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WRITERS プロフィール

三村美衣
(みむらみい)

書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。


5月27日(火)S8#21『子守キラー』

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■連続拉致殺害事件

カリフォルニア州ではこの5年、毎年同じ時期に、ベビーシッターと子供が誘拐される事件が起きていた。子供の方は24時間以内に返されるが、ベビーシッターは5月13日に遺体で発見される。死因は熱湯での溺死、遺体にはレイプや焼き痕など、激しい拷問の痕跡があった。最初の被害者だけは、拉致されたのも捨てられたのもグリフィス公園。その後は誘拐場所はカリフォルニア全域にわたるが、遺棄場所はLAだった。唯一、3人目の被害者タラ・リオスだけは、監禁場所から自力で逃げ出して保護されている。しかしモーガンとJJが認知面接を行ったが、トラウマが強すぎて犯人について何も聞き出すことができなかった。そして今年もまた犯行の季節が近づき、BAUは事件を未然に防ぐためにカリフォルニアに飛んだ。しかし、BAUが到着するよりも早く、LAでベビーシッターのジーナ・メンデスと2歳のフィービー・ペイトンが誘拐された。

■プロファイル

犯人はこれまで、死体を遺棄する5月13日にこだわり、この日の4日以上前には動いたことがなかった。しかし今回は二週間前に誘拐を決行。これまでなら24時間で返された赤ん坊も、一向に戻されない。犯人はなぜ、これまでこだわっていた手順を変えてきたのか……。フィービーには重い喘息の持病があって、吸入薬を与えないと生命に関わるために、現場には焦燥感が募った。フィービーを返さない理由に着目するBAUは、犯人の真のターゲットは子供の方で、ベビーシッターと子供の絆にも惹かれているのではないかと分析する。「犯人は白人男性。年に一度という犯行スケジュールを守る辛抱強さがあることから30代から40代。おそらくロサンゼルス在住。日中の人の多い公園で犯行に及んでいることから、社会性があり、人に警戒心を抱かせない。子供を失ったことにより長年ストレスと抱え、心の空白を埋めたいという父性願望に陥っている。ベビーシッターに対して激しい怒りをぶつける原因もそれだろう。大人に対しては情け容赦ないが、子供には極めて同情的」BAUはマスコミを集め、プロファイルを発表。さらにフィービーの両親のペイトン夫妻を記者会見に出し、犯人の父性に訴える作戦に出る。

■封印された記憶

一方、JJとモーガンは唯一の生存者タラ・リオスの元に向かっていた。シアトルで暮らすタラは、ようやく心的後遺症から立ち直りかけたところで、最初は事件について語るのを拒絶していた。しかしTVでペイトン夫妻の記者会見を見た彼女は、被害者のことを思い、協力を申し出る。JJとモーガンは、PTSDで封印された記憶を呼び戻すための治療EMDRを使ってタラの認知面接を行う。タラはそこで、犯人が子供を見て「妹を思いたした」と言ったこと、ロスコーという名前の大型犬を連れていたこと。そして、もうひとり金髪で、青いシャツを着たアリソンという女性が、同時に監禁されていたことを思いだした。やがてガルシアが、その女性は3年前にLAに出張中に行方不明になったアリソン・アスターであること、保存されている身元不明死体の中に、アリソンとおぼしき死体があることを突き止める。遺体はグリフィス公園に捨てられていたもので、腕の骨に大型犬による噛あとがあった。アリソンは元海軍の看護兵で、タラが誘拐されるのを目撃し、助けようとして拉致されたとBAUは推測する。

