場の経営者。彼は元同僚の妻と婚約していた。婚約者アンドレアと、元同僚のマイケルは2ヶ月前に離婚しており、それは犯罪がはじまった時期に合致する。アンドレアが危ない。そう考えたチームは、彼女の自宅に急行する。自宅にいた彼女の証言から、マイケルがバーを経営していること、そしてアンドレアとマイケルの息子ハンターが、実は、殺害されたダグの子供であり、それが発覚したのが2ヶ月前であったことがわかる。チームはマイケルが寝起きしているバーに向かう。ちょうどその頃、マイケルは息子のハンターを学校から連れだし、自宅に連れ帰っていた。マイケルがダグを殺害したことを知ったハンターは「ぼくの父さんを殺したのか?」とマイケルを咎める。その言葉を聞いたマイケルは逆上し、ハンダーを殺害しようとするが、そこにBAUが到着。JJがマイケルと格闘、無事にハンターを救出する。

【格言】
「一度裏切ったものものを信用するな」ウィリアム・シェイクスピア(1564年-1616年)の戯曲、『ヘンリー六世』のセリフ。『ヘンリー六世』は三部構成の史劇で、セリフは第三部四幕のもの。
「信じ過ぎると裏切られるかもしれない。だが信じないと、自分が苦しむことになる」アメリカの俳優で、映画監督フランク・クレイン(1873年1月1日–1948年9月1日) の言葉。

【スコアカード・キラー】
リードが引き合いに出す、スコアカード・キラーこと、ランディ・クラフト(1945年3月19日-)は、1972年から1983年にかけて殺人を繰り返したシリアル・キラー。ハイウェイの脇のゲイバーでバーテンダーをしており、被害者は男性で、性器が噛み切られた状態で発見された。16件の殺人で有罪となり死刑を宣告されたが、他にも51件への関与が疑われている。

【ジェフリー・ダーマー】
ジェフリー・ダーマー(1960年5月21日-1994年11月28日)は、ミルウォーキーの食人鬼と呼ばれたシリアル・キラー。1978年から1991年にかけて、主にオハイオ州やウィスコンシン州で17人の青少年を絞殺し、その後に死姦、死体切断、人肉食を行った。

【ホッチとベスのその後】
トライアスロンのレースに向けて、一緒にトレーニングを重ねるホッチとベス。しかしホッチは、レース前の1週間はトレーニングを控えた方がいいと提案。その不器用さと真面目さはいかにもホッチらしいところですが、しかし、一歩踏み出す決意を固めたホッチは、なんと! ベスを金曜のデートに誘う。そして事件解決後。オフィスで残業をしていたホッチは、モーガンから今日がバレンタインデーであることを知らされるや否や、仕事を切り上げベスの自宅に。最初はサプライズな訪問に驚いたベスだが、ホッチにいきなりキスをして反撃。いたずらっ子で可愛いいベスに振り回される、ホッチの楽しげな笑顔がいいですね。

2013.4. 9|エピソード・ガイド|コメント(3)トラックバック(0)

4月2日(火)S7#13『愛しきナンバー8』

13

■カジノで殺人事件発生
アトランティックシティのカジノで、フロアマネージャーのダニー・サヴィーノが殺害された。鈍器で頭を殴られ、遺体のそばには空の財布とマネークリップ。さらに、まるで儀式のように、遺体の上にトランプの8のカードが、そして8枚の1ドル札が周囲に円を描くように置かれていた。サヴィーノがマフィアの構成員であることから、ニュージャージ支局は、これがマフィアの抗争に発展することを懸念し、早期解決のためにBAUを招聘した。通常、カジノは防犯カメラが24時間監視しているものだが、サヴィーノの部屋は彼自身が防犯カメラを管理しており、その映像は犯人によって持ち去られていた。被害者本人が、防犯システムに抜け穴を作っていたのだ。やがてそれが、サヴィーノがカジノの客を相手に個人的な金貸しをしていたからだということが判明する。

■サークル・エイト・キラー
翌日、2人目の被害者がカジノの駐車場で発見された。殺されたのは元高級エスコート嬢のパティ・リオロ。死体にはやはりトランプの8のカードが置かれ、周囲に1ドル札が8枚置かれていた。「狙われたのはギャンブラーを食い物にする人種。犯人はギャンブル依存症で、迷信深く、数字の8に儀式のような執着を見せている。依存症を伴う殺人犯で、2日間で2人殺し、やめられなくなっている」とBAUはプロファイルを発表。さらに、1人目のサヴィーノは貧乏なギャンブラーに融通する高利貸しだが、2人目のパティは高級娼婦であることから「サヴィーノを殺した直後にツキがまわり、それを殺人と結びつけた。つまり人を殺せば勝てると思い込んだ」と分析する。

■方程式の改良
さらに立て続けに新たな事件が発生した。3人目の被害者はガソリンスタンドの店員。4人目身元不明の男性、そして5人目はカジノの客。身元不明の男だけは背後から撃ち、遺体を動かしていることから、顔見知りであり、現場には88ドルまかれていたのは、ガソリンスタンドの店員で効果が得られなかったために、幸運の方程式を改良したと考えられた。さらに5人目の財布から5万ドルだけが抜き取られたことに着目したBAUは、ガルシアに付近のカジノの調査を指示。なんとその日、エントリー料5万ドルのポーカー大会が開催されるという情報を掴み、リードを会場に潜入させる。そこでリードはビリヤードの8ボールのキーホルダーをお守りにしている男に目をつけ、チームが突入するが逃走されてしまう。

■そして8時ちょうどに……
ホッチはもう一度、被害者の分析を指示。当初は身元不明だった第3の被害者エディ・ラングドンには、カーティス・バンクスという友人で仕事上のパートナーがいること。そのカーティスの父親がギャンブル依存症で、88年にスロットで大勝していることがわかる。さらに彼の自宅の番地も800番だった。しかしその自宅は差し押さえになっており、カーティスの姿はない。ロッシは、行きずりの店員を殺しても幸運が得られなかったために、親しい者を殺すほど幸運が得られるという方程式に書き換えたと推理。最大のツキを得るために妻のテリーを狙うと考えた。レリーはギャンブル依存症の夫に愛想をつかし、妹の家に身を寄せていたが、カーティスはそこに侵入。8時ちょうどに妻を射殺しようとする。しかし間一髪のところでBAUが到着、ロッシの説得にカーティスはテリーを開放、時計の針が8時をさしたそのとき、自らの命を断った。

【格言】
「賭け事の場では、父も子もなし」中国の諺
「幸運の方程式を持っているというギャンブラーは大なり小なり、イカれている」英国のジャーナリスト、ジョージ・オーガスタス・サラ (1828年11月8日24-1895年12月8日)の言葉。

【ゲストスター】
8の数字に全てを賭け、狂っていくギャンブラーを演じるのはディーン・ジョージ・ケイン。『ビバリーヒルズ高校白書』でブレンダがパリで出会うリック役を演じ、その後『新スーパーマン』のクラーク・ケント役に抜擢された。本名は、ディーン・ジョージ・田中といい母方の祖父が日本人だ。

【ナンバー8】
リードが送る緊急シグナルは「HB-88」Hはアルファベットの8番目、Bは数字の8に似ていることから選んだコードだろう。ところで今回のエピソード原題はSNAKE EYES。サイコロの1の目が赤いため、2つ投げて1のゾロ目が出ることを指してこう呼ぶ。ルーレットなどでもそうだが、親の総取りを意味する言葉でもある。1の目のサイコロを並べると数字の8みたいだと思ったのは考えすぎでしょうか。

【ギャング映画ベスト】
『ゴッドファーザーPARTII』(プレンティスのベスト)は、1974年のアメリカ作品で、監督はフランシス・フォード・コッポラ。『ゴッドファーザー』続編だ。第一作でファミリーを継承した息子のマイケルと、父ヴィトーの若き日を描く。マイケルは第一作同様アル・パチーノが、ヴィトーはロバート・デ・ニーロが演じた。続編ながら、数々の賞を受賞、アメリカ映画協会が選んだ映画ベスト100にランクインした。
『スカーフェイス』(モーガンのベスト)は、1983年のアメリカ映画で、監督はブライアン・デ・パルマ。キューバからアメリカにやってきたボートピープルの青年が、コカインの密売でのし上がっていく様子が描かれる。1932年の『暗黒街の顔役』のリメイク。こちらも主演はアル・パチーノ。
『アンタッチャブル』(JJのベスト)もブライアン・デ・パルマ監督。1987年のアメリカ映画。禁酒法時代のシカゴを舞台に、アル・カポネとアメリカ財務省捜査官チーム「アンタッチャブル」の戦いの日々を描いた作品。
『仁義』(リードのベスト)は、1970年のジャン=ピエール・メルヴィル監督のフランス映画。アラン・ドロン、イブ・モンタン、ジャン・マリア・ボロンテなどが宝石店を襲撃するフィルム・ノワール。邦題は任侠映画みたいだが、原題は『赤い輪』。
『デン・トレジェ・ヴェーゲン』(リードとプレンティスの次点)は、2003年のスゥエーデン映画で刑事のユーアン・ファルクを主人公とするシリーズの第三弾。日本未公開。

【カジノ】
バンクスがサイコロを投げているのはクラップスというゲーム。胴元ではなく、プレイヤーが2つのサイコロを投げ、その出目に賭けるゲーム。「ハードエイト」というのは、4、4のゾロ目。ポーカーでリードが狙ったガットショット・ストレートというのは、たとえば「7・8・9・J」というように、ストレート狙いで待ちが両側ではなく、間の数字1つのときを言う。

【ガルシアとモーガン】
ケヴィンと喧嘩して、ワインを飲み過ぎて、気分も体調も最悪な朝。JJからの緊急呼び出し電話で起こされたガルシアだが、バスルームからタオル一枚で出てきたのは、ケヴィンではなくなんとモーガン! 酔っ払って昨晩のことを何も覚えていないガルシアは、その後、気まずくててモーガンを避けつづけ、おかげで今回のエピソードにはガルシアのいつものトークが皆無。エピローグでそのモーガンから、あの夜はポップコーンを食べながらTVを見ただけと聞かされて、ようやく安心していつもの軽口が戻ってきます。「神様ありがとうございます。私の一番大切な友情を汚さないでくれてホント感謝!」というわけで、来週からはまたいつもの軽妙なトークが復活するはず。

2013.4. 2|エピソード・ガイド|コメント(5)トラックバック(0)

3月26日(火)S7#12『ピアノマン』

12

■レイプ被害者を再び襲う悪夢
テキサス州ヒューストンでヴァネッサ・キャンベルが自宅から何者かに連れ去られた。ヴァネッサは、この5年に女性12人がレイプされた「ピアノマン事件」の5人目の被害者だった。さらにヴァネッサの事件が報道されたことによって、被害者が自ら名乗りでて、12人中4人が2度目の被害にあっていたことが判明する。犯人はデート・レイプ・ドラッグで被害者を眠らせてさらっているため、被害者には犯人に関する記憶たなかった。また被害者のタイプも異なるために、犯人のプロファイルは難航をするかに見えた。ヴァネッサの家の家を調べたモーガンは、家のMP3プレイヤーの履歴が消されていることに気がつく。ガルシアの調査で、犯人が自ら持ち込んだ曲を再生し、履歴を消したことが判明する。ヴァネッサはその消された曲を嫌っており、ラジオでかかっても泣き出すことがあったという。そして他の被害者にも、事件後、聴くと号泣してしまうような曲があることがわかった。

■レイプから殺害へ
やがてヴァネッサが遺体で発見される。殺害は初めてのケースだが、ピアノ線で縛った痕はこれまでのレイプ事件と共通していた。しかしレイプの跡も、被害者が抵抗した痕跡もない。ただ気管から手術用の合成手袋の切れ端が発見された。ガルシアは被害者が利用している病院や医療施設を検索、複数の病院で働く看護助手のハーマン・スコビーの名前が浮上する。さらに彼は、被害者の医療保険データにアクセスしていることが判明。2度の被害にあったダイアナの潜在意識にこびりついていた言葉を、取り調べ中のスコビーが口にしたため、それが決め手となり、ピアノマンは逮捕されたかに見えた。しかし、彼の家を捜索したリードは、スコビーの年齢とピアノマンの選曲が合致しないことに気づく。

■嵌められたなりすまし犯
ダイアナを襲ったのがスコビーであることは間違いないが、ハーマンはピアノマンの犯行を利用した、なりすまし犯で2度めのレイプ事件は彼の犯行だったのだ。しかし、ではヴァネッサを殺害したのは誰なのか? ヴァネッサの気管からはスコビーの手袋が発見されてはいるが、他の要素は全てピアノマンの犯行であることを示唆している。BAUは、ピアノマンがヴァネッサを殺害してスコビーの犯行に見せかけたと分析。その事実を付きつけられたシコビーは、殺人犯となることを恐れて自供。自分が次に襲う予定だった相手が、ヴェネッサとレジーナ・ランパートであったことを話す。急遽、レジーナの行方を探すガルシアは、彼女が務めるバーの監視映像から、レジーナがピアノ弾きのハミルトンと親しげに話す姿を抽出。そのハミルトンの妻が、今朝、夫の失踪届を出したことを突き止める。

■復讐
その頃レジーナは驚くべき行動に出ていた。バーで働く彼女は、その日、店でハミルトンのピアノを聴いた瞬間に、彼がかつて自分をレイプした人物であることに気づいたのだ。レジーナはスタンガンでハミルトンを気絶させ、自宅に運び、かつてレイプ犯がしたように、彼をピアノ線で縛りつけた。そして目を覚ましたハミルトンに銃を向け、自分が5年前のレプ事件の被害者であることを告げる。しかしハミルトンはあくまでも犯行を否定する。さらにスコビー逮捕の報道がTVで流れたことで、レジーナは動揺する。その隙をついてハミルトンは逃亡をはかり、レジーナは銃を手に彼を追い詰める。そしてハミルトンに銃口を向けたまさにそのとき、BAUがレジーナの自宅に突入。プレンティスはハミルトンが犯人ではないと、レジーナを説得、銃をおろさせた。しかし、それはレジーナに罪を犯させたくないプレンティスの機転で、実際には遺留品の指紋照合でハミルトンがピアノマンであることは明らかとなっていた。こうしてレジーナは殺人犯にはならずにすみ、ピアノマンも逮捕された。

【格言】
「トラウマは苦しみの源とは限らない。それぞれの目的に沿ったものをもたらすのだ」オーストリア出身の精神科医・心理学者、アルフレッド・アドラー(1870年2月7日-1937年5月28日)の言葉。
「人がうまく生きていくには、あきらめと執着を適度に持ち合わせることだ」イギリスの医師・性科学者・文芸評論家、ヘンリー・エリス(1859年2月2日-1939年7月8日)の言葉。性について調査・執筆した大著『性の心理』で知られる。

【ゲストスター】
犯人と戦う被害者レジーナを、『ビバリーヒルズ青春白書』でブランドンの年上の彼女ルシンダ、バットマンシリーズのスピンオフ『ゴッサム・シティ・エンジェル』で悪と戦うチームの司令塔役オラクルを演じたディナ・メイヤー。一方、追い詰められるピアニストを『バーンズ・ノーティス スパイの逆襲』ブレネン役のジャイ・カーンズが演じる。【ピアノバラード】
ドラッグで眠らされ、事件のことをなにも記憶していないにもかかわらず、事件後、ある特定の曲を聴くと、感情が高ぶり号泣する被害者たち。ドラッグで意識を奪い、音楽を流しながら、レイプに及ぶ。この身勝手で卑劣な犯行に使われたのは、いずれも80年代にヒットしたピアノ演奏に最適なラブバラードだ。使用された曲を順に紹介しよう。ヴァネッサが誘拐されるシーンはシカゴの1984年のヒット曲「You're the Inspiration  君こそすべて」君は常に僕の心の中にいるという、ロマンチックな歌詞が逆に恐怖を掻き立てる。レジーナがハミルトンが犯人であると確信する曲は、ボニー・タイラーの「Total Eclipse of the Heart 愛のかげり」。ハミルトンが別の曲だと主張して歌うのはエアサプライの「Making Love Out of Nothing at All 渚の誓い」共に1983年のヒット曲。曲名のみ登場する「メイビー・アイム・アメイズド」はポール・マッカートニーの名曲(邦題は「恋することのもどかしさ」「ハートのささやき」)。「レイディ・イン・レッド 君にできること」はクリス・デ・バーのヒット曲。島田歌穂のカバーがドラマ『HOTEL』で使用された。「アップ・ウェア・ウィ・ビロング」は ジョー・コッカー&ジェニファー・ウォーンズによるドラマチックなバラードで、映画『愛と青春の旅立ち』のテーマとして有名。「グローリー・オブ・ラブ」は1985年にシカゴを脱退した直後のピーター・セテラのヒット曲で映画『ベスト・キッド2』の主題歌に採用された。

【150話】
今回のエピソードは、なんと記念すべき150話。あの衝撃の「100」から、すでに50話もたってしまったのが驚きです。ホッチに新しい恋の予感があるのも当然でしょうか。順調に放送が進めば200話はシーズン9で迎えることになるはず。怖いような楽しみなようなって、ちょっと気が早いですね(笑)。

2013.3.26|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

3月19日(火)S7#11『天才vs.天才』

11

■ゾディアック復活か?
カリフォルニア州マリン郡の夜景を臨む公園に車を停めていた男女のカップルが射殺された。そしてその車のフロントガラスには、40年前に世間を賑わせた、あのゾディアックの印が書かれていた。それだけではない。ゾディアックはタクシー運転手を殺した際に、新聞社に被害者が着ていた血のついたシャツの切れ端を送りつけているのだが、今回の現場にもそっくりの布と、さらに未公表の現場の写真が置かれていたのだ。ゾディアック事件からすでに40年もの年月が流れているが、手口は単なる模倣の域を超えていた。しかしリードは直感的に「これはゾディアック本人の犯行ではない」と感じていた。やがて未公表の事件写真は当時の担当刑事が撮影したもので、彼のもとにはひっきりなしにゾディアックの研究家が訪れており、写真は誰かに盗まれたものだということが判明。さらに布の切れ端も、細工をした偽物であることが判明、模倣犯であると断定される。

■プロファイル
地元新聞のネット版の読者コメントに目を通したリードは、その中に、ゾディアックからの暗号が隠されているのを発見。読解した場所に行くと、メッセンジャーが「お前はそれほど利口じゃない」と書かれたリード宛の手紙を持って現れる。その頃犯人は、新たな犯行に及び、またもカップルを殺害。BAUは捜査陣向けのプロファイルを急ぎまとめる。「犯人は20代から30代。高い知性を持ちながら、単調な仕事に従事しており、友達も少なく、妄想で自分を支えている。ゾディアックの犯行を模倣しているのは、その知名度と影響力にあこがれているからだが、集団ヒステリーを起こそうとしたゾディアックとは異なり、この模倣犯の犯行は、ひとりの女性に対するメッセージだ。拒絶されたか、手の届かない存在であるため、犯人は、彼女とそのパートナーを激しく憎んでいる。ゾディアックを模倣しているにしては、犯行のインターバルが短いことから、相手の女性を失いそうになっているのかもしれない」

■天才の正体
犯人に出し抜かれたリードは、さらにコメント欄を精査、もうひとつの暗号を発見する。そこには「中国週報Fの4ページ」という言葉が隠されていた。そしてその中国週報の当該ページには、「君はもっとできるはずだ」というメッセージが掲載されていた。またもやゾディアック事件をなぞるように、今度はタクシーの運転手が殺害された。血飛沫から、後部座席には誰かが乗っていたことが伺え、さらにシートには男の子のデジタルの写真が1枚置かれていた。その後ガルシアの調査で、写真の男の子は2000年にミルバレーで失踪したロビー・ショーであることが判明する。リードはさらに、F4がチェス盤の座標を示しており、殺害現場とチェス盤を重ねると、それが史上最高と言われるチェスの一戦の投了前の3手に符合することを解明する。IQは160以上の天才で、ゾディアック研究家で、そしてチェスのプレイヤー。この3点絞り込んだ結果、ケイレブ・ロスモアとハーヴェイ・モレルという親友の名がが浮かぶ。ハーヴェイの婚約者マリッサは女性被害者に似ており、BAUは、事件の引き金は、ハーヴェイの婚約にあると分析する。

■ソウルメイトの裏切り
その頃、ケイレブとハーヴェイはこの事件の謎解きを楽しんでいた。小学生のときにチェスの試合で出会ったふたりは、共に天才のいじめられっ子で、親友となったのだ。ゾディアックに興味をもったふたりは、担当刑事にも取材をし、学校新聞の犯罪コラムを執筆していた。高校卒業後は疎遠になり、ハーヴェイは中国系IT企業のエンジニアとして働き、学園のアイドルだったマリッサを射止めた。しかしケイレブは、公園局で単純労働に従事しており、神童時代の自分のことが忘れられず、ハーヴェイの婚約が引き金となって事件を計画したのだ。ケイレブはタクシーからマリッサを誘拐、ハーヴェイをその場所に誘導し、マリッサの前でハーヴェイの過去を暴露する。なんとふたりは、かつてロビー・ショーを殺害していたのだ。「もしそのチェスの試合が3手で投了せずに続いていたら、次はどこに駒を進めたのか?」リードは次の一手を予想し、ケイレブたちの居場所を突き止めた。マリッサに銃を向けるケイレブに、リードは、ロビー・ショー事件の首謀者がハーヴェイであること、そして彼がケイレブにも内緒で上海に引っ越そうとしていることを指摘。それを聞いたケイレブは銃をおろし投降、そしてロビー・ショーの死体を埋めた場所も告白するのだった。

【格言】
「3人でも秘密は守れる、ふたりが死んでいれば」ベンジャミン・フランクリン(1706年1月17日-1790年4月17日)の言葉。フランクリンはボストン生まれの、科学者、出版業者、哲学者、経済学者、政治家など様々な顔を持つ、アメリカ建国の立役者。
「不幸のどん底で幸福だった時代を思い出すことほどの哀しみはない」イタリアの都市国家フィレンツェ生まれの詩人で哲学者、ダンテ(1265年-1321年9月14日)の言葉。

【ゾディアック】
1968年12月20日、サンフランシスコでのダーレン・フェリンの殺害を皮切りに、少なくとも5人を殺害した、未解決の連続殺人犯。自らゾディアック(黄道十二宮)と名乗り、サンフランシスコ湾域警察、タイムズ・ヘラルド、サンフランシスコの2紙に、犯行を知らせる手紙を何度も送りつけた。1969年10月11日にタクシードライバーを殺害、事件後、被害者のシャツの切れ端を地元の新聞社に届いた。1974年には、サンフランシスコ警察に、自分が37人を殺害している、新聞でもっと大きく取り扱わないと「何かすさまじいこと」をやるという趣旨の手紙が届いているが、タクシードライバーの事件以降、ゾディアックの犯行と断定されたものはない。
今回のエピソードで、ゾディアック事件の模倣犯として、ぺネロープが「サカキバラセイト」とたどたどしく発音するのに気づきましたか?

【パトリシア・コーンウェル】
冒頭のリードとプレンティスが出席した犯罪セミナーで、スピーチをし、リードを紹介するのは作家のパトリシア・コーンウェル。『検屍官ケイ・スカーペッタ』シリーズで知られるベストセラー作家だ。警察担当の新聞記者として働いた後、1984年からバージニア州のリッチモンドにある検屍局で、テクニカル・ライター、コンピュータ・アナリストとして勤務。ボランティアで警察でも働きいた経験がある。ドラマの中でサインしている本は、『血霧』。2011年にアメリカで発表され、翌2012年には日本でも翻訳刊行されている。コーンウェルの公式ページにBAU全員がこの本を読んでいる写真が貼られている。

【リードの憂鬱と誕生日】
凶悪犯罪セミナーで「樹木性愛」について語り、客席をドン引きさせたリード。彼はそこで、画期的な医療技術を開発した学生起業家に出会い、自分の人生に疑問を抱き始める。自分には不可能はなかったはずなのに、なぜFBIに入ったのか、そしてギデオンが去った後もなぜここに残っているのか……。しかし事件を通して、自分にとって、BAUのファミリーがかけがえのない存在であることを確信する。そしてそんな彼を待っていたのは、30歳の誕生日を祝うサプライズ・パーティだ。リードの誕生日は、過去にも、シーズン1の4話「白昼のレイプキラー」で、24歳の誕生日パーティが開かれている。みんなに無理やりケーキ型の帽子を被らされ、ロウソクを吹き消したリード。ギデオンに「願いはしたか?」と問われ「この帽子脱ぎたい」と答えていた、あのときからもう6年が経過したんですね。リードも大人になったなあ(親戚のおばさんのような気分w)。

2013.3.19|エピソード・ガイド|コメント(3)トラックバック(0)

3月12日(火)S7#10『血に染まった拳』

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■残虐な犯行
フィラデルフィアで2人の男性が鉄パイプで殴られて死亡した。出張で街にきていた58歳のビジネスマンのサム・イークスと、近くのスーツ店の店員で32歳になるブルース・トーマスだ。遺体は過剰なまでに殴打され、腰掛けるような姿でおかれていた。BAUは犯行の残虐さから、犯人は現実を逸脱しており、すぐに次の犯行に及ぶと分析し、フィラデルフィアに向かう。当初は知り合いと見られていた被害者ふたりだが、実際には何の関連もないことが発覚。被害者ふたりに面識がないのなら、犯人とも面識がないと考えるのが自然であり、だとすれば過剰な暴行につながる、犯人の怒りの原因は何なのか……。捜査が行き詰まる中、やがて新たな犯行が行われる。やはり次なる被害者は激しい暴行を受け、頭蓋骨が完全に割れていた。

■プロファイル
「犯人は20代から30代前半のスポーツマンタイプ。殺人以外に性的暴行や略奪はなく、犯行後に遺体の血をぬぐうなど、後悔の姿勢が見られることから、衝動的な殺人と考えられる。しかし第二の事件では、後悔の念は弱まり、今では血に飢えた状態だ。被害者に加えられた暴行の量から考えても、身体を鍛えている人物だが、犯行後は疲労困憊して、まともに話ができなくなったり、痙攣発作を起こしている可能性もある。怒りにみちた犯行であることから、犯人は抑うつ状態にあるか、人生に不満を抱えている。そして血を見て興奮できる状態に自分を置くことで、人生をコントロールする力を得たと感じている」というのが、BAUがまとめたプロファイルだった。

■ボクサー
検視によって、第二の犯行の被害者は、素手で肝臓や腎臓のあたりを集中的に殴られ、眼窩(がんか)低骨も砕かれていることが判明する。こうして、犯人は格闘技のトレーニングを積んだボクサーに絞りこまれた頃、さらに新たな事件が発生。今度はノミ屋のルーとその用心棒が殴り殺され、金品が奪われたのだ。BAUはルーの帳簿を精査し、賭けで大損をしたボクシングジムのトレーナーのトニー・コールという男に着目する。しかしトニーの自宅に向かったところ、部屋は荒らされ、そこにトニーの姿はなかった。犯人はトニーではなく、ルーを殺してトニーを誘拐する動機のある人物と考えたチームは、トニーが見ている選手を調査し、ジミー・ホールというボクサーに行き着く。ジミーはいわゆる噛ませ犬と呼ばれる、打たれ役のボクサーだった。

■ファイターではなく、父親として……
ジミーの元妻パムの話から、ふたりの息子ライアンの白血病が再発し、3日前に病院に入院していることが判明。ジミーは生来の暴力性から、人を合法的に殴れるボクサーという仕事を選んだが、この子どもの病気が引き金となって、シリアルキラーになってしまったのだ。パムによると、ライアンの死の宣告に納得のいかないジミーは、今朝、病院に骨髄移植の費用を持ってきたという。ルーの殺害現場から金品が盗まれた理由はこれだったのだ。「子どもの具合が悪いと試合にでることがある」というパムの証言をもとに、チームはアンダーグラウンドの試合会場をまわり、ついに試合に出場するジミーを発見する。リングの上のジミーは、もはやサンドバック状態だが、決してギブアップしようとしない。彼はライアンのいる病院に運ばれるのを待っているのだ! やがてめったうちにされたジミーは、望み通りライアンのいる病院に運ばれる。そんな彼にホッチは「ファイターではなく、父親として彼にあい、死への恐怖をとりのぞいてやれ」と諭すのだった。そして、ジミーは死の淵にある息子に、自分が試合で負け、あきらめて先に進むしかないときもあることに気づいたと語りかけ、ライアンはその直後に、やすらかに息をひきとった。

【格言】
「誰もが天国に行きたがるが、死にたがる者はいない」アラバマ州ラファイエット出身。身長187cm、体重89kg。元ボクシング世界ヘビー級王者ジョー・ルイス(1914年5月13日-1981年4月12日)の言葉。11年間の王座在位中に、全階級通じて世界王座25連続防衛の記録を持ち、褐色の爆撃機とも呼ばれた。
「しがみつくことで強くなれるという者もいるが、手放すことで強くなる時もある」ドイツの作家ヘルマン・ヘッセ(1877年7月2日-1962年8月9日)の言葉。地方出身の優等生が、思春期の孤独と苦しみの果てに破滅へと至る姿を描いた自伝的物語『車輪の下』などで知られるノーベル文学賞受賞作家。この格言、「愛とは何か」という一文が引用箇所の前に付されているバージョンを英語サイトで見つけたが、出典元が調査しきれませんでした。

【ゲストスター】
「TOUCH/タッチ」ジェイク役のデヴィット・マズーズ(役名:ジェイク・ボーム、声:竹内順子)が出演。
ジミーの元妻のパムは、『ザ・ユニット』でティフィーを演じていたアビー・フランメル。『ザ・ユニット』からは、今シーズンの第3話『抜け出せない迷宮』で、ティフィーの夫マック役のマックス・マーティーニも登場している。

【ロッキー】
1976年のアメリカ映画で、2006年の『ロッキー・ザ・ファイナル』まで、全6本が制作された。モハメド・アリ対チャック・ウェプナーの試合を観たシルヴェスター・スタローンが、3日で脚本を書き上げ、映画会社に持ち込み、自らの主演で映画化。無名だった彼をスターダムに押し上げた作品だ。

【Bittersweet Science】
今回のエピソード、原題はThe Bittersweet Science。ボクシングは本来、野蛮なスポーツというよりも、理性的かつテクニカルなスポーツとして、欧米では「スイート・サイエンス」という表現が使われるところから来ている。

【ホッチにセカンドラブ?】
トライアスロン出場のためにトレーニングするホッチに、声をかけてきた女性ベス。一緒にトレーニングをしようと言う彼女。かわいい女性だと思いながらも、ヘイリーのことを忘れられず、なかなか次の一歩が踏み出せない。そんなホッチの様子を見たロッシは、「人生は短い。幸せになっていいんだ」という言葉をかけて、背中を押す。ヘイリーを失ってから2年と19日(リード談)。ロッシとキャロライン、そにJJの家庭など、どうやら今シーズンのクリミナル・マインドは、メンバーの恋愛や家庭問題が大きなテーマになっている模様。というわけで、ホッチのセカンドラブの行方が楽しみですね。ベスを演じているのは、『ダーティ・セクシー・マネー』や『私はラブ・リーガル2』に出演のベラミー・ヤング。WOWOWの海外ドラマファンには『CSI:マイアミ4』でCSIの敵にまわった州検事モニカ・ウェスト役の悪役ぶりが印象に残っているかもしれませんね。

2013.3.12|エピソード・ガイド|コメント(3)トラックバック(0)

3月5日(火)S7#9『死の行軍』

9

■士官学校で集団自殺が発生
フロリダのサマーヴィル陸軍士官学校で、野外演習に出かけた生徒5人が、首吊り死体で発見された。遺体のそばの木には、「すみません」という文字が残されており、集団自殺と見られた。しかし演習に出たのは6人であり、現場からジョシュ・レディングが姿を消していた。サマーヴィル陸運士官学校は、第二次大戦中に創立された学校で、生徒の年齢は12歳から18歳まで。社会階層もさまざまだが、皆がひとつの寮で生活している。学校は創立当時の校風を頑なに維持しており、教職員も長く、校長のマッシー大佐と副官のトーズ中尉はすでに30年、この学校で教鞭をとっている。校内にはインターネット環境がないため、ガルシアも現地に向かうこととなった。また同校はFBI長官の母校で、連邦補助金の交付に尽力していることもあり、捜査にはストラウスも同行する。

■自殺は偽装で、犯人はジョシュなのか?
同校では、2週間前にも、新入生ベイリー・シェルトンが寮で首吊り自殺をしていた。そして、そのとき首吊りに使われたシーツが、今回と一致しているため、それが集団自殺の引き金になったと考えられた。しかしベイリーの自殺現場を見たモーガンは、すぐそばで寝ていたはずのジョシュが自殺に気づかなかったことに違和感を覚える。野営地を見たロッシが、ジョシュが孤立していたことを指摘。マッシーとトーズによると、彼は頭は良いが、反抗的で問題が多かったという。やがて森での首吊りは偽装で、殺してから吊られたことがわかり、ジョシュに疑いの目が向けられる。しかし、他の生徒や両親は、ジョシュは正義感と思いやりがあり、ベイリーの面倒も見ていたと、マッシーらとは真逆の証言をした。

■ワナにかかったのは?
一方、木に吊るされた5人はいじめっこで、なかでもタッカー・カルフーンは、誰彼かまわずに暴力をふるっていたという。ベイリーの死後、ショックを受けた父親に、彼の遺品を渡したのジョシュだった。そのときのジョシュの態度に事件を解く鍵があるかもしれない、そう考えたBAUは、大佐にベイリーの父親クリス・シェルトンに連絡をとるように依頼する。ところがなんと、そのクリスが、森でワナにかかり串刺し死体となって発見された。ワナを作ったのはジョシュと見られた。しかしクリスが持っていたバッグから、5人の偽装自殺に使われたシーツが発見され、事態は一変する。クリスは息子をいじめた相手への復讐で、5人を殺したのだ。そしてジョシュはクリスに殺されそうになって逃げていたのだ。しかし、ではクリスはどうやってジョシュのいる場所を知ったのかという、新たな疑問が生じる。

■士官学校の真実
やがて検屍官からベイリーの気管や手足に火傷の痕があったという情報がもたらされる。さらに同様の古傷が、死んだ5人の少年たちにもあったというのだ。この学校では新入生はみんな洗濯係をさせられる。そしてその洗濯室は寮と不自然なほど離れた場所にある。この学校には業務用の乾燥機に新入生を放り込んで回すいじめがずっと行われており、タッカーはそうやってベイリーをいじめていた。そしてそれはマッシーも承知の上のことだった。しかしベイリーの自殺で、ジョシュは脱走を計画。この話が外に漏れるのと恐れたマッシーは、ベイリーの氏をジョシュのせいにして、クリスに野営地の座標を教えたのだ。しかしクリスはそこにいた生徒全員を殺害、さらにジョシュは逃亡してしまった。マッシーとトーズはジョシュの口を封じようとするに違いない。そう考えたBAUは地理的なプロファイルから、ジョシュの逃亡ルートを割り出し、現場に急行。トーズに追い詰められたジョシュを間一髪のところで救出した。

【格言】
「物語はかわらない 我々が変わるのだ」『森の生活』で知られる、アメリカの作家・思想家・博物学者ヘンリー・デイヴィッド・ソロー(1817年7月12日-1862年5月6日)の言葉。
「生きている限り、人を外見で判断することのないように」『ラ・フォンテーヌ寓話』の著者として知られるジャン・ド・ラ・フォンテーヌの言葉。ラ・フォンテーヌには「全ての道はローマに通じる」など有名な格言がいくつかある。

【士官学校の格言】
「ヴィヴェレ・エスト・ヴァンチェレ=生きるとは勝つこと」という学校のモットーは、古いラテン語の格言。『ポカホンタス』の逸話で知られるイギリスの探検家で軍人のジョン・スミスがモットーにしていたことでも有名だ。
「人が生き抜くには兄弟愛が必要不可欠である」マッシーが口にし、モーガンが「カルロス・ロムロ」と指摘する珍しいパターンの格言は、サンフランシスコ会議にも出席した、フィリピンの外相カスロス・ロムロの言葉。
「士官候補生は嘘をつかず、不正を働かない」という、下級生が唱えたスローガンは、士官候補生倫理規定(Cadet Honor Code)と呼ばれるもの。正式な文言は、「士官候補生は、嘘をつかず、欺かず、盗まず、またそれらをする者を許さない」である。
「我々はいかなる犠牲を払っても、祖国を守りぬく。敵の上陸地で戦い、着陸地で戦い、野で戦い、町で戦い、山で戦う……」ジョシュが森の中で唱えるのは、チャーチルが1940年に英国下院議員で行った勇ましい演説の一部。

【ゲストスター】
マッシー大佐を演じているのは、『スタートレック:ディープ・スペース・ナイン』のオドー役のルネ・オーベルジョノワ。

【うるし】
ツタウルシは、ウルシの中でも、もっともかぶれやすい種類で、蔓状で木に巻き付いたり、地面に這うようにして広がっている。ロッシが口にする「葉っぱが3枚はかぶれ放題」というのは、このツタウルシの葉の特徴を教える言葉。ツタウルシは、石壁などによく這わせてあるアメリカヅタと形状がよく似ているが、アメリカヅタは5枚の掌状複葉で、毒性がない。ツタウルシは日本全土にも分布しているので、ロッシにならって「葉っぱが3枚はかぶれ放題、葉っぱが5枚はだいじょうぶ」とおぼえておくと役に立つかも!

【幽霊】
リードとガルシアの会話に出てくる、レヴァレットという幽霊の話。「ぼくの知ってる3歳児」というのは、JJの息子のヘンリーのことのように思うのだが、しかしいったいレヴェレットの幽霊って何だろう? 第二次大戦期にマサチューセッツ州知事だったレヴェレット・ソルトンストールのこと? この先のエピソードで謎解きされることに期待して、この項目はまたいずれ。

【さよなら、ストラウス】
このところやや情緒不安定気味だったストラウスだが、なんと飲酒問題を抱えており、ホッチはそのことを知っていた! ストラウスにあわや捜査を台無しにされるところだったモーガンは、それを自分に隠していたホッチに対し、「あんた俺が他人を信用しないとか言うけど、俺にいわせりゃな、あんたこそ誰も信じてねえ」と、ずいぶん前(S4#1「消えたテロリスト」)に言われたことを蒸し返すほどの激怒ぶり。そしてエピローグ。ホッチはモーガンを伴ってストラウスのオフィスに出向き、依存症の治療に専念するように言い渡す。さようならストラウス。ことあるごとにチームと対立してきた彼女だが、最近は、人間的な部分が垣間見えることがあっただけに、ちょっぴり残念ですね。

2013.3. 5|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

2月19日(火)S7#7『ストームチェイサー』

7

■竜巻の中で見つかった遺体
カンザス集ウィチタで、7日、間をおいて、ふたりの少年の遺体が発見された。ふたりとも竜巻に巻き込まれ、瓦礫の中からボロボロの状態で発見されたが、死因は鈍器による後頭部打撲で、竜巻に飛ばされる前にほぼ同じ場所を殴られて殺されていた。最初の被害者は右足、二人目は両腕がない状態で発見された。やがて身元が判明、一人目の被害者は16歳のジェイソン・メレディスで1年以上前に家出。2人目のエリック・ジェンネルもウィチタの里親の元から3週間前に家出していた。どちらの被害者も麻薬と売春で逮捕歴があり、さらに、ジェイソンは父親の暴力から母親を、エリックは他の里子をというふうに、自分以外の誰かを第三者から守っていたことが判明する。

■死体のパーツを集めて……
竜巻警報が出たが、雷雨止まりで、実際には竜巻は起きなかった翌朝、さらに新たな被害者が発見された。竜巻で運ばれることなく、殺害現場にそのまま残されていたゲイリー・ダイソンの死体は、バラバラに切り離されて胴体だけが持ち去られていた。リードは、犯人は、右足、両腕、胴体の前に、左足を盗むために、墓荒らしをしているはずだと指摘。ガルシアが調査したところ、1年前、竜巻の最中に葬儀社から遺体の左足が盗まれていたことがわかった。遺体は47歳の男性であり、その後の被害者とまったくタイプが異なることから、犯行には性的要素はなく、嵐の中で誰かを殺し、そのパーツを使って、ひとりの人間を組み立てていると分析する。

■竜巻に兄を奪われた青年
新たにショーン・ラトリッジという少年が誘拐された。キャンピングカーの男が、ショーンの弟の目の前で、シーンをバールで殴って連れ去ったのだ。兄のことを心配する弟の姿を見たJJは、犯人を動かしたのは「愛情」だったのではないかと思い至る。モーガンはガルシアに「過去10年で竜巻で死んだティーンエイジャー」「その中で弟が生き残ったケース」「その弟の中で被害者と境遇が似通っていて逮捕歴のあるもの」で絞り込んだ結果、トラヴィス・ジェームズの名前が浮上。その写真はショーンの弟の証言から書いた似顔絵とそっくりだった。トラヴィスはまだ小さい頃に小児性愛者に狙われ、裁判で証言をしたにもかかわらず、相手の男は無罪放免になってしまった。兄のタッカーは、トラヴィスを伴ってその男のトレーラーハウスに乗り込むが、男とタッカーが殴り合いの喧嘩になったそのときに竜巻が到来。トラヴィスは近くの排水管の中に逃げ込み助かったが、タッカーと男は、トレーラーハウスごと竜巻に巻き込まれ、その遺体は歯の治療記録とDNAで身元を確認しなければならない状態だった。

■竜巻を追いかけろ!
さらに一昨年、竜巻がタッカーを葬った墓地を襲撃。兄の命ばかりか、思い出までも奪われてしまったことが、犯行の引き金となったのだ。リードは、トラヴィスがバラバラになった遺体を組み立てたいだけではなく、竜巻には命を与える力もあると信じ、兄を復活させようとしていると推測。「理想の頭部の持ち主であるショーンを連れて、必ず竜巻の前に現れる」をう予測したチームは、ショーンを救出するために竜巻の進路を予測、ふた手に別れて嵐の中を急いだ。そこにストームチェイサーと呼ばれる、竜巻愛好家たちからの目撃情報が入り、モーガン、リード、JJの3人は、今まさにショーンの首を斬り落とさんとするトラヴィスの元に到着。間一髪でショーンを無事に救出するが、トラヴィスはパーツをつなぎあわせた「兄」を腕に抱いたまま、竜巻に飲み込まれてしまう。

【格言】
「心身ともに健康ならば悪天候なるものは存在しない。どんな日も美しく、激しく吹き付ける嵐にさえ、血湧き、肉踊るのである」イギリスの作家、ジョージ・ギッシング(1857年11月22日-1903年12月28日)の言葉。代表作は小説『三文文士』や、随筆『ヘンリー・ライクロフトの私記』など。
「逆境とは強い風に似ている。剥がせるものを全て引き剥がされた我々は、本当の自分をさらけ出すことになるのだ」アメリカの作家アーサー・ゴールディング(1956年12月6-)原作で、映画化された『さゆり』の中の一節。

【フランケン・シュタイン】
今回の事件は、死体のパーツを集め、雷のちからを借りて、兄のタッカーを復活させようという突拍子もない発想が動機になっている。この発想の元ネタは『フランケンシュタイン』。イギリスの女性作家メアリ・シェリーが1818年に発表した『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス』が原作で、幾度も映画化されたSFホラーの古典的な作品だ。物語は、スイス人の若い科学者ヴィクター・フランケンシュタインが、墓を暴き、死体のパーツを集め、雷の力を借りて、人造人間をることに成功。しかし完成した怪物があまりにおぞましく、ヴィクターは怪物を捨ててしまい、逆に自ら生み出した怪物に追われる身となる……。

【竜巻】
カンザスで竜巻といえば『オズの魔法使い』。S4#26『地獄からの帰還-後編-』でもオズネタは使われていますが、今回の原題 THERE'S NO PLACE LIKE HOME は、ヒロインであるドロシーのセリフ「おうちが一番」から来ている。

【JJの家庭問題勃発?】
休みのはずが、急な事件でカンザスに飛んだJJ。定時勤務で、週末はちゃんと休めたペンタゴンから、激務のBAUに戻って、ウィルとヘンリーにしわ寄せが行くのはどうしようもないところ。さらに今回は、ヘンリーが急な発熱。JJも一旦は帰宅しようとするが、悪天候で飛行機が飛ばず、帰ることもできない。事件解決後に、電話越しに絵本を読みながら、涙ぐむJJ。「おうちが一番」という今回の原題は、JJの心情を表しているのでしょうね。なお、JJが読み聞かせする絵本は実在しない番組オリジナルのようです。

【ヘンリー】
そのJJとウィルの子どもヘンリーを演じているのは、なんとJJ役A・J・クックの実子Mekhai Andersenくん。S5#9『死に神との決着』でもヘンリーを演じてます。番組撮影中に誕生した彼、この先も何度か、番組と共に成長していく姿を見せてくれそうです、お楽しみに。

2013.2.19|エピソード・ガイド|コメント(3)トラックバック(0)

2月12日(火)S7#6『よみがえり』

6

■湖の殺人鬼
カリフォルニア州ロサンジェルスにほど近い広大なエンジェル国有林。その中にあるリッジキャニオン・レイクの水中から、岩を錘にした男性3人の遺体が発見された。3人とも、発見場所から50キロ以上離れた場所から一週間前に連れ去られていたが、遺体には激しい暴力も性的暴行の痕跡もなかった。そしてその遺体の引き上げ作業のさなか、湖にキャンプに来ていた青年、ニックス・カーヴィンが誘拐された。兄とトランシーバーでの会話中でのことだが、彼以外の仲間は全員、湖にカヌーで出ており、ニックが後ろから襲われ、連れ去られるのを目撃しながら助けることができなかった。

■繰り返される死と蘇生
やがて検視によって、犯人が被害者に対して複数回、蘇生術を行っていることがわかる。また珪藻類によって、拉致現場・殺害場所・遺棄現場がそれぞれ異なることが判明。被害者は3人目までは、茶色の髪で体格の良いタイプで共通しているが、4人目のニックは金髪で小柄。にもかかわらず、防御創はニックが一番多く、ロッシは犯人はそれ以前の犯行でケガを負い、楽な相手に代えたと推測する。やがて5人目の被害者が発見される。今回の被害者は女性で、遺体も湖の埋葬場所に運ばずに、犯行場所にそのまま放置。そして防御創はさらに増え、犯人のものと思われる血痕も発見された。

■死を宣告された殺人鬼
血痕を分析した結果、犯人は血液の癌で余命幾ばくもないことが判明する。モーガンは、最初の被害者ジェイク・シェパードが湖に洗礼のためにやってきたことに着目し、犯行になんらかのスピリチュアルな背景があるのではないかと推測。ジェイクの経歴をその観点から調べ直したガルシアは、彼が臨死体験者であることを突き止める。犯人が被害者を蘇生させているのは、臨死体験の話を聞くためだったのだ! 犯人自身にもおそらく臨死体験があり、最初はジェイクが良き話し相手だったが、やがて彼の臨死体験と自分の臨死体験に差異があるため、さらなる体験を求めて犯行に及んだのだ。

■救出
湖のそばで無人のスポーツワゴンが発見されたとの報が入った。乗っていたのはサマンサ・ブラウンと息子のエヴァン。犯人は蘇りの儀式のために、被害者を低体温状態にしやすい、水温の低いエリアを選ぶに違いない。そう考えたBAUは、ガルシアに過去の事件や事故と水温をクロス検索を指示。15年前、水温が一番低いエリアに住んでいた公園職員のダニエル・ウィテカーが、息子のチェイスに殺害されていることをつきとめた。チェイスは父親から暴力を受け、16歳のときには生き埋めにまでされていたため、判決は軽く、18歳で出所していた。さらに最近、リンパ腫で余命3ヶ月の告知を受けていた。その頃、チェイスは誘拐したサマンサを繰り返し蘇、さらにエヴァンにも儀式を行おうとしていたが、危ういところでホッチらが現場に到着、エヴァンもサマンサも救出された。チェイスは湖に身を投げて命を絶とうとするが、蘇生し、逮捕される。

【格言】
「死とは痛烈に苦しいものだが、生きた証もなく死ぬのはさらに耐え難い」ドイツの社会心理学者、哲学者エーリッヒ・フロム(1900年3月23日-1980年3月18日)の言葉。
「死というのは物語の終わりと同じ。タイミングによってそれ以前の出来事の意味がかわる」アメリカの作家で文化人類学者メアリー・キャサリン・ベイトソン(1939年12月8日-)の言葉。人類学者のマーガレット・ミードとグレゴリー・ベイトソンの娘で、『娘の眼から―マーガレット・ミードとグレゴリー・ベイトソンの私的メモワール』などの著書で知られる。

【リンゴ・スター】
キャロラインの告白で心乱れるロッシに、チームの面々は興味津々。そんな彼らにロッシのした言い訳は「リンゴ・スターとのネット対戦で夜更かししただけだ」というもの。そういえば第6シーズンの11話「25年目の真実」の冒頭でロッシのデスクの上に、ビートルズのリンゴ・スターとのツーショット写真が飾ってあったのですが、音ゲーの対戦相手!? アメリカの芸能ニュースによると、ロッシ演じるジョー・マンテーニャが第50回グラミー賞のプレゼンターを努めたときに、リンゴ・スターもプレゼンターの一人として出席。リンゴから話しかけられたのが、ふたりの出会いだそうです。

【臨死体験】
リードの臨死体験は、第2シーズンの14話「血塗られた黙示録」、15話「多重人格」の連続のエピソードでのこと。トバイアス・ハンケルに誘拐されたリードは、暴力的な人格チャールズの暴行を受けて心肺停止した後、トバイアス本人によって蘇生された。

【キャロライン】
難病で余命いくばくもないキャロライン。彼女がロッシに頼んだのは人生を終わらせる手伝いだった。ロッシは苦悩するが、やはり自殺幇助はできないと、キャロラインに告げる。しかしロッシの選択を予期していたキャロラインは、なんと彼がやってくる前に薬を服用していた。救急に電話をしようとするロッシをとどめ、キャロラインはロッシの腕の中で息をひきとった。「キャロライン・ベイカー・ロッシ(1955年6月8日-2011年10月26日)」彼女の眠る傍らにもう一つ、小さな墓石があった。「ジェイムズ・デヴィッド・ロッシ」1979年4月26日、誕生した日に亡くなった二人の息子のものだ。

2013.2.12|エピソード・ガイド|コメント(3)トラックバック(0)

2月5日(火)S7#5『母と子』

5

■児童誘拐
ミズリー州セントルイスで、9歳のボビー・スミスが、住宅街で姿を消した。母親のマーリーンは重い鬱病で自殺未遂も繰り返していた。その日も調子が悪く、息子のボビーを錯乱状態の自分から遠ざけようとして、車で実家の前まで送り、そのまま祖母に預けたつもりになっていたのだ。そして、ようやく気持ちが落ち着いた2日後、息子を迎えに行って、はじめてボビーが行方不明になっていることに気づいたのだ。マーリーンを事情聴取したJJは、彼女が本気で子どもを心配していると判断、そのことはスミス家に出向いたモーガンとリードの捜査からも裏打ちされた。マーリーンは生活に困窮しながらも、息子の生活環境だけはきっちりと整えようと、さまざまな工夫をしていたのだ。しかし、ボビーが消えた場所は比較的人通りの多い場所で、誘拐犯はボビーとなんらかの面識があり、信頼している人物だと考えられた。

■真のターゲットは母親?
ところがその日、なんと母親のマーリーンが殺害された。遺体はめちゃくちゃに刺されているが、手首だけは自殺の傷痕をなぞっていた。BAUは、犯人は自殺を再現しているうちに常軌を逸しており、ターゲットは子どもではなく母親の方だったと分析する。さらに4歳の男の子ティミーが公園から誘拐された。母親が麻薬の依存症であることが判明、チームは母親を保護する。やがて母親を殺害できなかった犯人は、ティミーを開放。ティミーの証言から、ボビーがまだ生きていること、監禁場所は普通の住宅であること、そして犯人が911のオペレーターであることを突き止めた。

■容疑者を絞り込め
「犯人は911のオペレーター。性別は男性。年齢は25歳から30歳、犯人は育児放棄にあっており、里親や親戚に育てられている。そしてボビーやティミーの家から通報があったときに勤務しており、ふたつの誘拐発生時とマーリーンの殺害時には非番だった人物」という分析に基づき、ガルシアが勤務記録からオペレーターを絞り込んだ結果、27歳のジョージ・ケリングの名前が浮上する。しかしケリングは勤務時間のはずが、13歳の女の子シャノン・バートンからの家庭内レイプ通報を処理した後に、突然、早退していた。しかし捜査陣が到着したときにはバートン家はもぬけのからで、シャノンも母親のコニーの姿もなかった。やがてガルシアの調査でケリングの母親は何度も自殺未遂を繰り返した末に、彼が10歳のときに橋から飛び降りて自殺していたことが判明する。

■ママを助けたいか?
「ママを助けたいか?」ケリングは誘拐したた子どもに同じ質問をしていた。母親の苦しみを終わらせ、自分の人生も変えようというのだ。YESと答えれば母親が殺され、母親を庇えば、子どもが殺される。ボビーにそのことを知らされたコニーは、シャノンを守るために、わざと憎まれるような発言を繰り返す。その発言に耐え切れずシャノンがうつむき、ケリングがついにコニーに銃を向けたその瞬間、里親の住所をしらみつぶしに当たったホッチたちが到着。シャノンを盾に抵抗するケリングに、ホッチは、母親の自殺も実はケリングが突き落として殺したたのだと指摘。ケリングが動揺した隙に取り押さえ、シャノン、コニー、ボビーは無事に救出される。

【格言】
「子どものころからわたしは、人と違うところにいて、人と違うものを見てきた」エドガー・アラン・ポー(1809年1月19日-1849年10月7日)の詩 ALONE の一節。ポーは、幼い頃に父親に捨てられ、3歳で母親とも死別している。この詩ALONE は、ポーの死後発見されたものだが、時期的には、彼のことを愛してくれた養母フランセスが亡くなった後に書かれた作品で、生い立ちそして才能故に、ポーが終生抱えていた孤独感と痛みが胸をうつ。なお、今回のエピソードの原題 From childhood's hour は、この詩(引用部分)の出だしの部分から取られている。また、ポーの言葉は、シーズン4の14話『愛しき骸』でも、詩「アナベル・リイ」の一節が使われている。
「真に邪悪なものは純心からはじまる」作家アーネスト・ヘミングウェイ(1899年7月21日-1961年7月2日)の言葉。死後に発表された『移動祝祭日』の最終章「パリに終わりはない」の一節だ。この『移動祝祭日』は、死後に発表された遺作で、まだ無名だったヘミングウェイ夫妻のパリでの生活を綴った回想録で、1920年代のヨーロッパの様子や、エズラ・パウンドや、スコット・フィッツジェラルドらとの交友が描かれている。

【ゲストスター】
ボビー役のメイソン・クックは、『スパイキッズ』シリーズの第4作『スパイキッズ4D:ワールドタイム・ミッション』の弟セシル役で注目を集めた2000年生まれの子役スター。

【キャロライン】
ロッシが別れた妻と再会。彼女の発言は、復縁できるかどうかを伺っているようにも見えて、なんとあのロッシが舞い上がって、心ここにあらずの様子。ところで「キャロラインは何番目?」というプレンティスの質問へのロッシの答えの「ヌメロ・ウノ」は、イタリア語で1番目という意味。ロッシが3回結婚していることは、これまで何度も話題にのぼっていますが、キャロラインは最初の奥さんなんですね。エピローグでロッシが作るチョッピーノは、イタリア伝統の漁師料理。魚介のスープで、ブイヤベースみたいなものです。セカンドチャンス到来か(キャロラインと離婚後2回も再婚してるとはいえ)、と思いきや、キャロラインの告白はなんと、自分が不治の病で余命いくばくもないというものだった。そして、そのキャロラインの最期のお願いに対するロッシの決断は果たして……。この話は来週につづきます。

2013.2. 5|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

1月29日(火)S7#4『失われた痛み』

4

■悪夢ふたたび
アイダホ州ボイシーのノースバレー高校は、かつて男子生徒ランディ・スレイドが、銃と爆弾を持ってカフェテリアにたてこもり、銃を乱射した後に自爆し、彼自身と13人の被害者を出した。それから10年が経過、メモリアルイベントを開催しようとした矢先、事件以来高校を支えてきたダグ・ギブンス校長が、自宅で、爆弾によって殺害された。ノースバレー高校の生徒名簿を入手したガルシアは、その中に、ランディ・スレイドの弟であるブランドンの名前を発見する。当時7歳だったブランドンは17歳になり、兄と同じノースバレー高校に通っていたのだ。ブランドンにはアリバイがあったが、10年前にもブランドンに会っているロッシは、彼の態度から、兄が狙った相手が誰なのか知っていると推測。やがて彼の部屋から、ランディスが書いたターゲットリストが発見される。

■共犯者
新たな犯行は、ホテルの一室で行われた。当時カフェテリアにいて生き残った卒業生のひとりが、今度は素手で殴り殺されたのだ。被害者はチェルシー・グラント。ランディのリストに名前が載っていた人物だ。校長とチェルシーの接点はそのリストだけだが、しかしリストの存在を知っているブランドンは、ロッシたちと一緒にいた。チームは、かつてのランディスの共犯者を探すために、残されたリストを分析する。リストに名前を連ねているのは、スポーツ選手や優等生などの人気者と、それとは真逆の劣等生のはみ出し者の2グループに大別できた。ランディは高機能サイコパスでスポーツも成績も優秀でガールフレンドも多い前者のグループに属する。共犯者は落ちこぼれの後者に属するのではないか。そう考えたホッチは、ガルシアに、10年前にトラブルの多かった生徒で、追悼式に出席予定で、なおかつリストに載ってない人物を洗い出すように指示。ルイス・ラムジーの名前が浮上する。

■プロファイルの見直し
ルイスは自分がリストを作ったことは認めたが、今回の事件への関与は否定。薬物依存からようやく抜けだした彼は、立ち直るための新たなステップとして、追悼式に出て自分がリストを作ったことを告白しようとしていたのだ。またリードは、リストに書かれた、「負け犬」という単語の中に、ルイスの頭文字が埋め込まれていることを発見。ルイスは駐車場でマリファナを吸っていたために、カフェテリアには行かなかったが、実はランディは、共犯者のルイスも殺そうと考えていたのだ。しかしルイスが犯人でないのだとすると、事件はリストとは無関係ということになり、プロファイルの見直しが余儀なくされる。一方、10年前、カフェテリアにいながら、生き延びたジェリー・ホルツから話を聞いていたプレンティスは、供述内容にでっちあげではないかという疑惑を抱いていた。しかし、ホッチが改めてジェリーから話を聞こうとした矢先、今度は、彼が殺害されてしまう。

■トップ10とは?
ジェリーの認知面接を行うことを知っていたのは、当日、カフェテリアにいながら生き残った生存者だけであり、犯人はその中に絞られた。また、リードは、犯人が被害者に対して異常なほどの残虐性を見せていることや陳列棚のガラスを破っていることなどから、「痛覚失認」を抱えており、痛覚失認は外的要因によって脳が傷ついて発症する、爆発によって引き起こされたのではないかと推測。当時の医療カルテから、ロバート・アダムスが犯人であることがわかった。10年前、生存者にはマスコミからの取材が殺到した。その中でも、ギブスン校長が選んだ「トップ10」と呼ばれる生徒たちは、事件後も長くワイドショーに出たり、他校に呼ばれて体験を話したりしていた。あの日、ロバートはカフェテリアでランディの目を見て、直接言葉をかわしていた。ところが退院してみると、自分の経験をジェリーが自分のこととして話していたのだ。当時も、そしていまも、目立たず孤立し続けてきた彼は、自分のストーリーを取り戻すために今回の事件を計画したのだ。ロバートはトップ10の残りのメンバーが集まるレストランに爆弾を仕掛け、彼らに銃を向けた。そこにホッチらが到着。ホッチはロバートに投降するように呼びかけるが、彼はボイラー室に逃げ込み、そこで銃撃戦となり射殺された。

【格言】
「学校というのは、サヨナラした後もお前につきまとう」ロックバンドXTCのボーカル・ギターのアンディー・パートリッジ(1953年11月11日-)が書いた歌詞。2000年発表のアルバム「ワスプ・スター」の収録曲 PRAYGROUND の最後の部分だ。
「痛みとは、理解を閉じ込めていた殻が割れた証である」ハリール・ジブラーン(1883年1月6日-1931年4月10日)レバノン生まれ、NY育ちの詩人。大いなる存在への畏敬の念や壮大な視野が高い評価を受け、その作品は多くの人に影響を与えた。

【ギャツビーと緑の灯火】
ブランドンが提出した小論文のタイトルは「『グレート・ギャツビー』と緑の灯火のくだらなさ」というもの。『グレート・ギャツビー』(偉大なるギャツビー)は、アメリカの作家F・スコット・フィッツジェラルドの小説のタイトル。この作品の中には、ギャツビーはデイジーの家の桟橋に掲げられている緑の灯火を、いくども、対岸からを眺める描写がある。この「緑の灯火」とは、ギャツビーにとっては、デイジーという女性とその富、作品全体においてはアメリカンドリームや未来の象徴となっており、『グレート・ギャツビー』読解のキーワード手がかりとなっている。

【ヘザース】
殺害リストを見たガルシアが例える『ヘザース』とは、1989年制作のアメリカの学校を舞台にした青春映画、マイケル・レーマン監督の『ヘザース/ベロニカの熱い日』のこと。スクールカーストを描いたシニカルでブラックなコメディ。特権グループ“ヘザース”のひとりをシャナン・ドハーティ、いじめられる側をウィノナ・ライダー、クリスチャン・スレイターが演じた。現在、現代に舞台を移した続編テレビシリーズが製作中だ。

【復讐】
周囲よりも小さくていじめられっ子だったリードは、なんとバスケ部の戦略コーチを努め、いじめを回避していた。そのことを知らないモーガンは、舐めてかかって、バスケでリードに惨敗。その仕返しで、なんと取材に集まったマスコミに、連絡先としてリードの電話番号を教えた。絶え間なく鳴る電話にブチ切れたリードは、モーガンの音楽プレイヤーと携帯に細工、自分の絶叫を割りこませたのだ。その様子を見ていた、ロッシは白旗代わりのナプキンを差し出すが、モーガンは「やる気だなリード、復讐ってのは高くつくぞ」と宣言。この戦いは今後につづく?(なわけないか)。

【工学博士】
ところで、音楽プレイヤーに入っていたリードの「工学博士におかしなイタズラを仕掛けると」云々という部分、原音では実は「MITの出身者に」となっているんですが、これは脚本家のミスと思われます。リードはMITじゃなくてカルテックです。今回の脚本ほかにもちょっと疑問な部分があって、ロッシとホッチは10年前の爆発事件の現場にいたと語っているが、ロッシは10年以上前に一度FBIを退職しているはずなんですよね。

2013.1.29|エピソード・ガイド|コメント(1)トラックバック(0)

1月22日(火)S7#3『抜け出せない迷宮』

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■早朝の凶行
ヴァージニア州シャーロッツヴィルのIT企業のシナロック社のオフィスに何者かが侵入、5人が銃殺、3人がナイフで刺殺される。現場に残された足痕から犯人は単独犯、犯行は用意周到で計画的だが、銃の弾切れで途中から凶器をナイフに代えるなど、その行動には一貫性を欠く部分もあった。現場の様子から犯行の目的は経営者のアダム・ワーナーで、顔見知りによる遺恨の犯行と見られたが、しかしその線からはなにも浮かんでこない。そこでBAUは、ワーナーが海軍出身で、シナロック社が国防情報局の仕事も請け負っていることから、軍隊時代に動機が隠されていると推測、30歳から40歳代の軍人に警戒するよう、捜査陣に呼びかける。

■両親を殺害
同日、マークとメアリーのドーラン夫妻が、クローゼットに入れられ、扉の外から射殺される。犯人は息子のルーク・ドーランだが、その後の調査で、彼が今朝、シナロック社に電話を入れていることが判明する。ドーランは海軍に13年間在籍した後に名誉除隊、現在はバイオテック企業で部長の職についている。シナロックでは働いていないが、ワーナーとは海軍で同僚だった。ドーランと殺された両親との関係は良好で、妻とは離婚しているが、それも1年前のことであり、それが犯行の引き金とは考えづらい。PTSDによる病的乖離による犯行が疑われるが、しかしドーランは精神を病んでいるにもかかわらず、敵に見つからないように行動するだけの思考力は持ち合わせているなど、理解に苦しむ部分が多い。

■ネイビーシールズ時代の特殊任務
やがてJJがペンタゴンから資料を取り寄せ、ワーナーとドーランがネイビーシールズに所属し、極秘任務に携わっていたことがわかる。しかしネイビーシールズは、肉体的にも精神的にも強靭で、PTSDに陥る危険のあるような者は入隊できないため、プロファイルの見直しを余儀なくされる。BAUは、アダム・ワーナーが2000年に勲章を受けていることから、事件解決の鍵を握る何かが、その年の任務「ドラドフォールズ作戦」にあると推測する。やがてドーランは、退役将軍のミルグラムを誘拐する。その際に彼は、「本物両親」「ドラドフォールズ」「ガスライティング」という言葉を口にしていた。そのことを聞いたリードは、ドーランが数日前に自動車で事故を起こした際に脳に損傷を受け、「カプグラ症候群」を発症。五感と感情中枢をつなぐ神経が分断される病気とネイビーシールズでの経験があわさって、家族がすり替えられるという妄想が生まれたと分析する。

■カプグラ症候群
JJが国防総省から「ドラドフォールズ作戦」の資料を取り寄せ、ロッシは退役軍人を装ってドーランと電話で接触を試みる。電話の発信場所にモーガンとホッチが急行、将軍は保護できたが、そこにドーランの姿はなかった。ロッシは将軍の誘拐は、妻子の居場所を突き止めてための作戦であり、ドーランはクワンティコに向かっていると分析。ロッシの予想の通り、銃と爆弾で武装したドーランがクワンティコに現れる。リードはドーランに、「カプグラ症候群」のことを説明、館内放送で妻と娘の声を聞いたドーランは、ロッシの求めに応じて武器を置き、投降する。

【格言】
「人は運命に囚われるのではない、人を捕らえるのは己の心だ」フランクリン・デラノ・ルーズベルト (1882年1月30日-1945年4月12日)の言葉。ニューディール政策で知られるアメリカ合衆国32代大統領(1933年-1945年)。39歳でポリオを発症(ギラン・バレー症候群との説もある)半身麻痺となり車椅子生活となったが、大恐慌から第二次世界大戦の激動の時代の大統領を4期努め、脳出血で急死した。
「人間は生まれるのも死ぬのもひとり。愛と友情によってほんのつかの間『自分はひとりではない』という幻想を抱くだけだ」オーソン・ウェルズ(1915年5月6日-1985年10月10日)の言葉。映画監督、脚本家、俳優。子供の頃から、演劇や詩作など、表現において非凡な才能を発揮した。監督作品としては『市民ケーン』、俳優としては『第三の男』の演技が高い評価を受けている。

【ゲストスター】
ドーラン役は『ザ・ユニット 米軍極秘部隊』のマック・ゲルハルト役のマックス・マティーニ。吹き替えもマック同様、加藤亮夫さんが演じている。

【カプグラ症候群】
精神疾患の一種で、家族や恋人など、よく見知った人物が、見知らぬ他人に入れ替わっていると感じてしまう現象を言う。そもそもは1923年にフランスの精神科医ジョセフ・カプグラらによって報告された。まったく別の姿に見えているというわけではなく、視覚と情動中枢の結合が脳の損傷などによって断絶され、姿を見ても情動が動かないことを合理的に解釈するために、その人物がすり替えられた偽者だと思い込んでしまうのだ。ドーランが両親を殺害するシーンで、ドーランは両親をクローゼットに閉じ込めているため、その姿は見えていない。ラジカセを大音量で鳴らしているのは、両親にそっくりの声が聞こえないようにするため、と思える。モーガンが例にあげる『ボディ・スナッチャー』は、1956年、1978年、1993年と3度映画化された作品。街中の人々の肉体が宇宙人に乗っ取られる話だ。

【ガスライティング】
不可解な事件を繰り返し起こし、対象者の心理を操って、被害妄想を拡大、現実を歪めていく手法のこと。映画の『ガス燈』から名付けられた。

【ローレン・バコール】
ガルシアがモーガンに言う「吹き方わかるでしょ? ただ、唇をすぼめて……」は、映画『脱出』(1944年)のなかでローレン・バコール演じる正体不明の女性が、ハンフリー・ボガート演じる主人公に向かって囁いたセリフ。バコールはこの映画がデビュー作で、当時19歳。上目遣いの表情と、ハスキーボイスが話題を呼んだ。

2013.1.22|エピソード・ガイド|コメント(1)トラックバック(0)

1月15日(火)S7#2『虚構の愛』

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■目を焼かれた死体
オクラホマ州デュラントで、この3日間で、性的な拷問を受け、さらに硫酸で目が潰された女性ふたりの遺体が立て続けに発見された。最初は19歳の美大生で、授業に行くと家を出たきり行方不明に、そしてふたり目は17歳、コーヒーショップのバイトを終えて、バレエのレッスンに向かう途中で失踪した。いずれも金髪で、体格も似ている。やがて遺体の着衣が被害者本人のものではなく、リサイクルショップで購入した80年代のものであること、ふたり目の被害者は硫酸で鼻も焼かれていたことが判明する。その後第3の事件が発生、被害者はさらに硫酸で舌も焼かれていた。遺体の唇が荒れていることからBAUは、被害者は犯人の妄想に付き合わされ、何度もキスをされていたが、何かがこじれ、硫酸で舌を焼き、味覚を奪われたと考えた。

■プロファイル
BAUは関係者を集めて、プロファイルを発表した。それは「犯人は40代の男性で白人。恋愛妄想という人格障害に陥っている。ティーンエイジャーだった80年代に女性に拒絶され、その恨みが消えずにいる。最近、引き金となるような何かが起き、それを消化しきれずに身代わりとなる女性を誘拐。妄想に合わせて作り替え、硫酸で五感を奪うことで復讐を果たしている。死体の捨て場所から考えて、犯人はホームレス。パートタイムで硫酸が手に入る職場にいる。怒りは遅かれ早かれ、彼を拒絶した女性本人に向くことになる」という内容だった。さらにリードは、犯人が精神障害を抱えており、その障害を利用して人畜無害に見せ、被害者を油断させているのではないかと推測、犯行に車が使用されていることから、犯人はただのホームレスではなく、更生施設にいると見て捜査の対象を絞り込んだ。

■サイ
やがて第4の事件が発生する。16歳のタミー・ブラッドストーンが、ホームカミングのパーティに出かけたまま行方不明になったのだ。タミーはこれまでの被害者と顔立ちが似ており、同一犯によるものと思われた。しかし誘拐現場付近には同級生たちが多数いたにもかかわらず、誰もタミーの悲鳴を聞いていないことから、チームは、犯人とタミーが知り合いだったと分析。タミーの父親マットには、サイという精神障害のある弟がいること、タミーがパーティのために髪を金髪に染め、母親のライラが若い頃に着たドレスを借りて出かけたことがわかる。サイは十代の頃にライラに拒絶された過去があった。さらに最近、ライラとマット夫婦が倦怠期にあることを知り、それが引き金となったのだ。

■救出
BAUはサイのライラへの想いを利用して、サイをおびきよせる作戦に出る。サイからかかってきた電話で、ライラに「タミー誘拐の容疑でマットが逮捕されてしまったので、不安だから、そばに来て抱きしめて欲しい」と言わせたのだ。サイは疑う様子もなく自宅に現れ、その場で逮捕された。サイがタミーを監禁していたのは、かつて「ライラとBまでやった」とサイがマットに告白した場所だった。しかし当時、ライラと付き合いはじめていたマットはそのことを信じず、一笑に付したのだった。タミーは硫酸で手を焼かれ、触感を奪われていた。サイは犯行の一部始終をビデオに録画しており、兄のマットは、全てを確認して、納得するためにそのビデオを見ることを希望する。

【格言】
「それが奇跡なら、証拠はおのずと現れるだろう。だがそれが事実なら、証明の必要がある」『トム・ソーヤーの冒険』で知られるアメリカの作家マーク・トウェイン(1835年11月30日-1910年4月21日)が書いたエッセイOfficial Report to the I.I.A.S.(1909)の一文。
「復讐を果たしてこそ、相手を許す気になる」スコット・アダムス(1957年6月8日 - )、エンジニアのディルバートとペットのドッグバートを主人公にした4コマ『ディルバート』で著名なアメリカの漫画家の言葉。

【ゲストスター】
サイは『Weeds ママの秘密』のセリアの夫ディーン役のアンディー・ミルダー。母親のライラはトレイシー・ミッデンドーフ。『ビバリーヒルズ青春白書』シーズン4でブレンダと舞台のヒロインの座をめぐってバトルを繰り広げるスティーブの恋人役を演じていた。娘のタミーはハリウッド版『呪怨3』のヒロインを演じていたジョアンナ・ブラッディー。

【エド・ケンパー】
エドモンド・エミール・ケンパー三世(1948年12月18日 - )、カリフォルニア州バーバンク生まれ。幼少期から動物虐待をはじめ、15歳で祖父母を殺害、精神疾患で入院するが数年で退院、その後、ヒッチハイカーの女性6人殺害、1973年4月に母親をハンマーで殴り殺し、その後、その声帯を切り取りディスポーザーで粉砕。さらに母親の友人を殺害した後、自ら警察に通報した。母親への憎悪がすべての犯行の背後にあったと言われている。

【JJがプロファイラーに!】
チームに復帰したJJだが、なんと正式なプロファイラーに昇任。長年、事件のプレゼンや、広報を担当してきただけに、新人離れした見事な分析は、ホッチも舌を巻くほど。というわけでJJ復帰だが、ブリーフィングの進行は、これまで同様にガルシアが担当します。

【プレンティスの帰還とチームへの影響】
プレンティスの死は偽装だったという事実は、チームに大きな衝撃を与えた。偽装に気がついていたというロッシは別にして、ガルシアはいかにもガルシアらしく素直に喜びを表明、モーガンも多少ひっかかりはあったものの、すぐにプレンティスと棺桶の中身について冗談が言いあえる状態に復帰した。しかし、JJの家に入り浸り泣いていたというリードだけは、プレンティスにというよりも、そんな自分を欺いたJJが許せない。見かねたホッチが「怒るなら俺に怒れ」と言っても、リードは「2ヶ月半通ったのはホッチの家じゃないから」と拒絶。しかしプレンティスが「あんたは仲間をひとりなくした、わたしは6人なくしたの」という言葉に、頑なだったリードの心が動いた。事件解決後、ロッシの家で開かれたイタリア料理の夕べにリードも現れ、「力をあわせてやること、まるでそう、家族みたいに」というパスタにかこつけたロッシの言葉に、全員がグラスを合わせ、こうしてようやくBAUに和やかな空気が戻った。

2013.1.15|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

1月8日(火)S7#1『家族の絆』

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■デクランを探せ!
プレンティスがいなくなってから数ヶ月。モーガンは武器売買ルートをあらい、イアン・ドイルの行方を追い続けた。しかしそのルートからなんの手がかりも得られなかったために、アプローチを変更。ドイルの息子デクランの行方を捜査しはじめた。モーガンは、デクランを隠したプレンティスの行動を分析し、ついに、デクランと家政婦がヴァージニア州のスタッフォード郡に居住していることを突き止めた。そしてデクランを見はり続けること2ヶ月。ついに息子の行方を探すドイルが、監視カメラに記録された。それまで秘密裏に行動してきたモーガンだが、すぐに状況をホッチに報告。パキスタンの特殊捜査班の指揮をするために出向中のホッチは、急遽帰国の途につくが、それまでの判断はモーガンに委ねた。自宅にはFBIの捜査官が配置されていたが、ロッシとリードが到着したときには、デクランの姿はなく、捜査官と家政婦は何者かによって殺害されていた。一方ドイルの隠れ家を張っていたモーガンは、在宅を確認、突入して、ドイルの身柄を確保した。

■プレンティスの帰還
ところがドイルは、デクランを誘拐したのは自分ではないと主張。やがて監視カメラの映像から、デクランの誘拐に武器商人のリチャード・ジェレイシーが絡んでいることが判明する。しかしドイルはジェレイシーにはそんなことをするような力は無いと否定。そんな中、ホッチが帰国。チームはホッチから驚くべき事実を聞かされる。なんとプレンティスが生きているというのだ。呆然とするチームの前にプレンティス本人が現れた。安全のため、死んだことにして、パリに身を隠したプレンティスだが、デクランを探すため急遽戻ってきたのだ。そしてジェレイシーを知るプレンティスも彼の単独犯行を否定。他に主犯格の人物が存在するはずだと主張する。

■デクランの母親
デクランを誘拐した犯人が、捜査官の交代要員を装って家に侵入したとすれば、犯人は男女。死体の様子から、犯人はデクランを育てた家政婦のルイーズに恨みを抱いている人物であることから、ホッチはデクランの実母に着目。プレンティスはドイルの取調室に入り、デクランの母親が誰なのかを問い詰めた。母親はクロエ・ドナヒュー。国際的な売春組織の元締めから、ドラッグの密造・販売に転身、武器売買も扱っている犯罪者だった。彼女はドイルの子供を身ごもったが、堕胎しようとしたために、怒ったドイルに出産まで監禁されていた過去があった。しかしドイルはクロエは復讐のためだけに動くような人間ではなく、この事件には金が絡んでいると主張する。

■国外逃亡を阻止せよ
BAUは、ドイルに恨みがあり、かつクロエが満足するだけの金を出せる人間をリストアップ。そうして、ドイルに兄を殺害された密輸業者マクダーモットの名前が浮上する。捜査陣はボルティモアにあるマクダーモットの倉庫に急行するが、そこで発見されたのはジェレイシーの死体だけだった。マクダーモットは飛行機を所有しており、デクランごと国外に逃亡される恐れがあった。そこでリードは、ドイルとデクランの交換を提案。ドイルを連れて空港へと向かった。BAUが到着したのは、クロエとマクダーモットを乗せた飛行機がまさに離陸せんとしているところだった。しかしドイルの姿を見たマクダーモットは、デクランを盾に飛行機のタラップを降りてきた。しかしその後を追って出てきたクロエがドイルを撃ったために、銃撃戦となり、結局ドイル、クロエ、マクダーモットは死亡し、デクランは無事に保護された。

【格言】
「過去を正すことはできない」エリザベス一世(1533年-1603年)16世紀中頃から17世紀初頭に在位したイングランドとアイルランドの女王。ヘンリー8世とアン・ブーリンの娘。生涯結婚することなく、ヴァージン・クィーンと呼ばれた。「私のよき臣民、すべてが私の夫だ」という言葉も有名。
「私は、アメリカ合衆国の憲法を全面的に支持し、国外および国内のあらゆる敵から守りぬきます。また憲法に忠誠を捧げ、義務の遂行を惜しまず、疑問を抱くことも、逃れようとすることもなく、これから職場となる連邦捜査局の勤めを忠実にまっとうすることを神に誓います」FBI入局の誓。

【ハーシパーク】
ジャックがヘイリーの姉妹のジェシカと出かけているハーシーパークは、ペンシルヴァニア州にあるチョコレート・メーカーのハーシーのテーマパーク

【ゲストスター】
公聴会の議長クレイマーを演じているのは、『デスパレートな妻たち』のポール・ヤング、『マッドメン』のダック・フィリップス役のマーク・モーゼスだ。

【タイトル】
今回のエピソードの原題はIt takes a village これは、アフリカの諺である、It takes a village to raise a child.(子育ては村全体で行うもの)からきたもの。デクランの母親になることは無理だと言って断ったものの、ずっとその成長を見守りつづけたプレンティスや、それを支援した人々の存在を意味しているのだろうか。「コールドケース5」の5話「ゲーム」の原題も同タイトルが使われている。

【聴聞会】
今回のエピソードは、一連の事件についての妥当性を図る聴聞会での証言に添って構成されている。秘密裏に行われた捜査、ドイルとデクランの人質交換など、その過程はFBIの捜査規定を大幅に逸脱していたために、全員が停職処分となり、公聴会が開かれたのだ。それぞれの行動に対して信頼を寄せるチームの結束が、この公聴会の過程によく現れている。決して楽観できるような状況ではなかったが、最後にプレンティスが、FBI入局の誓を出して委員会を説得。それによって、今回の捜査は不正には当たらないとして、全員の停職が取り消され、プレンティスも捜査官に復帰することとなった。

【チーム再集結!】
プレンティスの後任としてJJが復帰するも、チーム縮小のために、シーヴァーはアンディ・スワンのチームに移籍。リードは長期休暇。そしてホッチは特別捜査班を指揮するためにパキスタンに出向していた。そんな逆風のなか、国際的な指名手配犯であるドイルを逮捕。プレンティスも戻って、7ヶ月ぶりにチームが再集結することに! やっぱりこのメンツが揃ってこそのBAUですね。というわけで待望のシーズン7の開幕です。恒例のマシュー監督の回は19話。さらにチームのメンバーの恋愛エピソードなども盛り込まれている模様。お楽しみに!

2013.1. 8|エピソード・ガイド|コメント(3)トラックバック(0)

7月10日(火)S6#24『終わりなき戦い』

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■事故車から発見された遺体
ヴァージニア州のザッカロードと7号線の交差点付近で、交通事故が発生。レスキューが駆けつけたが、ドライバーは頭部を負傷しており、車内で息をひきとった。ところが、その車のトランクから、なんと若い男女の死体が発見されたのだ。ドライバーはIDをはじめ身元を示すようなものはなにひとつ身につけていず、携帯電話も所有していなかった。一方被害者の方は、ユニフォームのようなタンクトップにショーツというスタイル。男性は殴られた上に首を締められており、女性は喉を切られていた。指紋を照合した結果、男性は昨年の12月行方不明になったジェイク・ワッタイ。女性はアリゾナ州立大の学生で、今年の2月に行方不明になったペイジ・ホーリーと判明した。数ヶ月の間隔をおいて誘拐した二人の人間を同じタイミングで殺し遺棄するこの事件について、BAUはシリアルキラーによるものではなく、組織だった犯行だと分析する。

■消えた潜入捜査官
BAUに人身売買特捜班長のアンディ・スワンが現れ、捜査協力を申し出た。人身売買特捜班は、3年前から全国で大学生を拉致している組織を追っていた。誘拐されているのは、ストレスのたまった若者。犯人グループは大学や街に偵察を送込み、若者を誘拐、大都市で2日間にわたってショーを開き、そして別の場所に移動する。これまではセックスでこと足りていたのが、刺激に慣れた客がさらなる刺激を求め、ついに拷問や殺人ショーをはじめた、というのがBAUと特捜班の分析だ。しかし、組織のシステムが厳重で顧客情報が漏れてこないため、特捜班は被害者の側である大学構内に潜入捜査員を送り込み、捜査にあたっていた。やがて、そのひとりである捜査員のルネ・マトリンとの連絡が途絶えたとの連絡が入る。彼女はガン撲滅チャリティーマラソンの活動に参加しており、ランニング練習後に仲間と共に拉致されたようだった。

■人身売買組織
事故を起こした車のガソリン量から、この車が最後に給油したガソリンスタンドが7軒に絞りこまれた。ガルシアはさらに、車に残されていたサンドイッチと珈琲からスタンドを特定。スタンドの防犯カメラの映像から、運転手がそのスタンドの公衆電話から市内に電話をかけていることが判明する。つまり、人身売買グループはここヴァージニア州が地元なのだ。しかし、ヴァージニア州の田舎からアジトを特定するのは藁山から針を探すようなものだ。そこでBAUは顧客の客層から不動産売買に着目、誘拐された若者が出入りしていたクラブのオーナー情報から、ムーアという人物に絞り込む。そしてムーアがヴァージニア州に廃工場を持っていることを発見、捜査陣がその工場に急行した。

■人身売買ショー
工場では、まさに拷問ショー開催の最中だった。ルネはいっしょに捕らえられたルーシーを庇おうとするが、なんと彼女こそが組織のボスであることがわかる。ルーシーは、ルネが捜査官であることを知ると、彼女を殺人ショーに引き出し、1発だけ装填した銃をつきつける。ロシアンルーレットさながら、引き金を引くルーシー。そこに捜査陣が突入する。殴られたルネは意識はないが容態は安定していた。一方ルーシーは被害者を装って逃げようとするが、正体が発覚。ロッシに向かって銃を向けたために、モーガンによって射殺される。

【格言】
「どんなに悪い状況でも、さらに上が存在する」イギリスの作家で詩人トマス・ハーディ(1840年6月2日~1928年1月11日)の言葉。
「行動する力の源にあるものは、行動しない力の源にもある」アリストテレスの言葉。

【BGM】
冒頭のカイルが車を走らせているシーンで流れる曲は、ローリング・ストーンズのシャッタード。

【ゲストスター】
アンディ・スワンは「24」シーズン7のカーラ役のエイミー・プライス=フランシスだ。

【BAUの今後】
夜明け前にホッチから呼び出しを受けて、集合したBAU。こんな早朝に集められるのは、ギデオンが行方不明になったとき以来で、みな、不安を隠せない。そんな彼らに、ホッチは、FBIが予算削減から大幅な組織再編を考えており、そのために全員がBAU残留の意思を確認されるだろうと告げ、重苦しい空気がたちこめる。事件を解決し、クワンティコに戻ったのは午前2時。ロッシの部屋にはひとりの女性が待っていた。JJだ。「この間の件を考えてくれたのかな」ロッシの問に対するJJの答えは……「わたし戻ります」。なんと、来シーズンにはJJ復帰です。おかえりなさい。そしてシーヴァーはこのエピソードを最後にチームを離れるようです。

2012.7.10|エピソード・ガイド|コメント(12)トラックバック(0)

6月26日(火)S6#23『海の牢獄』

※7/3(火)、7/4(水)は放送休止となります。
次回、<第6シーズン最終話>#24「終わりなき闘い」は
[二]7/10(火)よる11:00、[字]7/11(水)深夜0:10より放送します。


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■海の墓場
フロリダ州ジャクソンビルで、海底の浚渫作業中に大量の白骨が発見された。白骨の数は12体。古いものはおおよそ9年前、新しいものは1ヶ月ほど前に投棄されたものだ。骨の切断のされ方、投棄場所から、BAUは地元の漁師の犯行と分析。しかし被害者の身元を示す手がかりは何もなかった。ホッチは、犯人のエゴを利用する目的もあり、記者会見を開き、行方不明者の家族に情報提供を呼びかける。身近に行方不明者を持つ人々がつぎつぎに現れる中に、モーガンのおばイヴォンヌも混じっていた。7年前娘のシンディが、ストーカー被害にあい、以来、行方不明になっているのだ。ストーカーは2週間後に自殺し、真相は闇の中となったが、モーガンのプロファイルは、そのストーカーによる犯行を示唆していた。しかしイヴォンヌは、身元不明の遺体がみつかるたびに、娘ではないかとモーガンに問い合わせてくるのだった。

■はがき
最初に判明した遺骨の身元は、チャールストンで行方不明になった研究員のサマンサ・コーミックだった。サマンサの友人は、行方不明後に、彼女から1枚の絵葉書をうけとっており、その後判明した被害者の家族も同様にはがきを受け取っていたが、その文面には、無理に書かせたような痕跡はなかった。リードは船酔いの薬であるトリリマイドを多量に摂取すると、相手の命令に服従するようになることを指摘する。また被害者の出身地はバラバラだが、誘拐場所はチャールストンかマイアミといった観光地で拉致されている。当初はBAUは、犯人がチャーター船をもっており、客から被害者を物色していると見ていた。しかし被害者の記録を調べたガルシアは、彼らのチャールストンやマイアミでの足跡はおろか、そこにたどり着く飛行機の発券記録も見つけることができなかった。

■骨が語る
一方、発見された遺骨を調べていたリードは、最初の被害者の骨だけ、損傷が激しいことに疑問を抱いた。骨には、生きている間に砕かれたとおぼしきあとがあったのだ。骨は50代後半で、カルシウムが欠乏気味なことからアルコール依存症。この最初の被害者は、犯人の父親ではないかと推測する。やがて、海から新たな遺体があがった。遺体には、自分で自分を刺した痕があった。犯人はトリリマイドを与え、自傷行為を強要。しかし被害者は途中でそれに抵抗したために、犯人は骨を砕くことなくこの被害者を遺棄せざるを得なかったのだ。モーガンは、トリリマイドを与えられながら、被害者が犯人に抵抗できたのは、精神的、肉体的に支配されながらも、何かを守ろうとしたのではないかと推測。ガルシアに子供連れで消息を絶っている人間を探すように指示する。

■親子
ガルシアの調査で、被害者はゲーリー・ライマー。妻がドラッグ依存だったために、息子ジェームズの単独親権を得、ジェームズはゲーリーの妹が住むサウスカロライナの学校に転校する予定だった。ジェームズはこれまでも、サウスカロライナに列車で旅をしたことがあり、そのときにはサーフライダー号を使っていた。サーフライダー号はジャクソンビル、チャールストン、マイアミに停車する。その路線の鉄道会社の従業員で、船を所有している者を探したところ、車掌のブレイク・ウェルズの父親が船を所有していることが判明。BAUは、ブレイクの母親は乳がんで死亡しており、その母親を捨てた父親への復讐が今回の事件につながっていると分析する。ブレイクの潜伏先を分析した捜査陣は、ブレイクが父親から虐待を受けながら働いていた缶詰工場に急行し、そこでブレイクとジェームズを発見。モーガンがブレイクの自尊心を利用して説得し、ジェームズを無事に保護した。

【格言】
「海は人に優しかったことがない。せいぜい、胸騒ぎを掻き立てるだけだ」イギリスの小説家ジョセフ・コンラッド(1857年12月3日~1924年8月3日)の言葉。
「我々は海とつながっている。我々が海に帰るとき、船を出すにせよ、ただ見つめるだけにせよ、我々はみんなもといた場所に戻るのだ」第35代アメリカ合衆国大統領であるジョン・F・ケネディ(1917年5月29日~1963年11月22日)の言葉。

【ゲストスター】
イヴォンヌおばさんを演じているのは、『ビバリーヒルズ青春白書』でウェスト・ビバリー高校のティーズリー先生を演じていたデニース・ドウズだ。

【着想】
今回のエピソードは、脚本家のジム・クレメントが、海岸の復興プロジェクトで海底の砂を砂浜に汲み上げているところに遭遇。そのとき作業員たちが、砂の水からメガロドンの歯の化石を見つけ、小遣い稼ぎをしているのを見て思いついたものらしい。

【シンディの行方】
シンディを殺したのはブレイクだったのか。逮捕後、被害者の写真を見せられるたびに、被害者の最期を自慢げに語るブレイク。シンディの写真を出したモーガンの様子から、彼女がモーガンにとって大切な相手であることを見て取ったブレイクは、彼女が死ぬときにモーガンの名を呼んだと話す。しかしブレイクは、他の写真に対しては名前で話したのに、シンディの名前がその口から語られることはなかった。シンディを殺したのはブレイクではない。しかし身元不明の遺体が見つかるたびに駆けつけるイヴォンヌを気遣うモーガンは、犯人が殺害を認めたと嘘をつき慰めた。たとえどれだけ残酷な終わりであろうと、次のステップへと踏み出すために、終わらせることこそが大事なときがあるんですよね。

2012.6.26|エピソード・ガイド|コメント(0)トラックバック(0)

6月19日(火)S6#22『光閉ざされて』

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■意識のない被害者のプロファイル
ノースカロライナ州の風光明媚な町レイクワースで、若い女性が道路沿いの断崖から転落、病院に運ばれたが危篤状態がつづいていた。十代後半の女性で、身元は不明だったが、監禁されていたらしく、レイプと拷問を繰り返し受けた痕跡があった。この周辺では3年前にもやはり、身体中に刺傷のある十代後半の女性の遺体が発見されており、地元警察は同一犯の犯行と見てBAUに協力を依頼したのだ。病院で意識のない女性の身体を観察したリードは、歯列矯正の痕からジョセは中産階級の育ちで、日焼けや足の骨膜炎から屋外スポーツをしていたと分析。その後、女性はいったん意識を取り戻すが、「マシ」という謎の言葉を残して息をひきとった。

■さらに遺体が!
一方、女性が発見された現場から犯人の足取りを追うモーガンとシーヴァーは、付近の森の中でアンモニア臭の立ち込める一角に行き着く。警察の調査で、その一角から複数の遺体が発見される。一番古い遺体は10年ほど前のもので、病院で亡くなった女性が生き埋めにされかけて逃げ出したとおぼしき穴も発見された。BAUはガルシアに過去10年の失踪事件を調べるよう指示する。やがて近隣の警察署からの情報で、ノースカロライナ・カレッジに通う19歳の女子大生、アンジェラ・プロクターとマーシー・オーウェンが行方不明になっていることがわかる。病院で亡くなった女性はアンジェラ、そして彼女の残した言葉「マシ」の意味は、「マーシー」がまだ捕まっているだったのだ。

■美術教師の暗室
森で発見された遺体はすべて十代後半のブロンドで、アンジェラも髪をブロンドに染められていた。犯人には、そのタイプの女性と何らかの過去があり、被害者を自分の妄想に当てはめている、だからマーシーもその役をやらされていれば生きているはずだ、とBAUは分析。拉致現場が遺棄現場と離れていることから、性犯罪者リストを絞りこんだ結果、高校で美術教師をしているタルボットが容疑者として浮上した。タルボットの自宅には暗室があり、そこから大量の女生徒の写真が、そして敷地内からはマーシーのTシャツも発見された。しかしタルボットは容疑を否認、さらにBAUもTシャツなど物証を無造作に放置しているなど、プロファイルと合致しない点に疑問を抱く。真犯人がタルボットに濡れ衣を着せようとしているのではないか、そう考えたBAUはタルボットの自宅に出入りしたことのある人間のリストを作成する。

■ローズ
マーシーが毎年アート・フェスティバルでステンドグラスのウィンドチャイムを買っていたことに着目。ステンドグラス職人のロバート・ブレマーはタルボットの自宅にも一度訪れ、教会にも16年通っていることがわかった。アンジェラの検視報告で傷口からガラス片、血中から重金属が検出されていたことも、犯人がステンドグラスの職人であれば納得がいく。ブレマーはレイクワースに引っ越してくる前に、妻とその連れ子のローズを交通事故で失っていた。ローズは当時10歳。妻が精神疾患で入院した隙にブレマーはローズを虐待。それを知った妻はローズを連れて逃げる。ところがその後もブレマーにしつこく付きまとわれ、追い詰められた彼女は娘を道連れに湖で心中したのだ。マーシーはローズの身替わりなのだ。捜査陣はブレマーの職場と自宅に急行するが、そこにはブレマーの姿もマーシーの姿もなかった。ブレマーはマーシーと無理心中を図ろうとしている、そう分析したBAUは湖へと急ぐが、ブレマーは検問を破り、車ごと湖に突っ込んだ。モーガンが湖に飛び込み、車の窓からマーシーを救出、それを妨害しようとしたブレマーはホッチに射殺される。

【格言】
「たとえ神の力を持ってしても、過去をなかったことにはできないのだ」紀元前4世紀のアテナイ(アテネ)の悲劇詩人アガトンの言葉。マケドニアのアルケラオス王に招かれてマケドニアで暮らし、マケドニアで没した。「過去を振り返るのは、何かを生み出すときだけでいい」メキシコの作家ドメニコ・エストラーダ(1954年4月18日~)の言葉。

【BGM】
帰りの飛行機の中からサッカーのシーンでかかる曲は、イギリスのロックバンド、スペンサー・デイヴィス・グループが1966年10月にリリースした「ギミ・サム・ラヴィン」。この曲は、オリビア・ニュートン・ジョンやブルース・ブラザーズなどさまざまなアーチストにカバーされている。

【ホッチ、サッカーのコーチになる】
ホッチは週末、息子のジャックのサッカーのコーチをすることになる。コーチに抜擢された理由は、他の父兄がみんな携帯を覗いたりしている中で、ただ一人、試合を応援していたから。イタリア系で実はサッカー好きのロッシは、帰りの飛行機の中でホッチにサッカーのフォーメーション表をわたす。ホッチはロッシにアシスタントを頼み、ふたりは週末、ジャックの試合にでかける。ジャックのシュートに、ハイタッチを交わし、子供たちをねぎらホッチとロッシのくつろいだ表情が素敵ですね。

2012.6.19|エピソード・ガイド|コメント(1)トラックバック(0)

6月12日(火)S6#21『歪んだ愛』

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■赤ん坊にミルクを与える殺人鬼
学研都市、カリフォルニア州サンディエゴで、5日間に3人の女子大生が自宅アパートで殺害された。被害者同士に接点はないが、全員20代前半でブルネット、大学では教育学や児童発達学を専攻していた。最初の被害者の傷には、犯人のためらいのあとがあったが、犯行を重ねるごとに刺し傷が増え、3人目の被害者のアンバーは出血多量で死亡している。アンバーは風呂に入ろうとしていたところで、無防備な姿だったが、レイプはされていない。「犯人は犯行を楽しみはじめており、このペースなら今夜また誰かを襲う」というBAUの分析の通り、その夜、第4の犯行が発生、工科大の女子学生が、ベビーシッター先で殺害された。殺害現場は子供部屋だが赤ん坊は無事、それどころか、犯人が赤ん坊にミルクを与えた形跡があった。

■プロファイル
「犯人は20代前半の白人男性。被害者をストーキングしていることから、無職か在宅勤務。対人関係がうまく持てず、女性と話すのも苦手。被害者の肉体に与えられた暴力が、セックスの代償行為で、特定の誰かへの怒りを被害者にぶつけており、本当のターゲットに向きあう自信がつくまで、他の誰かを襲い続ける。殺害現場で哺乳瓶を並べ直すなど、異常な几帳面さがあるのと、突然休みなしに殺し始めたことから考えるに、最近まで刑務所か施設に入っていた人物」とBAUは分析。若い女性に注意を喚起する警告をマスコミや大学に流した。やがてガルシアの調査で、被害者が全員、ベビーシッターのアルバイトをしていたことが判明する。

■子供にミルクを与える犯人
そしてほどなく第5の犯行が行われた。女子大生が、ベビーシッター先の家で、帰宅した家の主諸共に殺害されたのだ。しかし、不思議なことに母親と赤ん坊は、子供部屋に閉じ込められただけで無事だった。赤ん坊にミルクを与えたり、母子を部屋に閉じ込めたり、その行動はまるで子供を守っているかのように見える。ホッチはガルシアに「過去10年から15年の間で、母親が、30代前半で夫と子供を残して死亡し、父親がその後再婚。過去に、放火や動物虐待など、社会病質の兆候を示す事件を起こしており、最近刑務所か施設を出た人物」で絞込みを命じる。その結果、13歳で継母をナイフで脅し、少年院に入ったグレッグ・フィニーの名前が浮上する。グレッグの継母であるケイトは、前妻が事故死した1年後に父親と再婚しており、以前はグレッグのベビーシッターをしていた。そしてグレッグは17歳で施設に入れられ、2週間前に退院していた。

■真のターゲット
グレッグは外部通勤プログラムの一貫で、地元新聞社のデータ入力の仕事をしており、被害者のデータにそこからアクセスしていたことが判明。彼の自宅の壁にはケイトの写真が貼り付けられていた。真のターゲットは継母のケイトだったのだ。殺人を重ね、自信をつけたグレッグはケイトを襲う――そう考えたBAUは、ケイトの家に急行する。しかしそこにはすでにグレッグいて、ケイトにナイフをつきつけていた。ホッチはシーヴァーを伴い、家に入った。グレッグに同情してみせるシーヴァーの言葉に誘われ、彼は自分の気持ちを語りはじめる。なんと彼は実の母親を愛する気持ちから、ベビーシッターを恨んでいたのではなく、ケイトが父親を選んだことを恨んでいたのだ。興奮したグレッグのナイフがケイトを刺そうとした瞬間、窓から家に入ったロッシが銃を撃ち、グレッグを射殺。ケイトは無事に救出される。

【格言】
「時として、人間的な場所が、非人間的な怪物を生み出す」『グリーン・マイル』や『ミザリー』などで知られる、アメリカのホラー作家、スティーヴン・キング(1947年9月21日~)の言葉。キングはシーズン4の20話『2人の殺人鬼』でも格言が使用されている。
「過去への旅は、妄想、記憶違い、名前のすり替えなどによって複雑なものになる」(1929年5月16日~2012年3月27日)、アメリカのユダヤ系女性詩人。アドリエンヌ・リッチの言葉。1951年に詩集「世界の変容」を出版し、高い評価を受けた。60年代以後ウーマン・リブ運動に参加。ヴェトナム戦争、人種問題、ゲイ・レズビアンの人権問題、女性解放などをテーマに詩作。少女時代に兄弟から受けた性的虐待を描いたエッセイ「強制異性愛とレズビアン存在」が大きな反響を呼んだ。

【ゲストスター】
グレッグ・フィニーを演じているのは『トゥルー・ブラッド』トレヴァー役で出演したチャド・トッドハンター。

【エドモンド・ケンパー】
1964年から1973年にかけて10人を殺害したシリアルキラー。母親から虐待を受けて育ったケンパーは、1964年15歳のときに好奇心から祖父母を銃殺。カリフォルニアの精神病院に入院するが、退院後、1972年に再び犯行を再開、ヒッチハイカーの女子大生などを相次いで殺害。そして1973年にはついに真のターゲットである母親を撲殺。頭部を切断した後、死姦し、さらに母親の親友も殺害。3日後に警察に自首。終身刑の判決を受け、現在もカリフォルニアの刑務所に服役している。

【チーム査定その後】
ホッチの出したチームの面接調査報告に対し、ストラウスはホッチ自身のものがないというクレームを伝えてきた。「女性が4人殺されてるんですよ。明日までにまたひとり死にます」出張先にまで追いかけてくるストラウスの催促に、ホッチは苛立ちを覚える。ところがクワンティコに帰ったホッチを待っていたのは、ストラウスの意外な言葉だった。なんと今回の査定は、ストラウスが職務を離れる可能性があるために、その穴埋めをホッチができるかどうか調べるためのものだったのだ。

2012.6.12|エピソード・ガイド|コメント(1)トラックバック(0)

5月29日(火)S6#20『傷を負った女』

20

■女性乱射犯
フロリダ州タンパの銃器店で乱射事件が発生、店内にいた4人が射殺された。目撃者によると、事件後、女が落ち着いた様子で店内から出てきたという。犯人はその銃器店を訪ね、38口径のリボルバーの購入を希望するが、引き渡されるまでに3日かかると言われ、持参した銃弾を使って乱射。銃を持って逃走した。このタイプの犯人は、その場で立てこもり警察に射殺されることが多いが、この女性は警察の到着を待たずに現場を離れていることから、BAUは彼女がまだやり残していることがあると分析する。そしてその分析は的中し、犯人はショッピングモールで警備員を射殺、検問所で警察官、その後2人の救命士を撃ち、逃走する。

■プロファイル
「犯人は30歳から40歳の白人女性。移動パターンには一貫性がなく、身を守ろうとか、逃げようとかいう意思があるように見えない。大切な何か、おそらく子供を失い、絶望している。警察官や救命士を襲っているのは、子供を失った原因が事故や事件で、そのときに彼らに手を差し伸べてもらえなかったからだろう。そして長い間、怒りを募らせてきた結果、彼女は衰弱し、今日、全てを終わらせようとしている」BAUはプロファイル発表、記者会見を開き、犯人との接触を試みるが、効果はなかった。

■子供を奪われた母
犯人が銃弾をもっていたことから、犯人の夫か恋人が38口径を所有していると見たBAUは、35歳から50歳の白人男性の登録者で検索をかける。しかし自衛を推奨するフロリダでは銃所持は珍しくなく、絞り込むことができない。ガルシアが今日の日付で、若い犠牲者の出た事故を検索したところ、昨年、警察と強盗のカーチェイスに、主婦の運転する車が巻き込まれ、6歳の男の子が死亡していたことが判明する。運転していた主婦の名前はシェリー・チェンバレン。そして亡くなった息子のダミアンはその日が誕生日だった。しかしこの事件で殉職した警官がいたため、報道はそちらに重きがおかれ、巻き込まれた母子についてはほとんど無視されているような状況だった。

■説得
ガルシアはさらに、シェリーが消防士の夫と3ヶ月前に離婚していることをつきとめる。彼女は自分と一緒に子供の死を嘆き悲しんでくれない夫に怒りをつのらせ、そして夫と同様に、本来はダミアンを助けにきてくれるはずのヒーローなのに、助けてくれなかった消防士や救命士、そして警官に怒りをぶつけているのだ。BAUは、シェリーの家、そしてシェーリーの別れた夫ドンの家に向かう。ドンの家にシェリーの車があるものの、ふたりの姿はない。リードは、ドンが編集していたビデオの箱から、ダミアンの誕生日を祝っていたハンバーガーショップの飾りを発見。捜査陣はその店に急行する。バーガーショップでは、錯乱したシェリーが銃を手に立てこもっていた。射殺しようとする警察に対して、ホッチは説得を主張。店内にひとりで入ったホッチは、シェリーに対して理解を示し、あなたはいい母親だったのだから、ダミアンは幸せだった、だから自分を責めてはいけないと語りかける。説得をうけ入れたシェリーは、ホッチから幸せだった頃の家族の写真を受け取り、手に持った銃を夫のドンに渡す。

【格言】
「人は嘆き悲しむからこそ人間なのである」アルゼンチンの詩人アントニオ・ボルキア(1885年11月13日~1968年11月9日)の言葉。ボルキアはイタリアで生まれ、1990年にアルゼンチンに移住。原詩はスペイン語で書かれている。

【ゲストスター】
シェリーを演じているのは、『ザ・プラクティス ボストン弁護士ファイル』のリンジー・ドール、『ライ・トゥ・ミー 嘘は真実を語る』の心理学者ジリアン・フォスター役で知られるケリー・ウィリアムズ。

【小さな光を輝かせよう】
シェリーがダミアンと「小さな光を輝かせよう」と歌う曲は、This Little Light Of Mine。アメリカでは有名なゴスペルソングで、数々のアーチストによってカバーされている。

【プレンティスへの想い】
ホッチはストラウスの命令で、プレンティスの死を、BAUのメンバーがどう受け止めているか面接を行う。モーガンは自分があと1分早く着いていれば、プレンティスは死ななかったのではないかという自責と、ドイルへの怒りを顕にした。ガルシアはプレンティスの死については語りたくないから、楽しい思い出の話をしたいと言う。リードはギデオンが正しかったのではないか、大切な人を失ってまでやる価値のある仕事なのかと疑問を口にする。ロッシは自分の気持ちは口にしないものの、BAUが別れた3人の妻以上に深くつながっていると語る。プレンティスを失ったBAUと、息子を失ったシェリーの心を重ねるように進む今回のエピソード、シェリーを説得するホッチの一言一言がとても深く心に響きます。事件解決後、「俺たちはあんたに聞いてもらえる、あんたは? どんな気持ちなんだ?」モーガンの問いかけに「みんなと同じだ。寂しいよ」と答えるホッチ。プレンティスが生きていることは、もちろんホッチは知っているわけですが、でも、大切な家族を失ったという意味では同じなんでしょうね。

2012.5.29|エピソード・ガイド|コメント(0)トラックバック(0)

5月22日(火)S6#19『共犯者』

19

■集団による犯行か、それとも……
2日前、オレゴン州のポートランドでクラブDJが路地で、鉄パイプで殴られたうえに31ヶ所めった刺しにされた。そして今朝、看護師のカレンが自宅で、やはり頭を殴られたのちに、40ヶ所刺されて殺された。DJは時計、携帯、PCが盗まれ、看護師宅からはコンピュータと貴金属とゆりの花の絵が盗まれている。被害者は共に20歳代で、殺害されたのは深夜。犯人は集団だが、物盗りの犯行にしては殺害方法が残虐すぎるという疑問もあった。犯行現場に向かったロッシは、カレンは2突き目で絶命しており、血や抵抗する姿に快感を覚えたわけでもないのに、犯人たちはその後も刺し続けたこと、さらに奥の部屋には薄型TVやPCがあるのに、換金能力の低い絵を持ち去ったのか疑問を抱いた。すると、ホッチは犯人の靴痕が全て同じ靴であることに着目。無秩序な犯人グループが靴をそろえるとは考え難く、犯行は集団ではなく、単独犯によるという結論に達する。そしてそれは、カレンが帰宅前に立ち寄ったスーパーの店員の証言からも、裏付けられた。まるでそばに誰かがいるかのように、始終ひとりごとを言っていた男が、カレンに話しかけていたというのだ。

■悪魔祓い
「犯人は白人男性で、妄想型統合失調症で幻覚がでている。年齢はその発症が多い20歳代前半。警戒心が強く、自宅から遠くへは移動できないため、住居は犯行現場の近く。犯行は夜で暴力的だが、昼間は孤独に暮らしている。犯人は人を殺したいという欲求と戦っているが、幻覚のパワーが強く、抗うことができない」BAUは捜査陣を前に、プロファイルを発表する。しかし母が統合失調症で、自らも発病のおそれがあるリードは、統合失調症を一括りにして論じていることに疑問を挟んだ。犯人の妄想が、統合失調症にしては、一貫性がありすぎるというのだ。何かを見落としているのではないか、そう考えたリードは、犯人がスーパーで塩と水を買っていたということに着目。統合失調症患者がしばしば悪魔憑きと思われること、そして悪魔祓いには聖水代わりの水と、塩を使うことを指摘する。

■不眠症と妄想
犯人の行動エリアにあり、夜間に開いている教会に聞き込みを行ったところ、2時間前に犯人とおぼしき男がその教会を訪ねていたことがわかった。男は「火は自分のせいだと責められているので、その声を追い払って欲しい」と訴えたが、司祭は病院に行くように諭した。その後、第三の犯行が発生。被害者は71回、刺されていた。リードは、犯人が被害者の横で寝ころがっていた痕跡を発見。めった刺しにするとアドレナリンがでて恍惚となるが、その後、どっと疲れがでる。犯人は不眠症で、幻覚は不眠症が引き起こしており、人を殺して疲れて眠ることが、幻覚から逃れる唯一の方法なのだと推理する。半径65キロ圏内に住む統合失調症患者で最近逮捕された人間のリストを、地元の薬局で統合失調症薬と不眠症薬を買った人間で絞込んだ結果、ベン・フォレスターという人物が浮上する。ベンは10歳のときに、3人の死者がでた火事で事情聴取を受けた過去があった。ベンの母親は、その火事の2ヶ月前に、地元の教会にベンの悪魔祓いを頼んでおり、また火事で死んだ3人はその悪魔祓いの参加者であることも判明する。捜査陣はベン・フォレスターの自宅に急行した。

■妄想の果て
その頃ベンは自宅で、マット、トニー、ヨランダの3人の幻覚と戦っていた。椅子を打ち付け、殴りかかり倒したと思っても、彼らはまた蘇ってくる。そらに、FBIの到着を察知した彼らに唆され、ベンは自宅から逃走。一軒の家に侵入すると、その家の姉弟を人質に立てこもる。姉弟にナイフをつきつけるベンに対し、リードが理解を示して、説得を試み
るが、ベンの耳には「君を助けるための方法はただひとつ、僕の首を刺すこと」としか聞こえていない。ベンはその言葉に導かれ、姉弟を離し、リードの方に突進する。しかしホッチが機先を制し、銃で撃ち、ベンはそのまま逮捕される。帰りの飛行機の中で眠れないままベンの資料に目を通していたシーヴァーは、彼の幻覚が統合失調症の発病時期とずれていることに気づく。その後ベンは医療刑務所で電気ショック療法を受け、一旦は妄想が消えたかのように見えたが、しかしやがてまた妄想の3人組はベンの元に現れるのだった……。

【格言】
「長年の信念が灯したロウソクの火を、突如現れた真実が無造作に消してしまう」詩人リゼット・リース(1856年1月9日~1935年12月17日)の言葉。学校の教師をつづける傍ら、詩を発表、ノスタルジックな作風で若い女性の支持を集めた。
「人を悪事に誘うのは、敵ではなく己の心だ」ブッダの言葉。

【ゲストスター】
ベン・フォレスターは映画『ジョン・ランディスのステューピッド おばかっち地球防衛大作戦』に出演していたベン・ホール。幻覚の3人、トニーは『スーパーナチュラル』のシーズン2で登場した天才・アッシュ役のチャド・リンドバーグ。『CSI:NY』のシーズン1にもラボの職員役で何度か登場している。マットは『CSI:NY』のシーズン5(17話、22話)ネオ・ナチのマイケル・エルガース役のマット・マクタイだ。

【デッドムーン】
「ポートランドですけど、デッドムーンのライブじゃありませんよ」とガルシアがボケるデッドムーンは、1987年に結成されたパンクバンド。2006年に解散している。

【ダルフールの虐殺】
カレンの犯行現場でロッシが口にする「ダルフールの虐殺」。ダルフールはスーダンの西部の地域で、2003年の反政府勢力の反乱を契機に、スーダン政府軍とスーダン政府に支援されたアラブ系民兵ジャンジャウィードが反撃。民族浄化のための虐殺を行った。正確な数字は不明だが、死者は約40万、難民は数百万に上るとも言われている。

2012.5.22|エピソード・ガイド|コメント(3)トラックバック(0)