■犯人の過去

最初の被害者の拉致、ジーナとフィービーの拉致、アリソンの遺棄場所、そして犯人から逃げたタラが保護された場所を地理的プロファイルしたリードは、そのエリアにドッグパークが4つあるのを発見する。愛犬家の中に顔見知りがいると考えたBAUは、タラの証言から作成した似顔絵を持ち、公園とドッグパークで聞き込みを行う。その結果、ロットワイラー犬を飼っているジョニーという男性の名前が浮上。ガルシアは近隣の動物病院のカルテから、その男がジョナサン・レイ・コヴィーであることを突き止める。コヴィーは幼い頃に、喘息の妹を風呂場での事故で失っていた。原因はビーシッターの怠慢だが、裁判で無罪の判決が出たために、ずっと恨み続けていたのだ。ベビーシッターは6年前に病死し、復讐するチャンスを失った喪失感が、犯行の引き金となったのだ。そして、その妹が死亡したのが5月13日だった。コヴィーの自宅にモーガンとJJが急行。ジーナとフィービーは無事に保護され、逃げたコヴィーは銃撃戦の末にJJに射殺される。現場に駆けつけたタラは、犯人の死体を自分の目で確認する。ペイトン夫人は、そんなタラの元に近づき、感謝の言葉とともにタラを抱きしめるのだった。

【格言】
「子供は、大人の言葉ではなく、人となりから学ぶ」スイスの精神科医・心理学者カール・ユング(1875年7月26日 - 1961年6月6日)の言葉。 「たったひとりで生きていく……それは誰ひとりとしてできないこと」アメリカの詩人で作家マヤ・アンジェロウ(1928年4月4日-)の詩Aloneの一節。マヤ・アンジェロウは、20代前半までコックやバスガイド、ダンサー、ウェイトレスなどの職業を転々とし、30代で歌手・女優として認められ、その後文筆活動を開始。1969年に上梓した自伝『歌え、翔べない鳥たちよ』が高い評価を受けた。

【ゲストスター】
タラ役は、『ザ・ユニット米軍極秘部隊』のアニー役のヤラ・マルティネス。

【子守唄】
ジーナがフィービーに歌ってきかせている曲は、A la nanita nana。もとはスペインやエクアドルの古いクリスマス・キャロルのひとつだが、現在は子守唄として歌い継がれている。『チーターガール』から誕生した女性3人のユニット、チーターガールが歌ったことでも有名になった。

【EMDR】
Eye Movement Desensitization and Reprocessing(眼球運動による脱感作および再処理法)のこと。フランシーン・シャピロにより開発された心理療法で、PTSDを始めとして、パニック障害、恐怖症、解離性障害などに有効。左右に動くものを目で追う眼球運動を行いながら、過去の外傷体験を思い出させるというもの。

2014.5.27|エピソード・ガイド|コメント(3)トラックバック(0)

5月20日(火)S8#20『錬金術』

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■連続バラバラ殺人事件
リードは購読している地方紙の記事から、連続殺人事件を発見する。サウスダコタのパインリッジ先住民保留地と森林で、森林伐採業に従事する男性のバラバラ死体が発見されていたのだが、保留地がFBIの管轄であったため、関係性に気づかれなかったのだ。BAUは、被害者の年齢、身長、体重、肌の色が似通っていることから、誰かの身代わりと分析。森林伐採に嫌悪感を持つ、環境保護活動家、動物保護活動家。また被害者の背中に吸い出し療法の吸引カップとおぼしき痕が残っていたことや、死因がソラニン中毒であることから、薬草師や呪術医(シャーマン)の犯行も視野に入れて捜査が開始される。やがて新たな行方不明者の情報が入る。容姿は前の2人と似ているが、行方不明になったチャド・デュモンは観光に来た空軍大尉で、これによって犯行動機から、環境保護活動家や動物保護運動家の可能性が消える。やがて被害者の身体に残されていた吸玉療法が、生殖機能を高めるためのものであることが判明する。

■プロファイル
BAUはプロファイルをまとめる。犯人は妊娠を強く望む女性で、薬物によって被害者を支配下に置き、子供の代わりを手に入れるための生殖相手にしている。妊娠が目的であることから考えて、年齢は30歳以上で40代の前半まで。病的なまでの母性願望は、最近失った子供の代わりを求めているからと思われる。失った子供の父親はもう殺されているかもしれない。子供を失った原因は男の責任であると信じ、被害者たちに復讐している。遺体を切断したのは運びやすくするためだが、切断するにも運ぶにも、それなりの力が必要となることから、彼女には従順なパートナーがいる。これまで、被害者をパーティーやバーで誘いだし、48時間後に殺害している。チャドの失踪から30時間、彼はまだ生きているが猶予はない。