5月15日(火)S6#18『もう一人のプレンティス』

18

■ローレン・レイノルズは死んだ
プレンティスから受け取ったリストをチェックしたモーガンは、そのリストの最後の4人のイニシャルが共にL.R.であることに気がつく。各国の諜報機関は同じ事件に携わるエージェントの偽名を、同じイニシャルに統一することが多いのだ。リストを見たガルシアは最後の一行が不自然に消去されていることを指摘する。つまり元リストにはL.R.がもう一人存在したのだ。それを聞いたリードは、以前、プレンティスが「ローレン・レイノルズは死んだ」と自分自身に言い聞かせるようにつぶやいていたことを思い出す。ローレン・レイノルズとはプレンティス自身のことで、彼女自身もドイルの復讐対象だったのだ。ホッチはすぐにプレンティスに電話を入れるが、その着信音は彼女のデスクの引き出しの中から聞こえ、そしてそこには携帯と一緒にバッヂと銃も残されていた。彼女は、家族をも殺すドイルから、ファミリーである仲間を守るために去ったのだ。

■国務省からの助っ人
ホッチはドイルを犯人、プレンティスを被害者としてプロファイルすることで、プレンティスの行方を探そうと提案。国務省からテロの専門家を呼ぶ。なんとその助っ人とはJJだった。JJがCIAから手に入れた資料によると、ローレン・レイノルズは、プレンティスがJTFという特務本部で使用していた名前だった。9.11の後にCIAと西側諸国から精鋭を集めて作られたこの機関で、プレンティスはイアン・ドイルの捜査にあたっていたのだ。そして、ドイルはこのJTFに対して復讐をつづけており、プレンティスと同じチームにいたジェレミー・ウルフ、ショーン・マカリスター、ツィア・モースリーが殺害されていた。そしてもはや残るは、チーム・リーダーでイギリスSISのクライド・イースターとプレンティスだけだった。JTFは潜入捜査も行なっており、ドイルの過去の女性のタイプまで調べあげたうえで、プレンティスが武器商人になりすまして近づいたという。モーガンは、プレンティスが捜査のためにドイルに身を委ねたこと、そしてその関係を自分たちに黙ったまま姿を消したことに憤懣やるかたない様子だが、ロッシはプレンティスがパスポートを自宅に置いたままであることを指摘。さらにトイレで、ドイルから送られたものであろう、ギメルリングが捨てられているのを発見。彼女は逃げたのではなく、仲間を守ために戦う気だと結論づける。

■8年前、ボストンで
その頃プレンティスはボストンにいた。8年前に潜入捜査を行った時に、最初にドイルに接触した店だ。そこでアイリッシュ・マフィアのジャック・フィーヒーを見つけたプレンティスは銃を突きつけ、ドイルの居場所を聞き出す。そして車に乗ろうとするドイルたちに先制攻撃を仕掛けるが、逆に相手に捕らえられてしまっていた。やがて、BAUのメンバーは、その一部始終を防犯カメラの映像で見ることとなった。映像からは、ドイルがプレンティスが来ることを知っていて、裏をかいたことが見てとれた。誰かが、プレンティスの情報をドイルに漏らしている。そう考えたBAUはJTFのチームリーダーであったクライド・イースターを疑い、ボストンの空港に降り立った彼の身柄を確保する。またクライドに何度も電話をかけていた、ジャック・フィーヒーも逮捕した。ホッチがイースターを取り調べるが、やがて内通していたのはクライドではなくジェレミーであったことが判明。ホッチの手腕を認めたクライドは、プレンティスを救うためにBAUの捜査に協力をする。一方ロッシとシーヴァーは、屋上で煙草を吸う事を許可し、フィーヒーを懐柔しようとするが、フィーヒーはふたりの目の前でドイルの狙撃手によって撃ち殺されてしまう。

■なぜ子供を殺したのか
フィーヒーを殺され、手詰まりとなったロッシは、プレンティスとの付き合いが浅いシーヴァーに客観的な見地からのプロファイルをさせようとする。シーヴァーはドイルが、DCのコセンザ家を襲った際に、復讐のために子供をも殺していることを指摘する。テロリスト時代にも手口が正確で、巻き添えもださなかったドイルがなぜ子供を殺したのか。BAUは、実は彼にも子供がいたのではないかと分析、やがて8年前、ドイルが逮捕された直後にドイルの家政婦が男の子を連れてボストンに移住し、7年前に消息を絶っていることを突き止める。少年の情報を調べていたガルシアは、家政婦とその男の子デクランが、銃をつきつけられている写真を発見する。現場はボストンのアダムズ通りの倉庫。そしてその2人につきつけられた銃を持つ手の爪には、歯で咬んだあとがあった。銃をつきつけているのはプレンティスだったのだ。ドイルはデクランが自分の子供であることはプレンティスにしか話していなかった。7年前にこの写真を見せられたドイルは、自分の息子の死と、プレンティスの裏切りを知り、絶望から自供したのだ。そしえJFTとプレンティスへの復讐を決意したのだ。

■真相
しかし実際にはプレンティスはデクランを殺してはいなかった。デクランを父親のドイルからも守りたかった彼女は、彼の死を偽装したのだ。ドイルから壁にたたきつけるなどの暴行を受けながら、プレンティスはデクランがまだ生きていることをドイルに話した。「あなたを出し抜いた、私の勝ちよ」と。フィーヒーが捕まったことを知ったプレンティスは、BAUがやってくることを信じ、情報を小出しにして時間稼ぎをしていたのだ。やがてBAUが倉庫に突入。プレンティスとドイルが死闘を繰り広げる地下室にモーガンが駆けつける。しかしプレンティスは腹部に杭を刺されてたおれ、ドイルは逃走。瀕死のプレンティスは病院に搬送され、緊急手術を受ける。病院の待合室でプレンティスの無事を祈るチーム。やがてJJによって、プレンティスが手術中に亡くなったことが知らされる。「さよならも言えなかった」というリードをJJは強く抱きしめた。

【格言】
「嘘をつき通す秘訣は自分が心から信じこむこと。他人よりもまず自分をだまさなくてはならない」(1971年9月22日-)アメリカのSF作家エリザベス・ベアの言葉。
「小さな嘘より大きな嘘の方が通じやすい。小さな嘘も繰り返していれば、遅かれ早かれ信じてもらえる」精神分析医ウォルター・ランガーの言葉

【監督】
今回のエピソード、監督は、リード役のマシュー・グレイ・ギュブラー。昨シーズンの16話『母の祈り』に続いて2度目のメガホン。今回のエピソードはアクションシーンが見所だが、マシューはアクション映画もほとんど見ないので、そこが新たな挑戦だったとインタビューなどで語っている。

【ギメルリング】
双子を意味するヘブライ語が語源で、リングが合わさってひとつの指輪となることから、そう呼ばれている。婚約指輪として用いられることが多い。

【さよならプレンティス】
エミリー・プレンティス1970年10月12日-2011年3月7日。墓碑銘は「忠誠、勇気、高潔」。リードを抱きしめているJJが、リードの肩越しに、ホッチと不思議な目線の合わせ方をするなと思っていたらなんと……。エピローグ。パリのユニヴェルシテ通りのカフェにJJの姿が。JJは三カ国分のパスポートと、それぞれの国で充分に生活できるだけの預金の入った封筒を、黒髪の女性に手渡す。その封筒を手にする親指の爪はぼろぼろ。「ありがとう」「元気でね」短い言葉をかわすと、彼女は夜の街に姿を消した……。ドイルが逃走してしまったために、プレンティスは安全のため、再び自分自身を殺すしかなかったのだ。しかし8年前は「ローレン・レイノルズ」という仮の姿を葬っただけだが、今回はエミリー・プレンティスとしての彼女人生、仲間を全て失うこととなるのだ。実はこのエピソード、かなり先になりますがまだつづきがある模様です。そのときをお楽しみに。

2012.5.15|エピソード・ガイド|コメント(12)トラックバック(0)

5月8日(火)S6#17『過去からの暗殺者』

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■事故か放火殺人か?
ワシントンDCで1晩に2件の放火が起き2家族が死亡した。一軒は、父親が妻と10歳の息子を道連れにした銃による無理心中で放火はそれを隠すため、もう一軒はガス漏れが原因と見られていたが、距離と発生時間が近いことから、2つの事件の関連性についてBAUに意見が求められた。無理心中のコセンザ家はイタリア人、ガス漏れのフェイガン家はドイツ人と、犠牲となった2組の家族は共にヨーロッパ出身だが、それ以外にこれといった共通点もなかった。プレンティスとロッシは「ガス漏れ」が原因とされるフェイガン家に向かうが、なぜか警察は事件に消極的で、現場検証に立ち会うことすらしない。さらにフェイガン家は治安の良いエリアにあるにもかかわらず、寝室のドアはスチール製で、セキュリティーが異様に厳重だった。奇妙なところはそれだけではない。爆発を伴う火災で複数の人間が死亡したにもかかわらず、そのニュースもこの事件をとりあげてはいなかったのだ。
■白い仮面の集団
検視の結果、妻子を殺して自ら家に火を放ったはずのロン・コセンザが、煙を吸い込んでいないことが判明する。銃の引き金を引く前に火をつけていれば、必ず煙を吸い込んでいるはずで、つまり彼は火がつく前に既に死んでいたことになる。また通話記録から両家の接点を探していたリードは、両家が同じ番号に電話をしていることを発見する。相手の名前はバロン・ディレイニー。そしてそのディレイニーもまたイギリス人だった。ディレイニーの家に向かったモーガンとプレンティスは、ディレイニーの家の前で、白い仮面を被った一団と遭遇、激しい銃撃戦となる。犯人たちは、逃げ遅れた仲間を、非情にも撃ち殺して逃走する。一方、家の中では既にディレイニーは死亡しており、足の指の間から注射針の痕跡があった。
■CWS
報道がないことに疑問を持ったガルシアは、唯一、放火事件をネットニュースにあげ、その後、記事を取り下げた記者を待ちぶせし、記事を取り下げた理由を尋ねる。虚栄心をくすぐるガルシアの巧みな誘いに負け、記者は「カネの流れを追え」というヒントを残した。ガルシアは記者の所属する会社の取引先を調べ、揉み消しにCWS(クリア・ウォーター・セキュリティーズ)という民間諜報会社が関与しており、コセンザ、フェイガン、ディレイニーの3人はいずれもその会社の社員であることを突き止めた。ホッチはCWSをクワンティコに呼ぶ。CWSは政府からも依頼を受けており、最初は協力を渋っていた。しかしホッチの脅迫めいた言葉と、「犯人はヨーロッパ人の集団で、高度な訓練を受けている。コセンザの子供を殺したことから、そのうちの1人は恨みを抱いている。逃走中に殺害された犯人は、茎がV字になっている四つ葉のクローバーのタトゥーを彫っており、これをシンボルマークとする組織は、元軍人の秘密セクトであるヴァルハラだ」というプロファイルをうけ、ついにIRAの分派のリーダーを捕らえようとしたことがあることを告げた。その男とは、ヴァルハラというコードネームで呼ばれた男、イアン・ドイルだった。
■プレンティスの決意
ドイルの最終目標はプレンティスの命だ。BAUの仲間を巻き込みたくないプレンティスは、そのことをBAUに話せないまま、インターポール時代の同僚クライドとツィアと連絡をとりあっていた。しかしBAUの調査でイアン・ドイルが北朝鮮の収容所にいたことを知ると、彼女はクライドに対して不信感を抱き始める。そしてツィアにクライドと離れて、偽造書類屋のコレリを尋ねるようにアドバイスする。しかしその指示に従ったツィアは、待ち受けていたドイルに眉間を撃ちぬかれ殺害されてしまう。BAUの捜査官としてコレリとツィアの殺害現場に入ったプレンティスは、動揺を隠しきれずに嘔吐。着替えを理由に一度自宅に寄り、金庫の中にしまっていた金のネックレスをトイレに捨てると、クワンティコに戻る。クワンティコは、5つの政府機関が絡む合同捜査で緊迫した空気に包まれていた。そしてホッチが関係機関の捜査陣を前に捜査手順を話す中、プレンティスは仲間の顔を胸にしっかりと刻み、ひとりブリーフィングルームをあとにする……

【格言】
「ありのままの自分を解き放ったとき、なりたい自分になれる」古代中国の哲学者、老子の言葉。「懺悔とは弱者の行いである。厳粛なる魂は秘密を守り、沈黙の中に罰を受けるのだ」アメリカのジャーナリストでコラムニストのドロシー・ディックス(1861年-1951年)の言葉。
【ゲストスター】
クライド役は『24』シーズン7のジョン・クイン、『スーパーナチュラル』のバルタザールなどで知られるセバスチャン・ロッシェ。フランス語で会話するシーンがありますが、ロッシェもフランス出身の俳優です。
【船乗りの妻】
記者のジェフ・ヘイスティングが読んでいて、ガルシアにネタばれされてしまった本のタイトルは『船乗りの妻』The Helmsman's Wihe。ネット書店や図書館で探してみましたが、架空のタイトルのようです。
【そして結末は次回へ】
教会に足を運んだドイルが、キャンドルに火を灯してつぶやく「誕生日おめでとう」という言葉。これは果たして誰に向けられたものなのか。そしてプレンティスがトイレに流した金のネックレスはいったいどういうものなのか。
次週「もう一人のプレンティス」でついに、ドイルとプレンティスとの関係が明らかになります。お楽しみに。

2012.5. 8|エピソード・ガイド|コメント(5)トラックバック(0)

5月1日(火)S6#16『哀しきメロディ』

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■目撃者
ルイジアナ州ラファイエットで十歳の少年サミー・スパークが血まみれで小学校に登校。警察が自宅にかけつけたところ、家は荒らされており、両親の姿が消えていた。現場の状況から、両親のうちどちらかが重傷を負っていると考えられた。サミーが事件を目撃していることは間違いないが、しかし彼は自閉症で事情聴取を行うことができず、困った警察はBAUに捜査協力を求めた。やがて鑑定により、自宅に残された血痕が、父親のチャリーのものであることが判明する。BAUは、自宅には無理に押し入った形跡もなく、さらに目撃者であるサミーを残していったことからも、サミーが証言できないことを知っている、顔見知りの犯行と分析する。
■音による対話
サミーの事情聴取はリードとロッシが担当する。しかしサミーは実の母親から触られることも嫌がるほどで、なかなか情報をえることができない。リードはサミーの指が鍵盤を叩くように動いているのに気づき、彼と、ピアノを使った対話を思いつく。イエスなら「ファ」、ノーなら「ド」。そして「覚えてるかな。パパとママがいつ連れていかれたか?」とリードが話しかけると、サミーは「ファ」の音を連打したのちひとつの曲をひきはじめ、さらにリードの手をとると、同じ曲を弾くように導くのだった。
■「L」が表していたのは……
サミーが両親との対話に使っている絵カードを見たロッシは、サミーが絵によって事件のことを伝えようとしていることに気がつく。「L」は文字ではなく、3時を表す時計だったのだ。サミーはスケジュールを狂わすことなく、毎日同じ生活を繰り返していた。そしてサミーはいつも2:30~6:00まで両親が経営する楽器店ですごし、父親はサミーのために毎日、決まった時間に決まった曲を流していた。サミーが弾いていたのは、3時に店で流れる曲だったのだ。そして店の防犯ビデオを確認したところ、毎日3時になると店にやってくる配達業者がいることが判明する。サミーはあの曲で犯人を指摘していたのだ。配達業者の名前はビル・トーマス。漁師だったが、石油流出事故により、職を失い、家は抵当で流れ、漁船のローンも焦げ付き、さらに子供の親権を奪われていた。
■終章
一方犯人のビルは重傷のチャーリーを漁船に監禁、アリソンを脅迫しスパーク家の口座からお金を下ろそうとしていた。しかし不況にあえぐこの街では、わずかな金額を換金するのも困難で、全額を手にすることができなかった。目的を果たせないまま漁船に戻った2人が発見したのは、大量出血で死んだチャーリーの遺体だった。アリソンはチャーリーにすがって泣き崩れる。その頃、犯人の身元を割り出した捜査陣は、ビルの家と漁船に急行。漁船を包囲したBAUはビルに投降を呼びかける。逃げ場を失ったビルは、アリソンに銃をわたし自分を撃つように頼む。自殺では保険金が手に入らないからだ。アリソンが拒絶すると、ビルは彼女に向かって、チャーリーのいないこれからの人生を語り、怒りを掻き立てようとする。そして、船内から一発の銃声が響き、その銃声に急き立てられるように突入したモーガンたちが発見したのは、撃ち殺されたビル、そして夫の遺体にすがりついて泣くアリソンの姿だった。パトカーで現場に連れてこられたサミーは、救出されたアリソンの肩を慰めるようにたたき、それまで息子の心の安定のために手を触れないように努めてきたアリソンも堪えきれずにサミーを抱擁する。

【格言】
「『明日こそ変わろう』と君は誓う。しかし明日というのはたいてい、今日の繰り返しなのだ」アメリカのビジネストレイナーで、ビジネス書も執筆している、ジェームズ・T・マッケイの言葉。「行動する人々は運命を信じ、考える人は神を信じる」、『谷間のゆり』などで知られる19世紀フランスを代表する小説家オノレ・ド・バルザック(1799年5月20日-1850年8月18日)の言葉。
【石油流出事故】
2010年4月20日にメキシコ湾沖合での掘削作業中に、海底油田から逆流した天然ガスが爆発し、海底の掘削パイプから原油がメキシコ湾へ流出した事故。アメリカではルイジアナ州、アラバマ州、フロリダ州、ミシシッピ州の4州で非常事態宣言が出された。漁業は壊滅的な打撃を被り、その影響は現在もつづいている。
【ピアノ】
サミーが奏でる美しいメロディーのピアノ曲は、Road Hawgsがこのエピソードのために書いたBrotherという曲だ。
【ドクターフー】
1963年からイギリスBBCで放映されたSFテレビドラマシリーズ。イギリスのみならずアメリカのポップカルチャーに多大な影響を与えた番組で、1989年に一度終了したが、2005年に新シリーズがスタートした。リードがシーヴァーとの会話で話題にしているのは、ドクター・フーの乗り物のターディスのこと。外見はポリスボックスだが、一種のタイムマシンで、時空を飛び越えることができる。『ビルとテッドの大冒険』は1989年に後悔された映画。歴史で赤点をとりそうな男子高校生が、タイムマシンで過去の世界の偉人に出会い、無事にレポートを提出するというコメディ。おばかな男子高校生の片方をキアヌ・リーヴスが演じている。
【プレンティスとドイル】
事件解決後、BAUのメンバーが思い思いの時を過ごすなか、プレンティスは、コーヒーを2つ手に屋外のテーブルについた。そして待つこと2時間、プレンティスの誘いに応え、イアン・ドイルが向かいの席についた。ドイルは、プレンティスに対し、BAUのメンバーがいま何をしているかを事細かに話してきかせる。それはプレンティスへの脅迫だった。「俺の一番大事なものを奪ったんだ、だからお前の一番大事なものを奪ってやる」そう言い残すと、ドイルは金のマッチブックをテーブルに残し、立ち去る。果たしてマッチブックの意味することは、そしてプレンティスが奪ったドイルの一番大切なものとは……。次回よりついに、BAU対ドイルの対決の幕があがります。お見逃しなく。

2012.5. 1|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

4月24日(火)S6#15『善意の罠』

15

■誘拐
ニューヨーク州のシラキュースで、25歳の大学生モリー・グランディが誘拐された。シラキュースでは4ヶ月前にも、モリーと同じ大学に通う25歳のゲイル・ラングストンが失踪。3日後にオノンダガ湖から遺体で発見されている。ゲイルの死因は刺殺だが、両手足が潰されていた。ふたりとも車が同じ駐車場で発見されたうえ、家を出るときには旅行にでも出かけるかのような大量の荷物を持ち、それが全てその車の中に残されていた。もし同一犯による犯行だとすれば、モリーに残された時間は36時間たらず。あいにくモリーとゲイルの接点は見つからないが、ふたりとも小柄で気が小さく、簡単に支配されやすいタイプだった。警察は容疑者としてモリーの元カレのライルを連行した。ライルはモリーに暴力をふるっていたうえ、ゲイルと同じ授業を受講していたのだ。ライルは暴力でモリーを支配していたが、このところ、彼女は自分に隠れて誰かを密会をつづけており、服の趣味も言動にも変化があったと語る。
■今日からやる
一方、死体遺棄現場のオノンダガ湖に向かったモーガンとリードは、犯人が綿密な段取りで誘拐し、沈着冷静に殺害したにもかかわらず、遺体には錘をつけた形跡もなく、捨て方がお粗末なことに疑問を感じていた。ひょっとすると犯人は、水葬するつもりで、ゲイルを水に沈めたのではないか……。水葬は女性が好む方法だった。その頃、モリーの部屋を見ていたプレンティスとシーヴァーも、モリーが女性と同居していた形跡を発見していた。さらにモリーの部屋には「今日からやる 明日もやる」という自己啓発の文言が掲げられており、ベッドの下には克明なダイエット日記が隠されていた。
ガルシアがモリーのカードの記録にあたったところ、以前のモリーは無理なダイエットと、反動によるドカ食いを繰り返していたことが判明。ところが3ヶ月前から生活態度が急変。スーパーで買い物をし、ヨガ教室と料理教室にも通いはじめていた。その変化は、殺されたゲイルも同様で、失踪の2、3ヶ月前から明るくなって、大学にも通いはじめた。そしてその頃からの口癖が「今日からやる 明日もやる」だったというのだ。
■プロファイル
BAUがまとめたプロファイルは「犯人は20代半ばの白人女性。地元で人を助けるような職業についている。プライドが高く、ナルシストだ。犯人は言葉巧みに被害者に近寄り、彼女たちと同居し、励ましつづけていた人物。感謝されたり、頼りにされることで、ナルシシズムを満たしていた。しかし自信をつけはじめた被害者はやがて犯人を必要としなくなり、そのため犯人は拉致監禁してまでもプログラムをつづけようとした」というものだった。さらに家族からの聞き取りによって、モリーが摂食障害で、ゲイルが欝で、同じ病院に通院していたことが判明する。そして病院の防犯カメラの映像を分析したガルシアが発見したのは、被害者と同じバッグやスカーフを身につけ、後をつけるひとりの女の姿だった。そして地元出身、被害者と同じ病院の患者で、親がひとりか里子、そして以前の住所か親戚がオノンダガ湖に近い住所という3点でクロス検索をかけた結果、ジェーン・グールドという女性の名前が浮上した。医師によると、ジェーンは自傷行為を繰り返しているが、それすら認めることがなかったという。そしてその欲求不満の代償に、人に求められる救世主になろうとしたのだ。
■オノンダガ湖
その頃、犯人のジェーンは誘拐したモリーをさらに支配するために、ライルを誘惑。その様子を撮影してモリーに見せようとしていた。しかしベッドに縛りつけたライルが反撃。ジェーンとライルが争っている隙にモリーは家を脱出した。しかし一度は脱出したものの、後を追ってきたジェーンの車にはねられてしまう。ジェーンはモリーをオノンダガ湖に運び、水葬しようとする。そこにガルシアのマジックで、ジェーンの身元からオノンダガ湖に近い祖父母の家を突き止めたBAUと捜査陣が到着。間一髪のところで、ジェーンを逮捕し、モリーを救出した。

【格言】
「頭の中に棲みついた敵とたたかうのは難しい」アメリカのスピリチュアル・カウンセラー、サリー・ケンプトンの言葉。
「どんな運命のいたずらも人間の固い決意を揺るがすことはできない」アメリカの詩人エラ・ウィラー・ウィルコックス(1850年11月5日-1919年10月30日)の言葉。
【ゲストスター】
今回の犯人ジェーンは、スコット・ローゼンバーグ製作総指揮のヒューマンドラマ『ホームタウン 僕らの再会』でバーテンダーのジャネットを演じたレベッカ・フィールド。モリーの父親役は、『L.A.LAW/7人の弁護士』のアーニー・ベッカーで有名なコービン・バーンセン。モリー役はレイチェル・マイナー。芸能一家の生まれで、10歳でウッディ・アレンの『アリス』に出演。1998年に18歳で『ホームアローン』のマコーレ・カルキンと結婚して話題を呼んだ(2000年に離婚)。TVドラマでは、『スーパーナチュラル』の二代目(シーズン5~)のメグを演じている。そういえば、初代メグはシーズン2の「パーフェクト・ストーム」のアンバー役で登場、「殺人カップル」のシドはサムの恋人ジェシカでしたね。
【BGM】
ライルがきいて興奮している曲は、カナダのプログレッシブ・ロック・バンドRushのCLOSER TO THE HEART。
【BAUの身長】
オープニングにシーヴァーが登場。長身揃いのBAUに入っても、シーヴァーはまったく引けをとりませんね。シーヴァー役のレイチェル・ニコルスはプロフィールによると身長178センチ。ちなみにホッチが一番背が高く188センチ、リードとモーガンが185センチ、ロッシが180センチ、プレンティス173センチ、ガルシア170センチです。
【プレンティスとドイル】
ドイルの影におびえるプレンティスは、かつての同僚ツィアに電話をかける。パリにいるツィアは明るい声で、婚約したことを報告するが、ドイルの名前を聞くとその声は途端に不安げなものに変化するが、プレンティスに「ローレン・レイノルズは死んだのよ」とこたえる。ローレン・レイノルズとは、潜入捜査のときにプレンティスが使っていた名前で、交通事故死したことになっているのだ。しかしその後、ツィアから電話が入り、彼女のフィアンセが突然死したことを知らされる。ドイルがなんらかの手を下したと考えたプレンティスは、ツィアにすぐにフランスを離れてアメリカに戻ってくるように指示する。そして事件解決後。プレンティスの携帯に1本のメールが入った。差出人は非通知。文面は「もうすぐ会える」というものだった。

2012.4.24|エピソード・ガイド|コメント(1)トラックバック(0)

4月17日(火)S6#14『タクシードライバー』

Criminal14

■切り取られた足の裏
LAで2週間の間に3人の女性が誘拐され、殺害された。15日前は銀行員のシェリー・オントゥ。6日前が美術教師のヴィッキー・ヘイガーグ、そして2日前がバーの接客係リンダ・ディーン。被害者は、住んでいる場所も、職業も、収入もばらばらで、まったく共通点がない。いずれも誘拐から24時間後に、公共の場に遺棄されており、死因は溺死。それも水ではなく、生きたままメタノールに浸けられ、殺害されている。被害者に性的暴行の跡はないが、いずれも、右の足の裏の同じ場所が切り取られていた。しかし検視では、その傷口からメタノールは微量にしか検出されない。つまり、皮膚を切り取ったのは死亡後で、切り取ったのは被害者を苦しめるためではないことがわかる。また被害者の血中からクロロフォルムが検出されたが、クロロフォルムによる火傷が顔にないことから、霧状に散布されたものを吸収したと推測される。
■タクシードライバー
大量のメタノールを購入した線から、犯人に近づけるのではないかと期待されたが、南カリフォルニアではメタノールの購買に制限がなく、その線からはなにもわからなかった。しかし、リンダ・ディーンが誘拐されたのは地下鉄の終電後の時間。徒歩ではなく、なんらかの交通手段を使ったはずで、クロロフォルムを霧状で散布できる密閉空間、誘拐現場が広範囲にわたっていることから、犯行にタクシーが使われている可能性が浮上する。しかし、ガルシアが、タクシー会社のGPSにリンダ・ディーンの足取りを照会するが、該当する車両は発見されなかった。しかしLAのタクシーは、そういった会社に所属するものだけではなく、もぐりの白タクがほぼ同数存在するのだ。
■プロファイル
犯罪の性質上、BAUはプロファイルを急ぎまとめた。それは「犯人は白人男性。もぐりの白タクの運転手で、タクシーを使って女性を誘拐している。犯人は被害者と同様に20歳~40歳。反社会的な人格で、逮捕されたときにも、周囲が驚くようなことはない」というものだ。そして、反社会的な人間がタクシーを運転していれば、かならず客と揉め事を起こすはずだと考えたBAUは、プロファイルを一般公開して、市民から情報提供を求める作戦にでる。作戦は見事に当たり、いきなり運転手が激昂して車から降ろされたという女性が名乗りでる。女性が運転手は自分の声を録音していたと証言したことから、犯人は反社会的だけではなく、妄想性障害もあると推測される。タクシーで女性と運転手のやりとりを再現したモーガンとプレンティスは、犯人の妄想のきっかけを「匂い」だと推理する。
■カーチェイス
メタノールは香水やアロマの抽出に使われる。リードは、この犯人は嗅覚障害で、異常なほど匂いに敏感ではないか、被害者の自然な体臭に惹かれ、それが失った記憶を蘇らせるのではないかと推理。さらにそして犯人がなんらかの科学実験を行なっていると考え、大量のメタノール、クロロフォルム、ビーカーや人間ひとりを沈められる大きな容器などの買い物リストから、犯人を見つけるようにガルシアに依頼する。そして、ガルシアの調査で、それらの実験機材が配達された住所が判明。その住処に急行した捜査陣は、今まさにメタノールのプールに浸けられんとする女性を救出する。犯人はタクシーで逃走、LAの街でカーチェイスをく広げた末、事故を起こして死亡した。

【格言】
「ハンティングはスポーツじゃない、参加していることを片方は知らないのだから」ポール・ロドリゲス(1955年1月19日-)メキシコ系アメリカ人のコメディアンの言葉。「過去の記憶をなにより克明に蘇らせるのは、それにまつわる匂いである」ロシア生まれで、アメリカに亡命した作家ウラジーミル・ナボコフ (1899年4月22日-1977年7月2日)の小説『マーシェンカ』の一節。ベルリンに住む亡命者ガーニンが、初恋の人マーシェンカとのロシアでの日々を追想する様子を綴った、ナボコフの第一長編。ウラジーミル・シーリンという筆名で1926年に発表された。引用の部分は、かつての恋人がつけていたタゴールという香水にまつわる記述。この作品はジョン・ゴールドシュミット監督で映画化もされている。
【ゲストスター】
犯人役は『LOST』でブラムを演じたブラッド・ウィリアム・ヘンケ。地元警察のベイリー刑事は『ER緊急救命室』外科レジデントのデール・エドソン役のマシュー・グレイヴ。
【ソラリス】
アンドレイ・タルコフスキー監督によるSF映画。原作はポーランド人作家スタニスワフ・レムの『ソラリスの陽のもとに』。1972年に公開され、日本では1978年に『惑星ソラリス』のタイトルで公開された。2002年にアメリカの映画監督スティーブン・ソダーバーグが同作品を映画化しているが、タルコフスキー版のリメイクではなく、原作の再映画化だ。ところで、リードはこの映画が5時間あると言っているのが、正直ものすご~く長く感じる映画ではあるのですが、実際には最長バージョンでも168分、3時間弱程度です。
【プレンティスとドイル】
前回からはじまった、プレンティスの過去にまつわるエピソード。ショーン・マカリスターに会って以来、プレンティスはなにかに怯えている様子で、非通知でかかってきた電話にも神経を尖らせている。家中に侵入者を察知できるようなトラップを仕掛け、銃を手に椅子で夜明かしをする状態だ。そんなプレンティスが、金庫から取り出したのは、複数のパスポート、名前など全てがマジックで消された自分のエージェントそとしての履歴書。ショーンと男女の写真と、そしてイアン・ドイルという男の写真だ。LAでの事件解決後、帰宅したプレンティスは、玄関の扉の前に置かれたボックスを発見する。中には紫色のフリージアが1本。それは彼女がかつて、フランスで潜入調査(?)をしていた頃の記憶を呼び覚ます。イアン・ドイルとは何者なのか。プレンティスはかつて、どこのエージェントをしていたのか。いまのところわかっているのは、イアン・ドイルがどうやらアイルランド人らしいということだけ。このイアン・ドイルという人物はいったいプレンティスの人生とどう関わっているのか。そして猫のセルジオを連れ、家を出たプレンティスの運命は……。このエピソードはまだまだ続きます。

2012.4.17|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

4月10日(火)S6#13『殺人カップル』

13

■強盗殺人
モンタナ州マイルズシティのガソリンスタンドで、6人が撃ち殺された。防犯カメラの映像はないが、発砲したのが2人であることは判明している。BAUは、暴走が始まっているため、すぐに次が発生すると分析。分析の通り、今度はビリングスのガソリンスタンドで8人が殺害された。犯人は男女の2人組。殺害方法は残酷で、バールなどで殴りつけたうえに、銃は至近距離から撃っている。床には米が撒かれて散乱していることから、犯人は新婚カップルでハネムーン中なのではないかと推測された。また店主がもっとも激しく暴行されていることに着目し、モンタナより東で同種の犯行がないか調べたところ、ジェームズタウンとボウマンでコンビニの店主が撲殺されていることが判明した。やがて新たな犯行が発生する。今度の現場は、ビリングスから160キロ西、断酒会の会場だった。
■プロファイル
BAUがまとめたプロファイルは、「犯人はノースダコダ出身のカップル。10代後半から20代半ばで、結婚して間もない。大胆でためらいもない殺し方は、アルコールの力によるもの。犯人は心に傷を負わせた誰かへの恨みから犯行に走っている。ふたりは断酒会で出会い、殺人は性的な刺激のため。ひとりは社会病質者(ソシオパス)、もうひとりは精神病質者(サイコパス)。精神病質者は邪魔者を全て破壊するように罪を犯し、社会病質者の方が誘われて罪を犯すケースが多い」というもの。ガルシアが、断酒会のサイトにアクセスした携帯を調査し、そこからノースダコダ出身のレイ・ドノヴァンの名前が浮上した。レイは実の親がドラッグ漬けで彼に虐待したため里子に出された過去があり、また恋人のエイミーをヘロインの過剰摂取で亡くしていた。
■9番目のステップ
その頃、レイ・ドノヴァンは、妻のシドニーと共に自分を虐待していた実父を訪ねていた。依存症を克服するためのプログラムの8番目と9番目の「責任を認め」「埋め合わせ」をするという文言を、レイは自分のこととして解消するのではなく、父親に埋め合わせさせようとしていたのだ。しかし父親は、銃を向けられてもレイへの性的虐待を認めようとせず、レイもまた、父親を撃つことにためらいを見せる。それを見たシドニーは、無言でレイの父親の頭を撃ち抜く。次に2人は、シドニーをレイプした彼女の実父のもとに向かった。そのシドニーの父親はガソリンスタンドの経営者だった。つまりこれまでの犯行は、シドニーの父親への恨みが根底にあったのだ。シドニーの父親は改心し、敬虔なキリスト教徒となっていたが、2人はシドニーの異母姉妹ヘザーが父親の命乞いをするのも聞かず、射殺する。
■銃弾のシャワー
レイの実家に向かったBAUは、彼の母親から、一緒にいた女性がシドと呼ばれていたとの証言を得る。ガルシアは、ワシントン州のシドニー・マニングという女性が2日前に婚姻届を提出したこと、そのシドニーはアルコールとヘロインを摂取してひき逃げ事件をおこし服役、リハビリ施設に強制入所させられていたことをつきとめた。シドニーがサイコパスでレイがソシオパスだとすれば、サイコパスは邪魔者を破壊する。モーガンは、シドニーがレイの恋人エイミーを殺害したのではないかと推理する。捜査陣はシドニーの実家ワシントン州スポケインに急行。そして、父親を殺害したレイとシドニーが店を出ようとしたまさにその瞬間に現場に到着。出会い頭に撃ち合いになり、モーガンが発砲した弾がシドニーの肩に当たる。ふたりはヘザーを人質に店の中に立てこもり、車と飛行機のチケットを要求する。モーガンはその交渉の過程で、シドニーがレイの恋人だったエイミーを殺したことをレイに伝える。ショックを受けたレイは、シドニーの首を締めて殺害。そして死を決意した彼は、シドニーを助手席に乗せた車で外に飛び出し、待ち受ける捜査陣によって射殺される。

【格言】
「苦悩に対する怒りは、苦悩自体に向けられるのではなく、その意味のなさに対するものである」ドイツの哲学者フリードリッヒ・ニーチェ(1844年10月15日-1900年8月25日)の言葉。ニーチェは)S5#16『母の祈り』でも使用されている。
「過去に体験した苦痛は今日の自分と大いに関係がある」アメリカの精神科医ウィリアム・グラッサー(1925年5月11日-)の言葉。ウイリアムグラッサーは、人の行動はほとんどすべて選択したものであり、人は、生存、所属、力、自由、楽しみという5つの基本的欲求を満たすために、遺伝子によって内側から動機付けられているとする「選択理論」を提唱した。
【ライスシャワー】
コンビニの床に米が撒かれていたのは、欧米での結婚の伝統的な風習。教会で結婚式の際、式が終了して教会・チャペルの外に出て来る新郎新婦に、ゲストが雨のようにお米を降り注ぐセレモニー“ライスシャワー”をなぞっている。米は豊潤な恵みと子孫繁栄の象徴とされ、新郎新婦の豊かな生活を願ってのものだ。花をまくフラワーシャワー、シャボン玉をとばすバブルシャワーなどの習慣もあり、ガルシアがシャボン玉を吹いているのはそのためだろう。
【ゲストスター】
シドニー役はエイドリアン・パリッキー。『スーパーナチュラル』のサムの恋人ジェシカ、Friday Night Lightsのタイラ・コレット、最近では『アリー my Love』のデヴィッド・E・ケリー製作総指揮のリメイク版『ワンダーウーマン』のヒロインにも抜擢されて話題となった。レイ役はジョナサン・タッカー。『テキサス・チェーンソー』や『ヴァージン・スーサイズ』、『告発のとき』 などの映画に出演している。
【The Thirteenth Step】
今回のエピソードの原題はThe Thirteenth Step。これはリードが説明する断酒プログラムに由来する。アルコール依存症であることを認めるステップ1から、酒を断ち霊的に目覚める12段階まで、酒を断つだけではなく、酒を取り除いた空洞を信仰心や何か生き甲斐のようなもので埋めるように作られている。ただしこのプログラムは12ステップまで。13ステップとはリードの指摘するタブー、断酒会で知り合ったふたりが性的関係をもつことをさして使われることが多い。
【プレンティス】
プレンティスにショーン・マカリスタという人物から入った1本の電話。「モトカレ?」というガルシアの質問に、「ただの友達」と返しているが、しかし後日顔を合わせたふたりの様子は「ただの友達」の再会にしては、あまりに深刻で、「イアン・ドイルが脱獄した」「私危険なの?」「我々みんな」という意味深長な会話が交わされる。我々とはなにを意味するのか、そしてイアン・ドイルとは何者なのか。これまでも意外な過去が明かされてはみんなを驚かせてきたプレンティスですが、さらなる秘密の過去が彼女を襲う!

2012.4.10|エピソード・ガイド|コメント(1)トラックバック(0)

4月3日(火)S6#12『魂を呼ぶ者』

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■儀式か、それともシリアルキラーの署名的行動か……
マイアミのラテン系住民が多く住む地域で、立て続けに3人が殺害された。1人目はホームレスで7日前に射殺。2人目娼婦で3日前に撲殺。そして昨日、失業中の清掃員がナタで斬殺され、ペットの猫の首が切られた。最初の被害者は狙いやすい弱者にもかかわらず、犯人は後ろから距離を置いて撃ち殺した。しかし2人目は撲殺、3人目はナタと、犯人は急激に自信をつけている。またいずれの死体にも目と口にコヤス貝が置かれ、逆さの十字架が飾られ、最初の2人は指を、3人目は両手を切り取られている。コヤス貝の供え物はアフリカ・カリブ系の宗教でよく使われるが、これらの行為が特定の儀式を示唆しているか、それともシリアルキラーの署名的行動なのか、判然としないままチームはマイアミに向かった。
■邪教
第3の殺害現場に出向いたホッチとプレンティスは、被害者は犯人を家に招き入れ、自ら儀式に参加。さらに、貝を置いたり、身体を切り取ったりといった遺体の様子は、誰かへのメッセージではないかと分析する。一方、聴きこみにまわったリードとモーガンは、地元住民たちのよそ者に対する警戒が壁となり、宗教や儀式のことについて何も聞き出せなかったため、ガルシアにアフリカ・カリブ系の宗教の専門家の捜索を依頼。翌日、専門家のウォーカー教授を尋ねて、写真を見せ、分析を依頼する。一連の犯行の写真を見たウォーカー教授は、儀式が「パロ・マヨンベ」と呼ばれる邪悪な宗教のものであると指摘する。教授を訪問中のモーガンのもとに、ホッチから緊急連絡が入る。第4の殺人が発生したのだ。殺されたのは前の被害者の友人で、昨日モーガンとリードが話を聞いた相手だった。
■フリオ
BAUはプロファイルを発表。その内容は「男1人の単独犯。行動的には若く、17歳から22歳くらい。コミュニティの一員で黒人かヒスパニック。宗教的なつながりで被害者に近づいている。計画は秩序的で、犯人は何らかの理由に基づいて殺しているつもりだが、実際には衝動に駆られているだけ。そのため犯行の手口とインターバルが急激に加速しており、巧妙かつ凶暴になっている。犯人は親から虐待を受けており、この犯行はその復讐だ」というものだった。ガルシアの調査で被害者がみな、同じスープキッチンの利用者で有ることが判明。再度そこに向かったモーガンとリードは、スープキッチンの責任者フリオが、鶏をの血を使った儀式を行なっている場に遭遇する。フリオはかつてギャングで刑務所にいた過去もあった。フリオの部屋からヘロインが発見され、助手の青年エリアンが逃走する。フリオはその話を聞き、激しい動揺を見せ、エリアンの犯行を否定する。フリオの動揺、そしてエリアンを心配する様子からはサイコパスの兆候は見られなかった。エリアンを助けるために、全てを話して欲しい。モーガンから説得されたフリオは、殺害現場に切断された首が残されていたこと、舌が針で貫かれていないのであれば、それはパロではないと断言する。一連の行動は宗教的儀式ではなく、シリアルキラーの署名的行動だったのだ。
■真犯人
犯人はエリアンに罪をなすりつけようとしており、その計画を実行できる知性の持ち主で、なおかつ捜査状況を観察できる場所にいる。メディアの注目を宗教に集めたくて殺人を始めたが、その快感が秩序を乱している。ウォーカー教授は、パロ・マヨンベについての本を出版する予定であるうえ、4件目の犯行の舌の写真が儀式とは無関係であることについて指摘せず、いかにも宗教絡みの事件であるようなディレクションを行った。またあの地区でリサーチしているので、被害者と面識があり、儀式にも詳しい。さらにガルシアの調査で、アフリカ宗教関係の専門家である父親から虐待を受けて育ったこと、父親は新聞のインタビューで息子を見下すような発言をしていることが判明する。彼は本の宣伝と、父親に対する復讐から、犯行を行っているのだ。スープキッチンに不審者が侵入したとの報を受け、捜査陣は現場に急行。そこには釈放されたフリオの姿もなく、人を引きずった跡が残されていた。フリオの部屋を調べていたリードは、窓の外に養護施設の建物を発見。単身そこに調査に向かい、ウォーカーと囚われているエリアンとフリオを発見。スキをついて、ウォーカーを取り押さえ、2人を救出する。

【格言】
「悪を悪として選ぶものはいない。悪を善きものであると誤解するのだ」リードはこの言葉をイギリスの作家メアリー・ウォルストンクラフト・シェリー(1797年8月30日-1851年2月1日)の言葉と言っている。メアリー・ウォルトンフラフト・シェリーというのは『フランケンシュタイン』の著者。詩人のシェリーと駆け落ち、友人のバイロンやポリドリ(『吸血鬼ドラキュラ』の著者)らとスイスのレマン湖畔の山荘に滞在中に『フランケンシュタイン』を執筆した。創造主に捨てられた人造人間が復讐するという物語は、『クリミナル・マインド』と呼応するテーマなのだが。しかし、実はこの言葉、メアリー・シェリーの母で、フェミニストであるメアリー・ウォルトンクラフトが著書A Vindication of the Rights of Men; A Vindication of the Rights of Womanの中に記した言葉なのではないかという疑惑が……。
「人生でもっとも素晴らしく美しいものは、目に見えないし、触れることもできない。心で感じるしかないのだ」ヘレン・ケラー(1880年6月27日-1968年6月1日)の言葉。ヘレン・ケラーの格言は第2シーズンの5話、第4シーズンの24話、第5シーズンの19話とこれで4回目ですね。
【リードの頭痛】
冒頭から頭痛を訴え続けるリード。その頭痛のおかげで、犯人を動揺させ、スキを作ることができたのだが、しかし、MRI検査でも脳に異常はなく、エピローグでは医者から心因性ではないかと指摘を受ける。母親が妄想型統合失調症なだけに、メンタルな話題に神経質なリードは、その言葉を完全に否定する。神がかったフリオから「悪いエグンがおまえの頭を毒している、急いで清めよ」というなんとも意味深な助言を受け、さらにお守りまで手渡されているし、これってどこかにつながるエピソードなのかな、心配ですね。
【ゲスト・スター】
フリオ役は『24』シーズン7でイケ・デュバクを演じたハキーム・K・カジム。ウォーカー教授は『グッド・ワイフ』でマタン・ブロディを演じたクリス・バトラー。現地のドミニカ出身のマニー・サンティアゴ巡査を演じたマニー・ペレスだ。

2012.4. 4|エピソード・ガイド|コメント(3)トラックバック(0)

3月27日(火)S6#11『25年目の真実』

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■免罪?
BAUに服役囚ドナルド・サンダーソンの仮釈放審査のための評価が依頼された。折悪しくホッチが休暇で不在のため、ロッシがクワンティコを離れられず、モーガンが審査に出向くこととなる。事件は1985年3月10日に発生した。その日、サンダーソンは夫婦ゲンカをしたために、妻子は2階で彼は1階のソファーで眠っていた。午前2時過ぎ、妻の悲鳴で目を覚まして2階に行ったが、何者かに殴られて昏倒。目を覚ましたときには妻と娘は刺されて瀕死、息子だけは奇跡的に無傷だった。サンダーソンは妻子の心肺蘇生を行い、救急車を呼んだが、ふたりとも助からなかった。サンダーソン自身も怪我をおっていたが、凶器には彼の指紋がついており、検察側はそれを自分でつけた傷と主張。サンダーソンは男女3人の薬物中毒者たちによる犯行と訴えたが、無期懲役の判決を受けた。免罪の真偽はともかく、サンダーソンの服役態度は模範的で囚人に読み書きの指導まで行なっていた。モーガンは「刑務所を出たら息子を探し、自分が無実であることを伝えたい」という彼の言葉を信じ、審議会で仮釈放を支持する。
■新たな殺人
ところがなんと、そのサンダーソンが出所後わずか51時間で、殺人を犯してしまう! 殺されたのはトム・ウィットマン。25年前にサンダーソン家に押し入った犯人グループのひとりだった。サンダーソンは、服役中、事件のことを反芻しているうちに、スーパーの配達員として出入りしていたトムが妻子を殺害した真犯人グループの1人だということに気づいたのだ。そこで共犯者の正体を知るために家に押し入りトムの帰宅を待ったが、トムがナイフを手に暴れたために、揉みあって刺してしまったというのだ。モーガンはサンダーソンに認知面接を行い、25年前の事件を再検証し、共犯の女性が息子のジョシュアを連れていきたがっていたことを聞き出す。25年間もの間、トムが秘密を守ってきたのには、相互にそれなりの絆があるはずだ。そう考えたBAUはトムの過去を洗い、10代の頃のクレジットカード詐欺の仲間に着目。トムと同じ日に同じ場所で逮捕された、当時22歳のメアリー・ルトゥカに行き着く。
■犯人はビジネスマンだ
メアリーの写真をサンダーソンに見せて確認、モーガンとプレンティスは彼女の自宅に向かった。しかし一足違いで、メアリーは残る1人の共犯者によって殺害されてしまった。その後、メアリーの部屋から3人組の犯行を撮影したビデオテープが発見され、犯行は裏付けられた。BAUはメアリーの生活が高水準であったことから、メアリーの子供の父親が、もうひとりの犯人で、メアリーはその男から援助を受けていたと分析。男はDCに住む金持ちで、人を操る才能に長けたビジネスマン。さらに25年前の犯行でサンダーソンの家の様子を熟知していたことから、この家の前の住人に着目。ガルシアのクロス検索で浮上したのは、ジェームズ・スタンワース――DC出身のビジネスマンで、下院議員に立候補している人物だった。
■正義か、それとも政治か
政治家の逮捕に、物証がなにもないとストラウスは反対。しかしモーガンは無実の男が25年間服役し、真犯人が野放しになっている状況に憤りを禁じ得ず、ロッシ、プレンティスと共にスタンワースの資金集めのパーティに乗り込む。そこでモーガンは、スタンワースを挑発。激高したスタンワースは、高圧的な発言で相手を威圧しようとする。しかしモーガンは、スタンワースの手の甲に、瀕死のメアリーが抵抗したさいにできたひっかき傷を発見。メアリーの爪に残ったDNAと照合すればスタンワースの有罪は立証できる。こうしてスタンワースは逮捕され、サンダーソンは釈放。事件以来、生き別れになっていた息子のジョシュと再会し、固い抱擁を交わすのだった。

【格言】
「部分的な自由というものは存在しない」南アフリカ共和国の政治家、弁護士でもあるネルソン・マンデラ(1918年7月18日-)の言葉。第8代大統領、アフリカ民族会議議長などを歴任。民族融和の象徴として、ユネスコ平和賞、アフリカ賞、サハロフ賞、ノーベル平和賞、国際検察官協会名誉章などさまざまな賞を受章している。「すべての真実は、見つかりさえすれば簡単に理解できる。問題はいかに見つけるかだ」イタリアの物理学者、天文学者、哲学者であるガリレオ・ガリレイ(1564年-1642年)の言葉。教会の権威に盲目的に追従せず、異端審問にかけられた。
【ゲストスター】
ドナルド・サンダーソンを演じるのは、カイル・セコー。『ホミサイド/殺人捜査課』ティム・ベイリス刑事、『ヴェロニカ・マーズ』のリリー、ダンカン姉弟の父親ジェイク・ケイン役などがる。スタンワース役はフィリップ・カズノフ。1978年に公開された和製スペースオペラ映画『宇宙からのメッセージ』で真田広之の親友の宇宙暴走族アロンを演じていた! と言ってもピンとくる人は少ないかな。『OZ/オズ』や『NCIS』など数々のドラマにゲスト出演している。
【ロッシのデスク】
冒頭でロッシのデスクの上にあるツーショット写真、一緒に写っているのは、なんとビートルズのリンゴ・スター。マンテーニャご自慢のツーショット写真らしい。

2012.3.28|エピソード・ガイド|コメント(0)トラックバック(0)

3月20日(火)S6#10『シリアルキラーの娘』

10

■壁の中での連続殺人
ニューメキシコのゲートコミュニティで、この2ヶ月に3人の主婦が殺害された。1人目は深夜自宅で絞殺され、翌朝、帰宅した家族が発見。2人目も家族が裏庭でキャンプをしている間に洗濯室で絞殺された。そして昨夜、3人目の被害者、オーブリー・ジェイコブスが夫と娘が寝ている間に自宅所書斎で殺害された。犯行前後にゲートを出入りしたものはおらず、住民の犯行であることは確かだが、しかし、収入や社会的地位が非常に似通っているために、プロファイリングによる絞りこみは困難を極めた。そこでホッチとロッシは、FBIアカデミーで研修中のひとりの女性を協力者として招致する。彼女の名前はアシュレイ・シーヴァー。彼女の父親チャールズ・ボーシャンプは、10年間に25人を殺害し、ホッチとロッシによって逮捕されたシリアルキラー「レッドモンド・リッパー」なのだ。母集団が似通っているため、犯人そのものをプロファイルから特定するのではなく、殺人鬼の子供に現れるサインをみつけようというのが、ホッチの作戦だった。
■シリアルキラーの父親
「父は家族に気を使いすぎてたくらい。優しすぎた」殺人を繰り返していたころ、シーヴァーの父親は欲しいものがあれば自転車でも人形でもなんでも買ってくれた。他人の中にいるときは、いつも手を握られていたが、しかし、膝の上にのせられたことも、ハグされたことも一度もなく、いつもシーヴァーに向かって「お前を奪われるのが怖い」と語っていた。しかし何でも買ってくれた父親だが、ひとつだけ絶対に買ってくれないものがあった。それがペットだ。7歳のときに、シーヴァーが子犬を拾って帰ったとき、なんと父親は彼女の目の前で子犬の首をひねって殺したのだった。
■絞り込み
ホッチは、事前に「犯人のボディランゲージを観察する」という情報をリークしたうえで、住民集会を開く。欠席者をあぶり出し、シーヴァーの経験を足がかりに犯人を絞り込もうというのだ。絞り込みの要素はさらにもう1点。犯人はガレージの扉から侵入しており、リモコンをどのタイプの家でも開くよう改造できる技術者だ。集会にこなかった男性住民18人に、住民でもあるルイス刑事、警備部長を足した20人がガルシアの捜査の対象となった。しかしなんとその住民集会の最中に新たな犯行が発生。ホッチは再度、ルイス刑事はもとより、被害者家族まで含めた住民男性71人全てを捜査対象として見直すよう指示する。やがて被害者家族のひとり、ドリュー・ジェイコブスが、IT技術者で、傷害で逮捕された経歴があることが判明。ルイス刑事から、彼には夜中に外をほっつき歩く習慣があり、妻が殺害されるまでは第一容疑者だったという情報がもたらされる。
■犯人と加害者の娘
その頃、シーヴァーはひとりで、ジェイコブス家にいた。被害者のPCを返しに出向いたのだが、10年前に父が殺した被害者家族に伝えられなかった謝罪の言葉を、かわりに今の被害者家族に伝えたいと思ったのだ。しかし彼と話すうちに、シーヴァーはドリューこそが犯人であると気づく。そこにやはりプロファイリングからドリューにたどり着いたホッチから電話が入る。さりげなく自分がジェイコブス家にいることを知らせる。ドリューがナイフを向けたとき、シーヴァは「娘さんには怒った顔を見せないで、もし見せたら一生あなたを許せない」と説得、さらに自分がシリアルキラーの娘であることも告白した。そこにBAUが到着、ナイフを捨てずに向かってきたドリューをホッチが射殺、こうしてシーヴァーも無事に救出され、事件は解決した。

【格言】
「子供の頃は『大人になれば強くなれる』と思っていたが、大人になるということは弱さを受け入れることだ。人は生きている限り弱いものだから」アメリカの作家マデレイン・レングル(ラングル)の著書、Walking on Water: Reflections on Faith and Art の一節。
「子供はまず両親を愛する。成長するにつれて、批判するようになり、時には……許すこともある」オスカーワイルドの小説『ドリアン・グレイの肖像』の一節。オスカー・ワイルドは第2シーズンの4話、最終話についで3回目。初登場のときにも触れたが、女の子の誕生を望んでいたオスカー・ワイルドの母は、幼少時代の彼に女児の服を着せて育てた。これが後の彼の人生に大きな影響を与えたとも言われている。
【ゲートコミュニティ】
周囲を高い塀で囲い、ゲートを設けて車や歩行者の流入を厳格に制限し、防犯性を向上させた住宅地。日本ではあまり馴染みはないが、アメリカでは1980年頃から盛んに作られるようになり、現在、約5万箇所存在する。
【ゲストスター】
ドリュー・ヘイコブス役は、『ゴースト天国のささやき』でジムの魂が転生したサム・ルーカスを演じていたケニース・ミッチェル。ルイーズ刑事役のアレックス・フェルナンデスは『プリズン・ブレイク』のシーズン3などに出演してる。
【アシュレイ・シーヴァー】
帰りの飛行機の中で、ホッチにスタンドプレーを注意され「二度とやりません」と答えたシーヴァー。ホッチの返答は「忘れるなよ」。これって次がある、つまり転属決定ってことですか? さてこのシリアルキラーを父親に持つ捜査官、アシュレイ・シーヴァーを演じるのは、1980年生まれのレイチェル・ニコルス。メイン州オーガスタ出身で、高校時代はフランスに留学。ニューヨーク大学とコロンビア大学で経済学と心理学を学び、在学中にスカウトされモデルとなる。2000年『オータム・イン・ニューヨーク』でスクリーン・デビュー。FOXチャンネルのドラマ『ジ・インサイド』の若きプロファイラー、レベッカ・ロック役に抜擢。『エイリアス2重スパイの女』の第5シーズンにもエージェントとして登場しています。

2012.3.21|エピソード・ガイド|コメント(8)トラックバック(0)

3月13日(火)S6#9『帰れない森』

9

■森の中の死体
ペンシルヴァニア州の州立公園で、ビニール袋に包まれた少年の遺体が発見される。被害者はダニエル・ラーナム、10歳。昨年の11月、父親とのキャンプ中に姿を消していた。発見場所は、14の州をまたぎ全長3500キロに及ぶアパラチアン・トレイルのすぐそば。発見されただけでも奇跡といえる。様々な状況から、これが単独や行きずりの犯行ではなく、アパラチアン・トレイルにシリアルキラーがいると考えたBAUは、至急現地にとび、地理的プロファイリングを開始する。
■父親
地元警察はダニエルの父親を容疑者と考えていた。彼は息子が姿を消した後、毎週のように森に入り、息子の行方を捜していたが、ある時を境にぷっつりと捜索をやめてしまっていた。そしてその時期は、ダニエルが殺害されたと見られる時期と一致していた。しかし、彼と面談したホッチは、彼の「なぜだかわからないが、息子が死んだと感じた」、「ヒーローであるべき父親が、息子を守れなかった」と語る言葉に嘘はないと感じる。やがてそれを裏付けるように、ダニエルの発見現場から別の遺体が発見される。被害者はダニエルと同年代の少年タイラー・ストルツ。捜索願が出されたのは、ラーナムが現場近くに引っ越してくるはるか以前のことだった。
■森を行く者
ダニエルやタイラーと同じタイプの行方不明者を10年前まで遡って調べたリードは、犯行の時期と場所が離れているために、これまで発覚しなかったが、この犯人がアパラチアン・トレイルの端から端まで、半年かけて移動し、過去に12人の少年を誘拐して殺している可能性があると示唆。しかし以前は一年中移動しながら狩りを続けていたのが、この2年はペースがおち、半径50キロ圏内に留まって、秋に誘拐して春まで同じエリアで過ごしている。越冬のための隠れ家があると推理された。
■兄と妹
捜査が難航する中、両親とキャンプに来ていた10歳のロバート・ブルックスと8歳のアナの兄妹が姿を消す。子供たちが誘拐されたのは12時間前。子供連れなので、時速3.2キロとして半径38キロ圏内にいると考えたBAUは、警察犬随行の捜索隊をそのエリアの山中に送り込み、やがてモーガンとプレンティスたち捜索隊は、山中で幼い少女を保護する。兄のロバートが身を挺して逃した、妹のアナだった。アナの証言から、犯人が足を引きずっていたことが判明。一方捜索隊は、山中で犯人の隠れ家を発見する。そこには既にロバートも犯人の姿もなかったものの、慌てて隠れ家を出た犯人は、薬品とパウチに入れた薬用植物を残しており、その植物から犯人は関節になんらかの問題を抱えていることが判明する。
■悪の巣窟
ガルシアは、90年代前半に8歳から9歳の少年への性的犯罪で有罪になり、かつ、2001年に仮釈放者の面談を欠席、それ以降行方を絶っている者を検索。2ダースほどの該当者のうち11人が、なんと姿を消す前に同じ住所にいたことが判明する。さらに刑務所の医療記録の変形性関節症で絞りこんだ結果、94年に10歳の少年をレイプした、シェーン・ワイアランドの名前が浮上する。街に犯罪者が集まる住居が存在すると考えたBAUは、先の住所に向かい、そこにシェーンが薬を調達している売人がいることを突き止める。ロバートは薬代の代わりに、その売人に売られていた。逃げようとするロバートが売人によって殺されかけたそのとき、モーガンら捜査陣が駆けつけ、間一髪無事に保護する。しかし警察の動きを察知したシェーンは逃走し、再び森に姿をけしたのだった。

【格言】
「僕が誰にも見えないのは、誰も僕を見ようとしないからだ」アメリカの作家で評論家ラルフ・エリスン(1914年3月1日-1994年4月16日)の『見えない人間』の一節。『見えない人間』は、ニューヨークのハーレムに住む黒人の青年を主人公に、社会の周縁に押しやられ、組織からも疎んぜられる行き場のない黒人の状況を描いた小説。「悪の輝きはほんお一瞬、あとは燃えかすが残るばかり」アメリカの詩人エリース・キャボットが1919年に発表した「アリゾナ」の一節。
【アパラチアン・トレイル】
東部のアパラチア山脈にそって作られた長距離自然歩道。北はジョージア州から、南はメイン州まで、14州にまたがり、全長は約3,500kmある。1921年に考案され、1923年から順次オープンされた。
【エピローグ】
今回のエピソード、誘拐された少年は無事に救出したものの、捜査陣は犯人を取り逃がしてしまう。シリアルキラーは依然として森の中で野放しになっているのだ。帰りの飛行機の中は、その事実がチームにのしかかり、なんとも重苦しい空気が漂う。ロッシは、失踪後24時間を過ぎてのロバートの救出、これまで存在すらわかっていなかった山中のシリアルキラーの存在を、全国の森林警備隊に知らせることができたことを思えば、「結果は敗北ではない」と全員を励ます。が、殺されたダニエルの父親を思うリードは「今までの被害者と家族は報われませんけどね」となおも沈痛な表情。「ヒーローであるべき父親が、息子を守れなかった」というダニエルの父親の後悔の言葉に誰よりも共感を覚えたであろうホッチの最後の「捕まえるさ」という強い決意の一言が頼もしい。

2012.3.14|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

3月6日(火)S6#8『銀幕の女王』

8

■唇のない遺体
深夜、ワシントンDCのジョージタウンで女性の遺体が発見される。通報者はホームレス。遺体は時代がかったドレスを身につけており、さらに唇が切り取られていたため、一件目の犯行にもかかわらずBAUが呼ばれる。被害者の名前はケリー・ランディス。3日前に失踪、2日前には地元の新聞社に被害者の写真が届けられていた。唇が切り取られた死体はBAUでもはじめてことであり、犯人の唇に対する強い愛情か嫌悪感の現れだと分析する。やがて被害者の喉から、文字の書かれた紙切れが、そして遺体の発見された路地のホームレスのねぐらの壁からも同じ文面の血文字が発見される。しかしそこを縄張りにするホームレスは通報者とは別の人物。通報者は犯人の変装だったのだ。
■3幕の惨劇
やがて新たな事件が発生する。アーリントンに住むペニー・ハンリー(19歳)が、出勤途中のユニオン駅付近で誘拐されたのだ。BAUは犯人は40代半ばから後半の白人。身長は180でやせ形、地元民で孤独を好み、ひとり暮らしで無職。古い型だが整備の行き届いた車を所有。喉に押し込まれた紙切れの文字はタイプで打ったもので、50年代の映画の脚本。さらに新聞社に届けられたケリーの写真もマリリン・モンローを思わせる50年代調のメイクが施されていたうえ、誘拐から遺棄までが3日というのも、芝居や映画の3部構成を連想させる。芝居がかった演出から見て、芸術関係に縁のある人間と分析。やがてユニオン駅の防犯カメラの映像や、車の駐車時間から、犯人は駅周辺エリアに住む住人と断定。そのエリアを封鎖する。
■女優とその息子
その頃、ペニーは、犯人によって化粧をほどこされたうえで、シナリオを渡され、演技を強要されていた。最初は抵抗していたペニーだが、やがて犯人に調子をあわせて油断を誘い、隙をついて逃走を試みる。しかしそれも薬をかがされて失敗。意識を取り戻したときには、小道具のサイズのあわない靴に足が入るように、足の指が傷つけられていた。犯人は母親と言い争いを繰り返しており、母を見返すために、母以上の女優を作ろうとしているのだ。
■ヒル・リッパー
マスコミはこの犯人に「ヒル・リッパー」という呼び名をつけ報道していた。ホッチはその報道を逆手にとって犯人を罠にかけようと、ガルシアに記者会見を指示する。ガルシアは記者の前で、ペニーのことだけを話し犯人を刺激。そして最後に「犯人の住所がわかった」と公表した。路上には警察や、BAUの捜査陣が巡回。犯人が出てくるのを張っていた。そしてBAUの読みは見事に的中。ホッチとロッシは今まさに、車中でペニーを殺害しようとしている現場を発見。犯人はペニーを置いて逃走するが、ホッチの銃弾が足に命中した。残された車から犯人の身元が判明する。犯人はレット・ウォルデン。母親のメイ・ウォルデンは女優だったが、出演作は1作のみ。撮影中に共演者の子供を身ごもり、引退を強いられたのだった。包囲されたレットは、母親の手をとり、まるでスポットライトの中に歩み出るように屋敷から出てきた。しかし実際に彼の腕の中にいるのは、ミイラ化した母親の遺体で、その顔にはケリーから切り取った唇が貼り付けられていた。

【格言】
「名声はうつろうもの。出会っても、すぐにお別れ。気まぐれだというのは、前から知っていた。だから経験するのはいいとして、浸るべきものじゃない」マリリン・モンロー(1926年6月1日-1962年8月5日)の言葉。1951年に『アスファルト・ジャングル』、『イヴの総て』に出演、以降「アメリカのセックスシンボル」と称されるようになる。作中で犯人が、元女優の母から聞いた言葉として、映画スターは歩き方が美しくないといけないといということを語っているが、マリリン・モンローの腰を振って歩き方は注目を集め、モンローウォークよ呼ばれるようになった。
「人生は葛藤の中から生まれる。だからすべての人間は闇を抱えるのだ。そこへ飛び込むものもいれば、引きずりこまれるものもいる。戦う者も。でも闇は、空気と同じくらい自然に存在する、誰もがいつかは真実と向きあわなくては。自分自身と」ペネロープ・ガルシアの主演舞台『葛藤』より。今回、驚くべきガルシアの秘密が明らかにされている。彼女はなんと女優として舞台にあがっていたのだ。この格言はかの自身が脚本を執筆、主演した作品の中の台詞。シリアルキラーに全てを奪われた女性が、やがて相手に反撃、最後にはその命を奪うという内容だ。
【ゲスト・スター】
犯人を演じているのは『プリズンブレイク』のティーバッグ(セオドア・バッグウェル)を演じてブレイク、他にも『HEROES』で“カーニバル”のリーダーのサミュエル・サリヴァンを演じたロバート・ネッパー。母親役は、映画『アンナ』(1987)で、年老いて精神に破綻をきたした女優を演じ、アカデミー賞最優秀主演女優賞にもノミネートされたサリー・カークランド。引退直前の老刑事役は『CSI』であのジェフリー・マッキーン副保安官を演じたコナー・オファレルだ。
【ヒル・リッパー】
犯人の呼び名のヒル・リッパーのヒルは、キャピトル・ヒルからきている。このキャピトル・ヒルというのはワシントンDCの東部。連邦議事堂がある小高い丘の一帯を指す呼び名。また連邦議会のことを指しても使われる。

2012.3. 6|エピソード・ガイド|コメント(1)トラックバック(0)

2月28日(火)S6#7『2番目の男』

7

■トウモロコシ畑の死体
インディアナ州ジョンソン郡のトウモロコシ畑で、この1ヶ月半に3人の女性の遺体が発見された。3人とも、州内のストリップ・バーのダンサーで、金曜日の夜、店を出て車に乗るまでの間に姿を消し、日曜日に殺害されている。3人目の被害者メレディスはかなり抵抗したようで、全身に防御創があり、爪の裏から2種類のDNAが採取された。1人目の被害者は6週間前に失踪、2人目はその3週間後、3人目は2週間後。そしてその1週間後である昨夜、4人目のステファニー・ウィルソンが姿を消した。タイムリミットは日曜の夜。それまでに犯人を見つけないとステファニーも殺されてしまうのだ。現地のソルターズ保安官はFBIの介入にも露骨に迷惑顔だった。事件をマスコミに伏せており、ストリッパーへの蔑視も隠そうとしない。被害者家族への配慮を欠いたその態度に、ホッチは不信感を抱く。一方、ストッリプ・バーとトウモロコシ畑に出向いたロッシたちは、店のカメラ映像や状況から、犯人が3人以上のグループであると分析。やがてリードが店の防犯カメラの映像から、犯人グループが1人のリーダーを擁す3人組である確証をつかんだ。
■プロファイル
犯人は地理や地元の情報に明るい地元の人間。群れのリーダーの影響が強く、あとの2人は完全に操られている。DNAが2人分しか検出されていないことから、少なくとも1人は殺害に関与していない。金曜日に誘拐し、日曜に殺害するのは、平日を避けているということ。また彼らがストリップ・バーに行く時間帯は、もっとも料金の安い時間帯でもある。金が無く、若い客層に自然に溶け込み、平日は動けず、さらに夏が過ぎてから事件が始まった。犯人は大学生だ。BAUの分析はつづく。年齢は10代の後半から、20代半ば。リーダーは最年長で、州外の人間で過去に同じような罪を犯している。「副官」はリーダーに対して極端なまでの忠誠心を示し、もう一人は群れの「新入り」。忠誠心が薄く、群れの目的に疑問を抱き始めている。やがてリーダーはこの新入りを足手まといに感じ、排除しようとする。そうして群れは崩壊しはじめる。ガルシアがDNAの照合を全国規模に広げたところ、ルイジアナ州で発生した連続レイプ事件とマッチした。この事件では他のDNAも検出されており、逮捕目前に地元の若者2人が姿を消していた。過去にパートナーを殺害しているなら、今回もまたやるに違いない。
■群れの崩壊
その頃、BAUの分析通り、犯人たちの群れには亀裂が生じはじめていた。マスコミに事件の情報が漏れ、ニュースを見た犯人グループの2人、クリスとスコットは、そこではじめて、リーダーのマイケルが拉致した女性を殺してたことを知ったのだ。中でも一番最後に群れに加わったスコットは動揺し、誘拐したステファニーにも同情的な態度をとりはじめた。それを見たマイケルは、スコットをトウモロコシ畑に連れ出し、なんとクリスに彼の殺害を命じた。「新入り」が「副官」に殺害されたのだ。スコットの遺体が発見されたのは、これまでの場所とは遠く離れたトウモロコシ畑だった。スコット・ケイガンはアーンストローム大の2年生だった。しかしガルシアがアーンストローム大の学籍簿とルイジアナで検索したが該当者を見つけることはできなかった。犯人はなぜこれまでの捨て場所から遠く離れた畑を選んだのか。見張りの警官は目につくようなところに配備されてはいなかったのに、いつもの場所を避けたのは、犯人に情報が漏れているからではないか。そう考えたBAUは検索対象を副官に変更。地元出身でフラタニティやスポーツ団体を追い出され、警察の捜査状況を知りうるコネクションを持った人物で調べたところ、なんと、ソルターズ保安官の息子クリスの名前が浮上する。
■副官とその父
やがてクリスとスコットがいたフラタニティに、ルイジアナ出身のマイケル・コシーナという学生がいたが、女子学生にいかがわしい行為をしたために追放、さらに教授と喧嘩をして、退学していることが判明する。このマイケルこそが群のリーダーなのだ。保安官とBAUはマイケルの自宅に急行。家から出てきたマイケルとクリスは、ステファニーに銃をつきつけながら逃走しようとする。保安官が息子の説得に失敗すると、BAUは女性であるプレンティスに交渉させ、ふたりを混乱させようとする。マイケルがかつてのパートナーを殺害していることを知りクリスが動揺すると、なんとマイケルは銃口をクリスに向ける。その瞬間、保安官はマイケルを射殺。さらに拳銃自殺しようとするクリスの腕を撃ち抜いた。事件後、ホッチは保安官に「クリスのそばにいて、彼に償い、彼に償わせる」ようアドバイスする。

【格言】
「群れは、恩恵より影響を与える者をリーダーとして選び出し、そのリーダーは群れによって虚栄心と必要性を満たすのだ」革命期のフランスの軍人で政治家。後に皇帝となったナポレオン・ボナパルト(1769年8月15日-1821年5月5日)の言葉。
「ヒーローがいなければ、この世は凡人だらけでどこまで行けるのか誰もわからなくなる」ユダヤ系アメリカ人の作家バーナード・マラマッド(1914年4月26日-1986年3月16日)の言葉。『修理屋』『奇跡のルーキー』(映画『ナチュラル』の原作)などで知られる。
【ゲストスター】
2番目の男クリス役は『ボーンズ骨は語る』のインターン、ウェンデル・ブレイ役で注目を集めるマイケル・グラント・テリイ。スコットは映画『AI』のマーティン(冷凍保存されていた本当の子供の方)や、ディズニーのドラマ『リジー&Lizzie』のリジーの弟マットなど、子役から活躍しているジェイク・トーマス。ステファニーは『90210新ビバリーヒルズ青春白書』のナオミの取り巻きのひとりモーガンを演じていたシェリリン・ウィルソン。メレディス役のジャスティン・エザリックは、数々のビデオ作品に出演するネットアイドルで、iJustineという名前で知られている。2010年に映画専門サイトIndependent Criticsが選出する「最も美しい顔トップ100」に選ばれた美貌と、コミカルな内容で人気沸騰。『ロー&オーダー』などにも出演している。
【ペーパーレス】
なんとBAUの資料が今回からペーパーレス化! ガルシアの魔法でタブレットをチームに配給。「レッドセル」で、ミーティングに使われるコンソールに感心していたガルシア。BAUにハイテクの波が押し寄せるのも近い……のかな。今後の展開が楽しみですね。
【親子】
前回にひきつづき、今回も親子関係が物語の鍵。これまでずっと横暴な父であったソルターズ保安官に対して「職場では厳しく統制をとっても、家に帰ると息子にありったけの愛情と理解を示すよう努めています」と語るホッチ。ホッチの一家を襲った悲劇を思うと、「そばにいて、彼に償い、彼に償わせる」という言葉もあわせ、とても重く響きますね。

2012.2.29|エピソード・ガイド|コメント(1)トラックバック(0)

2月21日(火)S6#6『デビルズ・ナイト』

6

■火を武器として扱う殺人鬼
ミシガン州デトロイト。この街では、ハロウィン直前の3日間をデビルズナイトと呼び、人々はマスクやコスチュームを身につけて、お祭りを楽しんでいた。しかし70年代より騒ぎが高じて何百件もの放火事件が発生。昨今は「デトロイトポリス」という千人規模
のボランティアグループを組織して、その対策に当たったこともあり、火事は減少の傾向にあった。ところが過去2年、デビルズナイトの3日間に、1晩にひとりの人間を誘拐し、生きたまま焼き殺す連続放火殺人事件が発生。今年も初日に同様の事件が発生したため、BAUに捜査協力の要請が出された。しかし放火犯は「常に火をみたがっている」ものであって、1年に3日しか活動しないということは考え辛い。この犯人にとって火は単なる武器であり、放火犯のプロファイルは当てはまらない、BAUはそう分析した。
■怨恨による処刑?
被害者はいずれも顔にマスクをつけられ、ガソリンをかけて生きたまま焼かれていた。ホッチは、被害者の顔がマスクで覆れていたことから、一連の犯行は怨恨による処刑であり、犯人と被害者に接点があると分析する。ロッシはその後、昨夜、殺害されたトニー・トレルの妻に認知面接を行い、犯人と思わしき人物が顔にひどい火傷をおっていたことを聞き出す。しかし捜査陣が犯人に辿り着く前に、新たな犯行がおき、幼い娘の目の前から父親が誘拐された。拐われたクリストファー・エドワーズは、建築業を営んでおり、モーガンとロッシはガルシアに、エドワーズの下請けの業者から、溶接工など火に関する業種、デトロイトポリスのボランティアなどの項目でクロス検索を指示。ガルシアが本領を発揮し、ケイマン・スコットという人物が浮上する。
■ケイマン・スコットという人物
ケイマンは元ギャングで数々の逮捕歴があったが、2004年に足を洗ったらしく、その後は犯罪歴もない。ところが2005年、交通事故でひどい火傷を負い、2ヶ月間昏睡状態がつづき、その間に住んでいたアパートも失っていた。そして交通事故の相手こそが3年前の第一の被害者で、さらに彼を追い出したアパートの大家が昨夜殺されたトニー・トレルだった。捜査陣はケイマンの住居に急行するが、その頃、ケイマンはエドワーズを路上でバーナーで焼殺し、姿を消した。まだケイマンを傷つけた一番憎い相手が残っているのではないか。そう考えたモーガンは、ケイマンの住居で手がかりを捜索、彼の日記帳に女性の写真が挟まれているのを発見する。写真を拡大したガルシアは、その背景に写っているのが、市内のジェイモーズというダイナーであることをつきとめる。
■親子
しかし捜査陣が到着したとき、ジェイモーズには火の手があがっていた。ホッチは応援を待たずに店内にとびこみ、間一髪のところ店主のジェイモーを救出。瀕死のジェイモーは、ケイマンの狙いが娘のトレイシーであることをホッチに伝えた。ホッチらはトレイシーは育ての親である叔母夫婦の家に急行する。叔母夫婦の家に現れたケイマンは、ガソリンやバーナーを手に、自分を捨てたトレイシーを責めたてた。さらに彼女に子供がいることを知り、その裏切りに逆上する。一触即発の状況下に到着したホッチは、トレイシーに本当のことを話すよう促した。なんと子供の名前は、ダニエル・ケイマン・アンダーソン。父親はケイマンだったのだ。彼女はケイマンの子供を産み、ひとりで育てていたのだ。その事実を知り、絶望の中に一筋の光を見出した彼はバーナーを置き、投降した。

【格言】
「人に傷を負わせるときには、復讐心が失せるほど、徹底的にやるべし」『君主論』で知られるイタリア・ルネッサンス期の政治思想学者ニッコロ・マッキャヴェリ(1469年-1527年)の言葉。
「愛は何をも厭わない。どんな困難も物ともせず、己の力以上のことに挑み、決してあきらめることをしない。この世のすべてが当たり前であり、不可能はないと信じているから」中世の神秘思想家トマス・ア・ケンピス(1380年-1471年)の著作『キリストにならう』の三章の一節。『キリストにならう』は、全世界で聖書のつぎに読まれている本と言われ、日本でも1596年に『こんてむつす・むんでぃ』という題で翻訳紹介されている。細川ガラシア夫人が愛読していたことでも有名。
【デビルズナイト】
今回の事件の背景となっているデトロイトのデビルズナイトは、実際にアメリカで大きな社会問題となっている。この馬鹿騒ぎは1940年ごろから始まり、最初は住宅に卵や腐った野菜、汚物を投げるといった悪戯や破壊行為だったが、それがやがて1970年代には放火に発展。1980年代の後半には、デビルズナイトの3晩で800件もの放火が発生した。1995年にデトロイトの市職員が「エンジェルズ・ナイト」と呼ばれるプロジェクトを始動。5万人のボランティア自警団を使ってパトロールを強化し、現在は百件程度の被害にまで減少している。
【すべては主の手の中に】
エドワーズ父娘が歌っている曲は原題He's Got The Whole World in His Hand。自然も世界もそしてあらゆる人が主の手の中にあると歌うアメリカの黒人霊歌。シンプルな曲で、父娘が歌ってるメロディーでほぼ全曲。
【ヒーロー】
娘トレイシーを守ろうと命をかけたジェイモー。息子の存在に救いを見出し、武器を置いたケイマン。親子の絆を考えさせるエピソードのしめくくりは、ジャックとホッチのハロウィンだ。スパイダーマンはやめて、本当のヒーローの仮装をすると宣言したジャック。ホッチの前に現れた彼の扮装はブラックスーツにネクタイ。「誰の仮装?」という質問に、ちょっと悪戯っぽい笑顔で「これはパパだよ」と答えたジャック。それを聞いたホッチの嬉しそうな表情がなんともほほえましいですね。

2012.2.22|エピソード・ガイド|コメント(7)トラックバック(0)

2月14日(火)S6#5『安全地帯』

5

■招かれざる客
ネブラスカ州のベネット家、アイオワ州のアーチャー家と、2晩連続して一家惨殺事件が発生した。ネブラスカ州オマハ支局はこれを同一犯の犯行とみて、BAUに協力を依頼した。どちらの事件も家族4人全員が殺害されており、子供は絞殺、両親は刺殺だった。子供たちに性的虐待はないが、2件目の犯行では父親の内蔵が切り裂かれていた。どちらの家にも押し入った形跡がなく、4人家族なのに5人分のテーブルセッティングがされていた。ベネット家で現場検証を行ったロッシとリードは、手の込んだ料理のメニューから、犯人は客としてもてなされ、さらに犯行に使われた道具から、両親から子供の相手を任されていた人物と推測する。また検視結果から、解剖は死後行われており、雑なやり方であること。どちらの家庭でも、苦しみを与えられたのは母親であることがわかった。
■犯人は少年?
サンドラ・ベネットは小学校教師、モニカ・アーチャーは総合病院の看護師。両家とも熱心なクリスチャンでボランティア活動にも熱心だった。現場の状況は犯人が知人であることを示しているが、しかし両家に共通の友人も見つからない。つまり犯人は、見知らぬ人物なのに、やすやすと家庭に入り込むことができたのだ。やがて新たな被害者が6号線沿いの車の中で発見された。被害者は牧師で、車を運転中に同乗していた犯人に刺殺され、死後、腕を解剖されていた。犯人は激しい怒りから、他の車にぶつかる恐れも顧みず、運転中の相手を刺したが、その後、突然落ち着いて腕を解剖している。「先のことを考えず、集中できる時間が極端に短く、感情の起伏が激しく、そして衝動的」ロッシの分析を聞いたリードは、犯人は十代ではないかと推測。もし十代の子供なら、警戒せずに子供の相手を任せたことも納得できるし、思春期前であれば、性的な行為がないことの説明にもなる。そして遺体を切り裂くのは、子供特有の純粋な好奇心からだと考えられる。
■プロファイル
「育ちは中産階級で、外見はか弱い印象を与える少年。極端な虐待か育児放棄を経験し、実の家族と引き離されている」プロファイルが発表され、ガルシアがオマハとその周辺で、行方不明の子供、精神病院や少年拘置所から逃げた子供、里親家庭や育児保護施設から行方不明になっている子供を検索。ところがなんと、ネブラスカ州には「病院に捨てれば罪は問われない」という避難所法が存在。その法律に当初年齢制限が設けられていなかったため、病院に捨てられる少年が後を絶たないことが判明。容疑者を絞り込むには至らなかった。そこでモニカ・アーチャーが病院の看護師だったことに着目したBAUは、犯人はモニカが務める病院に捨てられたのではないかと推測、再度モニカの周辺を洗い直すためにロッシとリードをアーチャー家に向かわせた。
■シリアルキラーと母親
その頃、犯人のジェレミーは、迷子を装い、新たな被害者であるリヴァートン家に入り込んでいた。母親のナンシーが、ジェレミーの家族と連絡をとりたいと言ったため、彼はモニカ・アーチャーの自宅に電話。ナンシーはそうとは知らず、アーチャー家の留守電に、「息子さんを一晩お泊めします」とのメッセージを残した。そしてそのメッセージをアーチャー家を再捜索することとなったロッシとリードが発見する。ナンシーが預っている少年こそが犯人であると考えた捜査陣は、リヴァートン家に急行。そこには縛られた二人の子供が残されていたが、ジェレミーとナンシーの姿はなかった。ジェレミーはナンシーの運転で、自宅に向かったというのだ。モーガンは、犯人には弟妹に対する虐待歴があるに違いないと分析、その読みは的中し、妹が腕を骨折してERに運ばれたセイヤー家が浮上する。モーガンとプレンティスは急ぎ、ジェレミー・セイヤーの母親に連絡をとる。しかしそのとき、既にジェレミーはナンシーを刺して放置、自宅に侵入していた。駆けつけた母親の前で、ジェレミーは妹に包丁を突きつけ、自分を捨てた母親を責めたてる。そこに一足遅れてモーガンが到着、ジェレミーに銃を向ける。その気迫に押されたジェレミーは、やがて刃物を捨て投降。「僕は13だ。5年たったら会えるから」感情のこもらない声で捨て台詞を残して連行された。

【格言】
「人類はひとつの家族だ。どれほど邪悪な魂の持ち主をも私は切り捨てられない」マハトマ・ガンジーの言葉。
「でも私には眠る前に果たすべき約束と進むべき道のりがある。何マイルもの道のりが」アメリカの国民的詩人ロバート・フロスト(1874年3月26日-1963年1月29日)の詩Stopping by Woods on a Snowy Eveningの最後の一節。夜に森の縁に佇み、雪に覆われた森を見ている様子が描かれている。森は美しく暗く深い。その美しい闇の世界で永久の眠りにつきたいが、しかし、私にはまだやるべきことがある、というような内容。
【ゲストスター】
ローティーンのシリアルキラーという難しい役どころを演じるのは1995年生まれのスターリング・ボーマン。6歳からCMや子役で活躍。『LOST』でベンジャミン・ライナスの少年時代を演じている。ジェリミーをコントロールしてわが子の命を守ったナンシー役はメア・ウィニンガム。『ER』に医師免許のない偽ドクターのアマンダ役、『グレイズ・アナトミー』ではメレディスの父親の再婚相手スーザン役で出演している。
【カール・アーノルド】
飛行機の中で名前の出たカール・アーノルド、通称フォックスは、シーズン1の7話「一家惨殺事件」、シーズン5の8話『蘇ったキツネ』に登場したシリアルキラー。カールはセラピストの助手で、自分の患者の中から、旅行に出かける予定の家庭を選び、家族を監禁し、しばらく一緒に暮らした後に、全員を殺害した。
【エリー】
暗闇王子に殺害されたマット・スパイサーの娘エリー。モーガンは彼女のことを気にかけ、メールのやりとりを続けていた。ところが里親が見つかったと聞いて安心したのもつかの間、なんと彼女がその家庭に馴染めずに家出してBAUに現れたのだ。里親家庭は既に6人の子供がいて、エリーの家出にも気づいていなかった。モーガンはガルシアに、マットと別れ、行方不明になっている母親を探すように指示。事件解決後、ガルシアの魔法で発見されたエリーの母親がBAUにやってくる。彼女は旅に出ていたために、マットの死を知らなかったのだ。精神的に追い詰められマットと別れ、娘もしょうがなく手放したが、彼女の旅の手帖にはエリーに宛てた言葉がぎっしり書き込まれていた。最初は母親のことを拒絶したエリーも、その手帳を見て、心を動かされ、やがて母親に向かって笑顔を向ける。生まれる前から拒絶しつづけたジェレミーの母、娘を愛していながら別れを選んだエリーの母。どちらも子供にとっては理解しがたい仕打ちだったのではないでしょうか。二組の親子の運命がドラマチックに対比された今回のエピソード、「どれほど邪悪な魂の持ち主をも私は切り捨てられない」という冒頭のガンジーの言葉が重く響きますね。

2012.2.15|エピソード・ガイド|コメント(0)トラックバック(0)

2月7日(火)S6#4『快楽の代償』

4

■殺人と儀式
オハイオ州アクロンで2週間に2組の夫婦が殺害された。最初の被害者ケップラー夫妻は自宅、ハートウェル夫妻は人気のない場所に駐められた車の中が犯行現場だった。犯人は被害者にバイアグラを飲ませ、コンドームをつけさせてセックスを強要。その後、夫を銃で、妻の方は激しく刺して殺害。女性をめった刺しにしてることから、当初、犯人は性的サディストで拷問が目当てだと考えられた。しかし用意周到な犯行にも関わらず、被害者の人種や社会的な階層には一貫性がない。プレンティスは犯人と被害者は知り合いで、一見しただけでは判らないような共通点があるのではないかと指摘。やがて遺族との面談から、被害者の夫はいずれもボス猿タイプであることが判明する。また、犯人は現場の温度や、音楽、雰囲気にも気を配っており、妄想の方向がサディスティックというよりも、むしろロマンティックであること。バイアグラを持参しながら自分では使わず夫に飲ませていることから生理学的な性的不能者であると分析。殺害するにも関わらず、コンドームを使って避妊させていることに、儀式的な意味があると考えられた。
■スワッピング愛好者
やがて新たな被害者が出た。殺された夫のポール・ウィルソンは外科医でやはりボス猿タイプだった。しかし彼は手錠をかけられながらも猛然と反撃しており、下肢が真っ赤に腫れ上がっていた。ロッシはポールが総合格闘技の経験者であり、犯人はジムで被害者を物色しているのではないかと推測する。一方、妻の遺体の様子を検証したプレンティスとモーガンは、助かりたい一心とはいえ、夫が殺害された直後に、犯人に体を任せようとしていたことに疑問を感じる。ふたりは、犯人が夫にコンドームを付けさせたこととも合せ、犯人は性的不能になる前はスワッピングの愛好者だったのではないかと考えた。
■妄想の破綻
犯人は妄想の実現を邪魔されたために、その日の夜に新たな犯行に走る。そう判断したBAUはプロファイルを発表。犯人は生殖能力を失い、かつ強い支配欲を持ったボス猿タイプので、殺人現場での儀式で無力さを忘れ自信を取り戻している男性。しかし、彼はポール・ウィルソンの反撃で自分の弱さを知り、デボラ・ウィルソンの誘惑で妄想の虚しさを知った。補償行為を喪失した犯人は妄想が満たされなくなり、危険な状態になっている。そしてその夜、BAUの懸念は的中し、スワッピングパーティで男が銃を乱射。8名の男性を殺害した。パーティの主催者によって、男の名はジェイムズ、妻の名はメリーアンであることが判明。犯行の手際から、犯人が錠前師であると当たりをつけたBAUは、ガルシアにスポーツジムと契約している錠前師を調べ、ジェイムズ・トーマスという人物に行き当たった。雇用主によると、ジェイムズは昨年、前立腺全体を摘出する手術を受けていた。
■妻の裏切り
トーマス家に急行した捜査陣は、家にいた身重の妻メリーアンから事情聴取をする。しかしメリーアンは夫を庇おうとしてがんとして口を割らない。リードは、ジェイムズの手術は1年以上前であり、人工授精の記録もないことから、お腹の子供の父親はスワッピング仲間。ジェイムズは、彼女の妊娠によって失った支配力を取り戻すために殺人をはじめたのであり、子供の父親も既に殺害されていると推測。ジェイムズが手を下したと思われる未解決事件の被害者写真をメリーアンに見せる。リードの狙いは見事にあたり、1枚の写真を見たメリーアンは息を飲み、やがて重い口を開いた。捜査陣はメリーアンの情報から、かつて夫妻がナンパゲームを楽しんだというバーに向かい、そこでジェイムズを発見。プレンティスがスワッピングパーティ仲間を装ってジェイムズに近づく。しかしジェイムズはプレンティスの嘘を見抜き、銃を抜くが、間一髪、プレンティスがバッグに隠し持った銃でジェイムズを射殺する。

【格言】
「何者であれ、善きものであれ」代16代アメリカ大統領エイブラハム・リンカーン(1809年2月12日-1865年4月15日)の言葉。
「人はみな仮面をかぶるが、長くかぶり続けると皮ごとはがさないと外れなくなってしまう」アンドレ・ベルティオーム(1083年-)の言葉。ベルティオームは、ケベックのカナダ人作家。
【性的サディスト】
アルバート・フィッシュは、「満月の狂人」、「グレイマン」、「ブルックリンの吸血鬼」などと呼ばれた殺人鬼。1910年から1934年までに子供から成人まで400人を殺したと自供しており、一部の肉を食したとされる。イアン・スコーラーは1980年代に2人の女性を殺害した英国の殺人鬼。アンドレイ・チカチーロは、「ロストフの殺し屋」「赤い切り裂き魔」などの呼ばれた、ロシアの殺人鬼で、1978年から1990年にかけて52人の子供や女性を殺害した。生まれつきの性的不能者であった。
【ガルシア】
JJが抜けた穴を埋めようと、ガルシアが渉外担当に立候補。「服装だって涙を飲んで地味にしますから、どうかあたしにチャンスをください」とホッチに直訴。専用機に現れた彼女は、地味なグレーのワンピースにジャケット。目にはコンタクトレンズ。オハイオの捜査本部についたときは、黒に白のドットのブラウスにツーピース(機内で着替えた? その後黒のカットソー、に着替えてます。さらに開きなおってからはいつものカラフルな服装とアクセサリーに逆戻り)。必要な準備から遺族への連絡まで手際よくこなすものの、その後、マスコミ対応でローカル新聞の記者に騙されそうに。危ういところをホッチに助けられるが、渉外に時間をとられて分析の仕事に集中できずに爆裂寸前。そんな彼女にモーガンは「JJの代わりは誰にも無理だ、いつものお前らしいやり方でやるのが一番。JJではなくOGになれ」と助言。「OG=オリジナル・ガルシア」でいろというのだ。事件解決後、ホッチはガルシアに「急がなくてもいい。ギデオンが去った時、俺もいろいろと背負いこんだが、すぐにやれることとやれないことがあるのに気づいた」「君はこの仕事に応募したとき、ピンクの履歴書を出したろ。あの頃からわかってたよ、そのユニークさ。それは変えないでほしい」と胸の内を明かす。ガルシアの熱意に押されて、終始、ちょっと困ったようなホッチの表情がなんだかおかしいですね。

2012.2. 8|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

1月31日(火)S6#3『殺しの記憶』

3

■悪夢ふたたび
ヴァージニア州ブリストルで若い女性の遺体が相次いで発見された。被害者カラ・カークランドとジェニー・デリリーには、拷問とソドミー行為の痕跡があり、死因は電気ショックによる感電死だった。さらに犯人から、両親や近親者へ電話を強要させられており、その犯行手口は、以前ロッシが担当した「ブッチャー」によるものと酷似していた。ブッチャーは、1985年から1993年にかけて、ブロンドで20代の女性、20人を殺害。地理的プロファイルから犯行エリアを特定。その地域在住のブロンド女性に警告を出したことから犯行が止んだため、逮捕には至らなかった。しかし、当時のプロファイルの犯人像は40代後半の白人男性であり、生きていればすでに70代。年齢を鑑みるに、今回の犯行は模倣犯によるものと考えられた。
■ふたり組の模倣犯?
ジェニーはドラッグストアの駐車場、カラはアパートの庭で掠われた。しかしかつて、ブッチャーは言葉だけでたくみに被害者を誘いこんだのに比べ、今回は殴打して力ずくで誘拐するなど、犯行にかつての手際の良さがみられなかった。ブッチャー事件では、13人が留守電に、5人が直接誰かに電話をかけ、その際に「楽しかった」という言葉を強要されていた。今回もブッチャー事件同様、ふたりは電話をかけさせられているが、そこには「楽しかった」という決めゼリフはなかった。しかしその後、過去のメッセージを検証し直したロッシとリードは、ジェニーのメッセージの中にブッチャー事件の最後の被害者と同じセリフがあることを発見する。また、誘拐現場を検証するプレンティスとモーガンは、状況から犯人はふたり組と分析。それは遺体に残された二種類の刃物による傷とも合致した。
■「わたしは楽しんだ」
やがて3人目の被害者ヘザー・ラングリーが発見された。遺体は、ブッチャー事件最後の被害者と同じ場所に遺棄されていた。ホッチは、決めゼリフがないこと、それにブッチャーはナルシストであり、チームを組むとは考えられないとして、模倣犯のプロファイルを採択する。しかしロッシはこの事件にブッチャーが関わっているという直感を捨てきれず、独自の視点から事件を分析。やがて彼は、主犯と共犯者の関係は親子であるという結論に到達する。ブッチャーが息子をパートナーとして育て、完全に支配しているのだ。そしてヘザーの父親に残されていた留守電に、「わたしは楽しんだ」という言葉が録音されており、ブッチャーの犯行であることが確定的となる。
■シリアルキラーの親子
ブッチャーの事件で、誰にも電話をしなかった被害者がふたりいた。リードは、その被害者についても調べることを提案する。メッセージを残さなかったのは、最初の被害者と8番目の被害者だった。最初は試行錯誤の段階だったためと思われるが、8番目の被害者カレン・バックナーには夫も息子もいたのに、電話をしなかったのはなぜか? リードは電話をかけるべき相手、つまり息子が犯行時に側にいたからではないかと推測する。やがてガルシアの調査により、夫のリー・マレンと息子のコルビー・バックナーはふたりとも電気技師であることが判明。かつてロッシが被害者の夫として面会したリー・マレンが、シリアルキラーのブッチャーで、そして息子と共に殺人を再開したのだ。捜査陣はガルシアの調査で判明した親子の自宅住所に急行する。
■アルツハイマー
リー・マレンの家でロッシが見たのは、階段に立ち、失禁する老人の姿だった。なんとマレンはアルツハイマーを患っていたのだ。最後の事件を模倣していたのは、マレンがその犯行を思い出せなくなっていたからだったのだ。しかし自宅には息子のコルビーの姿はなく、「獲物をみつけにいく」というメモだけが残されていた。コルビーが次の被害者をどこか別の場所に監禁していると考えたBAUは、マレンがもらした「レックスウェル」という単語を手がかりに、その場所を特定。精神病院の廃屋に向かったロッシたちは、今にもアナを殺害しようとするコルビーを発見する。ロッシは、父親に支配されたコルビーに向かって語りかけ、彼が10歳ときに自分の母親を殺す手伝いをさせられたことを思い出させた。ショックを受けたコルビーはナイフを下ろし、アナは無事に救出された。

【格言】
「過去の記憶がよみがえるとき、それは必ずしも事実の通りとは限らない」フランスの作家マルセル・プルースト(1871年7月10日-1922年11月18日)の『失われた時を求めて』の一節(らしいのですが、ごめんなさい、どの箇所なのか特定できてません)。第2シーズン『多重人格』のリードの回想シーンで、母親がリードに読み聞かせているのがこの本だ。
「若い頃は、実際におきたことも、おきなかったことも覚えられた。だが今や頭が衰えつつある。もうすぐ実際におきていないこと以外は、何も覚えていられなくなるのだろう。意識がバラバラになっていくのは悲しいが、それを受け入れるしかない」マーク・トウェイン(1985年-1910年)の言葉。これは『マーク・トゥエイン自伝』の中の一節。この自伝、なんと自分の死後100年間は刊行を禁じていたもので、100年が経過した2010年にようやく出版された。
【ゲストスター】
リー・マレン役は、「ヒルストリート・ブルース」のフリロ署長役のダニエル・J・トラバンティ。この役でエミー賞の主演男優部門を2度受賞している。グリーン刑事は「ザ・シールド ~ルール無用の警察バッジ~」でロニー・ガルドッキを演じたデヴィッド・リース・スネルだ。
【コープランド夫妻】
ミズリー州で農場を営んでいた老夫婦、コープランド夫妻は、牛取引詐欺のために、足のつかない流れ者を雇っては利用し、殺害していた。少なくとも5人、さらに7人を殺害しているのではないかと見られている。ふたりが死刑の判決を受けたとき、夫のレイは76歳、妻のフェイは69歳。アメリカ史上最も年老いて死刑判決を受けたカップルである。
【602 JENNIFER JAREAU】
冒頭、JJのいなくなったオフィスの扉からネームプレートをはずすガルシア。切ないですね。ところで602ということは、BAUのオフィスは、FBIの6階、もしくは7階にあるということでしょうか。

2012.2. 1|エピソード・ガイド|コメント(0)トラックバック(0)

1月24日(火)S6#2『JJ』

2

■消えた女子大生
3日前の金曜日、メリーランド州のアトランティック・ビーチで19歳の女子大生、ケイト・ジョイスが行方不明になった。失踪直前までケイトと一緒にいた若者、シド・ピアソンとジェイムズ・バレットのふたりが重要参考人として身柄を拘束されたが、ふたりは、ケイトと金曜の夜にクラブで出会いセックスはしたが、全て合意のうえであり、モーテルまで送って別れたと主張。拘束期限の72時間まで残りは12時間。しかし供述に矛盾はなく、地元警察は証言を切り崩せずにいた。
■ふたりの容疑者
裕福な家庭で育ったピアソンは、支配的でカリスマ性があり、自信家。一方バレットは、親が居場所を転々としていたせいで流されやすく、ふたりは一見、典型的な主従関係にあるように見えた。ふたりは10歳の頃から幾度も補導されており、昨年は、不起訴にはなったものの暴行罪でも捕まっている。BAUは彼らをシリアルキラー型人格と分析。プレンティスはバレットを、モーガンはピアソンの尋問を担当、心理的に揺さぶりをかけようとする。しかし彼らは同じ証言を繰り返すばかりで、あげく、示し合わせたようにウソ発見器での尋問を希望。そしてなんとその結果は「シロ」であった。時間は刻一刻とすぎ、残り時間は3時間をきった。彼らはいったいどうやってウソ発見器を欺いたのか……。
■彼らは殺していないのではないか?
被害者のケイトは優等生で、知らない男についていくようなタイプではない。なのになぜ、今回はピアソンとバレットについていったのか。リードとロッシは、失踪以前にもケイトが、ふたりとどこかで出会っていたのではないかと推測。その後、ガルシアの調査で、バレットの勤める店でジェットスキーをレンタルしていたことが判明する。バレットはケイトと金曜の朝に出会い、ピアソンよりも先に彼女に目をつけていたのだ。しかしピアソンの携帯におさめられた写真からは、彼女がバレットには目もくれず、ピアソンにだけ興味を示していたことが見てとれる。やがてバレットへの尋問を重ねるBAUは、彼が決して愚鈍ではないことに気づいた。彼は落ち着きがなく、一見、従属的に見えるが、決して弱っているわけではない。
■バレットの復讐
モーガンはウソ発見器にパスしたのは、供述は真実であり、実際に殺害していないからではないか、彼女を発見されない場所に捨てただけなのではないかと推測。また、携帯の写真を見たJJは、ケイトと別れた後に撮ったと見られる写真の背景に、ケイトの携帯が写っているのを発見する。しかしその携帯は、ケイトの宿泊先で発見されており、現在は両親が保管している。つまり、ケイトは彼らの供述通り、一度、ホテルに戻っていたのだ。ピアソンはケイトをモーテルに送り、その後バレットを家まで送った。ところが携帯を見つけたバレットは、ふられた復讐のためにもう一度ケイトに会いに行き、薬で眠らせて船に運び、サメのいる海に彼女を放置したのだ。バレットのボートの速度を鑑みると、彼女を捨てた場所はおおよそ120キロ。自白を引き出せないまま拘留期限を迎えたものの、捜索ヘリがその距離の海域を捜索、やがてブイに必死に捕まって手をふるケイトが発見された。

【格言】
「必ずしも悲劇に血の匂いはいらない。荘厳な悲しみに満ちてさえいればよい。それこそが悲劇の魅力なのだ」ジャン・ラシーヌ(1639年-1699年)17世紀を代表するフランスの劇作家。『フェードル』『アンドロマック』などギリシア神話や古代ローマ史を題材に、愛憎が半ばする情念に満ちた悲劇を得意とした。
【ゲストスター】
ケイトの父親は「アリー my love」のビリー役のギル・ベローズ。シド・ピアソンは10歳で『スタートレック/反乱』に出演、以降「CSI:3 科学捜査班」「コールドケース」など数々の映画やドラマに出演している。
【JJ国防総省から】
ホッチの部屋に、ストラウスに呼ばれたJJ。なんとJJは、国防総省から転職のオファーが来ていたにも関わらず、誰にも告げずに断り続けていたのだ。転職をすすめるストラウスは、「今度のポストは出張が少ないからお子さんのためになる」と指摘。それに対してJJは「家族に犠牲は強いていない」と語気を強くする。アトランティックビーチではケイトの両親に親身に接し、ケイトの無事を信じ、そして事件解決後、父親から「あなたは私の命の恩人です」と感謝の言葉をかけられた。被害者の家族や、マスコミ、組織の間に入り、常にチームが動きやすいように気を配ってきたJJ。しかしホッチの努力も虚しく、JJの移動は既に決定事項となっていた。「なんとか君を残したかったけど、力が及ばなかった」と告げるホッチをつらそうな表情が胸にささります。さよならJJ。いつか必ず戻ってきてくれることを信じて待ってます。
【挿入曲】
エピローグでかかっている曲は、レイ・ラモンターニュの“Let it be me”。ニューハンプシャー出身で、高校卒業後靴工場で働いていたという彼。2004年にシンガーソングライターとしてデビュー、柔らかなハスキーボイスが魅力で、3枚目のアルバムGossip in the Grainがビルボードの3位にランクインした。“Let it be me”は同アルバムの2曲目におさめられている。

2012.1.25|エピソード・ガイド|コメント(3)トラックバック(0)

1月17日(火)S6#1『明けない夜』

1

■スパイサーの死
大停電が発生したLA。マスコミから暗闇王子と名付けられたシリアルキラーは、スパイサーの娘エリーと、妹クリスティンを誘拐。クリスティンをレイプしたうえ、肋骨がつぶれ肺がつぶれるまで殴りつける。ふたりを助けようと、モーガンとスパイサー刑事が駆けつけたが、犯人はそのモーガンの目の前で、スパイサーを殺害し、娘のエリーを連れ去ってしまう。その後、犯人はわざとエリーを逃がし、エリーが助けを求めた先の住人を殺害する。さらに彼は、自分がおとりに使われたことに気づいたエリーにむかって、「俺たち最高のチームになるぞ」と語りかけるのだった。
■エリーの機転
「あたしたち、チームじゃないから」8歳のエリーは、怯えた様子を見せず、気丈にも犯人と向き合っていた。そんなエリーに犯人は自分のことをまるで神であるように語る。やがて、ラジオのニュースでエリーの特徴が報道されていることを知った犯人は、エリーの髪の毛を短く切り、さらに押し入った家で男の子の服装に着替えさせる。その家で、犯人から子供を連れてくるように命じられたエリーは、機転をきかせ、近所中に触れ回るように指示して兄弟のひとりをこっそり逃がす。近隣の人々はすぐに警察に通報、さらに家を取り囲み、犯人を取り押さえようとする。しかし彼はエリーを連れて、人垣を車で突破して逃走するのだった。
■狙いはエリー?
現場に残された犯人のキャンピングカーの遺留品を調べていたモーガンとリードは、新聞記事のアンダーラインから、犯人が狙っていたのはスパイサーではなく、娘のエリーの方だったのではないかと分析する。25年前にスパイサーを殺していれば、エリーは誕生していない。そのことから、彼はエリーを自分の孫のように考えて守っているつもりなのだ。さらに、新聞の切り抜きを調べたリードは、殺人事件の起点が1968年に遡ることをつきとめる。やがてガルシアの調査によって、犯人はビリー・フリンという名で、悲惨な子供時代を送り、1968年、13歳のときに、薬物中毒で娼婦の母親とその客を撃ち殺した過去があることが判明した。
■JJの交渉
スパイサーの妹クリスティンは、レイプされたうえに両肺をつぶされ、搬送された病院で息をひきとる。しかし死ぬ前に、犯人が常にカーラジオでニュースを聞いていたことを証言。プレンティスは、このラジオ放送を使って犯人と交渉することを提案する。JJは、全ての番組に割り込むことが可能な緊急警報システムの存在を指摘。何時間もかけ、お役所仕事的なたらい回しを突破し、緊急警報システムの使用許可をとりつける。さらに交渉役を任されたJJは、ホッチから「犯人に同情し、理解を示せ」という指示を受ける。しかし、JJは付け焼き刃の交渉術ではなく、ひとりの母親としてビリーに語りかける道を選択する。愛情に満ちたJJの言葉を聞いたビリーは、エリーを解放。新たな人質をとって民家にたてこもり、屋内にモーガンひとりを招き入れる。ビリーは怖がらない相手は撃てない――そう確信するモーガンは、ホッチが止めるのもふりきりビリーと対峙。ビリーは涙を流しながら母親のことを語りはじめ、そして「天国でやり直したいなあ」というつぶやくとと、銃を人質に向けモーガンによって射殺されることを選ぶ。

【格言】
「家庭とは家族が心を通わせる場所。家族が愛し合っていればそこは花園のような美しい場所となるが、家族の心に調和が無ければ嵐が吹き荒れ、花園は台無しになるだろう」ブッダ、仏教の開祖である釈迦(紀元前463年?-紀元前383年?)の言葉。
【挿入曲】
今回使われている曲は前編同様にレナード・コーエンの曲。最初の野原のシーン、歯の矯正がクローズアップされるときにかかるのが“Night Comes On”、踊っているシーンが“Dance Me to the End of Love”、「中に入って出てくるんじゃないからね」の直前にかかるのが“Sisters of Mercy”、そして事件解決後にかかるのが“Who By Fire”だ。
【シド・チャリシー】
ビリーが自分の母親が似ていたと語るシド・チャリシー(1921年3月8日-2008年6月17日)は、アメリカの女優でダンサー。1950年代のハリウッド黄金期にミュージカル映画で活躍し、『バンド・ワゴン』(1953)でフレッド・アステアと、『ブリガドーン』(1954)、『いつも上天気』(1955)でジーン・ケリーと共演。ミュージカルのブームが終焉した後も、女優として長く活躍した。
【第6シーズンスタート!】
お待たせしました。第6シーズンのスタートです。今期もチームのメンバーとの別れや、とある人物の過去など盛りだくさんの内容で、ゲストも「プリズン・ブレイク」のTバッグロバート・ネッパーや、「エイリアス」のレイチェル・ニコルスなどが登場。こちらのブログもひきつづきよろしくお願いします!

2012.1.18|エピソード・ガイド|コメント(5)トラックバック(0)

10月4日(火)S5#23『暗闇の殺人鬼』

23

■停電の夜に
真夏のLA。電力不足による輪番停電が行われていた夜、一軒の民家に男が侵入した。家の主は殴打された末に頭を撃たれて死亡、妻は命こそ助かったが、殴られたうえに、繰り返しレイプされていた。さらにその2日前、80キロ離れたダウンタウンで女性2人が殺害されており、銃の旋条痕から同一犯の犯行であることが判った。しかし犯行は手慣れているものの、被害者の年齢や人種に一貫性がなく、犯人の姿はなかなか見えてこない。やがて3件目の事件が発生。やはり輪番停電で明かりの消えた地区で、犯人は住居に侵入し、幼い少年の目の前で母親を殺害した。BAUは犯人はサディストで、子どもに犯行を目撃させることで、子どもの無邪気さを奪い去っていると分析。犯人にも同様の経験があり、部屋の壁に残されたメッセージに綴りの間違いがあることから、教育を受けていない人物。暗闇でしか殺せない背景には、彼に人の目を気にするような、肉体か何らかの欠陥がある人物と考えた。
■闇の中の犯行
「闇に乗じて犯行を行う」ことこそが犯人の署名的行動であると考えたホッチは、昨年の夏の輪番停電中にカリフォルニアで起きた住宅侵入事件を調査するようガルシアに指示。ガルシアは、さらに捜索範囲を広げて「暗闇や停電に乗じて強盗や殺人を犯し、証人を残した犯罪」で全米を検索。なんと驚くべきことに、この犯人が26年前から、全米で犯行を繰り返してきたことを発見する。始まりは26年前の1984年。夏の南カリフォルニア。サンディエゴの停電の夜に強盗を働き、次はオレンジ郡に移動して強盗と暴行、その後ロンングビーチで人を殺し、さらにサンタモニカへと移動、そこで証人を残した。犯行は徐々に北に移動していったが、犯人はこれまでは一度も同じ街に戻っていないために、連続殺人とは考えられていなかったのだ。
■スパイサーへのメッセージ
犯人はなぜロサンジェルスに戻ってきたのか。それを知るために過去の事件を調査しはじめたBAUは、26年前のサンタモニカでの事件の被害者がスパイサー刑事の両親であることを発見する。スパイサーは事件の記憶を失い、祖父は彼に、両親は交通事故で死んだと教えていたが、スパイサーこそが最初の生きた目撃者だったのだ。大人になり警官になったスパイサーのことを新聞記事で知った犯人は、しかし彼が自分の事件のことに触れないのに激怒し、ロサンジェルスに戻ってきたのだ。幼い頃に父親を失っているためにスパイサーに親近感を覚えていたモーガンは、自ら彼に認知面接を行い、26年前の事件の記憶をよみがえらせた。犯人が侵入した家の壁に残したメッセージは、スパイサーがそのとき犯人から語りかけられた言葉だったのだ。
■犯人との対決
スパイサーに認められたい犯人は、次に彼の家族を狙うに違いない。そう考えたモーガンとスパイサーは急ぎ、彼の娘エリーと妹クリスティンのもとに向かった。しかし時すでに遅く、エリーたちは犯人に連れ去られた後だった。そのとき、事件の影響から輪番停電をとりやめたロサンジェルスで、電力の供給不足による大停電が発生。携帯電話もつながらない、闇と混乱が街を襲っていた。モーガンは犯人は26年前の事件現場にいると推測。ホッチらと連絡がとれないまま、ふたりはサンタモニカに向かった。モーガンの分析の通り、そこでは犯人がエリーとクリスティンを人質に待ち構えており、モーガンは拘束されてしまう。「犯人は子どもを殺せない」縛られたモーガンは必死でスパイサーを説得するが、娘を人質にされたスパイサーは銃をおろして投降。犯人に至近距離から撃たれてしまう。そして犯人はエリーを連れ、モーガンの目の前から、姿を消した。

【格言】
「闇の中から現れし手が、自然を介して、人間を形作った」イギリスの詩人アルフレッド・テニスン卿(1809年8月6日-1892年10月6日)の言葉。引用は、親友の急死に衝撃を受けた彼が1932年から1949年にかけて、書き続けた長詩『イン・メモリアル』の124節の最後の部分だ。
【ゲストスター】
殺人鬼のビリーを演じているのはティム・カリー。ミュージカル『ロッキー・ホラー・ショー』のフランク役でメジャーに。地元警察の2人は、共にドラマでFBI捜査官を演じたことがあって、まず先輩捜査官カーツバード役は「プロファイラー/犯罪心理分析官」でVCTFのリーダーのベイリー・マローン捜査官を演じているロバート・デヴィ。マット・スペイサーの方は、「FBI 失踪者を追え」のマーチン・フィッツジェラルド役のエリック・クロース。
【冒頭のシーン】
アバンでかかる曲は、アメリカのシンガーソングライターのレナード・コーエンが1988年にリリースしたI'm Your Man。背景に流れる映像は、最初はニューヨークだがワールドトレードセンターのツィンタワーが映っている。その後セントルイス、グランドキャニオン、ネバダ州のリノ、サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジを渡り、LAにと犯行の時間と場所が多岐にわたることを示している。
【ナイトストーカー】
モーガンが「ナイトストーカーの再来か」とつぶやく「ナイトストーカー」というのは、「峡谷の侵入者」とも呼ばれたリチャード・ラミレスのこと。1984年から1985年にかけて、ロサンゼルス郊外の民家を襲撃し、暴行、レイプ、強盗などを働き、13人を殺害した。
【シーズン・ファイナル】
あいかわらずのクリフハンガーなシーズン・ファイナル。果たしてモーガンはエリーを無事に救い出すことができるのか、そして犯人の背景には何があるのか。今冬放送予定の第6シーズン第1話をお楽しみに!