■子供を失った女
リードの熱意に動かされたFBI支局の捜査官が、12年前に保留地の呪術医に薬草術を学び、他の弟子にソラニンを盛ろうとして追放された人物がいることを掴む。非先住民のロジャー・ウィトコムという男だが、しかしウィトコムは2001年に転居し、それ以降のデータが何も発見されなかった。JJは、チャドが失踪当夜に、滞在先のモーテルをキャンセルしていること、他の被害者も宿や簡易施設での仮住まいであったから、犯人が滞在先を提供したと推測。ホテルの経営者で子供を失った人物を検索した結果、ホテル経営者を夫に持つテス・マイノックの名前が浮上する。彼女は3年前に5歳の息子アダムを亡くし、その命日の週に最初の事件が起きていた。アダムの父親はテスの元恋人で、ふたりがアダムを連れて湖にピクニックに行った際に口論になり、その間にアダムは湖で溺れ死んだのだった。

■洗脳
現在のテスの夫で、ホテルの経営者であるラウールには、2002年以降の記録しかなかった。モーガンは、ラウールとロジャー・ウィトコムは同一人物ではないかと推測する。主犯はテスではなく夫で、保留地に遺体を捨てたのは、12年前の追放の仕返しなのだ。テスはアダムを亡くした後に難病を患ったが、ラウールの治療で回復、その縁で彼と結婚した。ラウールは治療を通してテスを洗脳し、彼女を利用することで人を殺したいという昔からの夢を叶えているのだ。その頃ホテルでは、テスがラウールに対して不信感を募らせていた。これまでラウールの命じるままに従ってきたが、一向に妊娠の兆候はなく、さらに彼が従業員のアンバーを殺したことが引き金となった。薬を盛られ、朦朧としていたチャドだが、テスとラウールが揉めた隙をついて反撃にでる。そして、ふたりが揉み合っているところにBAUが到着。チャドは一命をとりとめるが、しかしテスは現場から逃走。もうアダムが戻ってこないことを確信した彼女は、息子が死んだ湖に身を投げて後を追った。

【格言】
「夢は、続く限り現実。我々も夢に生きている」ヴィクトリア朝時代のイギリス詩人アルフレッド・ロード・テニスン(1809年8月6日-1892年10月6日)の言葉。The Holy Grail and Other Poemsに収録された「より高き汎神論」の一節だ。
「泣くなとは言わない、涙が悪いものとは限らないから」英国の作家J・R・R・トールキン(1892年1月3日-1973年9月2日)の『指輪物語』の一節。この言葉は、長大な物語の最後、西の国へと旅立つ別れの場面でのガンダルフの言葉だ。

【マシュー監督作品】
今シーズン2話目のマシュー・グレイ・ギュブラー監督作品。ホラー的な味付けがマシューらしい持ち味。そしてメイヴの事件に苦悩するリードの姿が幻想的に描かれている。メイヴの夢を見るのが怖いから眠らない――。夢でメイヴに踊ろうと言われ、そして夢に身を任せると、永遠に彼女を失いそうで、だから無理に起きていると語るリード。クワンティコに帰る飛行機の中で、ロッシはそんなリードに、夢は錬金術と同じで、嫌なものを黄金に変えることができる、だから「成り行きに任せろ」と助言する。そしてその後、夢の中でメイヴに会ったリードは、メイヴの求めに応じてダンスを踊る。「記憶のかけらになる前に抱きしめて欲しい」というメイヴの最後の言葉が切ない。このシーンでかかる曲は、、アメリカ人兄弟のインストゥルメンタル・デュオSANTO & JOHNNY が1959年に発表した「Sleep Walk」。スティーヴン・キングが脚本の『スリープウォーカーズ』や、『12モンキーズ』や『ラ・バンバ』など、さまざまな映画でBGMとして使われ、ラリー・カールトンやジェフ・ベックなどさまざまなギタリストがカバーしている名曲だ。