2011.10. 4|エピソード・ガイド|コメント(6)トラックバック(0)

7月5日(火)S5#22『インターネットは永遠に』

22

■SNSにはまる人々
アイダホ州ボイジーで、1人暮らしの女性が3人失踪した。失踪の間隔は2ヶ月。犯行の手口はまったくわかっておらず、争った形跡も、被害者以外のDNAも発見されていないし、被害者の容姿にも共通点がなかった。ただ被害者は皆、ソーシャル・ネットワークのヘビー・ユーザーで、ネットに食事の内容からデートの場所まで全て記載していた。3人目の被害者ドリス・アーチャーの家は、警備システムのコードを解除されているうえに、番犬も行方不明になっている。犯人はこのSNSを利用して被害者を物色、家に入り込んで合い鍵を作成、幾度も下見をくり返し、万全の対策を組んで犯行に及んだのだ。また、いずれのケースでも、犯人が被害者になりすまし、「出張」や「旅に出る」とSNSに投稿したため、捜索願いの提出が2、3日遅れていた。
■盗撮
ドリスの家から隠しカメラを取りつけた痕が発見された。しかし、通常、盗撮魔は密かに覗くことに快感を覚えるのであって、暴力に発展することはない。この犯人の盗撮には、何か他の意味があるのではないか、そう考えたホッチは、ガルシアに映像がネットにアップされていないか調査を指示した。ガルシアは犯人がドリス・アーチャーの殺害をストリーミングしていたこと、そして犯行をリアルタイムで見ていた観客がいたこと。また、犯人は被害者の家のLANをハッキングして映像を配信していたことを突き止めた。ハッカーは成功したテクニックをくり返し使う。そう考えたガルシアは、使用されたプロキシサーバーのルートにアラームを仕掛け、犯人が再び犯行に及ぶときに備えた。
■犯人はナルシストだ
被害者の容姿に共通点がないと考えられていたが、リードは被害者の顔に同じタイプの歪みがあることを発見する。映像に映った犯人の様子から、彼はナルシストであり、自分と同じ顔の女性を殺すことで、情報が永遠に残るインターネットに、自らを刻もうとしている。そして犯人が遺体を持ち去るのも、自分自身への執着の表れであり、遺体は全て保存されていると、分析。BAUは被害者の顔から逆に、犯人の人相の予想図を作成した。それを発見映像からの分析としてマスコミに発表、SNSへの個人情報の書き込みと併せ注意を促した。しかし「犯人と被害者の顔が似ている」というプロファイルがリークされてしまい、ナルシストの犯人は自己愛が傷つけられて暴走。怒りにかられた犯人は白昼堂々とターゲットの家に侵入、その様子をネットに配信した。ガルシアは懸命に犯人へたどり着こうとするが、間に合わないと判断したホッチはこの映像を生で見ているチャットのメンバーの方の捕獲を指示する。
■犯人の本名は判明したが……
やがて被害者の身元が判明し、モーガンとプレンティスは現場に急行する。既に犯人の姿はなく、遺体も持ち去られていたが、怒りに駆られた犯人はひとつミスを犯していた。彼は回線速度を速めるために、被害者の家のDSLケーブルを光ファイバーに変更、そのケーブルを残していったのだ。犯人は光ファイバーのデモンストレーションを理由に、被害者の家に入り、PCに近づいたのだ。やがてケーブルのIDからそれを使用した電話会社が判明、ケーブルを不正に使用したためにクビになった人物がいたことがわかった。マック・ジョーンズという名前とIDは盗まれたものだったが、ガルシアは偽造IDの写真から、犯人の本名と身元をつきとめた。本名はロバート・ジョンソン。拷問ビデオの所持で3回逮捕され、厚生施設から失踪した人物だった。しかし、本名はわかっても、現在の彼に近づくことができない。そんななか、チャットの参加者に、彼が「今夜のがベストだ」とメッセージを伝えていたことが発覚する。
■ガルシア対ジョンソン
ガルシアは、チャット参加者と連絡をとったハンドルネームを手がかりに、彼が最近ハッキングした家を突き止めた。その中から独身女性の独居住まいをピックアップ。リードが顔写真を分析し、次の被害者はルーシー・マスターズであると予測、自宅に急行する。しかし一歩及ばず、ルーシーは既に誘拐された後だった。犯人は捜査陣に挑戦するかのように、ルーシー・マスターズの映像を配信してきた。その映像を分析したBAUは、画面に通気口のようなものと霜が映っていることに着目、彼女が監禁されているのは大型フリーザーの中だと判断する。チャットの参加者の中に、家電販売店を経営者がいた。彼がフリーザーのメンテナンスをしていたに違いない、そう考えたロッシは、男を脅し、所在地を聞き出した。映像が始まってから3分が経過。ガルシアは時間を稼ぐために犯人のPCに侵入し、配信を中断させた。犯人がそれに気づき激情したところに、モーガンとプレンティスが駆けつけ、ルーシーは間一髪のところを救助。他の被害者の遺体も発見された。

【格言】
「コミュニケーションにおける最大の問題は意志が伝わったと錯覚することだ」19世紀にイギリス近代演劇を確立させたアイルランド出身の劇作家、劇評家ジョージ・バーナード・ショー(1856年7月26日-1950年11月2日)の言葉。
「インターネットは人類が初めて作った、人智の及ばぬ代物だ。それは人類最大のアナーキーな実験なのだ」Google社CEOエリック・シュミット(1955年4月27日-)。サン・マイクロシステムズ社でJavaの開発とインターネット戦略を担当、後に執行役員となるその後、2001年8月Google社の最高経営責任者に着任。この4月には会長となることを発表した。
【ゲストスター】
チャップマン役は、「ミディアム 霊能者アリソン・デュボア」のジョーの会社の上司テリー・カヴァナーを演じたネッド・シュミッケ。
【ウォール】
被害者が母親に語った「それ先週ウォールに書いたわよ」というセリフ。このウォールというのは、書き込みや写真をはったりできるFacebookの基本ページのことだ。
【ナルシスト】
ナルシストという言葉は、リードが語ったようにギリシア神話に由来する。ナルキッソスはたいへん美しい青年で、ニンフのエコーは一目で彼のことが好きになった。ところがエコーは、女神に相手がくり返した言葉をくり返すことしかできないという呪いがかけられていたため、ナルキッソスとコミュニケーションがとれず、拒絶されてしまう。その後悲嘆にくれた彼女は、姿を失って木霊(エコー)になってしまった。ところがナルキッソスは、その冷酷な態度故に神の怒りを買い、水に映った自分の姿に恋するという呪いをかけられてしまう。水に映った自分の姿に見惚れ、毎日水を覗き込むが想いは通じず、やがて彼はスイセン(ナルキッソス)の花になってしまった、というのがそのエピソード。私たちは普段、うぬぼれの強い人を指して、軽い意味でこの言葉を使うことも多いが、リードが指摘している通り、本来はフロイトが使った心理学用語だ。
第6シーズン&スピンオフ放送決定!】
第6シーズン&スピンオフの「クリミナル・マインド 特命捜査班レッドセル」の放送が決定しました! 放送日程など詳細は公式ページでの発表をお待ちください。

2011.7. 5|エピソード・ガイド|コメント(23)トラックバック(0)

6月14日(火)S5#20『呪われたタトゥー』

20

■刺青による犯罪告白
フロリダ州タラハシーの緊急コールセンターに、「クロフォードヴィルの倉庫に死体がある」という男からの通報が入り、その直後、電話口で一発の銃声が響いたのだ。駆けつけた警察官が倉庫で見つけたのは、自らの頭を吹き飛ばした中年男性の自殺死体だった。その男の上半身には、名前と数字と女性の顔がいくつも刺青されていた。女性は全て失踪した女性で、年号は殺害もしくは発見された年。さらに倉庫の壁には、この十年の失踪事件の写真や新聞の切り抜きが貼り付けられており、被害者は刺青と呼応していた。ところが、3週間前に誘拐されたレベッカ・ダニエルズだけは、壁に写真があるものの、刺青がないため、捜査当局は、彼女が生存の可能性があると見て、急遽BAUに協力を要請した。
■犯人の告白
犯人は秩序型で脅迫的。犯行は10年前より始まり、1年に1人と周期は正確。男の様子から、殺人に手を染めたのは40歳をすぎてからと考えられた。遺体は人の立ち入る雑木林で発見され、死因は絞殺、繰り返しレイプされた痕跡があった。遺体発見場所の管轄が違うために、今まで連続事件だとは考えられていなかった。にもかかわらず、犯人は、警察を倉庫に呼び、自殺したのはなぜなのか。倉庫には、犯行の全てがある。壁の記事は一番古いものが10年前。左から右へ時間軸にそって並べられており、最後がレベッカ・ダニエルズ。さらに事件を克明に記した日記まで置かれていた。全てを揃えた大仰な告白は、犯人が何かを隠蔽するためのカモフラージュに違いない。リードが日記から、「我々」という主語が使われている箇所を発見。チームは、犯人は共犯者の存在を隠そうとしており、レベッカはその共犯者のもとに囚われていると考えた。
■刺青の男の身元
支配的な犯人が、従属的な共犯者を庇って自殺したような前例はなく、共犯者は何らかの大切な相手に違いない。ロッシとプレンティスは刺青を彫ったタトゥーアーティストの手がかりを求め、地元のアーティストに取材。刺青の中にひとつ稚拙なものが混じっており、それは刑務所で彫られた可能性があるとの情報を得た。ガルシアはその刺青を、服役囚の生体データベースに照合。刺青の色とデザインから割り出した名簿を、事件が始まった2000年以前に釈放された人物、倉庫を借りたボブという名前で絞り、91年にレイプ罪で服役、99年出所したロバート・マシュー・バークにたどり着いた。バークは登録性犯罪者で、さらにレベッカが誘拐された当日、彼女が通っていた大学の駐車場で駐車違反切符を切られていた。それを不審に思った担当刑事のバートンは、バークと電話で話をし、週明けにはDNAを提出してもらう手はずになっていたという。彼はこのバートン刑事の電話で、もう逃げられないと悟ったのだ。
■男じゃだめなの
日記の「最後のスペースを埋めれば作品が完成する」という記述に着目したリードは、検視局に出向き刺青を再検証。透明インクで書かれた刺青があり、空白だと思われた背中の一部に胎児の図柄が描かれているのを発見する。共犯者は妊娠している。バークと共犯者の出会いは刑務所に違いない。ガルシアは、バークの服役中に他の囚人に会いに来ていた女性で、バークの出所後はぱたりと来なくなった人物を検索。レイプ犯の父親に面会に来ていたジュリエット・モンローが、バークの服役中だけは月に1回の頻度で、刑務所に来ていたことが判明する。その頃レベッカが監禁されているジュリエットの家では、ジュリエットが産気づき、鎖につながれたレベッカが必死に出産を手伝っていた。ひどい出血を伴う出産で瀕死となったジュリエットは、しかし、生まれた赤ん坊が男の子だと知るや、我が子を胸に抱くことを拒否。「男じゃだめなの」「その子も私を苦しめるんだわ」そうつぶやくと、息をひきとった。ジュリエットに死なれ、脱出の道を失ったレベッカは、絶望から赤ん坊を抱きしめて泣き崩れた。そこにジュリエットの身元から、住居を割り出した捜査班が突入。レベッカも赤ん坊も無事に保護された。

【格言】
「誠実な芸術家は、作品そのものに命を与えようとする」オーストラリアの画家で彫刻家ウィリアムズ・ドーベル(1899年月24日-1970年5月13日)の言葉。
「私は親からの邪悪な影響に打ち克つ子供たちを何人も見てきた。それは魂が生来純粋なものである証だ」ガンジーの言葉。がシーズン1の17話、そしてシーズン2の19話、そしてシーズン4の23話と、ガンジーは4回目の登場。
【ゲストスター】
レベッカのことを心から心配し、事件解決の糸口を開いたバートン刑事。演じているのは、「ブレイキング・バッド」麻薬捜査官ハンク・シュレイダー役のディーン・ノリス。中盤、倉庫に犯人の遺体を取りに来てモーガンと話す妙に人目を引く検視局の職員は、グレッグ・ジェニングス。実はNFLのグリーンベイ・パッカーズの現役ワイドレシーバーだ。
【刺青の男】
宇宙や未来を題材にした短編を18本収録した、レイ・ブラッドベリの短編集。プロローグとエピローグに、全身に刺青を彫った男の短いエピソードが外挿され、全体をまとめている。その部分だけご紹介しておこう。徒歩旅行中の私は、ある日、ひとりの男に出会う。彼の全身には鮮やかな色彩でロケット、人間、泉などの刺青が施されていた。未来から来た女が彫ったというその刺青は、夜になると動き、物語を語り始める……。タトゥー・アーティストが言及する映画版は「動く標的」のジャック・スマイトが監督、刺青の男をロッド・スタイガーが演じている。映画は短編を3本だけセレクト、さらにオリジナルな解釈が加えられており、結末も異なる。しかし背中の空白が未来を映すという部分は、原作にも存在する。今回バークに赤い薔薇の刺青が施されているが、この刺青の男の掌にも、赤い薔薇の刺青がある。映画は日本では発売されていないが、小説の翻訳はハヤカワ文庫から刊行されているので、興味のある方はどうぞ。
【シリアルキラーの子供たち】
アルバート・フィッシュは“ブルックリンの吸血鬼”の異名を持つシリアルキラーで、15人の子供を誘拐し、拷問・レイプしたうえ、その肉を食べたと言われている。彼は1898年に結婚、6人の子供がいた。ゲイリー・リッジウェイは別名“グリーンリバー・キラー”。48人の女性をレイプしたうえ殺害した。3回結婚しており、子供もいる。フレデリックとローズのウエスト夫妻は、1964年ごろから若い女性を惨殺、遺体を自宅の庭などに埋めた。うち1人は2人の実子だった。
【アトランティック背徳のギャンブルツアー】
13話「リスキーゲーム」のエピローグ。飛行機の中で星のパズルを一瞬で組み立て、プレンティスを憮然とさせたリード。そのときロッシが「こんどポーカーをやってみろ(腹立つぞ)」と言っていたのですが、なんと、アトランティックの背徳のギャンブルツアーで鍛えたプレンティスが、ポーカーでリードを返り討ちに! 「背徳のギャンブルツアーってどういうの?」と質問するモーガンにも、「そういう質問をしなきゃいけないってことは、答えを聞いても自分の中で消化しきれないと思う」と余裕の返し。本当にプレンティスにはいっぱい裏の顔がありそう!

2011.6.14|エピソード・ガイド|コメント(4)トラックバック(0)

6月7日(火)S5#19『死を呼ぶ砂漠』

19

■麻薬カルテルと不法移民の町
不法移民と麻薬密輸業者の横行するテキサス州の国境の町テルリングア。この町の保安官事務所の前に、人間の生首が3つ置かれているのが見つかった。検視によると、1人は死後1日か2日。2人は死後2、3ヶ月で、埋められていたのを掘り起こして首を切断したものと見られた。メキシコで2009年の1年間で、麻薬カルテルの抗争によって切断された頭部が10個発見されてる。しかし麻薬取締局は、頭部の腐敗の状況から、今回の事件はそれとは別の事件と判断して、BAUを呼んだのだ。被害者は3人ともヒスパニックで、夜の闇に紛れて国境を越えてくる不法移民だと考えられた。テルリングア保安官事務所に到着したホッチらを待っていたのは、地元の麻薬王オマール・モラレスの逮捕に腹を立て、保安官事務所の前を占拠する彼の手下達だった。
■死の聖人サンタ・ムエルテ
テルリングアのルイス保安官は、かつてブルックリンの殺人課にいたという女性。着任早々、不法移民の行方不明事件の捜査に着手し、様々な軋轢を生んでいた。しかし彼女は、事務所前の生首は、自分に対する威嚇だが、オマールがやったことではない。逮捕は保安官助手のボイドらによる独断だと語った。オマールの尋問を委ねられたホッチは、彼に切断された頭部の写真を見せた。するとオマールは「俺なら腸を引き抜いて動物に食わし、左手は女房、目玉は母親、舌は子供に届ける」と主張。さらに「犯人は死の聖人サンタ・ムエルテ」だと語った。保安官はオマールを釈放するが、その翌朝、今度は保安官の自宅前に生首が置かれる。ホッチは犯行は明らかに、保安官への怨恨によるものだと考えた。
■プロファイル
「犯人はヒューマン・プレデターと呼ばれるハンター・タイプ。群れの中から、年配が身体のどこかが不自由な者を選び、一人になったところを襲う。被害者に砂漠を走らせ、衰弱させた上で仕留めることから、犯人も身体になんらかのハンデを抱えていると考えられる。支配に快感を求めるタイプで、犯人は保安官に関わったことのある者で、保安官が失踪移民の捜査をはじめたことも知っており、捜査状況に精通している人物だ」プロファイルの内容を受け、捜査陣は手始めに不法移民に詳しい人物――手配師のリチャード・コラルから調査を始め、彼から国境付近に移民の隠れ家が点在しているという情報を得る。保安官は、隠れ家は短期間で所在を変えるために突き止めることは困難だと言うが、「短期間で所在を変える」という点を逆手にとり、ガルシアが「前歴者の所有、または短期間の賃貸物件、光熱費の増減が短期間に急上昇する」という条件で検索、3件の住所を割り出した。現地に向かったモーガンとプレンティスは、斡旋業者に囚われている移民を発見。その中に病弱な夫と砂漠ではぐれたという母子がおり、その子供は、国境越えは夜だったのに「太陽を見た」と語った。
■太陽と死の聖人
翌朝、ルイス保安官が遺体で発見される。遺体は内蔵を抜き取り、手と舌を切り取られていた。それはオマール・モラレスが自分ならこうすると語った通りの姿だった。犯人は捜査に関わり、オマールの発言を聞いていた人物。ホッチの尋問をミラーグラス越しに見ていた、保安官助手のボイドに嫌疑がかかる。その頃ボイドは、同僚のジェントリーと共にオマールの逮捕に向かっていた。しかしボイドは逮捕ではなく、オマールの一味を片っ端から撃ち殺し、最後には目撃者のジェントリーも射殺した。BAUはジェントリーに警告しようと携帯に電話をするが、プレンティスの電話に出たのは、ボイドだった。ボイドの無線を追跡。彼の父親が事故死したゴールデン・ハーベストという穀物倉庫に向かっていることがわかる。穀物倉庫の扉には太陽が描かれていた。ホッチ、ロッシ、プレンティス、モーガンは倉庫の前で、バギーに乗ったボイドと撃ち合いの末、ボイドを射殺する。一方ボイドの家の前からは、死体を埋めたとおぼしき痕跡が多数発見された。

【格言】
「ライオンは空腹の時だけ狩をする。飢えが満たされれば獲物と平和に共存するのだ」チャック・ジョーンズ(1912年9月21日-2002年2月22日)の言葉。ジョーンズは、ワーナー・ブラザースで多くの短篇アニメを手がけたアニメーターで監督。「本当の幸せとは何か誤解している人が多い。それは自分の欲求を満たすことではなく、価値ある目的に忠実に取り組むことだ」ヘレン・ケラーの言葉。ブルックリンの殺人課からテキサスにやってきて、忠実に仕事に取り組み、殺されたルイス保安官。
もし彼女がいなければ、事件は表に出ることなく、移民たちは殺され続けていたに違いない。「ニューヨーク市警の誇りだ」そう呟く、元警官であるモーガンの、誇らしいけど、でも辛そうな表情が印象に残りました。ヘレン・ケラーの格言はシーズン2の5話、シーズン4の24話につづく3回目ですね。
【ゲストスター】
ボイド役は、「ロー&オーダー: 性犯罪特捜班」に準レギュラーで出演しているマイク・ドイル。 オマール役のカート・カセレスは「プリズン・ブレイク」でスクレの従兄弟のヘクターを演じている。
【ケリー・スタイナー】
1961年8月生まれ。別名ヨセミテ・キラー。弟が幼児性愛者に誘拐され7年間監禁された末に自力で帰還、マスコミに大々的に報じられたが、その後バイク事故で死亡。さらに叔父も殺人事件の被害者という家族環境で育ったケリー・スタイナー。1999年2月に勤務先のロッジで母娘と娘の友人の3人、7月にハイキング中の女性を殺害し、公園内に遺体を捨てた。死刑の判決を受け、現在は前回のエピソードに登場したサン・クェンティン刑務所に収監されている。
【ストロング・セイフティ】
飛び出してきた移民斡旋業者をラリアットでのしたモーガン。「やるね」とプレンティスに褒められて「大学でストロング・セイフティだった」と返答。プレンティスは意味がわからない様子だが、これはアメリカン・フットボールの用語。ディフェンスチームの最後尾のポジションで、ストロングというのは攻撃人数の多い側のことを指す。つまり強力な攻撃を阻止する最後のディフェンスがストロング・セイフティなのだ。仲間思いのモーガンにぴったりのポジションと思ったのですが、ちょっと待て。モーガンは、シーズン2の第12話「疑惑のプロファイラー」の中では、自分はクォーターバックだったと言っていたはず。ちなみに、クォーターバックは攻撃チームの司令塔でチームの花形的なポジションです。
【軽妙な会話】
シーズン5もいよいよ終盤。シリアスなストーリーもいいが、和気藹々としたチームの雰囲気も「クリミナル・マインド」の魅力であると再確認させてくれる、好エピソードが続きます。行きのジェット機の中。昨年1年間で捜査官が2人殺された無法地帯での捜査ということで、モーガンはサブマシンガンを準備。それを見て「そもそもサブマシンガンを携帯する権限はないと思うんだけど」というリードに、「お前はな」とホッチとモーガンがユニゾンで突っ込み。リードの射撃といえばS16話の「スナイパー」が思い起こされますね。最近の注目は、回を追うごとに意外な一面が出てくるプレンティスではないでしょうか。ボイドのトレーラーハウスで、嗅覚と味覚に関するリードとの掛け合い、結末近くのモーガンとの怒鳴り合いも、新たな魅力となっています。そして次回のエピソードではさらに意外な特技が披露されます。お楽しみに。

2011.6. 7|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

5月24日(火)S5#18『2つのBAU』

18

■殺人と誘拐
サンフランシスコの公園で、ホームレスの遺体が発見された。遺体は、激しく殴られた痕があり、後頭部に一発銃弾が撃ち込まれていた。「また始まった」現場を見た刑事はそう呟くと、FBIに協力を要請した。サンフランシスコに向かう前に、ホッチはやはりFBIのプロファイラーであり旧知の間柄のクーパーに呼び出された。クーパーによると、今回の事件はこれが初めてではない。2年前から毎年、同じ公園で、同じ日付に、3日連続で男の遺体が発見されている。そしてさらに、この連続殺人と平行して起きているもう一つの事件がある。毎回、連続殺人が止まった翌日、別の場所で父親と14~15歳でブルネットの娘の死体が発見されている。今回も、連続殺人の裏側で、一組の父娘が危険にさらされているというのだ。クーパーはストラウスにこのことを進言したが、捜査の許可はおりなかった。父娘に残された時間はあと3日。引き下がる気のないクーパーは、ホッチに合同捜査を持ちかけてきたのだ。
■殴り合う被害者
ホームレスの遺体には全身に内出血があり、暴行を受けているのは明らかだった。しかし、彼もまた拳に擦り傷があり、一方的に殴られていたわけではないことが判った。つまり被害者はストリートから掠われ、死ぬほど殴り合った末に処刑されているのだ。父娘殺人を担当するクーパーのチームは、行方不明の娘を手がかりに、誘拐されている父娘にたどりつこうとしていた。学校を休んでいる13歳から18歳の娘で、さらに父親も会社に出社していない者を抽出、こうしてベン・マクブライドと14歳の娘ジェーンにたどり着いた。マクブライド家に赴いたホッチとクーパーに、マクブライド夫人は、ふたりに昨日玄関に置かれていたというビデオを見せた。そこには、昨日公園で発見された男が撃ち殺される様子が写っていた。やがて同じ公園で、第2の遺体が発見された。現場に向かったプレンティスと、クーパー・チームのミックは、被害者の格闘の相手は第1の被害者だと推理。犯人は被害者同士を極限まで戦わせ、負けた方を処刑しているのだ。また、死体にはゴム製の銃弾によるみみず腫れが発見された。それは刑務所で暴動鎮圧に使われる手段だった。
■プロファイル
犯人は服役経験のある白人。年齢は30代。死体を遺棄した場所の選び方から見て、体格がいいか、身体を鍛えている。近隣住民に気づかれることなく複数の人間を監禁できる設備を持っている。毎回テンダーロイン地区で獲物を捕まえ、同じ公園に捨てている。支配欲が強く秩序的な人物だ。ブルネットの娘がいたが、自分が闘わなかったせいで娘を失う結果になっている。犯行日は娘に何かあった日付。犯人は激しい罪悪感から、自分自身の身代わりを選び、犯行に及んでいる――。プロファイルを受け、ロッシとプロフェットがサンクエンティン刑務所に、プレンティスとミックは犯人がホームレスの物色のために出没する可能性のあるテンダーロイン地区に、そしてモーガンとジーナはマクブライド家で手がかりを捜していた。ジーナは、心を閉ざしていたジェーンが、親が手に取れるような場所に日記を出しっぱなしにしていることに違和感を覚えた。彼女はカウンセリングに通っており、その一貫で日記を書かされていた。そのカウンセラーのいる場所がテンダーロイン地区だった。
■娘を失った父親
ジェーンが通っていたカウンセラーは福祉局の査定も引き受けていた。犯人は娘と引き離され、同じ施設に足を踏み入れた可能性がある。そう考えたクーパーは、ガルシアに福祉局の査定で養育権を失った男のリストを作るように指示。その名簿を事件の日付に死亡した少女のリストとクロス検索しようとしたとき、刑務所に出かけたプロフィットから電話が入った。刑務所に、娘が死んでから人が変わり、ボクシングを始め、「死ぬまでやろう」とケンカを売って歩いていた囚人がいたというのだ。その囚人の名前はジョン・ヴィンセント・ベル。妻と離婚、その後、妻が死亡した際に、娘を引き取ろうとしたが、保護者不的確と査定。娘を引き取りにきた福祉局の職員を殺害し、7年の刑に処された。さらに服役中に娘が交通事故にあい、生命維持装置に3日間つながれ、死亡した。彼は、誘拐した父親に、娘を守るための殴り合いをさせているのだ。父親なら誰でもそうする、という照明のために。
■追跡
ガルシアが、ベルが潰れたスポーツクラブを所有していることを発見。捜査陣が急行したところ、そこには傷だらけの父親ベンが一人残されていた。ベンは、娘のジェーンのために、ベルが命じるまま、見知らぬ相手と死闘を繰り返していた。このままでは父親が殺されてしまう――そう考えたジェーンは父親を守るために、ベルといっしょに行ってしまったのだ。二つのチームはベルの行方を追った。クーパーはヘリコプターで空から。ミックは狙撃手の目でビルの屋上から。ジーナ、モーガン、プレンティスは車で。クーパーは追い詰められた人間の習性で、屋上に出ると予測、ビルの屋上に出てきたベルとジェーンを発見する。屋上にかけつけたプレンティスたちの目の前で、追い詰められたベルはジェーンを放し、ビルから身を投げた。ジェーンを無事に保護、プレンティスはベルが飛び降りた場所を覗き込む。するとそこには庇があり、犯人は銃口をこちらに向けていた。危機一髪のプレンティスを救ったのは、向かい側のビルにいたミックの狙撃だった。

【格言】
「私はある逆説に気づきました。苦しくなるまで愛せば、苦しみは消え、さらなる愛だけが残るということに」マザー・テレサ(1910年8月26日-1997年9月5日)の言葉。
「見ることのできない目を開き、囚われ人たちを、牢獄の暗闇から救うために」プロフェットと服役時代に常に口にしていたというこの台詞は、旧約聖書のひとつ『イザヤ書』の42章に記された神の言葉だ。
【ゲストスター】
父親のベンは「サード・ウォッチ」のボスコ役のジェイソン・ワイルズ。なんと「クリミナル・マインド」には2回目の登場で、前回の「サイコドラマ」(S24話)では犯人役だったが、今回は娘のために戦う父親を演じている。娘のジェーンは、「ゾーイ101」でヒロインゾーイのルームメイトを演じたアレクサ・ニコラス。犯人のビンセント・ベルは、「ベイ・ウォッチ」に出演していたジェイソン・ブルックスだ。
【サン・クエンティン刑務所】
サンフランシスコの北部に位置する州立刑務所で死刑囚も収監している。1852年に設立された、州内でもっとも古い刑務所である。過去にはサクラメントの吸血男リチャード・チェイス(獄中死)、チャールズ・マンソン(現在は州立コーコラン刑務所に移送)などが、現在も“デートゲームキラー”ロドニー・ジェイムズ・アルカラ、ローレンス・ビッテイカー、“遊歩道殺人鬼”デヴィッド・カーペンター、“ナイトストーカー”リチャード・ラミレスらが収監されている。
【もうひとつのBAU】
クーパー率いるBAUは、2011年2月16日より放送開始したスピンオフCriminal Minds: Suspect Behavior(原題)のチームだ。スピンオフ放送に先駆けて作られたのが、今回のエピソードだ。現在アメリカ本国では水曜の夜9時から「クリミナル・マインド」10時からCriminal Minds: Suspect Behavior(原題)が続けて放送されている。冷静な分析が売り物のホッチのチームとは、性格の異なるもうひとつのBAU。型破りなメンバーを紹介しておこう。
■サム・クーパー
チームリーダーは。自由な発想からもうひとつのチームを作ったベテランプロファイラー。武術の達人。演じるフォレスト・ウィテッカーは、『ラスト・キング・オブ・スコットランド』でアミン大統領を演じ強烈な個性を放ち、アカデミー賞を受賞した。
■ジーナ・ラサール
軍人の父親を持ち、士官学校に進むが、FBIに入局。演じるボー・ガレットは『トロン:レガシー』でジェム役で注目された。
■ミック・ローソン
英国特殊部隊あがりの捜査官、狙撃手。マット・ライアンは役柄と同じ英国出身。ロンドンとブロードウェイで上演されたジュード・ロー主演の『ハムレット』で、ハムレットの親友のホレイショーを演じた。
■ジョン・プロフェット(預言者)・シムズ
現在仮採用中のFBI特別捜査官で、サン・クエンティン刑務所に6年と3ヶ月と4日服役した元囚人。演じるマイケル・ケリーは「特捜チームレベル9」や「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」などに出演している。
【ガルシアがスピンオフシリーズにも登場】
なんとガルシアはこのもうひとつのチームにも分析官として協力。毎回登場しているらしい。今回はサム・クーパーとちょっと言葉を交わしただけだけど、他のメンバーとの絡みも楽しみですね。また今回は登場していないが、熱くなりがちなチームの抑え役で、ジャニーン・ギャロファロー(『24 -TWENTY FOUR-』第7シーズンでクロエと犬猿の仲のジャニス・ゴールドを演じていた)も出演している。

2011.5.25|エピソード・ガイド|コメント(15)トラックバック(0)

5月17日(火)S5#17『寂しい王様』

17

■ハイウェイ・シリアル・キラー
ニューメキシコ州エッジウッドのハイウェイ沿いで、バテンダーのタニヤ・ヒルの死体が発見された。半年前から40号線と25号線では、女性の遺体が遺棄される事件が相次いでおり、タニヤが5人目の被害者だった。被害者は全員首を絞めて殺されており、レイプの痕跡はない。居住地域、掠われた場所はまちまちで、その範囲は150キロ以上もあった。遺体からは、同一人物の皮膚が発見されており、さらに被害者全員の爪から、金属の削りカスが発見されていた。今回の事件は地元警察やFBIからの依頼ではなく、ハイウェイ・シリアルキラー・データーベースから、BAUが独自に発見した連続殺人事件だった。リードは遺体投棄場所の地理的プロファイルから、犯人の安全圏がエッジウッドであると断定。また犯行ペースから考え、すぐにつぎの死体が見つかると考えたチームは、エッジウッドへと飛んだ。
■犯人はトラックの運転手だ
検視によって、タニヤからディーゼル燃料、また被害者全員からテーブルシュガーが検出されていることが判明する。地元警察のサンダースは、トラック運転手が、手や服についた燃料を落とすのに砂糖を使うと指摘。BAUは犯人をトラック運転手に絞り込んだ。予期した通り、その夜、新たな事件が発生した。高校生の娘を持つ母親ナンシー・キャンベルが、ハイウェイ沿いのサービスエリアから誘拐されたのだ。しかし、ナンシーは中年女性であり、これまでの20代の被害者像とは大きく食い違っていた。さらに犯行場所も、これまでの衆人環視の中とは異なり、夜の人気のないサービスエリアだ。モーガンは、犯人がここに、死体を遺棄しにきたのではないかと推測。その予想は的中し、森で6人目の被害者の遺体が発見された。さらにガルシアが、4件の余罪を発見、被害者は10人となった。
■プロファイル
犯人は最初は娼婦を殺した。しかしやがて狙いやすい女性から社交的で温かい女性、つまり妻にふさわしい女性へとターゲットを変えた。しかしそれでも、彼の求める条件は満たされず、12時間から24時間では殺害している。そして殺害までの時間は短くなる一方だった。ところがナンシー・キャンベルの遺体はいまだ発見されていない。ホッチは、ナンシーはこれまでの被害者と全くタイプ異なるがために、生かされているのではないか。彼は、妻ではなく、母親を捜しているのだと分析。犯人が必ずエッジウッドに戻るのは、ここに子供が暮らしているからに違いない。ガルシアは、エッジウッドに出入するトラックドライバーから、時間を自由に使えるフリーの運転手で、最初の犯行から数ヶ月前に離婚をしたり、養育権を争っている者に絞り込み、ウェイド・ハチェットという人物にたどり着く。ウェイドの妻は火災で亡くなっており、さらに保護者不的確として7歳の娘ジョディは里親に預けられていた。
■物語の終わり
そのとき、40号線脇で女性の遺体発見の一報が入った。しかしそれはナンシーではなかった。またその遺棄の仕方には、これまでに見られなかった恨みが混じっていた。やがてその遺体が、ジョディ・ハチェットの里親リン・クレモンズのものであること、そしてジョディには養子縁組の話が進んでいたことが判明する。ウェイドはジョディを手元に引き取るために、彼女の母親を捜していたのだ。彼は、娘を取り返しに来る。そう考えたチームは、クレモンズ家に急行する。ジョディの部屋には、父親の話をもとにジョディが描いた絵が何枚も飾られていた。それは寂しい王様が、お妃様をつれてこようとするが、果たせないというおとぎ話だった。やがて、ジョディと捜査陣が待つ家にウェイドが現れた。BAUはジョディに、王妃さまを解放するようにと、父親に呼びかけさせる。ウェイドはそれに応えてナンシーを解放した後、銃で自らの命を絶った。

【格言】
「人は皆、皮膚という独房に、障害閉じ込められた囚人だ」アメリカの劇作家テネシー・ウィリアムズ(1911年3月26日-1983年2月25日)の戯曲『地獄のオルフェウス』の一節。『地獄のオルフェウス』は、アメリカ南部の小さな町に、若い男が流れ着くところから始まる。彼は、雑貨屋の女主人と関係を持ち、それが町の平穏をかき乱し、やがて人々の心に潜む暴力性が顕わになっていく。引用は2幕1場、流れ者のヴァルが雑貨屋の女主人に向かって語った台詞だ。この『地獄のオルフェウス』は、1960年に『蛇皮の服を着た男』というタイトルで映画化された。監督は『十二人の怒れる男』で知られるシドニー・ルメット、主演はマーロン・ブラン。ウィリアムズ自身が脚本に加わっている。
「家庭は無情な世界の安息の地」アメリカの歴史学者で社会批評家クリストファー・ラッシュ(1932年6月1日-1994年2月14日)の言葉。1977年に上梓した本のタイトルにもなっている。
【ゲストスター】
ナンシー・キャンベルを演じているのは、「ビバリーヒルズ高校白書」「ビバリーヒルズ青春白書」のアンドレア役でお馴染みのガブリエラ・カーテリス。髪の色が変わってるが、あの口元の表情は昔のまま。「私も元高校生よ」という母娘の会話に思わずニヤリとした人も多いのでは? サンダース保安官役のオッバ・ババタントは、「ドーソンズ・クリーク」の校長先生。ジョディ・ハチェットを演じているのは4歳から子役でTVや映画に出演しているモーガン・リリー。エメリッヒ監督の映画『2012』で売れないSF作家でリムジン運転手のジャクソン(ジョン・キューザック)の娘リリーを演じていた。
【BGM】
タニヤが働くバーでかかっている音楽はジョニー・キャッシュの"Solitary Man"。ニール・ダイアモンドの1966年のヒット曲のカバーで、このエピソードの原題にもなっている。
【ヘルズ・エンジェルス】
1948年にカリフォルニア州フォンタナで結成されたバイカー組織。世界中の22カ国に189の支部を持ち、およそ2,000人のメンバーが所属している。非合法活動に関わっており、「バイクに乗ったギャング集団」とも呼ばれる。

2011.5.17|エピソード・ガイド|コメント(1)トラックバック(0)

5月10日(火)S5#16『母の祈り』

16

■子供が消えた!
ヴァージニア州アッシュバーン。家族連れで賑わう冬祭りの会場で、隣にいた母親が周囲に気を取られたほんの一瞬の隙に、8歳のエイミー・リンチが掠われた。事件の捜査にあたっているBAUを、ひとりの女性が訪ねてきた。彼女の名前はサラ・ヒルリッジ。8年前に息子のチャーリーが誘拐されたが、生存を信じており、同じ年頃の子供が掠われるたびに、同一犯ではないかと考えてBAUにやってくるのだった。悲しみから酒を飲むようになり、家庭も崩壊させてしまったサラ。いつものことと、当初は取り合わなかったJJだが、やがてエイミーの誘拐の状況が、チャーリーの事件に酷似していることに気づいた。二人とも、人が多く、警備がゆるやかな環境で、母親が子供を捜す女性の声に気をとられた隙に誘拐されているのだ。やはり最初は懐疑的だったチームも、JJの分析に納得、過去10年の類似事件を洗いはじめる。
■なぜ希望を持ち続けることができたのか
やがてサラの独自の情報収集と、ガルシアの調査から、この10年、誘拐され、遺体の発見されていない子供たちが12人もいることがわかった。BAUは12組の家族を呼び、誘拐されたときの状況を再聴取する。するとやはり、子供を捜す女がいて注意をそらされていたことが判明した。子供を掠われた家族たちは被害者の会を作っていたが、ほとんどが脱会し、サラだけがチャーリーの生存を信じて捜しつづけていた。なぜサラはチャーリーの生存を信じ続けていられたのか。やがてサラの口から、驚くべき理由が語られた。実は、サラは3年前にチャーリーの姿を目撃していたのだ。それまでも何度もチャーリーの姿を夢に見ていたが、その姿は誘拐された8歳のままだった。ところがその日、道の向こう側にたっていたチャーリーは成長した姿で、名前を呼ばれて一瞬振り向き、そのまま姿を消したというのだ。
■児童福祉局が訪問した家庭を捜せ
サラの証言から成長したチャーリーの似顔絵を作成。それを見たエイミーの母親は、娘の誘拐現場にチャーリーがいたと証言する。チャーリーは生きていたのだ! チャーリーはストックホルム症候群に陥るか、脅されるかして、犯罪に荷担しているのだ。しかし、大勢の子供をおとなしくさせておくのは容易ではない。犯人は周りに民家のない場所に暮らしているが、それでもなおかつ、トラブルを起こし、警察に通報されたことがあるに違いない。ガルシアは「北ヴァージニア」「通報により福祉局の訪問を受けた家庭」「夫婦のどちらかは子供の世話をしているので単一収入家庭」で検索、容疑者を23件に絞り込んだ。その一軒一軒を訪問調査することとなり、モーガンとプレンティスはモズリーレーンに住むロイスウッド夫妻を訪ねた。
■モーズリーレーンの家
ロイスウッド家は、妻のアニタと子供たちは留守で、夫のロジャーだけが在宅していた。家のロケーションはプロファイル通りで、さらに部屋に飾られてた家族写真にチャーリーの似顔絵そっくりの少年が写っていた。プレンティスの連絡を受け、ホッチらが警察犬を連れてモズリーレーンに駆けつけ、隠し部屋や子供たちの写真が発見された。やがてガルシアの調査でアニタの実家が葬儀社を営んでおり、火葬施設も持っていることが判明。彼らは言うことをきかない子供を殺し、火葬にしてきたのだ。その頃アニタは、チャーリー、エイミー、メイの3人を連れて火葬場にいた。そしてアニタが嫌がるメイをとらえ、火葬にしようとしたとき、チャリーがアニタが隠していた銃を取り出して、アニタを撃った。そこにモーガンとプレンティスが到着。子供たちを保護したとの一報がモズリーレーンに届いたときには、ロジャーはバスルームで首を吊って死んでいた。

【格言】
「希望は最悪の災いだ苦しみを長引かせるのだから」ドイツの哲学者フリードリッヒ・ニーチェ(1844年10月15日-1900年8月25日)の著書、人間的な、あまりに人間的な ―― 自由精神のための書』の一節。
「希望は心の中の枝で羽を休める小鳥 言葉のない調べをさえずり 決して休むことがない」アメリカの詩人、エミリー・ディッキンソン(1830.12.10-1886.5.15)の言葉。エミリー・ディキンソンは今シーズン第2話『閉ざされた記憶』につづいての引用。希望を鳥に喩えた詩で、1861年の作品。この後、嵐の中でも、冷え切った土地でも、果ての海でも、鳥は歌い続けるという意味の節ががつづく。
チャーリーが生きているかもしれないという希望を捨てなかったサラは、10年目についに奇跡を起こしたが、その一方で、希望に苦しめられ酒におぼれて家庭を崩壊させてしまった。さらにスティーヴンの両親は、一度は諦めたにもかかわらず、ひょっとしたら息子が生きてるかもしれないという希望を抱く。しかしスティーヴンは戻ってはこず、さらにチャーリーから、彼が1日前まで生きていたことを知らされ、悲しみの底に突き落とされることとなる。希望は心の支えとなるが、同時に、とても残酷なものにもなるのだ。
【ゲストスター】
サラ役はアン・キューザック。俳優一家の長女で、1992年に映画『プリティー・リーグ』でデビュー。「プライベート・プラクティス」(第3シーズン)や、「ザ・ユニット」(シーズン4)など様々なドラマゲスト出演している。息子のチャーリーは「22世紀ファミリー~フィルにおまかせ」のセス、映画『キックアス』のトッドのエヴァン・ピーターズ。誘拐犯のロジャーを演じているのはバッド・コート。ハル・アシュビー監督の1971年公開のカルト映画『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』で79歳の女性モードに恋心を抱く19歳のハロルドを演じて高い評価を受けた。アニタは映画『レインマン』をはじめ「ジェリコ」など様々なドラマに出演しているベス・グラント。エイミーの母親は「グレイズ・アナトミー 恋の解剖学」の外科医師エリカ・ハンを演じているブルック・スミス。
【マシュー・グレイ・ギュブラー初監督作品!】
今回のエピソード、監督を務めたのは、リード役のマシュー・グレイ・ギュブラー。学生時代には映画製作を学んでいたマシュー。監督は自ら志願し、やるなら異常な作品がいいということで、このエピソードを選んだ。来日したときのインタビューで、スタッフもキャストも気心がしれているし、優秀なので苦労はしなかったが、自分自身が登場する場面を演出するのが難しかったと語っていた。「これからは毎シーズン1本はやってきたい」といっていたが、なんと第6シーズンでも、とあるメンバーの運命に関わる重要なエピソードでメガホンをとったらしい。
【BGM】
誘拐されたエイミーがスティーヴンと会話する前のシーンと、アニタがそのスティーヴンを鼻歌を歌いながら火葬にするシーンの背景、モーズリー・レーンの家の背景で流れるオルゴールのようなメロディーは、英国出身の電子音楽Tipper の Illabye。2003年に出たSurroundedというアルバムに収録されている。アニタの鼻歌の方は、マザーグースの子守歌ハッシュ・リトル・ベイビー。終盤、火葬場でチャーリーがアニタを撃つシーンで流れる曲の方は、 スウェーデンのバンドFredrikのOmbergという曲。セカンド・アルバムTrilogiに収録されている。

2011.5.10|エピソード・ガイド|コメント(6)トラックバック(0)

5月3日(火)S5#15『民衆の敵』

15

■教会で起きた殺人事件
ロードアイランド州プロヴィデンスで、イラクから帰還したばかりのポール・コリンズ大尉が、ナイフで喉を切られて殺された。教会での礼拝中、妻子の目の前でのことだった。プロヴィデンスでは、公共の場所で、ナイフで喉を切られる殺人事件が、相次いで3件発生していた。3件とも被害者のタイプもばらばらなら、殺害場所もレストランの男子トイレ、コンランドリー、教会と異なる。しかも犯行が加速しているため、誰もが被害者になる可能性がある。そう考えたBAUはすぐに現地にとんだ。当初BAUはスプリーキラーの犯行と考えていたが、コリンズの妻メグから犯行の状況を聞いたモーガンは、この犯人は行動は慎重で、破綻していないことに気づいた。また、現場検証に赴いたロッシは、犯行現場がいずれも、プロヴィデンスの歴史が刻まれた公共の場所であることに気づいた。犯人はスプリーキラーではなかったのだ。
■放火犯型連続殺人
「この犯人は殺人からではなく、世間の注目を集めることで快感を覚える〝放火犯型〟の連続殺人鬼だ。殺す相手は誰でもよく、人気のあるレストランや、祈りの場で殺すことの方が重要。知名度の高い場所で殺すことにより、最大限の恐怖を生み、犯人はそのことで力を実感するタイプだ。犯行を楽しんでいるので、インターバルは短く、足取りを隠そうともしていない。しかし、何らかの障害で欲望が満たせなかったり、自己陶酔を壊されると凶暴化する可能性もある。犯人は常に犯行場所を物色して歩き、さらに過去の犯行場所にも現れる」BAUが警察署で犯人のプロファイルを発表していたまさにそのとき、ファーマーズマーケットで第4の殺人事件が発生した。
■犯人は警察が見える場所にいる!
殺されたのは花屋の主人。目撃者の証言から、犯人がまだ現場にいるものと考え、警備を強化したが、犯人は警官を殺害して現場から逃走してしまった。BAUは、この犯行はあくまでもイレギュラなものであり、犯人の満足には結びつかない。犯人は再び注目を集めるために、ターゲットを捜していると考えた。ところが意外なことに、それから半日が経過しても、犯人に動きがなかった。犯人は警察の嘆きが聞こえる場所にいて、それに快感を覚えているのだ。そこでモアランド刑事の協力を得て、警察官のたまり場をリストアップした。ガルシアが従業員リストを、「25歳から30歳の白人」、「青少年犯罪、軽犯罪、学校の落第者」で絞り込んだ結果、コナー・オブライエンという名前が浮上する。コナーの父親は、母親の住むアパートを放火して保険金をだまし取って服役。当時10歳だったコナーの証言から終身刑の判決が出たが、1ヶ月前に減刑。これが犯行の引き金となったのだ。
■罠
コナーの勤務場所は警察の向かいのカフェだった。BAUが到着したときは既に遅く、コナーは店を出た後だった。店には警官殺しに怒りを募らせる同僚たちが集まり、警備の強化を指示したBAUや、犯人のことをこきおろしており、コナーはその言葉に腹をたてて、次の犯行に向かったのだ。5件目現場は図書館で、幼い子供を持つ母親が殺害された。BAUはこの母親の死を伏せ、失敗したと思わせて公共の場におびき寄せる作戦にでる。自分と同じ母親が狙われたことにショックを受けたメグが、BAUに協力。TVカメラの前で、「重傷を負った彼女のために、病院前でキャンドルを灯す集会を行う」と話した。犯人は注目が事件から被害者に移ったこと、犯行が完全ではなかったことに腹をたてて、集会場所に現れる。――BAUの予想は見事に的中し、病院の前でコナーは逮捕された。

【格言】
「どんな英雄からも悲劇を書いて見せよう」アメリカの作家F・スコット・フィッツジェラルド(1896年9月24日-1940年12月21日)の言葉。ロストジェネレーションを代表する作家のひとりで、代表作に『グレート・ギャツビー』『ジャズ・エイジの物語』などがある。
「父親が息子に与えるときはふたりとも笑顔、息子が父親に与えるときはふたりとも泣き顔」イギリスの劇作家ウィリアム・シェイクスピア(1564年-1616年)の言葉。今シーズンの4話「破壊者の群れ」につづくシェイクスピアからの引用です。確かにシェイクスピアの言葉としてこれを掲載している格言集もあるのですが、シェイクスピア戯曲を全文検索してもこの引用句の元が発見できませんでした。シェイクスピアなら全文がネット上にあるし、調べるツールもいろいろあるんで楽勝! と思ったのに……。
【ゲストスター】
夫を殺されながら気丈にふるまう妻のメグ役は、「24 シーズン7」の大統領の娘オリビア・テイラー、「シックス・フィート・アンダー」のアニタ・ミラーなどを演じたスプレッグ・グレイデン。地元警察のモアランド刑事を演じるのは「24 シーズン8」の国土安全保障長官ティム・ウッズ役のフランク・ジョン・ヒューズだ。
【ジョージ・ヘナードとジェームズ・ヒューバティ】
リードが名前をあげたふたりは、共に飲食店で無差別大量殺人を行ったスプリーキラー。ジェームズ・ヒューバティは1984年7月18日、カリフォルニア州サン・イシドロノマクドナルドでショットガンとサブマシンガンを銃を乱射。21名を殺害した後、自らも命を絶った。ジョージ・ヘナードは1991年10月16日、テキサス州キリーンのカフェにピックアップ・トラックで突っ込み、やはり店内で銃を乱射。23人を殺害したのち自殺している。
【初聖体拝領】
子供が始めて聖体拝領式に参加する日のこと。キリストの体とキリストの血に見立てた、パン(聖餅)とワインをはじめて口にする初聖体拝領の儀式は、カトリックの家庭では大切なイベント。7歳くらいで迎え、男の子は黒いスーツ、女の子は白いドレスと、まるで結婚式のような姿で臨む。帰りの専用ジェットの中でみんなが書いていたのは、ソフィーへのお祝いのカード。儀式のあとには、お小遣いがもらえる、という習慣もあるらしく、カードには500ドルの小切手が同封されていた。小切手のサインの主はもちろんデヴィッド・ロッシだ。
【次回はついに!】
次回の「母の祈り」は、マシュー・グレイ・ギュブラー初監督作品。子供の無事を信じつづける母の祈りが、12件に及ぶ児童連続誘拐事件を解決へと導く! 監督をやるなら、異常な作品がいいとマシュー・グレイ・ギュブラー本人が選んだエピソードです。お楽しみに。

2011.5. 3|エピソード・ガイド|コメント(0)トラックバック(0)

4月19日(火)S5#13『リスキーゲーム』

13

■自殺かそれとも……
ワイオミング州ウインタ郡エヴァンストンで5日前の金曜日に高校生のトリッシュとライアンが自室で首をつって死んだ。その前の金曜にも郡内でふたりの高校生が首をつって死んでいるが、どの高校生もドラッグやアルコールや抗鬱剤の服用も、逮捕歴もない。
ごく普通の4人の高校生が、なんら予兆もなく、示し合わせたかのように金曜の夜に首吊り自殺をするのは不自然ではないか。JJの主張を受け、チームはガルシアも伴い、エヴァンストンに向かった。先週自殺したトリッシュもライアンも、スポーツや学業に前向きで、私生活も充実していた。両親の話からも、部屋の様子からも、自殺する理由があるようには見えなかった。両親から預かったトリッシュのPCに入ったガルシアは、履歴から、彼女が死ぬ前に「窒息ゲーム」のサイトにアクセスしていたことを突き止めた。そしてライアンもまた、自分のポータブルゲーム機を使って、同じサイトにアクセスしていた。
■窒息ゲーム
「窒息ゲーム」とはハイスクールなどで広まっている危険な遊びで、頸動脈を締めて恍惚感を味わうというものだ。しかもこのサイトでは、首を絞める長さを競う学校対抗のコンテストを開催しており、首を吊っている様子をウェブカムでネットにアップロード
するように煽っていた。相次ぐ死は自殺ではなく、このゲームが原因だったのだ。BAUは、「事件を起こしたのはティーンエイジャー。一匹狼で、内省的で自己評価が低く、他人との交流はネット上のみに限られる人物」というプロファイルを警察で発表。
同時に保護者に向けて、「窒息ゲーム」の危険性を保護者と高校生に向けても説明した。ところが高校でのレクチャーの最中、ひとりの生徒が教室から逃走。モーガンによって取り押さえられたその少年は、黒ずくめのゴシック・ファンションで身を固め、首に
巻いたチョーカーで首を絞めた痣を隠していた。少年の名はクリストファー・サマーズ。2年前に母親を亡くし、それから2回も転校しているために友人もいない一匹狼だった。
■ガルシアによる尋問
クリストファーのPCを調べたガルシアは彼のスキルを賞賛する。その様子を見たホッチは、クリストファーもガルシアになら心を開くかもしれないと考え、彼女に尋問を任せた。ガルシアは異例の仕事に戸惑いながらも、自分も両親を亡くした寂しさからネットにはまったことを話し、クリストファーと打ち解けていく。ところが父親で消防局員のウィル・サマーズが、弁護士を雇ったために、対話を打ち切らざるをえなくなってしまった。去り際にクリストファーはガルシアに「本当はママが恋しい」と胸の内を吐露し、彼女の手の中にイヤリングをそっと落とした。やがて日付が変わり金曜になったとたんに、ゲーム参加者のウェブカムの映像が届きはじめたために、ガルシアは「窒息ゲーム」サイトのサーバーを切断することで、さらなる被害を食い止めようとする。
しかし、サイトへ投稿された文章を見たリードは、このサイトを管理者はティーンエイジャーと大人のふたり、つまりクリストファーの背後に彼を操っている大人がいると分析する。さらに一家の医療記録を調べた結果、母親は幾度も原因不明の体調不良でERに運びこまれていること、記録にはないがクリストファーも何度も心肺蘇生を受けた形跡があることが見つかった。
■真犯人
クリストファーの父親、ウィル・サマーズの職業は救命士だった。代理ミュンヒハウゼン症候群を抱えるウィルは、妻と息子を傷つけては、それを自分で蘇生してきた。そしてさらに病状が悪化し、勤務日に「窒息ゲーム」を開催し、その様子をネットで鑑賞、さらに現場に駆けつけて自分の手で救助しようとしていたのだ。捜査陣はサマーズ家に駆けつけるがそこは空で、トリッシュらの映像をダウンロードしたディスクが残されていた。記念品を家に置いたままのウィルは、どこかからネットに接続して映像を再ダウンロードし、その後、真相を知るクリストファーを殺害して証拠を隠滅するに違いない。また、父親が自分を殺すことも承知の上で全てを終わらせようとしているクリストファーは、死ぬ場所として母親が眠る墓地を選ぶと推測。BAUの予想は見事的中。ウィルを逮捕し、クリストファーを無事に保護した。

【格言】
「人生はゲーム、楽しみなさい。人生は宝、大切になさい」マザー・テレサ(1910年8月26日-1997年9月5日)の言葉。
「経験は残酷な教師だが、人を大きく成長させてくれる」C・S・ルイス(1898年11月29日-1963年11月22日)の言葉。ルイスは『ナルニア国物語』で有名な英国のファンタジー作家。この言葉は、ルイスとその妻で詩人のジョイ・グレシャムの出会いから死別までを綴った映画『永遠の愛に生きて』の中でルイスが語った台詞。ジョイの死を綴った『悲しみをみつめて』の中にある文章ではないかと疑っているのだが、見つけられなかった(すみません)。ちなみに映画『永遠の愛に生きて』でルイスを演じ、この台詞を口にしたのはアンソニー・ホプキンスだ。
【ゲストスター】
クリストファーを演じたマイケル・ボルテン(マイケル・クリストファー・ボルテン)は1991年7月27日生まれ。「FBI失踪者を追え」などにもゲスト出演している。オフィシャルサイトはこちら。保安官は「ジェリコ閉ざされた街」のメアリー・ベイリー役などでも知られるクレア・ケアリー。
【代理ミュンヒハウゼン症候群】
ホッチが語る「母親は代理ミュンヒハウゼン症候群の被害者だ」という耳慣れない言葉。これは、精神疾患のひとつで、周囲の関心を引くために、自分の近親者を傷病者に仕立て上げることを指す。自傷行為にはしるのがミュンヒハウゼン症候群で、他人を傷つけるのが代理ミュンヒハウゼン症候群。近年、児童虐待や家庭内暴力で大きな問題になっている。ミュンヒハウゼンとは、小説『ほら吹き男爵の冒険』のモデルにもなったドイツ貴族の名前だ。
【星のパズル】
帰りの飛行機の中でプレンティスが持っているパズルはSTAR PUZZLE。六本の組木で構成される有名なパズルだ。流れ星の欠片を集める伝説はインドの農夫が主人公だったり、さまざまなバリエーションがある。
【悲しみをみつめて】
冒頭、保安官から相談の電話を受け、小さなペンダントを取り出して首にかけたJJ。実はこのペンダントはJJが11歳のときに、自殺した姉からもらったもの。JJの姉はある日そのペンダントをJJに渡し「何があっても大好きだ」と告げ、その後、自殺したのだった。「今も毎日思い出す。でも楽になっていくんですよ。身近な人を亡くすのは本当につらいけど、いつかその人を想って笑顔になれる日が来ます」悲しみを乗り越えてきたJJがホッチにそう語りかけ、そこに最愛の妻を失ったC・S・ルイスの格言が流れる。とっても素敵なエピローグでした。
【応援メッセージ】
「クリミナルマインド」のキャストから、日本への応援メッセージが届いています。他にも「CSI」の3シリーズ、「ミディアム」のキャストなど世界中からのメッセージをぜひご覧ください。※「クリミナルマインド」のメッセージの最後に登場する人物については今はコメントしないでくださいね。

2011.4.19|エピソード・ガイド|コメント(8)トラックバック(0)

4月12日(火)S5#12『人形の館』

12

■美しい死体
アトランティックシティで立て続けに二人の女性の遺体が発見された。一人目は公園で発見されたステイシア・ジャクソン。二人目は遊園地のメリーゴーランドに乗せられていたリタ・スチュワート。ステイシアは黒人で弁護士。リタは金髪でウエートレス。二人とも小柄だという以外に、被害者に共通点はない。レイプも暴力の痕跡もないが、脳から筋肉への信号を遮断する薬物が検出された。失踪した2ヶ月前から、意識があるが身体が動かせない状態で監禁されていたと見られる。点滴で栄養を与えられていたが、ステイシアは脳内出血、リタは脳卒中で死亡した。また、遺体はきれいで、爪にはネイルがほどこされ、まるで被害者のためにあつらえたようにフィットしたシフォンのクラシカルなドレスを着せられていた。被害者が小柄であることとその扱い方から、BAUは犯人は女性である可能性が高いと判断する。
■被害者の共通点は……
遊園地に足を運んだロッシとホッチは、犯人はワゴン車かSUV車と車椅子を使って遺体を運んだと推測する。一方検死官に会ったリードは、被害者が女性ひとりでも充分に抱きかかえて運べるくらい華奢なこと、被害者はショックから髪が抜け、死亡する前に付け毛がつけられていたなどの情報を得た。また被害者の家族によると、二人とも服を買うのが好きで、小柄なためにサイズ直しに出していたという。ブティックもリフォーム店も重複しないが、下請けが同じ可能性がある。他にも拉致されている被害者がいないか調査していたガルシアは、ステイシアとリタの遺体が発見された前の日に失踪した、小柄な女性が二人いることを発見する。なんと二人はステイシアとリタにそっくりのタイプの女性だった。犯人は代わりを確保してから、前の女性を遺棄しているのだ。やがて新たな被害者が発見された。遺体を手放したということは、代わりの人間を確保したに違いない。そう考えたチームは48時間以内の失踪者をチェックし、ベサニー・ウォレスという女性が拉致されたことを掴んだ。ベサニーの夫によると、彼女は糖尿病を患っており、24時間以内に見つけないと生命に関わるという。
■犯人はコレクターだ
プロファイルがまとまった。「犯人は女性。コレクターと呼ばれる精神疾患を抱えている。物質に執着する病気で、反社会的だったり極端に内向的な人物だ。空想と現実をうまく識別できず、生きた人間と死体の区別や、持っている物となくした物の区別はできないが、車を運転したりといったことは出来るし、針仕事のような目的の明確な仕事には秀でている。犯人は人形を集めているつもりだ。この3ヶ月で本物の人形を失い、心に大きなストレスを抱え、できるだけ人形に近いものを集めた。薬で被害者から身体の自由を奪い、失った人形のかわりに愛でているのだ。犯人に暴力的な意図はなく、殺人は身体の自由を奪ったことが引き起こした副作用である。犯人はコレクションを完成することで、人生に対する自信を取り戻そうとしている。犯人はひとりで働き、医療の訓練を受けている。現在は縫製関係の仕事についている」
■「サリーは電気の部屋が嫌い」
ステイシアが通っていたブティックに足を運んだJJは、遺体がまとっていたドレスの縫い目に、特殊で緻密な技法が使われていることを教えられる。一方、ドールショップを尋ねたリードとモーガンは、80年代後半にこの地域にあったヴァロワ社が作った人形のシリーズと、被害者のタイプが似通っていることを突き止めた。そのヴァロワ社は、かつて人形の手作りドレスのコンテストを開催していたが、ドレスと一緒に提出された作文から、児童虐待を匂わせる内容が散見されて、コンテストを中止したという。ドレスと作文は警察に提出された。警察に保管されていたそれらをチェックしたBAUは、やがてステッチの特徴と「サリーは電気の部屋が嫌い」という作文からサマンサ・マルコムという少女に行き当たった。サマンサは未成年専門の精神療養施設を経営する父親から、電気ショック療法を受け、さらに最近まで大量の抗精神病薬を投与されていた。父親のマルコム博士に面会したリードは、部屋に飾られていた玩具から、彼が娘のサマンサをはじめ患者に性的虐待を働いていたことを暴き、それを取引材料にサマンサの居所を聞き出した。サマンサの家に駆けつけたリードは、マルコム博士が取り上げた人形をサマンサに渡すことで、拉致された女性だけではなく、犯人のサマンサも無事に保護したのだった。

【格言】
「必要なくなったものを捨てられないのは、そのモノに所有されているということだ。物質主義の現代社会において、多くの人間が所有物に所有されてる」マルドレッド・リセット・ノーマン(1908年7月18日-1981年7月7日) の言葉。「Peace Pilgirm(平和巡礼者)」と名乗り、1953年から1981年まで、平和を希求するメッセージを伝えるために、身一つで、どの組織に所属することなくアメリカ大陸を歩きつづけた。
「人生はチェスと違って、チェックメイトの後もゲームはつづく」アメリカのSF作家アイザック・アシモフ(1920年1月2日-1992年4月6日)の言葉。アシモフはリードのお父さんが好きで、初版本を蒐集している作家だ。引用は『ミクロの決死圏2』の中の記述。物語は、科学者を乗り物に乗せて乗り物ごとミクロ化し、人間の脳内血管内に送り込むという科学冒険もの。作中のロシア人(ソ連ですが)科学者のデジニョーフが、「父親の口癖だが」と前置きして、格言めいたものを披露する。その先代デジニョーフ格言は、各章の冒頭にも引用されており、これもその中のひとつ。チェスに関する格言には「ポーンはチェス盤の上で一番重要な駒だ――ポーンにとっては」(浅倉久志訳/早川書房刊)みたいな、シニカルなものもある。アシモフは、『われはロボット』や『鋼鉄都市』などロボットの進化、人間との共存などを扱ったSF作品でも有名。
【不気味の谷】
原題のThe Uncanny Valleyとは、「不気味の谷」の意。これは、日本のロボット工学者で森政弘が1970年に提唱した概念で、ロボットが人間らしくなればなるほど、人間はロボットに対して親近感を抱くが、ある時点でそれが反転、不気味さを感じるようになるが、さらに見分けがつかなくなった地点で、再びその感情が親近感の方向に逆転する。つまり中途半端に人間に近づいた領域で、不気味さにつながるという主張。
【ゲストスター】
ドクター・マルコムを演じているのは、俳優で映画監督のジョナサン・フレイクス。「新スタートレック:ザ・ネクスト・ジェネレーション」の監督並びにライカー副長の役で知られる。今回のエピソードの中で、ガルシアが子供の頃に電気ショック療法を受けたサマンサのことを「この人、ホントかわいそう。まるで、エミリー・ブロンテみたい、というかシェイクスピアみたい、というか『スタートレック』の下っ端乗組員みたい」と語る。「下っ端乗り組み員」の部分の原語は「赤いシャツ」。「スタートレック」のオリジナル・シリーズの赤ユニは保安部。下っ端、使い捨ての登場人物が多かったことに由来する台詞だ。「新スタートレック」は時代が異なるために、赤は司令部門の色となっており、ジョナサン・フレイクス演じるライカー副長のユニフォームも赤だった。
【ジニーン・ジョーンズ】
1950年7月13日、テキサス生まれの看護婦。1971年から1984年にかけ、人の生き死にを左右できるという支配力を味わうために、乳幼児に筋弛緩剤を注射して殺した。その数は50人にものぼると考えられている。
【チェスとギデオン】
今回、アバンとエピローグの公園でのチェス・シーンで、久々にギデオンの話題がでたのが、ファンにはなんとも嬉しい。冒頭ではチェスはバリエーションにすぎず、「だから彼はやめたんだと思う。同じパターンに厭きて他の結果を見たくなったんじゃないかな」と語っていたリード。しかし今回の、被害者を救うだけではなく、犯罪者を理解しようとする姿勢は、ギデオンを髣髴とさせる。そしてエピローグで再びチェスに戻ってきたリード。ギデオンを、そして彼がなぜ去ったのか。リードは今も考えつづけているんですね。

2011.4.12|エピソード・ガイド|コメント(3)トラックバック(0)

4月5日(火)S5#11『復讐の逃避行』

11

■犯人逮捕、そして……
ニューヨーク州ロックポート。銀行強盗の罪で11年間服役したデイル・シュレイダーが、出所してすぐに、ヤク中の女性ステイシー・ライアンを殺害したうえに、自分の娘のジェニーを誘拐した。協力要請を受けたBAUは、現地に赴き、迅速にシュレイダーを逮捕した。一件落着、と思いきや、シュレイダーの護送車がトラックに追突され、護送任務にあたっていた地元警察のバンティング刑事とプレンティスもろとも崖から転落。プレンティスは幸い軽傷ですんだが、シュレイダーはバンティングを絞殺、駆けつけた謎の男と共に逃走した。シュレイダーは90年代に数件の銀行強盗を働き逮捕された。模範囚だったために15年の判決を11年で出所した。しかし出所2日で、殺人2件に誘拐に及んだ。なぜステイシーを殺害したのか、なぜ娘を誘拐した後、すぐにカナダに逃げずに山小屋にこもったのか。そして彼の逃走を助けたのは何者なのか。自分たちはシュレイダーについて何もわかっていなかったという事実に、BAUは愕然とする。
■シュレイダーという人物
やがて、ガルシアの捜査によって、シュレイダーが銀行から盗んだ金がほとんど回収されていないことが判明する。カナダに逃走しないのは、この、金を手に入れるためだったのだ。シュレイダーが逮捕された状況に着目したBAUは、シュレイダーの逮捕と入れ違いに司法取引で無罪になった強盗がいつことを突き止めた。男の名前はダン・オーティ。強盗同士はプランを売買することがある。シュレイダーはオーティがプランを買ったうえ、警察に売られ、彼のことを恨んでいるに違いない。しかしBAUがオーティの元にたどりついたのは、シュレイダーと協力者が彼を殺害した後だった。シュレイダーがオーティンを殺害しようとした際に、協力者は、オーティの妻子を庇うように、2階に閉じ込めたことが判ったさらに認知面接を受けたプレンティスは協力者がシュレイダーから自分を庇って助けてくれたことを思い出した。それだけではない。そんな善人がなぜ、シュレイダーのような悪党と組み、彼を助けているのだろうか。
■協力者の正体
シュレイダーを動かすのは力と金への欲望。そして恨みだ。11年、模範囚として服役、その間にじっくり計画を練っていた。そして出所してすぐに相棒と組み、自分の娘を誘拐しに行く途中で薬物中毒の女を殺した。シュレイダーはどうやって善人を自分の仲間に引きこんだのが。隠している金は、殺人3件の共犯になるほどの金額ではない。シュレイダーが、実の娘を誘拐では冷静さを失うほどの執着を見せたことから、BAUは、彼が復讐のために家族を人質に共犯者を従わせているのではないかと推理する。そこでシュレイダーの裁判や逮捕に関与した司法、警察関係者を洗い直し、シュレイダー側の証人の中に、出廷しなかった人物を発見する。ジョーイ・ショートというその人物の経歴から、BAUは彼が潜入捜査員であった可能性に行き当たる。ジョーイ・ショートと同世代の警察学校の名簿から、潜入捜査員になった可能性のある人物に絞り込み、プレンティスが写真を確認。協力者がジョー・マラーであることをつきとめた。マラーには妻と子供がふたりいた。
■家族はどこにいる!?
金の隠し場所がわかればシュレイダーを見つけることが出来る。そう考えたBAUは証拠品が保管されている警察署に出向いた。そこでは、なんとジョー・マラーが入れ違いで出て行ったところだというのだ。モーガンとプレンティスは、駐車場で、車を発進させようとしていたシュレイダーとマラーを発見。制止の声を聞かず、プレンティスに銃を向けたシュレイダーは射殺された。シュレイダーに家族を誘拐され、その居場所がわからないマラーは半狂乱となる。BAUはそんなマラーを落ち着かせ、シュレイダーがマラーの妻子を閉じ込めている場所を探る。鍵は殺されたステイシーにあると考えた彼らは、ステイシーが殺害された現場周辺を捜索、廃屋の中からマラーの妻と二人の子供を無事に救出した。

【格言】
「恩義より恨みを返す方が人にはたやすい。感謝は重荷だが、復讐は喜びだからだ」タキトゥスニューヨーク生まれのアメリカの作家・随筆家ワシントン・アーヴィング(1783-1859)の言葉。「リップ・ヴァン・ウィンクル」や「スリーピー・ホロウの伝説」などを収録した『スケッチブック』で有名。
【格言その2】
「クリミナル・マインド」の見所である格言を犯人が引用する、ちょっと本末転倒な展開が今回のエピソードの特徴。まず「羊が狼に平和を求めるのは正気じゃない」は、英国の聖職者トーマス・フラー(1608年-1661年)の言葉。「ためらいは行く手に壁を作る。大胆さがそれを壊し、恐怖を打ち破る。恐怖は権威を生む」シュレーダーが語る『力の法則48』というのは、ロバート・グリーン、ユースト ・エルファーズの啓蒙書The 48 Laws of Powerのこと。『権力(パワー)に翻弄されないための48の法則』のタイトルで翻訳されている。パワーゲームを勝ち抜く方法が描かれており、アメリカでは1998年に刊行された。
【ゲスト・スター】
ジョー・マラー役は、「ライ・トゥー・ミー 嘘は真実を語る」でジリアン・フォスターの元夫アレックスを演じているティム・ギニー。デイル・シュレイダー役は、「OZ/オズ」のトバイアス・ビーチャー役のリー・ターゲセン。地元警察のバンティング刑事は、「L.A.ロー」のシーズン7~8に登場した弁護士ダニエル・モラリスや、「プロファイラー/犯罪心理分析官」で爆弾処理のプロフェッショナルのニック・クーパーを演じたA・マルチネスだ。
【ホッチ復帰】
チームを存続させるためにチームリーダーを自ら辞し、ヘイリーの死後、現場から離れていたホッチが、ついにBAUのチームリーダーに復帰! リーダーとしての才能を発揮したモーガンだが、ホッチの復帰を心より歓迎。父を亡くし、女でひとつで育てられただけに、ジャックを思うホッチの気持ち、そしてジャックの寂しさが人一倍よくわかるモーガン。エピローグのホッチとモーガンの心温まるやりとりが素敵ですね。
【(500日)のサマー】
明日、4月6日。マシュー・グレイ・ギュブラーが出演した映画『(500日)のサマー』が、WOWOWに登場します! 監督は若手注目株のマーク・ウェブ。ミュージック・クリップを数多く手がけ、本作品で映画監督デビュー。批評家に絶賛され、『ジ・アメイジング・スパイダーマン』の監督に抜擢された。物語は、草食系男子のトムと、「恋なんて絵空事」と言い切る現実主義でモテ女子なサマーのすれ違う500日を、ポップな音楽にのせてに描いたラブストーリー。マシューは、トムの悪友、ポールを演じている。リードから天才性を抜いたような、オタク系で普通の男子の役です。お見逃しなく!

2011.4. 5|エピソード・ガイド|コメント(1)トラックバック(0)

3月29日(火)S5#10『恋愛シミュレーター』

10

■バラの花びら
ヘイリーの追悼式の夜。緊急の呼び出しがかかり、ホッチに暇をつげた一同は、テネシー州ナッシュビルへ向かった。ナッシュビルでは、2週連続で金曜日に殺人事件が起きていた。被害者はいずれも黒髪のエリートのキャリア・ウーマン。金曜日に会社を出た後消息を絶ち、高級住宅街の自宅で殺害された。家には押し入った形跡がなく、床にはバラの花びらがまかれていた。犯行は秩序型のそのものだが、犯人は犯行現場の指紋を拭き取ろうとした気配も見えない。つまり犯人は、指紋を残しても身元が割れない自信がある人間、被害者とは赤の他人で、逮捕歴のない人間だと考えられた。やがて検視によって、被害者が暴力を受けていたこと、さらに胃の内容物がまったく同じであることが判明する。犯人は最初の一撃で圧倒的優位に立ち、花びらとワインとパスタで、なんらかのファンタジーを実現させていたのだ。
■被害者像と犯人像のプロファイル
ガルシアはモーガンの指示を受け、被害者と犯人の接点を探るために、被害者の行動、記録を洗い出した。被害者同士に接点はなかったが、ふたりとも、カントリークラブのメンバーで、高級レストランで食事をして、しゃれたホテルに泊まるという、ハイソなライフスタイルは同様だった。チームは、犯人もその生活に溶け込むような、教養があって礼儀正しい紳士だと分析する。犯人の原動力はファンタジーであり、あるロマンティックな一夜を被害者共に繰り返している。彼は最近、恋人を失ったか、泥沼の離婚をしたばかりで、被害者は、彼が失った相手の身代わりなのだ。BAUのプロファイルを受け、地元警察は、被害者が立ち寄った高級施設を回り、プロファイルに合致する男性と、被害者像に合致する女性を捜索する。こうして犯人にたどり着けないまま、金曜日は過ぎていった。
■ファンタジーの進化
翌日、第3の被害者エリカ・シルヴァーマンが発見された。彼女もやはり黒髪のキャリア・ウーマンだったが、今回の現場では、エリカのボーイフレンドも一緒に殺害されていた。殺害方法は残忍で、顔がわからないくらい殴られ、さらに複数回刺されていた。また、エリカには性交渉の痕跡があり、殺されないように犯人のファンタジーに合わせたことが推測される。愛を交わしたにもかかわらず、そこにボーイフレンドが現れたために、犯人の怒りを買ったのだ。エリカは、これまでの被害者のような派手な外出をしておらず、この一週間、クレジットカードも使用していなかった。そこでリードがカーナビの記録から彼女の行き先を調べることを提案。全ての被害者の車を調べることとなった。エリカと性交渉を持つことでファンタジーが一歩進んだ犯人は、もう歯止めがきかず、次の金曜日を待たずに犯行に及ぶ。そう考えたBAUはJJに記者会見を開き、詳しい被害者像を発表して注意を促した
■ファンタジーの意味
カーナビの記録と地理的プロファイルを照会したガルシアは、職場と家を往復するだけのエリカが火曜日に植物園に出かけていたことを突き止めた。植物園に出向いたリードとJJは、その日、そこで企業のパーティが開かれていたことを知る。パーティのゲストは、会場まで車で乗り付け、駐車係に車を預けていたという。駐車係は、何ら不審に思われることなく車の鍵を手にでき、さらにカーナビから自宅の住所を手に入れることもできる。その頃、モーガンもまた、犯人は現在も裕福な人間なのではなく、子供の頃に上流階級の身のこなしを身につけた人物なのではないかと思い至る。分不相応な生活をつづけるこの男は、多額の借金を抱えているはずだ。モーガンは、被害者が訪れた施設の従業員から、該当する人物を捜すようにガルシアに指示。こうして、被害者たちが出入りしていた施設と契約していた駐車サービス会社の従業員、ジョー・ベルサーの名前が浮上する。ジョーは、裕福な家庭に育ったが、相続した遺産を全て株で失い、さらに最近、恋人に裏切られ、婚約を破棄されたというのだ。部屋に撒かれたバラの花びらは、結婚式をあげるはずだったチャペルのパンフレットの写真の再現だったのだ。彼はカーナビから情報を盗み、全メーカー対応のガレージの開閉キーでガレージをあけ、そこから被害者宅に侵入していたのだ。その後、ベルサーが派遣されたパーティのVIP名簿から被害者像に合うターゲットを割りだした捜査陣は、その家に急行。間一髪のところでベルサーを逮捕、ターゲットの女性を救助した。

【格言】
「愛するべきは我が家。身体は離れても、心の残る場所」アメリカの医師で作家、オリバー・ウェンデル・ホームズ(1809年8月29日-1894年10月8日)の言葉。1972年に刊行された詩集『朝食の詩人』の一節だ。
「どんな過去を持ち、どんな未来を持っているかは些細なこと。大事なのは自分の中に何があるかだ」アメリカの思想家で作家、ラルフ・ウォルドー・エマーソン(1803年5月25日-1882年4月27日)の言葉。なんですが、調べてみると、この言葉もオリバー・ウェンデル・ホームズの格言としている書籍がけっこうあるんですよね。ホームズが『エマーソン伝』を執筆しているので、その中の一節なのではないかと分析するのですが、ごめんなさい、確認できませんでした。
【ヘイリーとの別れの言葉】
ホッチが葬儀の席で語る「世界は愛で回っている」は、英国の劇作家W・S・ギルバート(1836-1911)とアーサー・サリバンのコンビで製作されたオペレッタ『アイオランシ』の中の一節。「おお、涙をふけ。戦士のほほを濡らす涙を。愛する子供たちが、おまえの嘆きを聞くだろう。そして優しく気遣い、お前を抱きしめるだろう。決して彼らに見せるな。父親の涙を」も、同コンビによる『ペンザンスの海賊』の中の一節。「ペンザンスの海賊」は、1879年にニューヨークで初演されたもので、心優しい海賊一族の青年と、英国海軍将校の娘のラブストーリーを中心にした、ユーモラスな作品。葬儀の席でホッチは「ヘイリーとは演劇部上演した「ペンザンスの海賊」で知り合いました」と語っているが、真実はもっと微笑ましい。ホッチとのヘイリー出会いは高校時代。ホッチが3年生でヘイリーは1学年下の2年のときだ。校内を歩いていたホッチが、間違って演劇部の稽古場に迷い込み、そこでヘイリーを見て一目惚れ。この人を奥さんにしようと決めた彼は、その夜、名簿でヘイリーの名前と学年を確認、翌日、演劇部に入部した。ホッチは「ペンザンスの海賊」の舞台に出演し、「海賊その4」を演じた。演技力の問題なのか、単に、入部が卒業間際だったためか、ホッチの舞台出演はこれが最初で最後となった(S1ファイナル「地獄からの挑戦状」より)。
【原題】
本エピソードの原題The Slave of Dutyは、「ペンザンスの海賊」の副題。dutyというのは、役目や任務、義理や仁義といった意味。slaveは虜。犯人のこととも、被害者のこととも、そしてホッチのことともとれる意味深なタイトルですね。
【ゲスト・スター】
犯人の信頼を得て、なんとか生き延びようとした第3の被害者エリカを演じているのは、レナ・ソファー。「HEROS」のネイサン・ペトレリの妻のハイディ、「24」のジャック・バウアーの昔の恋人で兄嫁のマリリン・バウアー役などがある。
【ホッチの決意】
悲しみのなかで、ヘイリーを埋葬したホッチ。告別式での、ヘイリーとの思い出を語るシーンは、言葉ひとつひとつが痛いほど胸に響く。母を失ったジャックのそばにいてやりたいと考える彼に、ストラウスは退職を勧める。一方ヘイリーの姉ジェシカは、自分がジャックの面倒をみるから、仕事を続けるようにと励ます。どうすることがヘイリーの望なのか。そしてジャックにとっての幸せなのか……。事件解決後、ヘイリーのまだ墓石もたっていないお墓を見つめるホッチを、ロッシが尋ねる。「(復職することを)彼女に伝えたのか?」というロッシの質問に対し、ホッチは、「言わなくていいんです。彼女は知ってますから」と答えるのだった。

2011.3.29|エピソード・ガイド|コメント(3)トラックバック(0)

3月22日(火)S5#9『死に神との決着』

9

■リーパーを捜せ!
かつてボストンで、フォイエットは、自分で自分をめった刺しにし、被害者を装うことで捜査を攪乱した。しかし彼はその傷の後遺症から、常に大量の薬を服用しなければ生きていけない身体になっていた。BAUはその薬の入手経路からフォイエットの居場所を突き止めようとしていた。しかし全米の調剤記録と照らし合わせても何も発見されなかった。家族と薬局にいたJJは、処方箋通りの薬でなくても同じ効果が得られることに気づく。そこでガルシアは、フォイエットの服用薬の中から、他の薬では代用の効かないものだけをピックアップ。アーノルド宛の郵便が発送された二つの町の中間地点から半径40キロ圏内で、その薬を処方された人間を洗い出した。その人数は153人にのぼったが、その中から「THE REAPER」のアナグラムである、「ピーター・レイ」という名前を発見。BAUとSWATはピーター・レイの家へと向かった。
■連邦保安官
フォイエットは、ネットで「ピーター・レイ」という名前が検索されたらアラームが作動するような仕掛けを作っており、自宅はすでにもぬけの殻だった。しかしデータは削除されているもののノートPCが残されており、ガルシアがデータを復元。復元した画像には、ヘイリーとジャックを保護している連邦保安官キャスマイアーが写っていた。キャスマイアーの自宅に急行した彼らは発見したのは、両足を銃で撃たれ、指を切断された瀕死のキャスマイアーだった。救急車の中で、キャスマイアーはホッチに、フォイエットの拷問にも頑としてヘイリーたちの居場所を語らなかったこと、しかし、フォイエットはキャスマイアーの携帯を使ってヘイリーへとたどりついたことを語り、息を引き取った。
■罠にかかったヘイリー
フォイエットは、キャスマイアーの携帯の登録番号に片っ端から電話をし、ヘイリーを発見。連邦捜査官を装った彼は、彼女たちの居場所がフォイエットに知られたうえに、ホッチも殺害されと告げた。さらに携帯を破棄、新たな携帯と車を用意させて、落ち合う場所を指定した。ホッチはひとり、車を走らせ、フォイエットに電話をかけた。電話に出たフォイエットは、自分が既にヘイリーの元にたどり着いていることを匂わせる発言をつづけた。さらにヘイリーからの電話に「ゲートをあけてもらえませんか」と語りかける。チームはフォイエットのプロファイルから、彼がヘイリーを呼び出した場所は、自らの支配力を誇示でき、なおかつそれをホッチに見せつけられる場所と考えた。そしてヘイリーが自らゲートを開くことの出来る場所――それはホッチとヘイリーが共に暮らした自宅にほかならない。
■ヘイリーの死、そして……
ホッチは自宅に向かって車を走らせ、モーガンたちもその後を追う。そんなとき、ホッチの携帯にフォイエットから着信が入った。電話の相手はヘイリーだった。死んだと聞かされたホッチが電話にでたことで、ヘイリーは捜査官を名乗る男の正体に気づいた。ホッチが電話でジャックに「パパのお仕事を手伝ってくれ」と伝えると、ジャックはヘイリーをハグした後、2階へと駆けだしていった。ジャックがいなくなった後、別れの言葉を交わすふたり。「人を愛せる子に育てたいの。一番大切なことだから。あなたが教えるって約束して」それがヘイリーの最後の言葉だった。電話から銃声が響き、ホッチは携帯電話をたたきつけた。自宅に到着したホッチは、銃を手に家の中へと駆け込んだ。激しい乱闘の末、ホッチはついにフォイエットを組伏し、殴りつける。「ホッチ、もう死んだ、もうやめろ。もういい、いいんだもう終わったよ」モーガンが羽交い締めにして止めるまでホッチの手は止まらなかった。その後、ホッチは2階にかけあがると、書斎のチェストの蓋を開いた。以前、ジャックがそこに隠れてホッチを驚かせ、「パパのお仕事を手伝ってるの」と主張したことがあったのだ。幸せだったあの日と同じように、そこにはジャックが無事に隠れていた。

【格言】
「怪物と闘う者は、自らが怪物とならぬよう気をつけなければならない。底知れぬ深みを覗き込んでいるとき、向こうもお前を覗き返しているのだ」ドイツの哲学者フリードリッヒ・ニーチェ(1844-1900)の言葉。『善悪の彼岸』の第146節「怪物との戦い」の全文。5年前のシーズン1の第1話でも同じ引用が使われている。
「人間の最も良いところは家族への愛情に尽きる。それは安定の尺度だ。なぜなら忠誠心の尺度でもあるから」アメリカの詩人で作家ハニエル・ロング(1988年3月9日-1956年10月17日)の言葉。
【冒頭のシーンは】
どこか遠いところで鳴っているようなサイレン、静かなBGMが流れるなか、一軒の家の前で慌ただしく駆け回る警官やFBI。冒頭のシーンは、ホッチの家にかけつけた救急隊員の目線で進行する。最初はわからないが、最後まで見てから見返してみるといろんなことが描かれているのがわかる。家の前庭でJJが前屈みになっているのは、草むらで隠れて見えないが、目の前にジャックがいるのだろう。家の中の1階で白いシーツに覆われているのは、フォイエットだ。やはり画面には映らないが2階ではホッチがヘイリーを抱きしめ、モーガンが傍らにいる。「ここはいいから」という救急隊員への言葉は、もうヘイリーに対してほどこせる手がないこと、全てが終わってしまったことを表しているのだ。
【面談】
物語は事件後、ストラウスがチームのひとりひとりと面談し、ことの推移、そしてホッチの行動の是非を確認する形で進行する。ストラウスは、今回の事件でのホッチのやり方に自分が納得しない限り、チーム自体の存続が危ういと語る。そんなストラウスに対し、反発や怒りを抱きながらも、実際に起きたことを語りはじめるメンバー。解決に向かう選択はホッチの独断ではなく、チームとしての判断であると主張する。しかし「もしフォイエットをあなたが殺さなかったらどうなったと思いますか?」というストラウスの問いに対する「間違いなく私の息子を殺そうとしたでしょう」というホッチの答え。そしてそれに対する「納得できました」というストラウスの結論は衝撃的だ。
【こぶた】
フォイエットがキャスマイアーの指を切断するシーン。「このこぶたはもうどこにも行けない」というのは、マザー・グースのThis Little Piggyに由来する。この歌、This little piggy went to market.This little piggy stayed at home.と指一本一本を指さしながら歌う遊び歌だ。
【ゲストスター】
ケヴィンに久々のウィルも登場して、そういう意味ではちょっと嬉しい今回のエピソード。他にも「顔だけじゃないんです」というアンダーソン捜査官は、フィッシャーキング事件(「地獄からの挑戦状」)でエルを家まで送って行って、家の中まで確認せずに帰って来たあの人。なぜか『血塗られた黙示録』など、節目となるようなエピソードに必ず登場している。そして今回のエピソードでJJの息子ヘンリーを演じているのは、なんとA・J・クックの実子。2008年9月13日に生まれたMekhaiくんだ。
【BO CRESE】
今回のエピソードのシナリオ名義はBo Crese。これは、このドラマのシナリオライターであるBreen Frazier、Oanh Ly、Chris Mundy、Rick Dunkle、Erica Messer、Simon Mirren、Ed Berneroの7人のイニシャルをとった、100話限りの合作ネームだ。
【100話!】
2007年の放送開始(本国では2005年)から、ついに100話を迎えた「クリミナル・マインド」。シビアではあるが、扇情的な展開を避け、捜査官の内面は描いても、人間関係については深く立ち入ることのなかったドラマが、ついにひとりの捜査官に対して牙を剥いた。第1回の放送で、幸せそうにもうすぐ生まれる我が子の名前を考えてたホッチとヘイリー。二人の離婚も、決して憎んでいたのでもなければ、裏切りがあったわけでもなく、行動分析という職務がホッチを追い詰め、それが家庭生活を崩壊させてしまったのだ。そしてその同じ家で、シリアルキラーに愛するヘイリーを奪われ、絶望と怒りと哀しみにくれるホッチ。ジャックだけは守れたという微かな希望を拠り所に、ホッチは仕事をつづけていくことができるのか。次回の101話はお葬式でホッチがヘイリーの思い出を語るシーンから始まります。

2011.3.22|エピソード・ガイド|コメント(13)トラックバック(0)

3月15日(火)S5#8『蘇ったキツネ』

東北地方太平洋沖地震により被害を受けられた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。


8

■犯人は模倣犯か?
ラングレー空軍基地を擁するヴァージニア州ハンプトン。エアショーが近づき、頭上を戦闘機が飛び交うこの町で、イラクに出征中の軍人ダウニー大尉の家族が惨殺された。
何者かが家に侵入し、まず最初に母親、次に兄弟を射殺。最後にプールで泳いでいた12歳の娘のルーシーを溺死させ、庭に掘った穴に4人を並べて埋めたのだ。さらに一年前、近隣のニューポートニューズでもやはり父親が出征中のウィリアムズ一家が殺害されており、このときも最後に殺害されたのが娘で、性的暴行はなく、死因は窒息だった。
やがてガルシアよりチームに驚くべき情報がもたらされた。ヴァージニア州の刑務所に服役中の囚人に、「崇拝者」と名乗る人物から、事件を報じた新聞の切り抜きと「私のやったことを見てくれ」というメッセージが入った封書が届いているというのだ。囚人の名前はカール・アーノルド。通称「キツネ」。4年前に8家族を殺し、BAUによって逮捕された男だ。ホッチはカールから崇拝者の情報を引き出すべく、プレンティスを伴って刑務所に向かった。
■ストレスの原因
最初から一家全員を殺す犯人はいない――、そう考えたモーガンはガルシアに、過去に同一犯による犯行がないか探すよう指示した。しかし、ガルシアの調査能力を持ってしても、犯人の余罪、過去、そして殺された二組の家族の接点も発見されなかった。そんな折り、第三の犯行が行われた。新たな被害者も出征中の軍人の留守宅で、母親と子供ふたりが殺害された。そしてやはり、最後に殺されたのは娘で、死因は窒息死だった。犯行の間隔が1年から3日に縮まったのは、犯人が精神に破綻を来たしたためではないか。リードは、犯人が自分の過去の体験をトレースしており、ストレス要因は、毎年、この時期に開かれる空軍基地のエアショーの、戦闘機の爆音ではないかと推測する。今年はメモリアルイヤーで、例年に比して大規模なエアショーが行われ、ひっきりなしに戦闘機が飛び交っていることが、犯人の精神を崩壊させているのではないかと考えられた。
■虐殺の記憶
エアショーのストレスが犯行の要因であるとの連絡を受けたホッチとプレンティスは、カールの崇拝者は犯人のプロファイルには合致しないと結論づけた。プレンティスは、カールが常に一家の主を最後に殺したことを、今回の犯行に当てはめて考えて、最後に娘が殺されるのは犯人が女だからではないかと思い至った。その頃、リードは、被害者家族の埋められ方がまるで集団墓地のように見えることから、犯人は集団墓地が作られるような戦場の育ちなのではないかと指摘。ガルシアは余罪の捜索範囲を、インターポールの国際データに広げた。その結果、98年にクロアチアのザブレグで女性と8ヶ月の赤ちゃんが殺害、2年後にイタリアのモデナ、2007年にはロンドンの若いカップルを殺害していることが発覚する。
■対決
犯人は白人で20代の女性。東ヨーロッパの出身で、ボスニアの内戦を経験。2、3年前にアメリカにやってきたものを思われる。言葉はほとんど収得しておらず、徒歩で移動しており、被害者家庭と同じエリアに居住していると考えられる。BAUが警察にプロファイルを発表していたとき、ガルシアから連絡が入った。なんと被害者家庭は皆、フォトバグという同じ写真共有サイトを使用しているというのだ。フォトバグの下請け業者の名簿とプロファイルを照合した結果、82年にサラエボで生まれ、親を失い、スレプニツァの家庭に引き取られたミランダ・ドラカールの名前が浮上。ミランダの家に急行し、自宅にあった写真から次のターゲットが海兵隊員のヤング家であることを突き止める。ヤング家に駆けつけたモーガンは、ミランダと格闘の末、射殺。一家は救出された。

【格言】
「人はずる賢さを他人の影響とは認めない。その他人が敵でない限り」理論物理学者アルバート・アインシュタイン(1879年3月14日 - 1955年4月18日)の言葉。
【ゲストスター】
カール・アーノルドは「レスキュー・ミー NYの英雄たち」や「ロー・アンド・オーダー:性犯罪特捜班」で準レギュラーとして出演していたニール・ジョーンズ。
現場捜査の責任者ハドソン役は、「バビロン5」で商業テレパス、タリア・ウィンタース役を演じていたアンドレア・トンプソン。ミランダ役は『ゾーン・オブ・ザ・デッド』ではミーナを演じたクリスティーナ・クレベ。
【カール・アーノルド】
カール・アーノルはシーズン1の7話「一家惨殺事件」に登場した、8家族を殺害したシリアルキラー。カールはセラピストの助手で、自分の患者の中から、旅行に出かける予定の家庭を選んだ。犬用の出入り口から家に侵入、家族を監禁し、しばらく一緒に暮らした後に、全員を殺害。記念品として結婚指輪を奪った。このときのプロファイルは、「秩序型の殺人犯で、全てを自分の力で制御しようとし、細かなことまでノートや日誌に記録するタイプ」というもの。その性格が今回のエピソードでも効果的に使われている。キツネという呼称は実はエピソード内では使われていない。このときの原題が The Fox(キツネ)で、冒頭の引用がトマス・フラーの「キツネを相手にするときは、キツネの発想で立ち向かえ」というものだった。このエピソードの冒頭、ヘイリーが生まれたばかりのジャックをBAUに連れてくる、幸せそうなシーンが挿入されている。カール・アーノルドの事件を確認するために、見直していて、このシーンに不意を打たれ胸が詰まった。DVDや録画を持っている人は、次回の「死神との決着」の前にぜひとも見直しておいてください。
【ジェイムズ・ファロン】
冒頭、リードが授業に出ているジェイムズ・ファロンは、実際にカリフォルニア大学アーバイン校の大学教授で神経科学者。番組内の講義していたシリアルキラーの脳の分析についてのレポートが、ウォール・ストリート・ジャーナルの2009年11月に27日号に掲載されているらしい(実物は未確認です。ごめんなさい)。
【スレブレニツァの虐殺】
今回の事件の背景となった出来事は、1995年にスレブレニツァで起きた虐殺事件だ。ユーゴスラビアから独立したボスニア・ヘルツェゴビナで、セルビア人と、クロアチア人、ボシュニャク人(ムスリム人)が対立、1992年から1995年まで内戦が続いた。セルビア人勢力は民族浄化政策を断行、20万人以上の殺害、数万人に対する強姦、拷問、虐待が行われた。スレブレニツァの大虐殺が起きたのは、内戦の末期の1995年7月。セルビア人勢力は、国連が定めた安全地帯であるスレブレニツァに侵攻し、ボシュニャク人8000人以上を殺害した。その遺体は各所に作られた集団墓地に埋葬され、墓地の数は数十カ所に及ぶ。
【崇拝者の正体が明らかに!】
犯人は突き止められたが、では、カール・アーノルドに手紙を送っていた崇拝者は何者だったのか。「差出人は見つける」というホッチの言葉に、カールは笑みをうかべ、「彼の方でもうあんたを見つけてる」と答える。慌ててカールの手帳をめくるホッチは、中に、プロヴィデンスの目を書き込んだ、自分が襲われたことを報じる新聞記事を発見する。カールに手紙を送っていたのはフォイエットだったのだ。フォイエットは、こうすれば、カールのもとにホッチがやってくることを知っていたのだ。カールの「彼の方ではもうあんたを見つけている」その言葉に慄然とするホッチ。果たしてホッチとヘイリーそしてジャックの運命は。次回の放送100話記念エピソード「死神との決着」で、ついにフォイエットとの戦いが終結する。お楽しみに、なんて軽々しく言えない重苦しいエピソードです。覚悟して見てね。

2011.3.15|エピソード・ガイド|コメント(1)トラックバック(0)

3月8日(火)S5#7『都会のヴァンパイア』

7

■犯人はヴァンパイア!
20歳のタラ・フェリスの遺体が、LAのフリーウェイで発見された。同一犯の犯行と思われる事件が、この2週間で3件起きており、いずれの被害者も若い女性で、性的暴行の痕跡はなく、首を絞められた後に、首に穿たれた穴から血を失っていた。傷はまるで、吸血鬼の牙の痕のようで、さらに傷口からは唾液が検出されていた。そして3人目の被害者であるタラの腕には「the liar(嘘つき)」という文字が書かれていた。しかし検視の結果、喉の穴は咬み傷ではなく、鋭い道具によってつけられていることが判明。唾液はそこを嘗めたことによって付着したのだ。そして翌朝、フリーウェイ沿いで、新たな血を抜かれた女性の遺体が発見され、胸元にはやはり「ザ・ライアー」というメッセージが残されていた。
■プロファイル
リードは犯人を吸血衝動を抱えたヴァンピリストだと分析。犯行の速度が速まっていることもあり、リードがまとめた精神病理学的観点からのプロファイルが警察で発表された。それは「犯人は超自然的な存在のヴァンパイアではなく、吸血衝動を抱える人物。最初に自分の血を飲んで味をしめ、リストカットの常習者であることが多い。また未成年のころより、動物殺しの常習者だが、目的はあくまでも血を手に入れることなので、拷問はしていない。人目を避けるために一軒家、それも手入れの行き届かない古い家に住んでいる。統合失調症を患っているため、家庭は崩壊、年老いた女性が世話をするために同居している。またこの手の病気は長く隠すことができないため、犯人が病んでいることを知ってる人間が必ずいるはずだ」というものだった。
■プロファイルと食い違う容疑者
やがて最初の3人の被害者が皆、「ダンテ」というミュージシャンの熱烈なファンであることが判明する。ダンテはヴァンパイアのようなパフォーマンスがウリで、さらに「ザ・ライアー」というのは彼の最新アルバムのタイトルだった。また第4の被害者エリン・ヒックマンは、失踪前夜、ダンテが主賓のパーティ会場にいたことがわかった。事情聴取のためにダンテの自宅に向かったモーガンたちはそこで、エリンの車を発見。彼の身柄を拘束する。しかし、ダンテの家は新しく、手入れの行き届いた豪邸で、プロフィルとはまったく合致しない。統合失調症を患っているように見えないのみならず、「ダンテ」はステージ用のキャラクターであるとまで言い切る。そんなダンテの姿に戸惑うチームに、FBIのラボからさらに驚くべき情報がもたらされた。被害者に付着していた唾液が女性のものだったというのだ。
■犯人は女性だ!
犯人は女性であるという見地からプロファイルを見直したリードが、犯人の正体にたどり着いたとき、ガルシアから一本の電話が入った。タラの友達であるジーナが、ファンメールで、ダンテをヴァンパイアの神と崇め、彼のためなら人殺しもすると書いているというのだ。犯人はタラの親友のジーナ・キングだったのだ! そしてそのジーナの元には、被害者の交友関係を調べるために、JJがひとりで聞き込みに出かけていた。その頃、ジーナの家についたJJは、乱雑に散らかった家の中で、ジーナの異様な姿に直面していた。彼女は、まるでJJのことなど気にもとめず、血液が腐らないようにアイスボックスに入れようと躍起になっていたのだ。ジーナが犯人であることに気づいたJJが、銃を抜こうとしたとき、ダンテのマネージャーのカンピオンが背後からJJを襲撃。JJは朦朧としながらも、カンピオンがJJを殺すようにジーナを唆しているのを聞いた。ニューアルバムのために話題を作ろうとしたカンピオンが、ジーナを利用して仕組んだ犯行だったのだ。やがて捜査陣が駆けつけ、JJは救出され、カンピオンとジーナは逮捕された。

【格言】
「超自然界における邪悪な存在の中で一番タチの悪いものはヴァンパイア。悪魔の中でも最悪の存在である」作家モンタギュー・サマーズ(1880‐1948)年の言葉。モンタギュー・サマーズは、英国のオカルト研究家であり、ローマ・カトリックの聖職者でもある。吸血鬼に関する研究書The Vampire: His Kith and KinとThe Vampire in Europeを上梓している。引用はThe Vampire: His Kith and Kinのイントロダクションの冒頭。日本では、この2冊を合本・抄訳した『吸血妖魅考』(日夏耿之介訳/ちくま文庫)が刊行されている。
「読者に迎合して自分を失うより、自分を貫いて読者を失う方がマシだ英国の批評家・雑誌編集者シリル・コナリー(1903-1974)の言葉。
【キム刑事】
シーズン1の18話「恋におちた捜査官」でも登場した刑事。映画『TEKKEN 鉄拳』の三島一八役や「チャームド~魔女3姉妹」の化身のひとりを演じているイアン・アンソニー・デイルが演じている。ライラはこの事件でストーカーに狙われていた売り出し中の女優。
【レンフィールド】
ブラム・ストーカーの小説『吸血鬼ドラキュラ』に登場する精神病の患者。食べた生き物の生命が、そのまま自分の生命になると考え、最初は小さな虫を、しだいに小動物を殺して食べるようになる。
【左海岸】
再会したキム警部補が口にした「左海岸へようこそ」という言葉。「左海岸」とは、西海岸のこと。地図上で左側にあるからという意味と、西海岸は左派の勢力が強いことの両方をかけて使われる。
【ゲストスター】
ダンテを演じているのはロックバンド「ブッシュ」のボーカルのギャビン・ロスデイル。歌手のグウェン・ステファニーの夫で、モデルのデイジー・ロウの父親でと、私生活は何かと話題の多い人物。これまで「コンスタンティン」などの映画には出演しているが、メジャーなドラマの出演はこれがはじめてと言ってもいい。なお冒頭のコンサート・シーンで歌っているのは、ジョイ・ディビジョンのLove Will Tear Us Apart。バックバンドをつとめているのはMarc FantiniとSteffan Fantini兄弟。今回は出演していないが、Fantini兄弟とScott Gordonの3人が、クリミナル・マインドのBGM音楽を担当している。
マネージャーのカンピオン役は映画「オーシャンズ11」の電子・通信の専門家リヴィングストン・デルを演じたエディ・ジェイミソン。またダンテ身柄拘束を報道するレポーターのエリザベス・チェンバーズは、実名でニュース専門チャンネルであるカレントTVのレポーター。
【トライワイト】
アメリカのティーンエイジャーに絶大な人気を誇るステファニー・メイヤーのベストセラー小説。吸血鬼を引きよせる特殊な血を持つ女子高生のベラと、超能力を持つ吸血鬼エドワードの禁断の恋を描いたラブストーリー。タラがパスワードにしていていた「カレン」というのは、エドワードの名字。両親と、3人の息子、2人の娘がいるカレン家は、生まれた場所も、時代もさまざまで人間としての血縁関係はないが、ヴァンパイアに転生させることで家族となった。ただしカレン家の人々は吸血鬼だが、人間の血を吸わない菜食主義者だ。クリステン・スチュワート、ロバート・パティンソンの主演で映画化もされている。なお、日本でも翻訳刊行されているので興味のある方はこちらでどうぞ(トワイライト公式ページ)。
【時計仕掛けのオレンジ】
エピローグで、「だから僕はベートーベンが好き。後ろ暗いところがないから」というリードに、プレンティスが「『時計仕掛けのオレンジ』って知らない?」と突っ込む。今回のエピソード、リードの堅物ぶりが強調されているが、『トワイライト』はまあしょうがないとしても、『時計仕掛けのオレンジ』を知らないのはちょっと問題。この作品、英国作家アンソニー・バージェスによるディストピア小説で、1971年に「2001年宇宙の旅」で知られるスタンリー・キューブリック監督が映画化。物語の冒頭で、強盗、レイプ、殺人など反社会的な暴力に明け暮れる少年アレックスが、刑務所で洗脳実験の被験者となるのだが、洗脳の条件付けに使われた音楽がベートーベンの交響曲第九。アレックスは暴力少年だが、ベートーベンを愛しており、このときの「やめてくれ、ベートーベンはいい人なんだ!」と叫びは有名。舞台化もされており、日本でも、昨年、小栗旬主演で上演されている。

2011.3. 8|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

3月1日(火)S5#6『その眼は見ていた』

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■眼球をくり抜く殺人鬼
オクラホマシティーで、4日前に81歳の男性、2日前に17歳の少女2人が相次いで殺害された。最初の被害者ジョン・オヘロンは鈍器で頭を数回殴られ、死体は雑木林に捨てられていたが、17歳のミーガン・チャートウとビナ・スカルトは頸動脈を切られ、駐車場で発見された。被害者のタイプも手口も異なるが、どの遺体からも眼球がくり抜かれ、持ち去られていた。犯人はいったい何のために、眼球を持ち去るのか。チームは、最初の犯行には怒りがあるが、2番目の犯行には個人的な恨みはないことから、オヘロンの背景から犯人にたどり着く手がかりを探し始める。しかしオヘロンは特に誰かの恨みを買うような人物ではなく、少女たちとの間にも何ら接点はなかった。
■切除技術が上達
検視によって、オヘロンの眼球は手でひきちぎられているが、少女たちのものは、鋭い刃物で医者並みの手際で切除されていることが判明する。医療関係者、眼科医をリストアップするが、絞り込む材料が足りない。被害者の目玉をくり抜くという行為は精神の破綻を示唆しているが、犯人が正気でないにしては、犯行が乱雑にならず、むしろ上達している。矛盾を孕んだ犯人像に、プロファイルは杳として進まなかった。そんな中、第3の事件が発生。夜間、ジョギング中の女性が、やはり首を切られ眼球を切除されたのだ。事件現場は山中だが、決して人気のない場所ではない。犯人は茂みに潜み、足下に仕掛線を張って、獲物がかかるのを辛抱強く待っていたのだ。まるでハンターのように。
■難航するプロファイル
マスコミが犯人に「アイ・スナッチャー」という通り名を与えために、記者会見とプロファイルの公表の必要が生じた。警察署とマスコミに発表された内容は、「犯人は白人の男性で年齢は27歳から35歳。狩猟ライセンスを持っている可能性があり、血の洗い流しやすい、ワゴン車かカバー付きのピックアップトラックに乗っている。なんらかの医療的訓練の経験者だが、職業レベルには達していない。眼球をくり抜くのは、なんらかの成し遂げたい目的があってのことと考えられる」というものだった。マスコミを通じての警告の甲斐もなく、第4の犯行が発生。夜間の公園で、若いカップルが殺された。ところが今回は、眼球がくり抜かれたのは女性だけで、男性の眼はそのまま残されていた。男性には防御創が多数あり、左目にも裂傷があった。左右一対の完璧な眼球ではないことが、くり抜かれなかった理由ではないか――そう考えたモーガンは、犯人は剥製師だと推理する。
■剥製師
ガルシアが、最初の被害者オヘロンが、6週間前に市内のロイド剥製店に宛てて小切手をきったことを突き止めた。ロイド剥製店の店主は4週間前に死亡しているが、息子のアールには軽犯罪と動物虐待の前科があった。やがてアールは、友人の目を抉ろうとして学校を退学。その後、学校に戻ることもなく、就職もせずに父親に頼りきって暮らしていたことがわかる。その父親を亡くし、家も差し押さえられ、そのストレスが彼を犯行に駆りたてたのだ。ロイド剥製店に踏み込んだ捜査陣は、床の血だまりと、動物の剥製に埋め込まれた人間の眼球を発見する。眼球は剥製を完成させるために、くり抜かれていたのだ。やがて犯行場所はいずれも配達先の近くであることが判明。伝票にあった配達先を訪ねたホッチらが、今まさに新たな犯行に及ばんとしていたアールを発見。逮捕した。

【格言】
「あなたの右の眼が罪を犯させるなら、抜き出して捨てなさい」マタイによる福音書第5章20節
「あなた自身が平穏の中に暮らしていれば、死に神の手は届かない」シーク教の教祖グル・ナーナク(1469-1539)の言葉。
【ハーバート・マリン】
ハーバート・マリン(1947年4月18日-)は、1972年の10月にバットを使って男性を撲殺したのを皮切りに、翌73年の2月まで13人を殺したシリアルキラー。自分は世界を救うために選ばれたという妄想に囚われており、大地震や津波から人々を守るために、人を殺し続けた。終身刑の判決を受け、カリフォルニア州の刑務所に服役している。
【新チームリーダー誕生】
ホッチの自主的な降格を受け、チームリーダーとなったモーガン。今までホッチが片付けてきた書類仕事から、セクション・チーフのストラウスの相手まで、責任と慣れない仕事を抱え、かなりてんぱった様子。「ストレスいっぱいだけど、潰されてはいない」というのがJJの見立てだが、ひとりホテルにも戻らず、警察署のソファーで寝起きする状態。見咎めたロッシからは「こういうのは今回限りにしろ」と釘をさされるし、口にこそしなかったが、ホッチもしっかりチェック。そのホッチは、犯人逮捕の際に応援を待たず単独で突入。モーガンがチームリーダーらしく「応援を待たなきゃだめだろ」と注意しても、「お前なら待つか?」と、平然と切り返す。いつもの逆な展開に、プレンティスならずとも、おもわず笑っちゃいますよね。
【ハンター】
狩猟やハンター絡みの事件といえば、思い出すのは第2シーズンの21話「殺人ハンター」。アメリカ社会と隔絶し、ハンティングだけを教えられ、善悪も知らないまま育ったマルフォード兄弟が人間狩りをはじめた、というエピソード。一般的な日本人からするとハンティングなんてゲームの中だけのことですが(それも狩る対象はモンスター)、アメリカでは日常、もしくは日常のお隣に存在するものなんですね。