【ゲストスター】
テスを演じているのはアンジェラ・ベティス。映画『尼僧の恋 マリアの涙』やサイコホラー映画『MAYメイ』で主演。2013年に公開された、26監督によるホラー・オムニバス映画『ABC・オブ・デス』の「Exterminate 駆除」では監督もつとめている。チャド役は、『アルカトラズ』でヒロインの祖父トミー・マドセンを演じたディヴィッド・ホフリンだ。

【ペルティエの件】
保留地がFBIに対して批判的である理由としてロッシが口にした「ペルティエの件」というのは、アメリカ先住民の人権運動家レナード・ペルティエの殺人容疑と逮捕のこと。ペルティエはアメリカインディアンの権利運動団体AIMのメンバー。1975年6月26日、FBIがAIMのキャンプを襲撃、銃撃戦となり、AIMの18歳の青年と、FBIの捜査官2人が死亡。FBIはペルティエを含むAIMのメンバーを指名手配する。ペルティエは逃亡先のカナダで逮捕され、現在も服役中だが、免罪を訴えている。事件に至るFBIの先住民に対する行動にはさまざまな問題があり、さらにペルティエ逮捕には法的手続きに問題があるとも言われている。現在、アムネスティなどの複数の人権擁護団体がペルティエの釈放を訴えている。

2014.5.20|エピソード・ガイド|コメント(5)トラックバック(0)

5月13日(火)S8#19『タイムカプセル』

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■タイムカプセルに入れられた生首
1988年。コロラド州のブロンソン・スプリングスは、「未来の町賞」に選ばれ、その記念として裁判所の前の広場にタイムカプセルを埋めた。それから25年。いよいよ、そのカプセルを開く式典が行われたその時、中から出てきたのはミイラ化した人間の生首だった。被害者はウェイド・バーク。当時23歳で、大学を出て、親の経営するカーペット会社に入社したばかりの青年だった。そしてその2日後、今度は元保安官補チャーリー・フィグの首なし遺体が発見された。なんと、チャーリーとウェイドの首を切り落としたのは、同じノコギリだった。

■未来の町の裏の顔
市民の不安に応えタウンミーティングが開催されるが、その夜、地元新聞の編集長ワンダ・サリヴァンが殺害され、やはり首が持ち去られる。ワンダはこの町が「未来の町賞」の候補にあがっているというスクープをとり、さらに新聞で「事件簿」コラムを連載。町で起きた警察沙汰を全て記事にすることで、当事者に恥をかかせ、町の浄化に貢献してきた人物だ。しかし麻薬撲滅に熱心だった彼女の家の庭から、大麻を植えた植木鉢が見つかる。さらに最初の被害者のウェイド・バークも優等生と見られていたが、実際には、ひき逃げ事件を含め大学時代に6回逮捕されているのを、父親が金を使ってもみ消していた。家族思いと評判の保安官補のチャーリー・フィグも、実際には二重家庭生活を行うなど、私生活にいろいろと問題を抱えていた。つまり清廉潔白な表の顔と、もうひとつ別の裏の顔を持つ人間が殺されていたのだ。

■プロファイル
犯人は45歳から55歳の屈強な男性。偽善者と思える相手を襲っている。ウェイド・バークは表彰もされる模範学生だったが、その裏で何度も法を犯してはもみ消していた。ワンダ・サリヴァンは麻薬撲滅運動に熱心だったが、自宅でマリファナを栽培していた。チャーリー・フィグも法の執行官という立場にありながら、2つの家族を持っていた。町が、「未来の町」として表彰されたのをきっかけに、犯人は偽善者を罰しようと決意。被害者個々人ではなく、町全体に復讐を仕掛けている。タイムカプセルが25年間開かれないのを承知で首を入れた、桁外れの忍耐力を持ち、犯行の前にも入念に計画を練っている。根気強く、完璧主義。仕事はおそらく長い時間をかけて1人で作業する職人系。タイムカプセルの秘密を自分しか知らないという満足感が支えに、殺人衝動をコントロールしてきた。しかし、カプセルが開けられた瞬間に、殺人者として覚醒。今は、この町をパニック状態に置いたままにしようとしている。首を切ったのには理由があり、次のメッセージを準備している。