2011.3. 1|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

2月22日(火)S5#5『墓場のゆりかご』

5

■被害者は出産していた!
ニューメキシコ州のフリーウェイ沿いで、女性の遺体が発見された。被害者はクリンスティン・テイラー。薬物依存症の家出人で、3年前に州内で失踪。死因は窒息で、手首と足首には縛られた痕があった。この5年間に州内では、同一の犯人によるものと見られる事件が3件発生。いずれも被害者の女性はハイティーンのブロンド女性で、手足には、鎖で縛られた痕があった。さらに殺された女性は3人とも、妊娠させられ、赤ん坊を出産した数分後に殺害されている。一見、性的サディストによる犯行に見えるが、拉致から殺害まで平均2年あり、犯行は用意周到、衝動もコントロールされているなど、異常な点が多々あった。プレンティスは、赤ん坊の遺体は発見されていないことから、犯人の狙いは女性ではなく赤ん坊の方ではないかと推測する。
■目的は赤ん坊
クリスティンをはじめ、殺された3人には逮捕歴もあり、乱れた生活を送っていたはずだが、遺体は、薬物が抜けてまるで健康であるかのように見えた。しかし検視の結果、クリスティンは何度も流産をしていることが判明。さらに流産防止や母乳促進のために薬が投与されていたこともわかり、赤ん坊が目的であることが裏付けられる。子供を計画的にブラックマーケットに流しているのではと考えたBAUは児童保護局に問い合わせるが、担当の女性は人身売買組織の存在を否定する。養子に出されるときに子供のDNAが採取されることを知ったBAUは、被害者の遺体を再検査、最初の被害者モニカ・ウィンマーの体内に臍の緒が残されており、そこから子供のDNAを採取し照合をかけた。当初は、DNAが合致する子供は発見されなかったが、JJの発案で近隣の州まで捜査範囲を拡大したところ、モニカの娘がアリゾナで4年前に養女に出されていることが判明した。
■プロファイル
しかしモニカの子供は、業者を介した養子縁組ではなかった。犯人は、子供を売ったのではなく、教会の前に捨てていたのだ。殺害だけ見ると典型的な性的サディストだが、赤ん坊に対しては慈悲深くさえある。プロファイルの発表は、子供が発見されたアリゾナ、そしてニューメキシコ両州の警察で行われた。「犯人はカップル。男の方は典型的なレイプ犯だ。この暴力傾向は結婚によって妻に集中。しかし性的サディストは、素直な妻では満足仕切れず、数年前、最初の誘拐を行い被害者を監禁した。やがて殺さずにはいられなくなった男は、妻と契約を結んだ。男は若い家出人を拉致、レイプして殺し、その赤ん坊を妻がとる」
■犯人の妻
リードはモニカの娘が捨てられていたのが長老会派の教会であることに着目。被害者の死から2週間以内に、同じ長老会派の教会に捨てられた子供がいないか調べたところ、3人の捨て子が見つかった。それらの地理的プロファイルから犯人の居住場所を絞り込んだ。しかしそれだけではなかった。捨てられたのは全て女の子だったのだ。犯人は男の子を手元に残し、女の子を捨てているのだ。さらに被害者に与えた薬が全て、乳癌の治療薬であることがわかった。そこでガルシアが、最初の誘拐が起きた頃に、妊娠した乳癌の患者で、性的暴行の前歴のある男と結婚している女性を捜したところ、ロバートとリンダのライマン夫妻の名が捜査線上に浮かび上がる。リンダは妊娠8ヶ月で男の子を流産していた。ライマン邸に急行した捜査陣は、ロバートと産まれたばかりの赤ん坊を抱くリンダを逮捕。居間でTVを見ている4歳の少年と、地下室に監禁されていたキャロルとジュリーを保護した。

【格言】
「メリーゴーランドに乗った子供はなぜ一回りするたび親に手を振るのか、そしてなぜ親は手を振り返すのか。それがわからなければ、人間を理解できない」アメリカのジャーナリスト、ウィリアム・D・タメウスの言葉。
【ゲストスター】
最後に誘拐されたジュリーを演じているのはメイ・ホイットマン。4歳でデビューした子役スターで、映画「インデペンデンス・デイ」では大統領の娘役、「素晴らしき日」ではジョージ・クルーニーの娘役を演じている。また「CSI:科学捜査班」「コールドケース」など数々のTVドラマにも出演している。キャロル役のハリー・ハーシュは、「ER」のマークの娘レイチェル(シーズン8以降)が印象深い。モニカの母役のダイアナ・スカーウィッドは、映画「サンフランシスコ物語」で主人公のガールフレンドを演じ、アカデミー賞の候補にもなった。「プリズン・ブレイク2」「LOST」などに準レギュラーで出演している。
【子供を産ませる性的サディスト】
ゲイリー・ハイドニックは、S2#5「消えない傷跡」でも話題になったシリアルキラー。1986年11 月から5ヶ月にわたり、6人の女性を誘拐、自宅地下に監禁し、暴行・虐待を加えてふたりを殺害した。犯行の動機は結婚衝動と子供への執着で、黒人女性を 10人によるハーレムを形成し、自分の子供を産ませようと考えていた。殺した一人を調理し、ドッグフードに混ぜて他の女性に食べさせたなど、犯行の異常さがアメリカを震撼とさせた。1988年に死刑の判決を受け、1999年に刑が執行された。一方の、ヨーゼフ・フリッツルは、オーストリア人。1984年から24年間にわたり、自分の娘を、自宅の地下に監禁。19回妊娠、7人の子供が生存している。2009年に精神科施設へ送致し終身刑とする判決が下った。
【BGM】
ラストシーンでかかる音楽はアメリカのシンガー・ソング・ライター、クリス・ミルズのSuch a Beautiful Thing。
【カール・セイガンならどうする?】
カール・セイガン(1934年11月9日-1996年12月20日)は、地球外知的生命体探索計画(SETI)の推進者として知られる天文学者。映画化もされたSF小説「コンタクト」の著者としても有名。非科学的なことや、トンデモ系に批判的なことでも有名。インターネットを検索したら、カール・セイガンの顔写真にWhat Would Carl Sagan Do? の頭文字WWCSDの文字を配したグッズやTシャツなども販売されていました。
【ホッチ、チームリーダーを辞任!】
夜遅くJJは、ホッチの部屋で、ホッチとセクション・チーフのストラウスが、深刻な様子で言葉を交わす姿を目撃する。翌日、朝からモーガンの携帯には、ホッチからのメールが次々に届く。さらにホッチは、今回の事件についても、モーガンに予備のプロファイルをまとめるように要求したり、逮捕プランを書かせたり。モーガンはすっかりホッチにいびられているような気分。ところが事件解決後、ホッチは驚くべき決断をモーガンに伝えた。「今週いっぱいでチームリーダーから降りる」と。彼は、自分が他所に飛ばされて、チームが解体されてしまうのを防ぐために、リーダーをモーガンに譲るというのだ。これが、もうひとつの愛する家族を守るためにホッチが下した苦渋の決断なのだ。そしてこれによってモーガンも、チームの切り込み隊長「ミスター・ドアッキック」なだけではいられない立場に。

2011.2.22|エピソード・ガイド|コメント(4)トラックバック(0)

2月15日(火)S5#4『破壊者の群れ』

4

■不満から暴力へ
FBIのお膝元であるワシントンDCのサウスイースト地区で、4人の人間が惨殺された。犯人は高級住宅地の一般住居に侵入し、ホームパーティに集まった白人と黒人の2組のカップルを鈍器で撲殺した。この一帯はもともと黒人労働者が多い地域だったが、このところ再開発が進み、高級住宅地が急増。格差が軋轢を生み、破壊行為が相次いでいた。先月には、高級車の窓ガラスが割られ、翌日には高級ブティックのショウウィンドウ、次いで高級レストランが荒らされた。そして今月に入ってからは、改装が済んだタウンハウスが持ち主の入居前に荒らされる事件が発生。盗まれたものが何もないことから、今回の殺害事件もこれらの破壊行為と同一犯と考えられた。オーソドックスな破壊行為から、いきなり4人殺害に転じた急激なエスカレートに、さらなる犯行が心配された。不安は的中。ほどなく次の事件が発生した。深夜の駐車場で、ウェイトレスの女性と、彼女を迎えに来た男性が殺害されたのだ。しかしこれまでと異なり、被害者が働いていた店はブルーカラー向けのレストラン。すでにイデオロギーも消え、犯行はただの暴力と化していた。
■プロファイル
警察に向け、BAUはプロファイルを発表した。「手際がよく、統制がとれていることから、年齢は25歳から35歳。社会から疎外された人間で、生き甲斐がなく、全ては人のせいだと思っている。目的は暴力をふるうことだけ。犯人を特定する鍵は、彼らがどこで出会い、暴力を渇望するゆがんだ心理を共有するに至ったかにある。犯人はこの地域に関係があり、町に溶け込んでいて、決して目立たない。犯行現場の状況、被害者をコントロールしていることから、犯人は大柄か、鍛えた身体を持つ3、4人のグループ。育った環境に問題があり、おそらく少年拘置所で出会い、人格を重ね合わせ一体となった。犯行の快感を思い出すために、マスコミの報道に注目しており、犯行現場に再び現れる可能性も高い」
■暴動発生
その頃、犯人がSNSでコミュニケーションをとっていないか調べていたガルシアは、「今夜、デュポン・サークルで暴動を起こそう」という呼びかけを発見する。呼びかけに不満を抱える多くの若者が集まり、警察が出動、多数の逮捕者を出した。しかしデュポン・サークルはこれまでの犯行エリアではなく、犯人も暴動をコントロールすることは出来ない。ホッチは殺人とこの暴動は別の事件だと指摘、さらに警察の過剰反応が、騒ぎを拡大させたと批判する。犯行の残虐さと、さらに暴動で警察官が負傷したことから、感情的になっていた地元警察のアンドリュースは、これ以上のBAUの介入を拒絶する。しかしホッチは、この騒ぎが犯人を刺激し、新たな犯行の引き金になると予想、チームに捜査の続行を指示する。
■群れの選択
ホッチの予想通り、サウスイーストで新たな犯行が発生した。犯人はパブでバーテンダーの手を釘でカウンターに打ち付けた後に殺害。居合わせた客も殴り殺した。バーテンダーの手を打ち付けたのは、専用の釘打ち機。犯人は区画整理が進むこのエリアに溶け込める人物、高級住宅街の建設に従事する作業員だったのだ! それを聞いたモーガンは、破壊行為がいきなり4人の殺人へ飛躍したのではなく、3番目のタウンハウスが荒らされた事件でも、実は殺人事件が起きていたのではないかと指摘する。モーガンの推理は的中。タウンハウスの構造壁から、行方不明になっていた作業員の死体が発見された。ガルシアが工事記録を調べたところ、下請けで壁を作ったのは、住所が同じ――つまり同居している3人の男性だった。警察とチームは彼らの住居に急行。在宅していたのは1人だけで、彼は、犯罪の一部始終を撮した映像を眺めていた。残る2人は既に自分たちが追い詰められたことを知り、改装中の家に逃げ込んだが、その後、まるで銃を所持しているかのようなフリをして屋外に飛び出し、包囲していた警官隊に射殺された。

【格言】
「暴力から希望は生まれない。絶望が一時的に紛れるだけである」アメリカの教育者、キングマン・ブリュースター・ジュニア(1919年6月17日-1988年11月8日)の言葉。イェール大学の学長をつとめ、後に駐英大使も勤めた。
「破壊的な喜びには、破壊的な結末が伴う」イギリスの劇作家ウィリアム・シェイクスピア(1564年-1616年)の悲劇『ロミオとジュリエット』の台詞。2幕6場の台詞で、ジュリエットに恋い焦がれるロミオが、彼女を妻に迎えられるなら、たとえ我が身に何がおきようとも、死が訪れようともかまわないとい語ったときに、ロレンス神父がたしなめて言った台詞。
【ゲストスター】
地元警察のアンドリュースは、『プリズン・ブレイク』の怖くて嫌な刑務官ベリック役でブレイクしたウェイド・ウィリアムズ。犯人3人組のひとりヴィンセントは「24ファイナルシーズン」のケビン・ウェイド役のクレイン・クロフォード。ベイカー役は「HEROS」のシーズン3から登場したレベル5の脱獄者フリント・ゴードン ジュニアを演じたブレイク・シールズだ。
【タマラ・バーンズ】
被害者と犯人になんらかの接点がないか聞き取り調査をした際に、モーガンが担当したのは、被害者ウィリアムの姉、タマラ・バーンズだった。たった1人の身内を失って取り乱すタマラを心配し、モーガンは話を聞いたり、家まで送ったり。そんな彼にガルシアは、被害者の家族に必要以上に近づいてはいけないと忠告するが……。タマラを演じているのはサリー・リチャード=ホイットフィールド。映画「アイ・アム・レジェンド」の主人公の妻や、「ユーリカ~事件です!カーター保安官~」のアリソン・ブレイク役で知られる。
【BGM】
犯人たちが犯行の一部始終を撮影した映像をPCで見るシーンで流れるのは、デッド・ウェザーのTreat Me Like Your Mother。デッド・ウェザーは、2009年に結成された、女性1名、男性3名からなるアメリカのロックグループ。スーパー暗黒カルテットの異名をもつ。バーでの犯行シーン。店でかかっているのはフランク・シナトラのSummer Love。最後のシーンからエピローグで流れるのはパターソン・フッドのHeavy and Hanging。アルバムMurdering Oscarに収録されている。
【犯行に駆り立てたものは?】
「おまえら何なんだ」仕事もあるのに、世間に八つ当たりして、罪のない人を虐殺した犯人に、当惑混じりの怒りをぶつけるモーガン。しかし殺害の一部始終を撮影した録画を繰り返しながめ、酒を飲んでいた犯人は、悪びれるふうもなく、「ただの遊びだよ」と言い切る。さらに逃走した2人は、建物を包囲する警察官の囲みに飛び出し、射殺される道を選ぶ。まるで伝説のならず者、ブッチとサンダンスのように……。絶望的な結末を予想し、早々に現場から立ち去るホッチ。犯人に対して憤りを抱きながらも、少し悲しげな眼差しでその様子を見つめるモーガン。重苦しいエピローグにパターソン・フッドのHeavy and Hangingの陰鬱な歌詞が響きます。

2011.2.15|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

2月8日(火)S5#3『仕置き人』

3

■ロッシの故郷で殺人事件が発生
ロングアイランドのコマックで、ベン・ヴァンダーウォールという男性が殺され、妻のヘザーが行方不明になっていた。ベンは至近距離から22口径で心臓と頭に一発ずつ撃ちこまれたうえに、手首が切り落とされ持ち去られていた。ロングアイランドではこの一年に、同一犯の犯行と見られる事件が2件起きていた。一件目は、自宅から連れ去られたリタ・ハズラットが、4週間後にゴミ捨て場で遺体となって発見された事件。リタは拘束され拷問を受けていたらしく、遺体はガリガリに痩せていた。もう1件はビル・レヴィントンで、頭と心臓を撃たれたうえ、性器が切り落とされていた。ドクターストップのかかったリードをクワンティコに残し、チームはロングアイランドに向かった。到着早々、ヘザーが路上で保護されたとの一報が入った。ベンの検視の結果、弾に旋条痕がないことから、使われたのは手製の銃。手口から見て犯人は殺しのプロで、遺体の一部を持ち去ったのは依頼人への報告のためだと考えられた。
■幼馴染み
しかし犯人がプロの殺し屋だとすると、ヘザーはなぜ殺されなかったのか。ヘザーの背景を調査したガルシアは、彼女が最近、娘アリソンの養育権を前夫に渡しただけでなく、家族法が専門の法律事務所に多額の小切手を切っていたことをつきとめる。JJにそのことを聞かれたヘザーは、ベンの携帯にアリソンの裸の写真があったことを話した。プロの犯行だと聞いたロッシは、幼馴染みで裏社会の顔役レイ・フィネガンに会いに出かけた。レイは目をかけているショーンへの情状酌量を条件に、犯人の情報を明かした。殺し屋の名はボソラ。キャリア20年の殺し屋だが、滅多に人と会わない、幽霊のような存在だという。さらにレイはボソラを呼び出し、FBIに引き渡すと約束した。しかしそのことをボソラに察知され、逆にボソラに殺害されてしまう。
■プロファイル
クワンティコに残ったリードとガルシアは、被害者がいずれも児童絡みの犯罪の加害者であることを掴んだ。ヴィントンは未成年者連続レイプ犯、ハズラットはソーシャル・ワーカーだったが担当家庭の7歳の少年を餓死させていた。被害者の身体の切断は、被害者の罪の象徴だったのだ。犯人のプロファイルは、「男性二人組。一人目は一連の犯行の立案者で、被害者の犯した罪を知ることのできる司法関係者。個人的に大きな悲劇を経験しており、年齢は50代後半から60代。そしてもう一人が実施者で、正義を果たすために雇われた殺し屋。二人は裁判所で出会ったと思われる」というものだった。裁判資料を閲覧できる人間の数が膨大で、立案者からの絞れこみが困難と判断したチームは、犯行の実施者からアプローチをかけた。その結果、ロングアイランドで起きたマフィア絡みの殺人で、被告は殺し屋で、審理無効になったトニー・メカッチの名前が浮上する。その公判の判事の名前をみたロッシは愕然とする。ボイド・シュラー。ロッシの幼馴染みで、初恋の相手エマの夫だった。
■初恋の女
エマは2年前に酒気帯び運転の車とぶつかって死亡している。シュラーは最愛の妻を失い、さらにその後、癌の宣告を受けていた。プロファイルは完全にシュラーと一致している。BAUがシュラーの元に向かおうとしたそのとき、当のシュラーが署に出頭してきた。殺人リストにはまだ続きがあり、シュラーの出頭は時間稼ぎをしていると考え、ロッシはシュラーからターゲットを聞き出すために、エマのことを語り始める。一方、シュラーの金銭関係を洗っていたガルシアは、彼がこの一年で3回にわたり5万ドルを、さらに2日前に10万ドルを振りこみ、残りの財産は全て被害者支援グループに寄付していることがわかった。10万ドルのターゲットは誰なのか。ロッシはエマとの情事をちらつかせ、その情報と引き替えにシュラーから「パットンが最後だ」という言葉を引き出した。エマの事故の相手パットンがターゲットだったのだ。ホッチは、パットンの家に急行するが、既にボソラに殺害された後だった。
■最後のターゲット
その頃、高等裁判所の判事という地位を考慮し、シュラーの移送が決定していた。しかしホッチはシュラーが最後に振り込んだ金額がそれまでの倍であること、そしてまだ余命は半年あるのに、全財産を手放したことが気にかかっていた。これまでターゲットの死亡を確認してから降り込んでいたのに、最後はそれができないということではないか。そう直感したホッチは、シュラー移送中のモーガンに電話で警告しようとする。しかし、署の前はマスコミでごった返しており、電話の声もかき消されてしまう。「ウソをついた」虚空をみつめながらシュラーが呟いたその瞬間、銃弾がシュラーを撃ち抜いた。最後のターゲットは、彼自身だったのだ。その後、ゴルフに出かけたボソラの前にショーンが現れ、レイの敵を討った。

【格言】
「武力なき正義は無力であり、正義なき武力は暴力である」フランスの哲学者ブレーズ・パスカル(1623年6月19日-1662年8月19日)の言葉。
「厳正な正義より、実り豊かなものは慈悲の心である」第十六代アメリカ大統領エイブラハム・リンカーン(1809年2月12日 - 1865年4月15日)の言葉。
【ゲストスター】
ロッシの幼馴染みレイを演じたのはウィリアム・サドラー。『ダイ・ハード2』のスチュアート大佐や、「ロズウェル/星の恋人たち」のカイルの父親のバレンティ保安官(途中から味方になるけど)など筋の通った悪役が印象に残る。
【ボソラ】
ボソラというのはエリザベス朝期の劇作家ジョン・ウェブスター(1580年頃-1634年頃)の悲劇『モルフィ公爵夫人』に登場する男の名前。物語は、未亡人のモルフィ公爵夫人が家令アントニオと恋に落ち、極秘結婚をあげたことに端を発する。公爵夫人の双子の兄ファーディナンドともう一人の兄の枢機卿は、この結婚を認めず、不貞を働いた公爵夫人と子供を殺害するように手下のボソラに命じた。しかしボソラはファーディナンドの裏切りにあり、ファーディナンドをも殺害、彼自身もファーディナンドに刺されて命を落とす。
【クレーターを作った公式】
今回の見所のひとつは、ドクターストップでクワンティコに残ったリードとガルシアが、二人並んで後方支援をするシーン。一つの画面に二人並んで、競い合って応える様子が、まるで学校で一番を競い合ってる子供みたいでかわいい! ところでレイが質問したクロスワードパズルの質問。ガルシアの答えは「アークタンジェント」。アークタンジェントとは逆正接関数のことで、なぜそれががクレーターを作るのか、正直に言ってよくわかりません。クレーターは円なので、円を表す公式の中で、10文字の単語というような意味なんじゃないか思うのですが……。数学が得意な人、教えて!
【理想の夫】
「6歳のとき父親のジョンが白黒ブチの仔猫を拾った。オスカーと名付けた。大好きなオスカー・ワイルドにちなんで」そのオスカー・ワイルドの作品中でもエマが1番好きだったのが『理想の夫』。1895年の作品で、将来を嘱望された政治家ロバートと、美しく聡明な妻のガートルードを主人公にした喜劇だ。ガートルードは、清廉潔白な政治家で理想の夫だと信じていたロバートが、若い頃に不正行為を働いていたことを知りショックを受ける。が、やがて過去が露呈して変わったのは自分が勝手に作り上げた理想の夫像であり、目の前にいるロバートは何も変わっていないということを悟り、元の鞘におさまる。しかし6歳でオスカー・ワイルド好きって、リードなみ?
【殺人リスト】
アバンでうつる殺人リスト。よく見ると全部で5件あり、1番下の名前はBoyd Shullerと読める。
【ジョーク】
最後のシーンでボソラが「アイルランド人が」といって死ぬのは、たぶん「アイルランド人と、イングランド人と、スコットランド人が××しました。アイルランド人は~、イングランド人は~、スコットランド人は~」というパターンで語られる民族性をジョークだと思われる。会話の意図はよくわからないけど……。
【ロッシの過去】
事件の起きたコマックは、ロッシの生まれ故郷。30年前に故郷を捨てたロッシは、事件からはずれたいとホッチに告げるが、リードにドクターストップがかかったために、観念して現場に向かった。ロッシは1958年にニューヨーク州コマックで誕生。12歳でエマと出会い、相思相愛の仲となる。しかし海軍除隊後、FBIに入局し、仕事にかまけてエマを失った。3回の離婚の背景には、ひょっとしたら初恋の彼女への尽きせぬ想いがあるのかな。
【今週のホッチ】
コマックに向かった日は、なんとジャックの誕生日。映像の中の息子に「誕生日おめでとう」と語りかけるホッチが切ない! エピローグでは「一番大切なものを手放して後悔にくれる、そんな寂しい男に君はなっちゃいけない」とロッシから励まされる。ホッチがんばれ。
【メールニュース】
■ロングアイランドのコマックで、男が銃殺され死体の手首が持ちさらえた。過去に同一犯と見られる事件が2件あり、片方の被害者は食事も与えられずに拷問されており、もう一歩は性器が切り取られた状態で発見されていた。凶器から、犯人はプロの殺し屋とみられたが、いったい死体損壊の目的は何なのか……。
■事件の舞台はロッシの故郷。ロッシはチームにも行き先をつげずに、情報を求めて訪ねた先は……。そして容疑者とロッシの関係は!? 初恋の相手や幼馴染みなど、ロッシの過去が明らかに!
■今回、リードにドクターストップがかかり、クワンティコでお留守番。冒頭で、前回の出張も実は虚偽の申告の結果であることがばれたリード。「ドクターが出張許可したってウソついたろ」とホッチに指摘されたリード。ウソなんてついてないと主張するリードのいいわけが秀逸。
■リードがクワンティコに居残り、回戦の向こう側はガルシアとリードの連弾状態。ふたりで競いあうようにリサーチし、質問に答える様子は、今回限りのお楽しみです。

2011.2. 8|エピソード・ガイド|コメント(3)トラックバック(0)

2月1日(火)S5#2『閉ざされた記憶』

2

■スプリーキラー
ケンタッキー州ルイヴィルの薬局でひとりの男が突如錯乱。止めに入った店員をナイフで刺したのを皮切りに、次々に店内の客を刺し、さらに警備員から銃を奪い発砲。3人を死亡させ、ナイフと銃を持ったまま逃走した。男はダリン・コール、40歳。家族はなく、最近20年近く勤めた工場を解雇されていた。通常スプリー・キラーは犯行後に自殺することが多いのに、なぜコールは逃げたのかとホッチの問われたリードは、「殺したい誰かがいて、最初の被害者はその身代わり」なのではないかと推測。また防犯カメラの映像から、コールの行動は、身体に触れられたことによって引き起こされる防御的なものだと判断。地元警察がコールを探しローラー作戦を展開するなか、BAUはコールの背景をさぐるべく自宅と犯行現場に向かった。やがて薬剤師からコールが抗精神病薬を服用していたことを知らされ、主治医の元に急行するが、その頃既にコールは主治医チボラの診療所を訪れていた。血まみれで手にはナイフを持ったコールを、チボラはなだめようとする。成功しそうに見えたそのとき、たまたま診療に来ていた動転した患者がコールに接触。錯乱したコールは医師と患者の2人を殺害して逃走した。
■失われた記憶
コールの経歴を調べるガルシアは思わぬところで行き詰まっていた。なんとコールには誕生から6歳までの記録がなかったのだ。ダリン・コールは、1975年の5月1日、さまよっているところを保護された。該当する捜索願いはなく、その後、1年間なにもしゃべらず、ようやく話せるようになったときには以前の記憶を失っていたため、身元が判らなかったのだ。コールは自分の過去を知るため、長年常用してきた薬を断ったのではないか。コールの過去を探るBAUに、地元警察のミッチェルがホロークリークで起きた連続誘拐事件の情報をもたらした。1975年に、被害者3人の子供が遺体で、ひとりが無事に保護された未解決の事件だ。保護されたのは当時12歳のトミー・フィリップスという少年だった。ホッチはガルシアにトミーの行方を捜せる一方で、6歳の子供がダヴィン・コールとなった場所、児童保護施設へと向かった。しかしまたもや捜査陣の到着が後手にまわり、コールはこの施設でライアンという名の少年をさらって逃走した後だった。施設のスタッフによると、コールはライアンに「トミー」と呼びかけ、さらにガラス窓にうつった自分の顔を見て逆上したという。
■ホロークリークの殺人鬼
BAUはコールを先回りにするために、ホロークリーク事件の分析をはじめる。事件が起きたのは73年から75年。誘拐されたのはいずれも少年。学校からの帰り道に、ひとりになったところで誘拐されていることから、家か職場が学校の側だと考えられた。やがてガルシアが、隣の隣の郡で名前を変えて暮らしていたトミーを発見する。しかし彼は、生き残ったのは自分一人だけだと主張していた。投げやりなトミーの暮らしぶりを見たホッチは、彼が事件だけではなく、コールを置き去りにしたことがトラウマになっていると判断し、そこを突破口にして口を開かせることに成功した。トミーが捕らえられていたとき、ホロー・クリークキラーの元には、もうひとり幼い男の子がいて、一緒に逃げようとしたが、彼は捕らえられてしまったというのだ。BAUは、その男の子が拘束されていなかったこと、トミーを殺そうとしたときも車の助手席に座っていたことに着目し、コールはホロー・クリークキラーの息子だと推理する。
■過去との対決
コールに捜索願いが出されていなかったことから、ホッチはコールには守ってくれる母親がいなかったと推測。69年から75年までの女性の死亡記録を絞り込み、出産で死亡したドリス・ジャーヴィスという女性にたどり着く。このとき産まれた子供がコールで、夫ビル・ジャーヴィスこそがホロー・クリークキラーだ。過去を取り戻そうとしているコールは、必ずここにたどり着く。捜査陣はジャービスの家に急行するが、既にライアンを連れたコールが先着していた。突入を主張する警察と、犠牲者を出したくないBAUが押し問答をする中、予告もなくホッチが行動を起こした。単独でジャーヴィスの家に向かったのだ。ホッチは言葉巧みにコールの注意をひき、ライアンを外に逃がした。とりまく警察が、飛び出してきたライアンを確保した刹那、家の中から銃声が響いた。そして邸内に突入した捜査陣が見つけたのは、コールに撃ち殺されたジャーヴィスと、ホッチによって拘束されているコールだった。コールはその後トミーに再会。「トミーのおかげで何もかも変わった」と感謝のことばを伝える。そしてトミーは励ますように肩にのばした手を、受け入れるのだった。

【格言】
「部屋でも屋敷でもなく、人が何かに取り憑かれることがある。脳には現実をはるかにしのぐ廊下があるのだ」アメリカの詩人、エミリー・ディッキンソ(1830.12.10-1886.5.15)の言葉。今でこそアメリカを代表する詩人と位置づけられているが、生前には一冊の本も刊行されることはなかった。17歳のころから家にひきこもりがちになり、詩作をつづけた。ひきこもりではあったが、詩はウィットにとみ、言葉の裏にはさまざまな意味が見え隠れする。詩にはタイトルがつけられていないが、引用は1955年に刊行されたジョンスン版『エミリー・ディキンスン詩集』で670番の番号がふられた作品で、自己に潜む恐怖や罪の意識、そして狂気を描いた詩だ。「取り憑かれる」という単語が、このエピソードの原題でもあるHauntedである。このあと、部屋に潜む暗殺者よりも、背後に隠れている自己に驚かされる。ピストルを構えてドアを閉めても、幽霊か何かを見逃してしまう。というような内容で締めくくられる。
「誰より恐るるべき目撃者、容赦のない告発者は、すべての人の心にある良心である」ギリシャの歴史家ポリュビオス(紀元前2世紀頃)。ローマの歴史書『歴史』で知られる。
【ゲストスター】
ダリン・コールは「インディ・ジョーンズ 若き日の大冒険」で一世を風靡したショーン・パトリック・フラナリー。昔ながらの足を使った捜査を主張するミッチェル刑事を演じているのは、グレン・モーシャワー。「24」全シリーズに登場している信頼の人、シークレットサービスのアーロン・ピアースでお馴染み。トミー役は「LOST」のシーズン2、シーズン3でダニー・ピケットを演じていたマイケル・ボウエン。
【リードの松葉杖】
一方、前回、脚を撃たれたリードは今回から大手をふって松葉杖で出勤。「杖はいつまでだ」というホッチの質問には「わからないんです」という大胆な答え。マシュー・グレイ・ギュブラーはこの骨折で3度も手術をしているので、松葉杖はかなり長引く模様。
【スプリー・キラー】
S3#1『ギデオンの決意』でも登場したスプリー・キラーとは、犯罪のインターバルが短い無差別連続・大量殺人者のこと。学校での大量殺人がスプリー・キラーによる事件の典型とされ、1966年のテキサスタワー乱射事件、1999年のコロンバイン高校銃乱射事件、2001年の附属池田小事件、2007年のヴァージニア工科大学銃乱射事件などが数えられる。
【ホッチの復帰】
リーパーに刺されたホッチは1ヶ月と4日休んだだけで仕事に復帰。事件はホッチの活躍もあって解決したが、しかし気になるのはその言動。家族もいず、守るもののないコールに対する「なぜ自殺しないのか?」というホッチの問いも、トミーを追い詰めたときの発言も、まるで自分自身のことを語っているように聞こえる。コールの後手に回っていることに苛立った際も、リーパー事件を引き合いに出し、同じミスは犯せないと語気を荒くする。さらに最後は危険を顧みず、単身でジャーヴィス家に向かい、コールを説得するという暴挙(?)に及ぶ。モーガンはそんなホッチの行動の背景に、死を望む部分があるのではないかと心配し、ロッシは「(ホッチを)信じなきゃだめだ」と主張する。またホッチを自宅まで送ったプレンティスも、「今のコールにはトミーがいるからひとりじゃない」と、コールの話にかこつけ、懸命に自分たちが存在することをホッチに伝えようとする。みんなの気持ちがホッチに少しでも伝わり、それが助けになっていればいいな。というわけで、重苦しい空気のままこの問題はまだまだつづきます。

2011.2. 1|エピソード・ガイド|コメント(9)トラックバック(0)

1月25日(火)S5#1『死神の再来』

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■脅迫状
ヴァージニア州マクリーンで、ヒスパニック系の男性が何者かに自宅で射殺され、チームに緊急招集がかけられた。実は2日前、ERに勤める医師トム・バートンの元に、「LC」と名乗る人物から「息子を殺す。息子を隠そうとすれば、毎日1人、身代わりが死ぬ」という文面の脅迫状が届けられていた。バートンが安全のために息子のジェフリーを外に出さないようにしたところ、翌日からLCが脅迫のとおり、別の人間を殺し始めたのだ。BAUは、バートンと犯人との関わりを調べるために、彼の自宅を訪ねた。ところが父親と捜査陣の会話を聞いたジェフリーは、自分が隠れていたために罪もない人が殺されたことに責任を感じ、家を抜け出して登校してしまった。そこでロッシ、モーガン、JJの3人はジェフリーを追って学校へ向かい、リードとプレンティスの2人がバートン邸で、犯人のプロファイルを進めることになった。
■プロファイル
部外者が入りにくい学校内は安全だと考えたBAUは、犯人を刺激したり、他の生徒がパニックを起したりすることがないように、ジェフリーにも学校側にも、授業が終わるまで普通に振る舞うように指示を出した。ジェフリーが学校から外に出るまでは約5時間。リードはその間に犯人割り出そうとするが、ER医師のバートンは、この半年だけでも数百件の手術に関わっており、絞り込みは難航する。脅迫状の文面から「犯人は男性。バートンが手術を担当したが救えなかった十代の患者の父親」。殺害された被害者がいずれもヒスパニック系の40歳代の男性であることから、「バートンが同じ日にヒスパニック系の男性の手術も担当、自分の子供は死亡したが男性は助かったために、バートンに恨みを抱いた」と推測。カルテをその条件で絞り込むが、バートンはいずれも手術には数時間の間隔があり、恨まれるようなケースではなかったと主張する。
■犯人とその息子
犯人が抱える状況が、脅迫状の言葉の中に潜んでいる可能性があるとリードに言われて、脅迫状を読み直したバートンは、やがてその文面からある患者のことを思い出した。今年の年明けすぐに交通事故があり、ヒスパニック男性はオペで助かったが、同じ事故で運ばれた少年が病院到着時には既に脳死状態で、手術も行わなかった。そのことで父親から「(もし自分の子供が)見殺しにされたらどう思う?」と詰め寄られたのだった。ガルシアの調査で、その少年ジェイソン・マイヤーズは以来、植物状態で入院をつづけていたが、3日前に呼吸器を外し死亡宣告を受けたことが判明する。LCは彼の父、パトリック・マイヤーズだったのだ。ガルシアはパトリックの写真を学校にいるロッシらに送った。折しも下校時間となり、バートンはジェフリーを迎えに行くために家を出た。
■LCの意味は
緊急招集の電話に出ないホッチの身を案じるプレンティスは、プロファイルをリードに任せてホッチの自宅に向かった。ホッチの家の扉は施錠されておらず、もぬけの殻で、壁には銃痕が穿たれ、床には血だまりが残されていた。ガルシアは鑑識や捜査陣をホッチの家に送る一方で、近隣のERに片っ端から電話をかけてホッチの行方を捜したところ、セント・セバスチャン病院に「FBIのデレク・モーガン」と名乗る男が身元不明のケガ人を運び込んだことが判明。プレンティスはその病院で腹部を刺され重傷を負ったホッチを発見する。ホッチのカルテを見たプレンティスはそこに「LC」という文字を見つける。「LC」とは延命拒否をしていないという意味で、「Living Children」の略だった。それを聞いたリードは、「LC」は「子供が一人で生きていくことになる」という意味で、ターゲットはジェフリーではなくバートン医師の方だと悟る。リードの推測は的中、家の外ではマイヤーズが銃を持って待ち構えていた。リードが咄嗟にバートンをかばったために、銃弾はリードの膝に命中。リードは「息子を殺したのはバートンではなく交通事故だ」と説得するも聞き入れられず、やむなくマイヤーズを撃った。そこに警察と救急が到着。バートンの応急処置によってマイヤーズも命をとりとめ、事件は解決した。
■リーパーの策略
チームが病院に駆けつけた頃、ようやくホッチは意識を取り戻した。相手を支配することで快感を得るリーパーは、ホッチの腹部を9カ所刺したうえで、モーガンのバッチを使って彼を病院に運び込んだのだ。リーパーは被害者から何かを奪い、何かを残していく。リーパーがホッチから奪ったのはアドレス帳のBの欄だった。そして服のポケットの身分証の間にヘイリーとジャックの写真が挟まれていた。ヘイリーの旧姓はブルック。ホッチは個人情報が漏れないように、アドレス帳のBの欄にヘイリーの住所を入れいた。ヘイリーの自宅にSWATとチームが急行する。幸いにも二人は無事だったが、安全のために連邦保安局が二人を保護拘束することとなった。10年間かけてショーネシーが壊れていくのを楽しんだリーパーが、今度は自分を支配して壊そうとしている。いったいいつになったら自分は息子のジャックと再会できるのか、いつになったら彼らに安全だと伝えることができるのか。打ちのめされるホッチにロッシは、ホッチが作り上げたチームを讃え、このチームが「必ずフォイエットを捕まえる」と励ますのだった。

【格言】
「弱い人間は決断する前に疑い、強い人間は後から疑う」カール・クラウス(1874-1936)の言葉。カールクラウスはモラヴィア出身のユダヤ人で、世紀末ウィーンを代表する作家。詩や戯曲、随筆で知られる一方で、1899年から1930年にかけては評論誌『ファッケル(炬火)』の編集にたずさわった。いち早くヒトラーの危険を暴いた『第三のワルプルギスの夜』(1933年完成、1952年出版)でも知られる。引用は Half Truths and One-and-a-Half Truths: selected aphorismsの一節。翻訳は『カール・クラウス著作集 5 アフォリズム』に収録されている?(すみません! 古い本で図書館にもなくて実物は確認できてません)。
【第5シーズン開幕!】
お久しぶりです! いよいよ「クリミナル・マインド」第5シーズンのスタートです! 第4シーズンのファイナルのエピローグで、自宅に帰ったホッチを待ち受けていた、「リーパー」ジョージ・フォイエット(S4#18「リーパー」参照)。彼は「取引すべきだったな」と告げると、ホッチに銃口を向けた。銃声、そして暗転。第5シーズンはその僅か数時間後からはじまります。あの銃声は壁に向けて撃たれたものだったとはいえ、ホッチは腹部を9カ所も刺される重傷。さらに何をすれば人を追い詰め、恐怖を呼び覚ますのかを熟知しているリーパーは、家族を人質にホッチを壊そうとする。果たしてホッチはリーパーの支配から逃れることができるのか、チームはリーパー捕まえることができるのか。物語は、記念すべき放送100話へとつづきます。
【ゲストスター】
バートン医師役はクリストファー・カズンズ。「CSI:ニューヨーク」(S2#6)、「NCISネイビー犯罪捜査班」(S6#21)など数々のドラマにゲスト出演している。ジェフリーを演じているのはポール・ブッチャー。1994年生まれの子役スターで、ブリトニー・スピアーズの妹ジェイミー・リン・スピアーズが主演で話題を呼んだ「Zoey 101」の出演でスターに。オフィシャルHPはこちら。ヘイリーたちをガードする連邦保安官キャスマイヤーは、映画「メンフィス・ベル」で「死にたくない」と叫ぶ航空士のフィル役が印象に残るD・B・スウィーニーだ。
【マシュー・グレイ・ギュブラー骨折】
シーズン・オフに脚を骨折し、twitterなどで、がっしりギブスで固めた膝の写真を公開していたマシュー・グレイ・ギュブラー。いったい撮影はどうなっているんだろうと心配していた方も多いのではないでしょうか。さて骨折後の初収録である第1話では、リードは殺人現場に先着、ロッシたちが到着したときには死体の横に置いた椅子に座ってファイルを読んでいるし、バートン邸でもソファーに座ってファイルをチェック。あのバートンを押し倒すシーンはスタントだったようです。最後は無事に(!)銃で撃たれ、これで次週からは公然と松葉杖で登場、だと思われます。
【ウォーカー刑事】
「久しぶり」と挨拶する地元警察のウォーカー刑事は、「ペネロープ」(S3#9)に登場。ガルシアが撃たれた事件の担当刑事だ。

2011.1.26|エピソード・ガイド|コメント(4)トラックバック(0)

7月13日(火)S4#26『地獄からの帰還-後編-』

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■血染めの靴
農場の持ち主である元医師のメイソン・ターナーは、四肢麻痺で生命維持装置につながれていた。ベッドウェルは、プロファイリングのミスだとロッシとホッチを非難、BAUを帰し、ウィリアムを再拘束しようとする。ところがその頃、農場を調べていたモーガンとプレンティスは、豚小屋のそばで血痕のついたゴミ箱を発見。その中には、なんと、性別・サイズも違う血染めの靴がぎっしり入っていた。靴は全部で89足。この農場に拉致・殺害されたのは、10人どころではなかったのだ。さらに一同は、リードの、遺体が見つからないのは、農場の豚に食べさせたのではないかという推測に、慄然とする。農場には急遽、オンタリオ中の警官、誘拐現場であるデトロイトの刑事、さらにメイソンがコミュニケーションの手段として使っているノートPCの分析のためにクワンティコからガルシアが呼び集められた。
■犯人は弟だ、見つけ次第撃て
メイソンの病室には、寝たままでも、周囲の様子が見られるように四方八方に鏡が据えられていた。ロッシはそれらの鏡を裏返し、メイソンに農場で何が起きたのか、誘拐されたケリーはどこにいるのかを話すように迫った。するとメイソンは、自分にはルーカスという弟がおり、自分の四肢麻痺も、殺害も、全ては彼の仕業だと告白。さらに弟は体が大きく、凶暴なので、見つけ次第すぐに殺すようにと進言する。捜査陣にはルーカスの写真が配られ、ルーカスの行方を追うために警察犬も投入されたが、しかしロッシは弟を「見つけ次第撃て」というメイソンの言動に不審感を抱いていた。農場の納屋でルーカスの寝床を発見したリードは、そこにあったルーカスの絵から、彼は自閉症か知的障害を持っており、自分のやっていることを認識できていない。もし捜査陣に囲まれたら、怯え、混乱して暴れる可能性があると分析する
■誘拐の動機は……
ゴミ箱の中からウィリアムの認識票が発見された。それはイラクに行く前に、妹からお守り代わりに欲しいとねだられたものだった。ウィリアムに認識票を手渡したモーガンは、これ以上農場にいるのは耐えられないとホッチにつげ、森に出たプレンティスたち捜索隊に合流する。一方、PCをハッキングしたガルシアは、メイソンが自分の四肢麻痺を治すために、誘拐した人々を使って人体実験をやっていたこを突き止めた。しかし、メイソンはその事実を突きつけられても悪びれることなく、「社会にとって何の意味もない人間を治療開発のために協力させた」と主張、さらに、身体を動かせない自分を有罪にできるはずがないとうそぶく。ロッシは元検事のホッチに、メイソンを有罪に出来るかどうか問うが、ホッチは明言を避けた。
■絶望の淵
その頃、ルーカスに捕らえられたケリーは、森の中の地下に作られた狩小屋に監禁されていた。彼女はルーカスの幼児性を利用し、友だちになることで逃げるチャンスを作ろうとする。そして、隙をついてルーカスの携帯電話を手に入れた彼女は、トイレに行くふりをして電話をかけ、救いを求めた。ケリーの電話に出たのは、メイソンのPCの履歴から携帯番号を監視していたガルシアだった。電話はすぐに途切れたが、発信源が無事に突き止められ、捜査陣が狩り小屋に急行。ケリーは、ルーカスに手をあげ、急に立ち上がったり、動いたりしないようにと言い聞かせる。しかし彼女が保護され、外に連れ出された後、照準光に怯えたルーカスが叫び声をあげて立ち上がったため、囲んでいた狙撃手によって射殺されてしまう。一方、メイソンの部屋の外で、彼とロッシのやりとりを全て聞いていたウィリアムは、警察の銃を奪って病室に入り、メイソンを撃ち殺した。

【格言】
「ときとして、一日は突然、終わる」アーロン・ホッチナーの言葉。
【オズの魔法使い】
ホッチの電話に対するガルシアの返事、「はいこちらカーテンの陰からBAUを操る魔法使いでございます」というのは『オズの魔法使い』ネタ。カンザスの農場で暮らすドロシー・ゲイルは、ある日、竜巻に吹き飛ばされてオズの国に迷い込んでしまう。偉大な魔法使いのオズなら、魔法で彼女を家に帰してくれるかもしれない、そう聞いたドロシーは、魔法使いが住むエメラルドの都を目指す。ところが魔法使いの正体は、カーテンの陰に隠れて、おどろおどろしい仕掛けを動かすペテン師だった……。ジュリー・ガーランド主演の映画版では、冒頭のカンザスの農場のシーンで豚が登場するので、そこからの連想か。ガルシアの髪型もちょっとドロシーっぽいですね(農場に出かける衣装はドロシーというよりも赤ずきんちゃんだけど)。PCの前でガルシアがつぶやく、「エムおばさん」は、ドロシーが一緒に暮らしている母親代わりの女性の名前。
【メイソン・ターナーのモデル?】
メイソン・ターナーのモデルではないかと目されているのが、トマス・ハリスの小説『ハンニバル』に登場するメイスン・ヴァージャー。『ハンニバル』は、『レッド・ドラゴン』、『羊たちの沈黙』につづく、殺人鬼ハンニバル・レクター三部作の完結篇。同名で映画化もされている。メイスンはレクターの被害者の中で数少ない生存者だが、顔面の皮を剥ぎ取られた上に、頸椎を折られて四肢が麻痺している。以後、レクター殺害に執念を燃やし、彼を自分で遺伝子改造した凶悪な豚の生き餌にしようと企む。
【クリミナル・マインド・ニュース】
■アメリカで今秋スタートする「クリミナル・マインド」のスピン・オフ番組 Criminal Minds: Suspect Behavior。主演は『ラストキング・オブ・スコットランド』アミン大統領を演じ、ゴールデングローブ賞、アカデミー賞など、なだたる賞の主演男優部門を独占したフォレスト・ウィテカー。ウィテカー演じるサム・クーパーが率いるFBIの外部組織のプロファイラーグループの活躍を描く。『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』のボー・ギャレットがFBI捜査官で、コンピュータの専門家として出演。シーズン5の18話The Fightに、スピン・オフのメンバーが登場する。
【衝撃のラスト】
映画『オズの魔法使い』のラストで、ドロシーは、「おうちがいちばん」と呪文を唱えて懐かしいカンザスへ帰還する。かつてプレンティスは、「帰りの飛行機って行きよりも速く感じると思わない?」(S4#11「ありふれた狂気」)と語っていた。しかし、今回は帰路のフライトも重苦しく長く感じたことだろう。「おうちがいちばん」。そんな祈りも虚しく、エル、ギデオンにつづき、またもや捜査官の自宅が狙われてしまった。自宅に帰ったホッチを待ち受けていたのは、拘置所を脱獄し、そのまま行方がわからなくなっていた「リーパー」ジョージ・フォイエット(S4#18「リーパー」参照)だった! 「取引すべきだったな」リーパーはそう告げると、ホッチに銃口を向けた。銃声、そして暗転。
【シーズン5今冬放送決定!】
果たしてホッチの運命は、そしてリーパーとの対決の行方は……。シーズン・オフにマシュー・グレイ・ギュブラーが骨折、シーズン中にシェマー・ムーアが交通事故にあうなど、波乱の第5シーズン。100話記念エピソードや、マシュー・グレイ・ギュブラーが監督を務めるエピソードなど、話題も内容も盛りだくさん。こんな状態で放り出されて、待つのは長くてつらいけど、ネタバレは禁止です! 冬になったら、シーズン5でまたお会いしましょう。

■クリミナル・マインドの新シーズンは冬までお待たせですが、WOWOWで9月に、イギリスの新人女刑事が連続殺人犯に挑む「犯罪捜査官 アナ・トラヴィス」(全5話)が放送されます。クリミナル・マインド担当プロデューサーさんのこの秋の一押しだそうで、クリミナル・マインドファンにはたまらないそうです!

2010.7.13|エピソード・ガイド|コメント(17)トラックバック(0)

7月6日(火)S4#25『地獄からの帰還-前編-』

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■FBIを呼べ!
ミシガン州ポート・ヒューロンにある、アメリカとカナダとの国境で、ひとりの黒人男性が警備官の制止を振り切って守衛所に車を激突させた。警備官に取り押さえられた男は、その場で、デトロイトのストリートで10人を車に誘いこんで殺害、遺体をカナダに捨てたことを告白。それを裏付けるように、車内には10人の写真つきのプロフィールが置かれていた。その後、男は「FBIを呼べ」と主張。しかし、彼はなぜそのまま逃亡せずに、守衛所に車を激突させ、犯行を自供したのか。カナダの騎馬警察隊の担当者はベッティングは、途方に暮れてBAUに協力を依頼した。
■就寝点呼
男の名前はウィリアム・ハイタワー。2ヶ月前に片足を失って、名誉除隊したばかりの元陸軍軍曹だった。車内から発見されたプロフィールには、いかにも軍人らしい律儀さで、名前、写真、撮影した日付、撮影場所が記録されていた。しかし、10人の被害者は、性別もタイプもまちまちで、共通点はデトロイトのキャス・コリドーという地域で誘拐されたということだけ。デトロイトに向かったモーガンとプレンティスは、そこで意外なものを目にする。なんと群れないはずのホームレスや娼婦が、ここではグループを形成しているのだ。彼らは自分たちの周囲から人が消えていることに気づき、自衛を講じていたのだ。彼らによると、ウィリアムはこの地域に毎晩現れ、地域を巡回していたという。ウィリアム・ハイタワーは、戦場の就寝点呼のように、キャス・コリドーの人々の安否を確認していたのだ――報告を受けたホッチは、彼はシリアルキラーではないと確信、真実を聞くために取り調べ室に入った。
■11人目の行方不明者
2ヶ月前、ウィリアムがイラクから帰国してみると、彼の妹リーは、家を出て娼婦となっていた。妹を連れ戻すように母親に頼まれたウィリアムは、キャス・コリドーで彼女を見つけ、一旦は家に連れ戻したものの、2週間後にリーは再びストリートに戻ってしまった。ところがその夜、リーから何者かに拉致されたと、救いを求める電話が入った。ウィリアムが軍に頼んで電話の発信源を調べたところ、場所はカナダのポートヒューロンの国境付近だった。それからも妹を捜しつづける彼は、妹同様、忽然と姿を消す娼婦やホームレスがいることに気づき、就寝点呼を始めた。しかしそのことをデトロイト警察に訴えても、警察は相手がホームレスや娼婦であるためにとりあってもくれず、ついにウィリアムはFBIを動かすために国境に車で突っ込むという暴挙にでたのだ。ホッチに全てを話したウィリアムは、車のスペアタイアの中に11人目の被害者である、妹のプロフィールが隠してあることを告げた。
■プロファイル
ここ1ヶ月のデトロイトの犯罪報告を洗っていたガルシアは、拉致と同日にキャス・コリドーの医療施設が強盗にあっていることに気づいた。盗まれたのは輸液ポンプやOマイナスの血液など、素人が扱えるとは思えない医療器具だった。犯人のプロファイルは「性的サディスト。非常に頭が良く、秩序的で、医学的知識を持つ。被害者に実験か手術を施し、被害者を長時間生かし、苦しめることに喜びを見いだしている」というものだった。犯行のペースが一定であることから、今日、明日にも新たな拉致が起きると考えたBAUは、騎馬警察隊からウィリアムの身柄を借り受け、デトロイトのストリートに出、新顔の娼婦ケリーの姿がないことに気づいた。一方、ウィリアムの母親からリーが行方不明になったときの事情話を聞いたリードは、彼女が生活保護の小切手を受け取った翌日に姿を消した点に着目する。男性の誘拐は生活保護の支給日に集中していたのだ。グループを形成するホームレスたちの、お金を手にしたとき、売人に近づくときは1人になる。犯人は売春婦には客、ホームレス男性には売人を装って近づき、拉致していたのだ。
■そして捜査はカナダの農場に及ぶが……
娼婦のケリーが売人と会っていたとの情報を得たBAUは、犯人の車の特徴とケリーの写真を騎馬警察隊に送信。厳重な検問がしかれた。しかし犯人の車は検問にかからなかった。犯人は地図にはないルートを使ったに違いない。そのときウィリアムが、南北戦争時代に奴隷解放グループが使っていた出国ルートがあったことを思い出した。ホッチ、プレンティス、そしてウィリアムは、アメリカ側の渡河ポイントで1台の車を発見。車両登録番号から割り出した所有者はメイソン・ターナー、39歳。ミシガンの医学部を卒業した医師だった。捜査陣はターナーの所有する農場に急行。納屋で医療器具や血染めの手術台を発見するが、ケリーの姿はどこになかった。かわりに彼らが見つけたのは、さまざまな医療器具に繋がれた、ひとりの男性だった。身体を動かすことの出来ない、この寝たきりの病人が、なんとメイソン・ターナーだったのだ……。  (後編につづく)

【格言】
「地獄がないと人はケダモノのようになるだろう。地獄がなければ尊厳もなくなる」フラナリ・オコナー(1925年3月25日-1964年8月3日)の言葉。オコナーは、ジョージア州生まれの作家でエッセイスト、39年という短い生涯で、O・ヘンリー賞を4度受賞した、短編小説の名手として知られる。引用は書簡集The Habit of Being: Letters of Flannery O'Connor に収録された、文通相手のルイーズ・アボットあてた1959年の書簡の一文。アイルランド系カソリック教徒で、友人との書簡では、頻繁にキリスト教について議論していた。なお同書の翻訳版『存在することの習慣 フラナリー・オコナー書簡集』(横山貞子編訳/筑摩書房)は抄訳で、残念ながらルイーズ・アボットへの手紙はカットされている。
【ゲストスター】
ウィリアム・ハイタワーは、「ER 緊急救命室」のマイケル・ガラント役のシャリフ・アトキンス。メイソン・ターナーは、「ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ」のクロマティ(ターミネーター)を演じたギャレット・ディラハント。「ER 緊急救命室」のシーズン12~13で、看護師サムの元恋人スティーブ役で出演している。
【音楽】
冒頭のデトロイトのシーンで流れるのは、アメリカのロックバンド、ジェーンズ・アディクションの Chip Away 。87年に発売されたライブ・アルバム『ジェーンズ・アディクション』にも収録された楽曲。昨年、再結成をした際に同曲をスタジオ録音した。
【騎馬警察隊】
ドラマ「騎馬警官」でもお馴染みの王立カナダ騎馬警察は、FBIと同じ連邦警察。騎馬警察隊本部のシーンで、赤い制服に帽子の騎馬スタイルのポスターが一瞬画面に映るが、あれは式典向けで、普段の仕事は普通にパトカーを使用している。
【地下鉄道】
南北戦争の頃、奴隷制が認められていたアメリカ南部から、奴隷制を廃止したアメリカ北部、カナダへ黒人の逃亡を手助けした組織のこと。各地の支部を駅、停車場と呼び、逃亡黒人を匿い、次の駅へと橋渡しして北に逃がしたことから、地下鉄道と呼ばれている。実際に地下道を堀ったとかそういうことではない。奴隷廃止論者や、聖職者、アメリカ先住民や自由黒人などが組織の主なメンバーだった。
【ボイスキャスト】
ものすごくいまさらですが、ボイスキャストをご紹介。前回のアフレコ訪問と併せてお読みください。
■森田順平(ホッチ役/福岡県出身)
俳優活動では『3年B組金八先生』シリーズの、数学担当のカンカンこと、乾先生役がことに有名で、NHKの大河ドラマにもなんと10回以上も出演している。「轟轟戦隊ボウケンジャー」の敵幹部のリュウオーンでは、声だけではなく人間体も演じた。吹き替えではアンディ・ラウやヒュー・グラントが持ち役。
■小川真司(ロッシ役/東京都出身)
ダスティン・ホフマン、マイケル・ダグラス、リチャード・ギア、ロバート・デ・ニーロなど、主に映画の吹き替えで活躍。「アポロ13」などでゲイリー・シニーズの吹き替えも担当しており、実は「CSI:マイアミ2」23話で初登場したときの、「CSI:NY」のチーフ、マック・テイラーの声は小川真司さんでした。
■咲野俊介(モーガン役/宮崎県出身)
「NUMBERS 天才数学者の事件ファイル」チャーリー・エプス、「CSI:科学捜査班」デヴィッド・ホッジス、「HEROES/ヒーローズ」アイザック・メンデスなどなど。「七色の声」って表現がありますが、知っていてもホッジスと、モーガンと、チャーリーが同じ人の声だとは思えません。なお、「クリミナルマインド」の後番、7月20日スタートの「救命医ハンク セレブ診療ファイル」でも主人公のハンクの声を担当。ハンクは、NYのERを追われ、ハンプトンズの富豪相手のコンシェルジェ・ドクターとなった救急救命医。ドア・キックするシーンがあるそうです。
■深見梨加(プレンティス役/埼玉県出身)
アンジェリーナ・ジョリー、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、シャローン・ストーン、ジョディ・フォスター、ハル・ベリー(シェマー・ムーアと交際していた)が持ち役。アニメでは「美少女戦士セーラームーン」セーラーヴィーナス、海外ドラマでは「フレンズ」モニカ役で知られる。「アボンリーへの道」オリビア、「リ・ジェネシス バイオ犯罪捜査班」ジル・ラングストンなど。
■森久保祥太郎(リード役/東京都出身)
アニメでは「魔術士オーフェン」オーフェン、「GetBackers-奪還屋-」天野銀次、「あまつき」露草、「テニスの王子様」切原赤也など。海外ドラマでは、「トゥルー・コーリング」ジェンセン役が印象に残る。舞台や歌でも活躍しており、1998年にはじまったラジオ番組「あんずジャム」で番組内 ユニット「あんず」を結成し、ギターとボーカルを担当。現在はバンド AN's ALL STARS のメンバーとして活躍。
■園崎未恵(JJ役/東京都出身)
「24 -TWENTY FOUR-」キンバリー・バウアー、「CSI:ニューヨーク」リンジー・モンロー、「ヤング・スーパーマン」ロイス・レインなど。近年はアニメの仕事も増え、「ストライク・ウィッチーズ」ゲルトルート・バルクホルンなどを演じている。
公式サイト Twitter
■斉藤貴美子(ガルシア役/長野県出身)
「ダーティ・セクシー・マネー」リサ・ジョージ(主人公ニックの妻)、台湾ドラマの「イタズラなKISS」細井小百合(斗南大学病院看護師長)、「DEATH NOTE」レムなど。
【いよいよシーズン・ファイナル!】
いよいよ次回がシーズン・ファイナル。農場の豚は、メイソン・ターナーの、そして実行犯の正体とは……。身の毛もよだつ農場の秘密、地獄の正体がつまびらかにされます。覚悟してご覧くださいね。

2010.7. 6|エピソード・ガイド|コメント(9)トラックバック(0)

6月22日(火)S4#24『バイオテロリストを追え』

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■炭疽菌テロ事件発生
ワイントンDCに近いメリーランド州アナポリスで、たまたま市内の公園に居合わせた25人の男女が細菌に感染、身体に異変を訴えて一晩で12名が死亡した。細菌は炭疽菌の胞子を改造した新種で、病状の進行が早く、疾病予防対策センターも対処法を見いだせないでいた。捜査は陸軍生物兵器研究所との共同で行われることとなるが、生物兵器研究所のホイットワース将軍とFBIは、2001年の炭疽菌事件の際に対立した経緯があった。被害者が一般市民であることなどから、ホッチは犯人を、国内、炭疽菌をまいて利益を得る人間、生物兵器にアクセス可能な人間、大学や民間の研究員、細菌を保存しているラボの職員に絞り、将軍にも名簿の提出を要求する。リードは、犯人が科学者だとすれば、これが初めての犯行ではなく、もっと狭い場所でテストを行ったはずだと推測。調査により、2日前にも、たまたま同じ書店に居合わせた3人の人物が、炭疽菌感染とおぼしき症状で死亡していたことが判明する。
■プロファイル
BAUは、国防関係者を集めてプロファイルを発表した。「書店や公園など、散布場所が象徴的な場所ではないことから考え、犯人は科学や防衛の知識のある国内のテロリスト。視野が狭く、自分の行動が何よりも重要だと信じている人物。2001年の炭疽菌事件、対米テロの脅威について熟知しており、そのことについて熱弁を振るったり、論文を発表したりしている。偏執的で孤立しており、誰にも相手にされず、怒りを募らせている。降格、解雇など、仕事で屈辱を受けるような経験をしており、私生活でも離婚や別離を経験しているかもしれない」というものだった。プロファイルを聞いた将軍は、2002年に行われた「防衛と国土安全保障についての小委員会」の記録をBAUに見せる。そこには炭疽菌テロの危険性について、異常なほど熱弁を振るう科学者ローレンス・ニコルズ博士の姿が写っていた。博士はその後、精神的に不安定なことを理由に、生物兵器研究所から解雇されたうえに離婚も経験。プロファイルと完全に適合していた。
■博士とその弟子
ロッシとプレンティスは、ニコルズ博士の現在の職場である軍の下請け研究所へ、モーガンとロッシは自宅へと向かった。しかしニコルズ博士は書店への攻撃前から出勤しておらず、ラボから炭疽菌も発見されなかった。一方、ニコルズの自宅に向かったリードは、モーガンが電話に出ている間に、ひとりで研究施設に入り、そこで撲殺されたニコルズの遺体と、破損した炭疽菌の試験管を発見する。既に自分は感染している――。そう考えたリードは、ドアをロックしてモーガンを締め出し、自分はそのまま室内の捜査をはじめる。やがてリードの調査により、ニコルズにはパートナーが存在したことが判明。机にあった論本の内容から、その人物はニコルズの弟子で、社会科学系の研究者であることが判明する。ガルシアが、書店の従業員やクレーマーと、地元の社会科学系の博士号取得者をクロス検索した結果、メリーランド大学で公共政策を専攻したチャド・ブラウンの名前が浮上。さらに、ブラウンはフォートデトリックの求人に4回応募し、精神鑑定ではねられていたことが判る。ニコルズ博士は、フォートデトリックに入れなかった彼の憧れの対象だったのだ。
■プロファイルの勝利
ブラウンの自宅からは、地下鉄のマップと、飛散実験に使った電球が発見された。彼は地下鉄の駅で、電球に詰めた炭疽菌を投げようとしているのだ。果たしてターゲットはどの駅なのか――。将軍は、ニコルズがレポートで警告したレッドラインの駅を主張する。しかしホッチは、これまでの現場が全てブラウンが周囲から拒絶を受けた、個人的な場所であることから、彼の狙いを、自分を拒絶したフォートデトリックへの通勤鉄道の乗換駅だと分析する。ホッチの分析は的中。捜査陣が駅に駆けつけたところ、駅のホームには、炭疽菌電球を詰めた鞄を持つブラウンがいた。ホッチとブラウンが対峙した瞬間、ホイットワース将軍が割って入り、「大統領命令でブラウン博士をフォートデトリックに招く」と宣言。念願がかなったブラウンは、将軍の求めるままに、鞄を軍の人間に手渡した。しかし全てはプロファイルを元にホッチが書いたシナリオで、鞄を手放したブラウンはモーガンに捕らえられた。その頃、病院に運ばれたリード、そして公園の生存者4人は、ニコルズ博士の研究室から発見された治療薬によって、快方に向かっていた。

【格言】
「それはエジプト全土を覆う細かい塵となり、エジプト全土の人と動物に腫れ物を生むだろう」出エジプト記9章9節。「出エジプト記」は『旧約聖書』の二番目の書であり、モーゼがユダヤ人を連れてエジプトを脱出する様子が描かれている。引用の箇所は、モーセとエジプトのファラオとの交渉が決裂した後、神がエジプトに起こした「十の災い」のひとつ。「腫れ物の災い」は6つ目で、残りは「水を血に変える」「蛙を放つ」「ぶよを放つ」「虻を放つ」「疫病」「雹を降らせる」「蝗を放つ」「暗闇が襲う」「長子を皆殺しにする」の9つ。
「安全とは迷信に過ぎない。自然界に安全というものは存在せず、子供も大人も、体験したことはないのだ」ヘレン・ケラー(1980~1968)の言葉。
【ゲストスター】
リンダ・キムラ博士を演じているのは、日系アメリカ人の父親と、日系フィリピン人の母親を持つタムリン・トミタ。沖縄県嘉手納基地生まれのLA育ち。「犯罪捜査官ネイビーファイル」の第8シーズンでトレイシー・マネッティを、最近では「HEROES」のヒロの母親役で出演している。ホイットワース将軍は、「素晴らしき日々」で主人公の父、ジャック・アーノルドを演じたダン・ラウリア。
【ハズマット】
ハズマットとは、Hazardous Materials(危険物)の頭3文字づつをとった略称。危険物を扱う訓練を受けた特殊ユニットのことも指す。
【2001年の炭疽菌テロ】
アメリカ炭疽菌事件は、同時多発テロの1週間後、2001年9月18日に始まった。炭疽菌の入った手紙が、複数のニュースメディアと2名の民主党上院議員に届き、ワシントンの郵便局員など5人が死亡・17人が病院で手当てを受けた。リードがJJに話した、皮膚にただれのでた7カ月の赤ちゃんというのは、ABCワールド・ニュース・トゥナイトのフリーランスのプロデューサーの息子で、無事に快復している。事件発生当初は「アメリカに死を イスラエルに死を アラーは偉大なり」という脅迫文が届いたことから、同時多発テロとの関連が取りざたされたが、その後、この炭疽菌の株が、ジョージア州国立疫病研究所で培養され、陸軍細菌戦術用に準備されたものであることが判明。2002年初春、司法省は疑わしい人物として、米陸軍感染症医学研究所の元研究員スティーブン・ジョン・ハットフィル博士の名前をあげた。博士は、生物兵器、特に炭疽菌の第一人者として特殊部隊の訓練にあたっていた人物で、これがエピソードの中で触れられたFBIとフォートデトリックの軋轢の原因。FBIの捜査官が、容疑者とするだけの証拠はないと主張していたにもかかわらず、司法省がごり押ししたと言われている。そして2008年。FBIはついに、バイオディフェンス研究所で働く科学者ブルース・エドワード・アイビンスに容疑者を絞る。しかし逮捕に踏み切ろうとした矢先の8月1日、アイビンスはアセトアミノフェンの大量服用で自殺。 その後8月6日に、連邦検察当局は、この事件がブルース・エドワード・アイビンスの単独犯罪だったと発表した。
【シプロ】
広域抗生物質シプロフロキサシン製剤のこと。細菌のDNAの複製を阻止する効果がある。
【チェント・アンニ】
ロッシがシプロを飲むときに言ったのは、cent'anni。イタリアの乾杯言葉で、centoは100で、anniは年。「百年ずっと、いつまでも」という意味。日本にもこの名前のイタリアンのお店があるが、インターネットで検索すると、世界中のイタリアン・レストランがヒットする。
【アフレコ収録現場訪問】
WOWOWからお誘いをいただき、今回のエピソードのアフレコ現場を見学させていただきました。アニメの取材仕事などもしているんですが、実はアフレコ現場を見たのは今回がはじめて。行くまでは興味津々だったんですが、しまった、エピドードが悪かった。ついつい話の方に夢中になってしまって、モニター画面に釘付け。リードがモーガンに「ごめんね」って言うシーンなんて、リードの顔しか見てませんでした(役立たずです、すみません~)。
さてさて、アフレコは全体をアバンと4つのパートに分けて収録されます。まず最初は、出演者全員がマイクの前に立ち、場所を譲り合いながらのランスルー。実際に使用されるテイクではないので、とちっても、つっかえても、最後まで止まりません。このランスルーの後、どのセリフが本線収録で、どれを別取りにするかが指示され、ここからが本番。日本語と画面の口の動きをあわせる作業がくり返され、演出家、編集者、翻訳家、プロデューサ、それにキャストの皆さんが意見を出し、その場でシナリオのセリフを手直しすることも。皆さん、言い難い言葉をくり返したり、シナリオに指示を書き込んだりしながら、収録が進みます。
ガルシアのジョークも出ないようなヘビーなエピソードなせいか、ランスルーの段階からびりびりするような緊張感が……。と思いきや、リードが「もうすぐ、素っ裸で……ゴシゴシこすられるんだけど、そんなとこが見たいわけ?」の後、モーガンが「ああ」って表情をするシーンで、咲野俊介さんがいきなり「見たい」と一言。もちろんシナリオにはないアドリブですが、あまりに絶妙なタイミングと内容にみんな大爆笑。エピローグでもゼリーを食べるシーンでも「むぐっ、うっめえ」とつぶやき、場をリラックスさせていたのが印象的でした。今回の収録でたいへんだったのが、リード役の森久保祥太郎さん。ただでさえリードは難解で長い台詞が多いのに、今回、研究室のシーンはほぼ全て別録り。「みなさん休憩していてください」と森久保さんは主張したにもかかわらず、共演者全員が席をはずさず。「虐めですか?」と、ホッチ=森田順平さんが笑って言ってましたが、みんなが見守る前での録音はやっぱり緊張するんでしょうね。

■キャストのブログ紹介!
リード役 森久保祥太郎さんのブログ
JJ役 園崎未恵さんのブログ「園崎未恵のゆらゆら日記。」
モーガン役 咲野俊介さんの「咲野BLOG」

2010.6.22|エピソード・ガイド|コメント(8)トラックバック(0)

6月15日(火)S4#23『トラックキラー』

23 ■凶器は車!
オレゴン州ベンドで、相次いでふたりの女性が轢き殺された。1人目は朝のジョギング中に殺されたマリア・デルガド(23歳)。2人目は山道で車がエンストし、助けを求めるために道路を歩いていたシャノン・メイクリー(43歳)。ふたりともはねられたあと、さらにバックで轢かれているために、同一犯の犯行と見なされた。ベントに向かう飛行機の中で検討を重ねるBAUは、この犯人はレイプ犯に近く、車から力や支配の快感を得ており、肉体に自信のない男性だと分析する。ただ、レイプの代償行為にしては、被害者に女性であること以外に共通点がないのが奇妙だった。しかし殺害現場に赴いたBAUは、現場の地理的状況や、シャノンの車がエンストするように細工されていたことから、この殺害がランダムなものではなく、ふたりを狙った緻密な犯行と断定。また、シャノンの夫の証言から、犯行に使われたのは国産の黒いトラックであることが判明した。
■共通点は赤いクーペ
なんと、次に殺されたのは男性だった。被害者はフット・ドクターのヴィクター・コステラ。オフィスのあるビルの駐車場で、黒いトラックに追い回されたあげく、轢き殺された。この事件はレイプとは関係なかったのだ! 被害者の共通点を探すリードは、3人が赤いクーペに乗っていたことを発見する。もし犯人が乗用車でターゲットを選んでいるとすれば、犯人と被害者の最初の接触は路上だったはずだ。そう考えたBAUは、被害者が日頃使っていたルートを照らし合わせ、全員が7号線を使用していることを掴んだ。街と郊外をつなぐその道路は、事故が多く「死のハイウェイ」と呼ばれていた。
■プロファイル
犯人は、40代の白人男性。駐車場に残されていたタバコの吸い殻が、軍隊仕込みのやり方で解体されていることから、陸軍か海兵隊の従軍経験者。衝撃で凹んだ車の修理や、エンジンへの細工ができる技術、知識を持つ。おそらく7号線で起きた自動車事故によって、身体にハンディキャップを負っている。そしてその事故の責任が赤いクーペにあると考えている――。プロファイルを受け、BAUと地元警察は共同で、過去の交通事故データを洗い、さらに犯人が事故後に通ったであろうリハビリ施設での聞き込みを開始する。一方JJは、プロファイルをメディアに発表、犯人とトラックの情報提供を呼びかけた。そんな中、リハビリ施設を回るプレンティスとモーガンは、施設のひとつで、イアン・コークリーという男性の情報を得る。コークリーは、昨年の7月、妻と帰宅途中に7号線から車ごと崖下に転落。妻は死亡し、イアンは命をとりとめたが脊椎を損傷、両足に麻痺が残った。従軍経験があり、自動車の整備士をしていたという。さらにコークリーは逆行性健忘症で、事故原因については覚えていないものの、施設で繰り返しキラーマシーンと赤いクーペの絵を描いていたことが判った。
■死のダイヴ
捜査陣はコークリーの住居に急行する。コークリーの姿も、凶器のトラックもなかったが、ガレージに4人の人物の写真が残されていた。3人の被害者ともうひとり。次のターゲットの写真だ。写真に写っていた車のナンバーから、次のターゲットがバーク・ギャレットであることが判明する。ギャレットの妻から、ギャレットがサイクリングに出かけていると聞いた捜査陣は、ギャレットを至急保護すべくサイクリングコースへと向かった。その頃コークリー宅を調べていたプレンティスとJJは、コークリーの妻が赤いクーペを所有していたことを知る。赤いクーペはコークリー自らが運転していた車で、事故は単独の自損事故だったのだ。自ら起こした事故で妻を亡くした彼は、その事実を受け入れることができず、責任を転嫁、殺人に走ったのだ。自転車のギャレットを探す捜査陣はついに彼と、そしてコークリーの黒いトラックを発見。ギャレットを襲おうとしたコークリーの車にホッチの車がが体当たりし、ギャレットは間一髪助かった。しかし事故の事実をクィン刑事につきつけられたコークリーは、車を発進させると、真っ直ぐに崖を目指し、そのまま谷底へ転落した。

【格言】
「私は車というものに不安を抱いている。猛スピードで前に進むということは、文明を後退させるのではないだろうか」アメリカの作家ブース・ターキントン(1868年7月29日-1946年5月19日)の言葉。1919年にピュリッツァー賞を受賞、映画化もされた『偉大なるアンバーソン家の人々』の一節。
「人の声が届かないほど遠くにも、静かなる善意の声は届く」非暴力主義を提唱したインド独立の父マハトマ・ガンジー(1869~1948)の言葉。ガンジーの格言は、S1#17「マンハッタンの処刑人」、S2#9「ふたりのシリアルキラー」、S2#19「哀しみの業火」につづく4回目だ。
【悔恨と記憶】
今回のエピソード。プロローグに、謎の男が登場する。丘の上から、7号線をじっと見下ろす男。彼の名はギル・ボナー。7号線で事故の原因を作ったという記憶に、半年間悩まされ続けていた彼は、TVでJJの会見を見て警察に出頭。自分こそが、犯人を事故に遭わせた加害者だと告白する。昨年の12月頃、病気の母親を見舞った彼は、7号線を自宅に向かっていた。そして携帯の呼び出し音に気をとられた一瞬、車が反対車線に侵入。そこに対向車がやってきたというのだ。車はこすりもしなかったが、バックミラーから相手の車は消えてしまった。対向車は確かに黒のトラックだった――というのだ。しかし調査によって、ボナーが接触しかけたのはフォルクスワーゲンであったことが判明する。コークリー逮捕後、JJはボナーにそのことを告げた。「あなたは誰にも言えず、長い間苦しんでいた。でもあなたは誰も傷つけてない」JJの言葉に救われたボナーは、それまで見せなかった、柔らかな表情を見せる。コークリーは死を選んだが、ボナーには前に進んで欲しい。今回の締めの格言はそんなJJの祈りの結晶ですね。そしてエピローグも再び、同じ丘のショット。一歩間違えば、自分の行動は被害者と、そして殺人鬼を生む引き金になっていたかもしれない。7号線を見つめる真剣な眼差し、子どもの呼びかけに振り返って見せる晴れやかな笑顔。
【ゲストスター】
そのギル・ボナー役はデイル・ミッドキフ。映画『ペットセマタリー』や『2012』などの主演でも知られる。クイン刑事は「CSI」では、キャサリンの元夫のエディー・ウィロウズを演じていたティモシー・カーハート。なんでキャサリンはこんな男と結婚したんだろうと誰もが訝ったあの嫌キャラぶりとは一転、百戦錬磨の渋い刑事を好演している。
【ビッテイカーとノリス】
ローレンス・ビッテイカーとロイ・ノリスは、共同で購入したGMCのヴァンにマーダー・マックという名前をつけ、その車で女性を誘拐、レイプし、殺害した。1979年6月に16歳のシンディ・シェイファーを皮切りに、5人を殺害。ビッテイカーには死刑、ノリスには45年から終身の不定期刑が言い渡された。
【ガルシアとケビン】
ガルシアが転職?! 恋人のケビンが国家安全保障局のサイバー戦争の分析官に転職する話が舞い込んだ。それもなんと海外勤務。「いっしょに行かないか」というケビンの言葉に揺れるガルシア。しかしケビンの転職話は、ハッカーがプロジェクトのデータベースに侵入したため、プロジェクトそのものが霧散してしまう。もちろんハッカーはガルシア。「いいよ、怒ってないから。どうせ、君のことは置いてはいけなかった」というケビンに、「わたし、ついては行けなかったよ。ここが家なの」と答えるガルシア。バカップルぶりにはあきれちゃうけど、この2人には(もちろんJJにもです)のほほんと幸せでいて欲しいと思いますね。

2010.6.15|エピソード・ガイド|コメント(14)トラックバック(0)

6月8日(火)S4#22『闇夜に浮かぶ観覧車』

22 ■救いを求める殺人鬼
ニューヨーク州バッファローで、不動産業者のミシェル・ワトソンが刺殺され、その6日後、警察宛に殺害の様子を撮影したムービー・ファイルが送られてきた。BAUは映像分析のためにガルシアも伴って現地にとんだ。送られてきた映像は約9分間。犯人の自宅とおぼしき部屋から始まり、通った道、会話を交わした通行人、殺害の様子が記録されていた。さらに自宅の場面には、室内モニターがあり、そこには別の刺殺事件の映像が流れていた。しかし何よりも異常なのは、犯人がカメラにうつるように赤いマジックで「HELP ME」と書いていることだ。通常サイコパスから、こういうメッセージは出てこない。もしこのメッセージが犯人の本心で救いを求めているのだとすれば、犯人は何らかの理由で自分自身を取り戻し、殺人をやめたいのにやめられず、ジレンマに苦しんでいることになる。
■繰り返される凶行
現場検証に出向いたモーガンは、撮影された通行人や被害者の様子から、犯人は眼鏡にカメラを仕込んでいたと推測。通行人の供述から作られた似顔絵がカメラ店に配られ、やがてヴィンセントと名乗る男が、ワイヤレスカメラを眼鏡に組み込ませていたことが判明する。殺害現場にあったミシェル手帳の「29」という数字が、犯人によって赤い二重丸で囲まれており、その日付に犯人は何かを計画していることが予測された。一夜明けた29日の朝。人気のない場所で、12人目の被害者が発見された。胸にはミシェルと同じ刺し傷があったが、これまでの犯行とは人種、髪の色、年齢が異なるうえに、身許を示すようなものが全て奪われていた。BAUは今回の殺人は突発的なもので、被害者は犯人の知り合いだと考える。犯人のプロファイルは「極度の強迫性障害。映像を送り、逮捕を望む一方で、強迫性障害による犯行を止めることができない。「29日」、つまり本日中に何かを計画している。精神状態は悪化しており、やがて精神障害を隠しきれなくなり、最終目的を果たすまで無謀な行動に出る」というものだった。
■盲目の目撃者
この10年にバッファロー周辺で起きた未解決事件を再検討した結果、同一犯と思われる11件の殺人が確認された。不思議なことに、10人目までは犯人の行動は怒りにみち、めった刺しにしているのに、11人目のミシェルの傷はたった一カ所で、ムービーには後悔の念が現れている。犯人を変えたのは何なのか。ロッシとモーガンはその答えを求め、10件目の被害者の息子のスタンリー少年を訪ねた。スタンリーは盲目で、犯人の姿を見ていないが、認知インタビューによって実は事件現場で犯人と遭遇していることが判明した。一方その頃犯人は、ストリート・ギャングに強盗にあいかけ、ギャングを刺殺。ギャング仲間の証言から、犯人が銃で撃たれていること、舌を打ち鳴らす癖があったことがわかった。舌を打ち鳴らすのは、視覚障害が使うエコーロケーションというもので、スタンリーがその方法を使っている。そして今日、29日はスタンリーの誕生日。なんと、犯人の目的はスタンリーだったのだ。スタンリーの元に捜査陣がかけつけるが、時すでに遅く、スタンリーの姿は家から忽然と消えていた。その頃、モニターの中の殺人映像を分析していたガルシアが、ついに事件を同定。事件は1983年に起きたキム・ローリンズ殺害事件で、発見されたとき、遺体の傍らには9歳の息子のヴィンセントが坐っていたという。
■夜の遊園地で……
父親が母親を刺殺したのを目撃して以来、心を病んだヴィンセントは、母親の殺害映像を繰り返し見直し、その現場を再現するために殺人を繰り返してきたのだ。ところがスタンリーの母親を殺した日、母親をさがすスタンリーを見た彼は、少年の中に本来の自分自身を見出した。以来ヴィンセントはスタンリーの元にボランティアで通い、心の安定を保っていた。ところがスタンリーが里親と共にカリフォルニアに引っ越すことが決まり、それがストレスとなって、ヴィンセントはミシェルを殺害し、そして運命の29日、ギャングの銃弾を腹部に受けたヴィンセントは、応急処置だけしてスタンリーの元に向かう。スタンリーの誕生日に、遊園地の観覧車に乗る約束をしていたのだ。母親が殺害されたときのことを思い出し、「(母親といっしょに)殺されればよかった」と語るスタンリーに対し、ヴィンセントは「死にたいなんて思っちゃだめだ」と諭す。「君は特別だから」と……。やがて捜査陣が遊園地の観覧車に乗る2人を発見するが、ヴィンセントは既に息絶えており、その手はしっかりとスタンリーに握られていた。そしてスタンリーはヴィンセントこそが母を殺した犯人であることを悟るのだった。

【格言】
「光が明るく輝くためには、闇の存在が不可欠である」ルネサンス期英国ののキリスト教神学者・哲学者・法律家フランシスコ・ベーコン1561年1月22日-1626年4月9日)の言葉。
「どんな闇の中でも愛と希望は生まれうる」アメリカの俳優ジョージ・チャキリス(1934年9月16日-)の言葉。『ウエスト・サイド物語』でアカデミー助演男優賞及びゴールデングローブ賞 助演男優賞を受賞した。
【ゲストスター】
ヴィンセントを演じているアレックス・オローリンは、「ザ・シールド~ルール無用の警察バッジ~」のシーズン6でケヴィン・ハイアット刑事役を演じて一躍スターに。その後、吸血鬼ドラマ「ムーンライト」に主演している。盲目のスタンリーを演じたのは1996年09月15日生まれのジェイク・チェリー。『ナイト・ミュージアム』のラリーの息子ニック役など、数々のドラマ、映画に出演している。里親役のマーサ・マディソンは、7話「悪夢の結末」でも話題になった昼メロ、「愛の病院日誌」(Days of our Lives)に出演している。
【エコー・ロケーション】
音を発して、何かにぶつかって跳ね返ってきた反響を受信、ぶつかった何かとの距離や位置関係を知る方法で、音を使ってはいるが機能的には視覚の役割を担うものだ。動物では鯨やイルカ、こうもりが使用しており、潜水艦のソナーも原理は同じ。スタンリーは、「ちっ、ちっ」と2回舌を打ち鳴らすが、人間がたてられる音では、この舌を打ち鳴らす音が最も効果が高いそうだ。ワールド・アクセス・フォー・ザ・ブラインドという視覚障害者を支援する団体が、このエコーロケーションを推進しており、今回アドバイザーとして加わっているダニエル・キャッシュは、自身も視覚障害を持つこの団体の事務局長だ。
【フラッシュダンス】
1983年に公開されたアメリカのダンス映画。ダンサー志望の青春を描き、世界的にヒットした。アイリーン・キャラの映画主題歌『フラッシュダンス:ホワット・ア・フィーリング』は、アカデミー賞で歌曲賞を受賞。日本でもカバーされた。フラッシュダンスみたいなセーターというのは、主演のジェニファー・ビールズがレオタードの上に着て話題を呼んだ、首回りがカットされていて鎖骨がのぞくセーターのことだと思われる。
【バイキャップ】
モーガンとガルシアの会話に登場するバイキャップというのは、ViCAP(Violent Criminal Apprehension Programの略で、暴力犯罪者逮捕プログラムのこと。FBIの危機的事件対応グループの国立暴力犯罪分析センターの一部門、つまりBAUのお隣さんみたいな存在で、暴力犯罪、特に殺人、動機不明・無作為・性犯罪絡みの誘拐、犯罪絡みの失踪、性的暴行事件、犯罪絡みの身元不明遺体のデータ収集、パターン分析を行う。1998年にネットベース化され、各地の警察からもアクセス可能になった。

2010.6. 8|エピソード・ガイド|コメント(7)トラックバック(0)

5月25日(火)S4#21『灰色の陰』

21_2 ■アンバーアラーム発令!
ニュージャージー州キャムデン郡で、7歳のカイル・マーフィーが就寝中に自宅から連れ去られた。現地ではアンバーアラームが発令され、家族と担当刑事のランカスターはBAUの意見に従い記者会見を開いた。マーフィー家に直行したロッシ、モーガン、プレンティスは、誘拐現場を検証、悲しみに暮れる両親と兄のダニーから話を聞く。誘拐犯は、慎重に機会をうかがい、親が子供から目を離した隙に犯行に及ぶことが多く、今回のように自宅から誘拐するケースは珍しい。また、犯人が寝室の場所を把握していたことを考えると、家に来たことのある人物の可能性が高いと考えられた。しかし、宅配業者や郵便配達員などで、カイルに話しかけていた人物がいないかという問いに対し、両親もダニーも首をふるばかりだった。
■小児性愛者
キャムデン郡では、昨年の11月とこの2月にも少年の誘拐レイプ殺人が起きていた。深夜、一般住居に目立たない場所から侵入し、子供を寝室で拉致し、裏口のドアから連れ去るという手口がまったく同じため、過去の2件と同一犯の犯行と考えられた。警察署に直行したホッチ、リード、JJの3人は、過去の2件捜査のために、警察がまとめた郡内の性犯罪者リストを元に、犯人の絞り込み作業を開始。被害者はみな少年だが、容姿にばらつきがあるため、女性や幼児をターゲットにする者、好みに偏りがある者を除外。そうやって残った人物の携帯電話や、銀行口座の履歴をガルシアがチェック。最初の2件の犯行当日2日間に限り、携帯もカードも一切使用していない人物がいることを掴んだ。容疑者はヒュー・ロリンズ。郡内で生まれ、幼い頃から里親を転々とし、逮捕歴も多数。テレビの取り付け工事の仕事をしており、最初の2件の被害者宅でも仕事をしていた。カイルとの接点は見つからなかったが、捜査陣はロリンズの自宅を急襲。逮捕されたロリンズの家からは、児童ポルノの映像や、記念品と思われる子供のおもちゃが発見された。二人目の被害者ジミーの両親が玩具が我が子のものであることを確認するが、カイルのものが確認されなかった。
■疑惑
ロリンズ逮捕の際に、ランカスター刑事が暴走、カイルが発見されていないのに、犯人に向かって発砲するという失策を演じた。かねてよりマーフィー家と親しいランカスターが捜査に携わっていることに異議を唱えていたBAUは、改めてランカスターに捜査を離れるように警告する。しかしそれでもランカスターは、傍観できないと主張、担当からはずれようとはしなかった。逮捕したロリンズの尋問にあたったロッシとホッチは、ロリンズの供述に違和感を感じていた。ロリンズが最初の2件の誘拐レイプ殺人の犯人であることは間違いない。しかしカイルはその2人よりも、年齢が下で犯人の好みに合致していないし、マーフィー家ではTVの取り付け工事を行っていない。ホッチはまだ現場に足を踏み入れていないリードをマーフィー家に派遣し、新たな観点から現場検証を行わせる。リードは隣室に9歳のダニーがいたにもかかわらず、犯人は自分の好みに近いダニーではなくカイルを掠ったことに疑問を抱く。さらにダニーの二段ベッドの下段でカイルが眠っていた形跡を発見。カイルは事件当夜、自分の部屋にはいなかった。つまり、カイルの部屋が荒らされていたのは、連続殺人に見せかけるための偽装だったのだ。
■真相
その頃、最初の2人の遺体が発見された森の再捜索を行っていたランカスターたちは、ついにカイルの遺体を発見。遺体は丁寧に地面に寝かされていた。ロリンズは最初の2人遺体をゴミを捨てるかのように森に放置した。カイルをここに置いたのは、ロリンズとはまったくの別人であり、カイルのことを大切に思っている人物だ。ロリンズの犯行に見せかける知識を持つ人物、それはランカスター刑事にほかならない。BAUはランカスターがマーフィー夫妻を庇っていると考えるが、ランカスターは自分が犯人であると主張。それを聞いたマーフィー夫妻は、耐えきれず、真相を語りはじめた。別室で兄のダニーに付き添っていたプレンティスは、ダニーの異常な一面を目の当たりにしていた。お菓子の袋をうまく開封できなかった彼は、握り拳でお菓子を叩き潰したのだ。「よくそんな風に腹をたてるの?」プレンティスの問いかけに、ダニーもまた語りはじめた。兄弟は早朝に起き出して、ふたりで遊んでいた。そしてカイルにプラモデルを壊されたダニーは、癇癪を起こし、カイルを殺害してしまったのだ。その事実を知った両親は、親友のランカスター刑事に助けを求め、連続誘拐殺人に偽装したのだった。一同は、届いた検死結果に慄然とする。カイルの喉にはなんとプラモデルの破片が詰め込まれていたのだ。ダニーは罪悪感を抱くことのできない、社会病質だ――。プレンティスの宣告に両親は泣き崩れるだけだった。

【格言】
「子供を失うのは、自分の一部分を失うのと同じだ」ドクター・バートン・グレビン(1940年-2010年1月24日)NYのセント・メアリー小児病院の院長を務めた医師。子供のためのホスピス・プログラムを提唱。小児緩和医療の先駆者として知られる。
「家族がなければ、人はこの世界でただひとり、寒さに震えるしかない」フランスの小説家、伝記作家アンドレ・モーロワ(1885年7月26日-1967年10月9日)の著書『人生をよりよく生きる技術』の中の一節らしい(すみません、未確認です!)。
【ゲストスター】
兄弟の父親ダン・マーフィーは、「24」のシーズン4、5で、ローガンの補佐官ウォルト・カミングスを演じたジョン・アレン・ネルソン。母親のサラは『ジャーニーマン ~時空を越えた赤い糸 』の主人公の妻ケイティを演じたグレッチェン・エゴルフ。「CSI:マイアミ8」、」「ゴースト ~天国からのささやき」、「ミディアム4 霊能者アリソン・デュボア」、「NCIS ~ネイビー犯罪捜査班5」など数々のTVドラマに出演している。 小児性愛者のロリンズは、「プリズンブレイク」でリンカーンに殺されたとされる副大統領の兄テレンス・ステッドマンを演じたジョン・ビリングスリー。「スタートレック:エンタープライズ」で医療部長フロックスも演じている。
【名言】
長年、「市民を守れ」という警察官のモットーに忠実に刑事をつづけてきたランカスター。しかし彼のふたりの子供は酒気帯び運転の車にはねられて死亡。家族を守れず、自分の存在意義を失ってしまった彼は、マーフィー家の悲劇を自分に結びつけ、自分がまだ生きているのはこのためだったと思いこもうとしたのだ。マーフィー夫妻は愛情深いいい夫婦だったのになぜ彼らが、そしてなぜ自分が、2人の子供を同時に失わなければならないのか。バッジを置いたランカスターは、去り際に「今日のことは、いったい誰を……守ったことになる? えっ、誰の勝利だ」と問う。「そこなんだよ。誰が勝ったのか我々には決められない。誰も勝たなくたっていいんだ」BAUのベテラン・プロファイラー、デヴィッド・ロッシの言葉。ここのことろ燻し銀の魅力に磨きをかけているロッシ、今回も渋く締めくくってます。

2010.5.25|エピソード・ガイド|コメント(5)トラックバック(0)

5月18日(火)S4#20『2人の殺人鬼』

20_2

■男性の連続レイプ殺人
テキサス州のリゾート地、サウスパードレ島。春休みの大学生でにぎわう島のハドソン・ストリート・ホテルで、相次いで2人の男子学生が殺された。被害者同士に接点がなく、死因は共に窒息死。ベッドに縛られ、男性にレイプされた痕跡が残されていた。体格のいい男子学生をベッドに縛っていることから、犯人は複数。さらに被害者が2人とも女好きの「ボス猿タイプ」であることから、BAUは「犯人は主従関係のある男女の二人組で、女が部屋に誘ってプレイを装って縛り上げ、男がレイプして殺害した」と分析する。やがて別のホテルで3人目の被害者が発見された。犯人が捜査陣の動きを知り、犯行場所を変えたと考えたBAUは、犯人の少なくとも1人は、ハドソンストリート・ホテルのスタッフか泊まり客だと考えた。
■アダムとジュリー
2人目の死体を発見したホテルのメンテナンス係のアダムは、供述ではどちらの被害者も見たことがないと言っていたが、防犯カメラの映像をチェックしていたガルシアは、最初の事件前日にプールサイドで被害者とケンカする彼の姿を発見する。フロント係のマディソンが被害者から絡まれていたために、助けようとしての行動だったが、女性支配人ジュリーの指示でそのことを隠していたのだ。やがてアダムは、幼い頃に継父から虐待を受け、その後16歳まで里親に預けられて育ったこと、児童施設のボランティアをしていたジュリーが、荒んだ彼をホテルの住み込み従業員として雇ったことなどが判明。またジュリーがレイプ事件の被害者であることから、BAUはジュリーとアダムが犯人と断定する。
■乖離性同一障害
しかし2人は容疑を否定。ウソ発見器での尋問もクリアし、証拠不十分で釈放された。警察署を去るアダムと目の合ったリードは、彼が一瞬見せた、攻撃的で傲慢な眼差しに違和感を覚えた。プールサイドでの映像を見直してみると、そこでもやはり、暴力に出る一瞬前に彼の眼差しが変化していることが見て取れる。その豹変ぶりを見たリードの脳裏に、かつて彼が遭遇したひとりの殺人鬼の記憶が蘇った。――乖離性同一性障害。主従関係にあるふたりの人物は、共に、アダムの中にいたのだ。一方警察から戻ったジュリーもまた、アダムの言動に釈然としないものを感じ、問いただすべくアダムの部屋に入った。そこでジュリーが目にしたのは、壁一面にかけられた無数の鏡、女物のドレス、そしてロープだった。どこかの女にアダムが脅され、犯行を手伝ったのではないか。そう考えたジュリーは、警察に出頭するようにアダムに詰め寄った。そのとき、追い詰められたアダムの中からもうひとりの人格、アマンダが現れ、ジュリーを屋上から突き落として逃走した。
■アダムとアマンダ
重傷のジュリーの口から、別人格の存在が裏付けられたが、アダムは既にホテルから逃走した後だった。追い詰められたアダム/アマンダは、いったいどこに向かうのか――。リードはトバイアスとの経験から、追い詰められたアマンダは、被害者が象徴する男、かつて自分を虐待した継父の元へ行くと推理。果たしてBAUが継父の家に駆けつけると、まさにアマンダが継父にナイフを突きつけて殺そうとしているところだった。二人を救いたいリードは、アマンダの存在を認め、アダムとアマンダの2人を助けると約束する。しかしアマンダは、このままではアダムが自分の罪を被ると主張。そしてアダムを守るために、彼の人格を封じ込め、投降した。

【格言】
「光は自分が何よりも速いと思っているがそれは違う。光がどんなに速く進んでもその向かう先にはいつも暗闇がすでに到着して待ち構えているのだ」イギリス生まれの世界的な人気ファンタジー作家、テリー・プラチェット(1948年4月28日-)の言葉。引用箇所は《ディスクワールド》シリーズの一冊『刈り入れ』の中の一節。《ディスクワールド》は、亀の甲羅の上に乗った、平らな世界を舞台にした、ギャグ満載のユーモア・ファンタジーのシリーズ。『刈り入れ』の原題はReaper Man。突然、世界から死に神がいなくなってしまったために引き起こされる混乱が描かれている。
「モンスターは存在する。幽霊も存在する。彼らは我々の中に住み、時として勝利するのだ」『グリーン・マイル』や『ミザリー』などで知られる、アメリカのホラー作家、スティーヴン・キング(1947年9月21日-)の言葉。
【ジェイソン・アレクサンダー監督作品】
今回のエピソード、監督とつとめるのは、 第8話「死の数列」でロスチャイルドを演じたジェイソン・アレクサンダー。出演していた「となりのサインフェルド」でも、監督をつとめたエピソードがあり、最近は監督、プロデュース、脚本など作り手の側に回ること。
【ゲストスター】
アダム/アマンダを演じているのは、映画『トワイライト~初恋~』に出演しているジャクソン・ラスボーン。
【サウスパードレ島】
テキサス州にある細長い防波島。本土とは橋でつながれているというので江ノ島を想像したが、なんと幅2㎞、全長209㎞という広さ。海岸線には高層ホテルが建ち並んでいる。高校生と大学生が春休みを過ごすために、大挙して押し寄せ、パーティーを開いて大騒ぎすることで有名。ビーチのライブカメラをどうぞ
【アダムを探して……】
乖離性同一性障害のアダムにトバイアス・ハンケル(S2#14 『血塗られた黙示録』、S2#15 『多重人格』)を重ねるリード。トバイアスを救えなかったことを悔やむリードは、事件後、施設に収容されたアダム/アマンダのもとを訪れ、何とかしてアダムの人格を蘇らせようとする。「目にしたエグイものが浮かばなくなるのにどのくらいかかる?」とリードに質問したアダム。そんな気の弱い彼に対するリードの答えは、いかにもリードらしい「まだわからない」というものだった。10年たっても、20年たっても忘れられる日なんてこないのかもしれない。でもだからといって決めつける理由はない。先のことはわからないんだから、アダムにも未来を返してあげたい。そう思っているんでしょうね。

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5月11日(火)S4#19『連続放火犯』

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■連続放火殺人
インディアナ州の小さな町ロイヤル。人口わずか2000人のこの町で、映画館が放火され、観客と従業員19人が死亡した。犯人は、スプリンクラーの元栓を閉じた上で、ロビーにガソリンをまいて火を放ったために、人々は裏口に殺到。しかし扉は塞がれていたうえに、そちらにも火がつけられており、誰ひとり逃げ出すことができなかった。その2日前にはレク・センターが放火され12人が死亡、10日ほど前には犠牲者こそ出なかったがコンビニとレストランが放火されていた。状況から犯人は地元の人間と考えられたが、なにぶん小さな町ゆえに、事情を聞いただけでも周囲から犯人扱いされかねない。そこでホッチは、クワンティコのガルシアに、秘密裏に被害者31人の経歴や人間関係を洗うように指示する。
■ターゲットの変化
放火犯は自分が引き起こした悲劇を見たがる。そう考えたホッチは、合同葬儀の会場に捜査陣を張り込ませた。しかし犯人は葬儀に現れず、同時刻にバーに放火。3人の客とオーナーのジェーソンが死亡、バーテンのナンシーが全身火傷の重体を負った。バーの出入り口にはチェーン錠がかけられており、そこに犯人の強い意志を見たBAUは、犯人が地域全体から特定の個人に攻撃対象を変えたと分析。ガルシアにバーの被害者を重点的に洗うよう指示する。その後ホッチとロッシは、病院のナンシーから、火災直前に店の中に見知らぬ男がひとりおり、落ち着かない様子で何度も席を移動していたことを聞き出した。犯人は数年前に建てられたバーでは下見をしているが、30年以上前に建てられたレク・センターと映画館ではそんな様子がない。チームは、犯人は最近までロイヤルを離れていた元住人ではないかと考えた。
■魔女狩り
ガルシアは、約500キロ離れたフランクリンという町で、ロイヤルと同様なガソリンを使った放火事件がいくつも起きていたことを突き止めた。しかしホッチに命じられた「魔女狩り」は、狭い町だけに被害者にはたいてい相互関係があり、それが複雑に入り組んでいるために杳として進まない。しかしバーの被害者5人の背景を捜査するうちに、オーナーのジェーソンと救命師のティナ・ウィラーが2日前に結婚していたこと、さらにティナが幼い頃に両親を火事で亡くし、兄のトミーとふたり、この町に住む祖父母の元に引き取られて来たことが判明する。ところがなぜか兄のトミーは、町の記録に何も記載されていない。トミーの追跡調査をはじめたガルシアは、やがて町が葬ったトミーの悲劇を暴きたてることとなる。
■兄妹
幼い頃に両親の焼死を目撃したトミーは、精神的に不安定で、周囲となじめず、ただ妹のティナだけを溺愛した。その溺愛ぶりに異様なものを感じた町の人々から、あらぬ噂をたてられ、トミーは学校を退学。さらに町の大人からひどい暴力を受けるに至り、祖父母はトミーをティナからも町からも遠ざけるために、コロラドの寄宿学校に送った。しかし彼は半年でこの学校も退学、少年刑務所に3年服役した後、行方不明となった。そしてそれから数年を経た2カ月前、彼はフランクリンに現れ、大量のガソリンを購入した。犯人はトミーで、一連の放火はティナとの仲を引き裂いた町への復讐、そしてバーの放火はティナとジェーソンの関係を知っての犯行だったのだ。捜査陣は急ぎ、ティナを保護しようとするが、時既に遅く、彼女はトミーに連れ去られた後だった。トミーの行き先は、ふたりの思い出のダンスパーティ会場だと考えた捜査陣は、会場の公民館に急行。あたりにガソリンをまき火を放とうとするトミーを説得し、ティナを無事に救出した。

【格言】
「人はみな燃えさかる家に住んでいる。消防はこないし、出口もない」ミシシッピ州生まれの劇作家テネシー・ウィリアムズ(1911年3月26日-1983年2月25日)の戯曲『牛乳列車はもう止まらない』The Milk Train Doesn't Stop Here Anymore(1963)のセリフ。後にテネシー・ウィリアムズ本人の脚本で映画化(映画のタイトルは『夕なぎ』)され、エリザベス・テーラーがヒロインを演じた。
「私は正気を失うほど人を愛してきた。正気を失うほど愛さないと、愛を実感できなかったから」フランスの作家フランソワーズ・サガン(1935年6月21日-2004年9月24日)の言葉。『悲しみよこんにちわ』で18歳でデビュー、作品は世界的なベストセラーとなった。

【ゲスト・スター】
ティナは「ブリズンブレイク」のシーズン4でGATE社の受付嬢トリシェイン役のシャノン・ルシオ。医師のローリングは「ER緊急救命室」心臓病医師のケイソン、「LOST」のバーナード役のサム・アンダーソンが演じている。

【映画】
映画館で上映されているのは、無名時代のスティーヴ・マックィーンが主演したB級SFホラー映画の『マックィーンの絶対の危機』(原題The Blob,1958年)。マックィーンをはじめとする町の若者たちが、宇宙から飛来した人食いアメーバーから人々を救うために奔走するという内容。火事のシーンと重ねるようにスクリーンに映し出されるのは、この映画の終盤、巨大化したアメーバーが町の映画館に現れ、観客が逃げ惑うシーンだ。アメーバーの造形も、話のテンポも、今の目で見ると突っ込みどころ満載だが、子供の頃にTVで観たときは、赤いスライム状の塊が押し寄せてくるのがけっこう怖かった記憶がある。『ブロブ 宇宙からの不明物体』のタイトルで1988年にリメイクされた。

【魔女狩り】
ホッチに魔女狩りを命じられ、半ばパニックになりながらも、事件解決に貢献するガルシア。表情豊かなガルシアだけに、クリミナル・マインドに立ち入ったガルシアの戸惑い、シンパシー、悲しみが、モニター越しに伝わってくるようだ。お得意のジョークも影を潜め、どこか不安げな表情のガルシア。ガルシアが身につけたTシャツの、プンプン怒っている奈良美智イラストの女の子が、ガルシアの心情を代弁しているようで可笑しい。事件解決後、エピローグで「私は(プロファイラーとは)違うんです。人間のいい面だけをみたい」と訴えるガルシアにホッチは、今回の働きに対して感謝の言葉と共に、「君は人間のいい面を見る。それは知ってた。ずっとそのままでいてくれ」と結ぶ。以前のホッチは、こういうセリフを(JJ以外には)ほとんど言ったことがなかったのに、最近は言葉にして相手に伝えるようになった気がしませんか? エル、ギデオン、ヘイリー、ケイト。さまざまな別れや事件を経験し、優しさを表に出せる強さを身につけつつある、ということなのかな。

【Twitterにクリマイ・メンバー登場】
クリミナル・マインドのメンバーがtwitterに登場。

トーマス・ギブソン
ジョー・マンテーニャ
マシュー・グレイ・ギュブラー
カーステン・ヴァングスネス
パジェット・ブリュースター
が、「シーズン5の撮影最終日!」といったつぶやきや、写真を日々アップしています。
CBSのオフィシャルもあります。

【ホッチの着ボイス登場】
ネットの情報をもう一件。WOWOWのクリミナル・マインド・ケータイサイトにホッチの着ボイスが登場しました! お馴染みのオープニングナレーションから、「事件はどこで起こったー!? あっちか! 犯人はどっちに行ったー!? こっちか! そして私は…ホッチだ! いいから電話に出るんだ!」といったちょっととんでも系、エピローグでガルシアに贈った言葉など盛りだくさん。ホッチの声で「家族からの電話には出ろよ」なんて言われたら、居留守が使えなくなっちゃいそうです。

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5月4日(火)S4#18『リーパー』

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■死神との契約
10年前に21人を殺害、ボストンを震撼とさせ、姿を消した殺人鬼リーパー。ある夜、その捜査を指揮した老刑事ショーネシーに呼び出されたホッチは、死期を悟った病床の彼から驚くべき事実を告白される。なんと彼は10年前に、殺人鬼と契約を交わしたというのだ。契約の内容は「俺を追うのをやめれば、俺も襲うのをやめる。お互いの命がある限り」というもの。ショーネシーは自分が死ねば契約は満了し、またリーパーは犯行を再開するというのだ。ほどなくしてショーネシーは息をひきとり、懸念は現実のものとなった。ボストンで若いカップルがリーパーに殺害され、現場にリーパーの署名が残されていたのだ。
■雑食系シリアルキラー
リーパーは、95年から98年にかけて、ボストンで21人を殺害した。犯行場所は夜間の人気のない道路。罠をしかけて車を停止させ、被害者に近づいて殺害する。犯行は知的で、手際がよく、サディスティックだが、手口、被害者の性別やタイプや年齢はばらばらという、雑食系シリアルキラーだ。ただし、若い女性の被害者に対しては時間をかけて殺すなど、ティーンエイジャーを好む傾向がある。リーパーを突き動かしているのは支配欲。被害者の持ち物を奪い、次の被害者の身につけさせるのも、捜査陣に自分の力を誇示するための行動である。しかし犯行を重ねるうちに、それだけでは満足できなくなり、ショーネシーと契約し、支配することで、殺しに勝る力を得た。しかし、ショーネシーが死に、その勝利を知る者がいなくなったために、犯行を再開したのだ。
■生存者
殺されたカップルは19歳のニーナと23歳のエヴァン。エヴァンは射殺だが、ニーナは46回刺されていた。ニーナの腕から時計が消えており、エヴァンの顔には本人の物ではない眼鏡がかけられていた。その眼鏡は、9人目の被害者で、リーパー事件の唯一の生存者ジョージ・フォイエットのものだった。チームはフォイエットを保護すべく、彼の所在を探すが、リーパーを怖れるフォイエットは、事件後、ガルシアをしても追跡できないほど見事に自分の足跡を消していた。しかしホッチは、リーパーの本を書いたジャーナリストのコルソンから、フォイエットの住所を聞き出して、ロッシと共に会いに出かけた。未だにリーパーから受けた肉体的、精神的な傷が癒えない様子のフォイエットは、一緒にいて殺されてしまった恋人に、プロポーズしようとしていたこと、事件後、いくつもの偽名を使い、複数の家を持ち、慎重にリーパーを避け続けてきたことを語った。

■リーパーからの電話
コルソンから、リーパーがショーネシーとの契約書のコピーを送りつけてきたこと聞いたホッチは、自己顕示欲の強いリーパーを焦らすために、そのことを発表しないように頼む。ホッチの読みは的中し、その夜、焦ったリーパーがホッチに、ショーネシーと同じ契約を結ぶよう要求。ホッチが断ると、彼は路線バスを襲撃し7人を殺害した。リーパーは襲撃したバスの窓に、複数の数字を書き残していったが、やがてそれがフォイエットの隠れ家の住所の一部であることが判明する。捜査陣はフォイエットを保護すべく、手分けして隠れ家に向かう。当たりを引いたのは、地元警察のオマラとモーガン。しかし彼らはリーパーに襲われ、オマラは殺害されてしまう。後から駆けつけた人々が見つけたのは、気を失っていたモーガンと、フォイエットのものと思われる夥しい量の血痕だった。
■リーパーの正体
なぜリーパーはフォイエットに固執するのだろうか。そこに犯人にたどり着く鍵があると考えたチームは、フォイエットが襲われた事件を再検討する。殺害された恋人のアマンダは、19歳の大学生で、フォイエットは、彼女が履修していた授業の助手。そしてプロポーズしたというわりには、2人は出会ってから4週間しかたっていないことが判明。フォイエットの証言に不審感を抱いたチームは、フォイエットが使用してきた偽名を検索。彼が高校、大学の代用教員を務めており、女子生徒に対する不適切行為で停職になっていることを突き止めた。十代の女性に異常な関心を持つ男――フォイエットこそが、リーパーだったのだ。彼はアマンダを殺害、その後、現場から離れた場所から救急に電話し、車で現場に戻ると、救急の到着時間と出血量を計算して、自分自身を刺した。そして被害者のふりをして、捜査に関わってきたのだ。ガルシアがフォイエットに会いに行っているはずのコルソンの携帯の位置を割り出し、チームは急行。コルソンに銃をつきつけ、自分の記事を書かそうとしていたフォイエットを逮捕した。

【格言】
「運命はひとつの災いを与えるだけでは満足しない」ローマ時代の作家プブリリウス・シルスの言葉。
「人は人生における過ちを集めて、運命と呼ぶバケモノを作る」19世紀のベストセラー作家ジョン・ホッブス (1867年11月3日-1906年8月13日) の言葉。ジョン・ホッブスという名前はペンネームで、実はボストン生まれの女性だ。
【ゲストスター】
フォイエット役はC・トーマス・ハウエル。あの「E.T.」で兄妹の友人タイラーを演じて自転車に乗り、その後「アウトサイダー」の主演でスターとなり、「新三銃士」ではアトスの息子ラウルを演じた。コルソンは、「ミッシング ~サイキック捜査官~」でFBIワシントン支局長ポロックを演じたジャスティン・ルイス。
【シリアルキラー対プロファイラー】
シリアルキラーとの契約によって追い詰められ、酒に浸り、それが原因で命をおとしたショーネシー。「彼はリーパーの22人目の被害者だ」ショーネシーの部下や同僚たちにそう語るロッシ。しかし、その後、自責の念から事件に背を向けようとするホッチには、死んでお詫びしたいならどうぞとばかりに自分の銃を差し出す。「もし君が、ショーネシーやギデオンみたいに、全部自分のせいにしたいんなら、勝手にしろ。でもそれは良心の呵責じゃない、ただのエゴだ」と言い切り、さらに「俺たちは仕事をするだけ。俺たちが仕事をやめたら、他の誰かがやる。俺は身をもってそれを知った」と続ける。冷徹な分析者であると同時にロマンチストだったギデオン、責任感が強く誠実で思い詰めがちなホッチ、一度は職場を離れたが故に合理性を身につけたロッシ。最近、ロッシが魅力的なのは、彼の立ち位置や性格が明瞭になってきたためでしょうね。しかし、「そんなにわかっているなら、なぜ何人も殺させた?」というフォイエットに、「殺したのはお前だ。お前の意志だ」と敢然と言い切りながらも、その後、コルソンに「あんたは(だいじょうぶか)?」と聞かれたときのホッチの表情がなんとも複雑。やっぱりそう簡単には割り切れないですよね。
【オトナの会話】
そんなホッチとロッシの緊張感あるやりとりのあと、「あまりに芝居がかってません?」「別れたかみさんにもよく言われたよ」「何番目の?」「全員」という、バツイチとバツサンのオトナな会話も楽しい!
【逮捕、そして脱走】
10年がかりで自らの血を集め、隠れ家の床にまき、自分の死を偽装しようとしたフォイエット。しかし彼が10年かけて準備していたのはそれだけではなかった。彼はマサチューセッツ州の刑務所を調べ、見取り図を用意し、逮捕にも備えていたのだ。逮捕後間もなく、彼は計画通りに、刑務所を脱走。逮捕時に彼が口にした「バンディよりビッグになる」という不気味な宣言の真意は。そして、気を失っていたがためにリーパーに殺されずに済んだが、バッヂを奪われてしまったモーガンの、そしてホッチの心中は……。さまざまな不安要素を孕んだまま、リーパーとの対決は先に持ち越される。恐怖の再登場を乞うご期待。

2010.5. 4|エピソード・ガイド|コメント(10)トラックバック(0)

4月27日(火)S4#17『悪魔祓い』

17_5■忘れ得ぬ友人の死
古い友人のジョン・クーリーから呼び出されたプレンティスは、彼から共通の友人であるマシュー・ベントンの死を知らされた。マシューの両親は心筋梗塞が原因だというが、最後に会ったときに彼は怯えており、「ジョージタウンのトミー・Vが事故に見せかけて殺された。次は自分だ」と話していたというのだ。その話を聞いたホッチは、警察からの依頼はないものの、プレンティスに協力する形で捜査を始める。やがてガルシアの調査で、確かにジョージタウンに住む35歳のトーマス・ヴァレンタインという男が脱水症状で死亡していることが判明。さらにマシューとトーマスは、同じ時期にスペインのガリシアにある巡礼の地、サンティアゴ・デ・コンポステーラに出かけていたことが判明する。
■犯人はエクソシスト
マシューは少年時代から教会に疑問を持ち、宗教的な混乱から、薬物依存症になっていた。一方のトーマス・ヴァレンタインは幻聴がひどく、抗精神薬を服用していたという。どちらも家族は敬虔なクリスチャンで、息子や夫の神を否定するかのような態度に心を痛めていた。さらに遺体の手首に縛られていたような痕があり、部屋の床にはベッド脚を引きずったような傷が残されていた。ロッシは、統合失調症や薬物依