■被害者同士の接点:レイプ事件
被害者の接点を探っていたガルシアは、ウェイド・バークが行方不明になる1ヶ月前にレイプ事件を起こしたことを突き止めた。しかしこの事件は、ワンダのコラムにも掲載されていない。そしてその際に現場に駆けつけた警官がチャーリー・フィグだった。さらに第4の犯行が起きるが、その被害者であるトッド・バッカスは、事件の目撃者であると推測される。ウェイドの父親はレイプ事件もまた、金の力でもみ消したのだ。やがて当時の捜査資料から、被害者がリーアン・ティプトンという16歳の少女であること。さらに資料から、犯人は取り調べの一部始終を留置場から目撃していたであろうことがわかる。その夜、留置場にいたのは、器物損壊で一晩泊められたトーリー・チャップマンだった。チャップマンは家具職人。そして彼の妻こそが、レイプ事件の被害者リーアン・ティプトンだった。彼女を救うのは自分しかないという妄想を抱いたチャップマンはウェイドを殺した後、偶然を装いリーアンに近づき、そして結婚したのだった。

■リーアンのもうひとつの顔
その頃チャップマンは、夫が事件の犯人であることに気づいたリーアンを拉致し、裁判所に向かっていた。リーアンはチャップマンの行動を止めようとして、彼に驚くべき真実を告白する。それは、リーアンとウェイドは実は恋人同士で、レイプも喧嘩が発端で起きたことで、父親に事実を知られるのを恐れたリーアンがレイプだと嘘をついた、というものだった。信じていたリーアンにも裏切られたチャップマンは、裁判所に並べた被害者の生首を彼女に見せ、その前で、彼女の首も切り落とそうとする。一方、BAUは事件の供述書からリーアンの嘘を見抜いていた。そして、チャップマンの作業場から彫刻道具や文字型を発見したロッシは、裁判所に胸像が並んでいたのを思い出す。チャップマンは裁判所にいるとの連絡を受けたホッチ、ブレイク、リードが現場に急行。間一髪のところで到着。チャップマンは自分は心神喪失を理由で釈放される、もし釈放されないとしても、何年かかってもまた出てくると宣言し、BAUに投降する。

【格言】
「記憶とは何かが少なからず起きたときに残るもの」マルタ島出身の医師で作家のエドワード・デ・ボノ(1933年5月19日-)の言葉。既成の理念や概念にとらわれずに物事を解決する思考方法である「水平思考」の提唱者として知られる。
「現在も未来もない。あるのは過去だけ。それが今、何度も繰り返されているのだ」ノーベル文学賞も受賞したアメリカの劇作家ユージン・オニール(1888年10月16日-1953年11月27日)の言葉。

【インターバルの長いシリアル・キラー】
「縛るbind」「拷問torture」「殺すkill」の頭文字からBTKと自称したデニス・レイダーは、1974年にカンザス州のウィチタで一家4人、3ヶ月後に21歳女性を刺殺、それから3年沈黙し1977年に活動再開2件の殺人を犯したが、その後再び沈黙。2004年に、1986年、1997年に殺人を行ったという声明を新聞社に送り、そこから足がついて逮捕された。“ミルウォーキーの食人鬼”ことジェフリー・ダーマーは、1978年の最初の犯行の後9年間沈黙、1987年からは立て続けに犯行を行った。キーストン・キラーはシーズン1の15話「蘇ったシリアル・キラー」に登場した殺人鬼。初期の犯罪から18年のインターバルをおいて、犯行を再開した。ゾディアックは1968年から1974年にかけて5人を殺害(自称37人)。その後、犯行が止まっている。

【BGM】
エンディングで流れるのは、2005年にデビューしたアメリカのシンガー・ソングライターDrew Holcomb and the Neighbors のTOMORROW。2013年のアルバムGood Lightに収録されている曲。美しいメロディーと語りかけるような歌い方で、わたしたちはいつも明日を待っていると歌っている。

2014.5.13|エピソード・ガイド|コメント(1)トラックバック(0)

5月6日(火)S8#18『光と影』

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■空をみあげろ
モーガンの故郷のシカゴで、相次いでふたりの男性が殺された。一人目は修理業のマイケル・クローリーで深夜のジョギング中に、コンビニ店主のアンソニー・ランゴは閉店準備をしていたところを襲われた。後頭部を鈍器で殴り、相手を支配した後に拳で連打。レイプの痕跡はないが、ズボンと下着が足首までおろされていた。「手口の暴力性からみて、犯人は怒りに満ちており、犯行はこれでは終わらない」というBAUの分析を裏付けるように、シカゴに到着するやダイナーの前で3人目の遺体が発見される。現場に向かったJJは、殺害現場のゴミ箱に「空を見上げろ」という落書きを発見する。そして同じ文言は他の現場にも残されていた。

■カール・ビューフォード
子供のころ、ユースセンターの所長カール・ビューフォードに性的な虐待を受けていたモーガン。なんと「空を見上げろ」というのは、ビューフォードが猥雑行為を行うとき、子供たちに言っていた言葉だった。モーガンはチームに、過去をカミングアウトする。ビューフォードは2006年に殺人罪で逮捕され、現在は終身刑で服役中だ。虐待は時効が成立していたために罪には問えなかったが、被害者はかなりの数に及ぶと見られた。「犯人は30代後半から40代前半の黒人で、サウスサイド出身。子供の頃、ユースセンターに通い、性的虐待を受けた被害者のひとりだ。虐待を受けたという怒りを消化できずに、何かのきっかけで爆発。トラウマにより境界性人格障害を発症、またアルコールか薬物を濫用しているために、行動は予測できない」というプロファイルを発表する。

■虐待者リスト
ビューフォードの虐待被害者の洗い出しは難航した。モーガンは6年前の事件で知り合ったジェームズに話を聞こうとするが、プロフットボール選手を目指す彼は、過去のことを掘り返して欲しくないと、証言を拒絶する。リードとJJはユースセンターの資料に当たるが、ビューフォードが逮捕前に処分したのか、情報が不十分で虐待を受けた人物をピックアップすることができない。そうこうする内に、4人目が殺害され、時間的な猶予はないと考えたモーガンは、ビューフォード本人から聞き出すことを決意。ホッチと共に刑務所に向かう。モーガンはビューフォードから、免責を引き換えに、膨大な被害者のリストを受け取る。そのリストと、ユースセンターの資料、そして犯罪歴などを照合した結果、DVや加重暴行で逮捕歴のあるケロン・ベンダーの名前が浮上する。しかし逃走しようとする彼を捕らえたが、ただの麻薬常習者でしかなかった。

■ロドニー
モーガンに説得されたケロンは、リストにはない、意外なビューフォードの被害者の名前をあげた。ロドニー・ハリス。モーガンを目の敵にしていた、ギャングでも一番のワルだ。やがてガルシアの調査で、最初の被害者クローリーがロドニーの息子の水泳コーチであること、コーチの立場を利用して息子にイタズラをしていたことが判明する。クローリー殺しは復讐だが、それが引き金となってトラウマが蘇ったロドニーは、ビューフォードの身代わりに、彼を連想させるような人間を殺しはじめたのだ。BAUは、ロドニーの携帯のシグナルを追跡、別れた妻の家にいることを突き止めると、現場に急行した。ロドニーは妻子を人質に立てこもるが、「息子の人生を台無しにしたいのか?」というモーガンの説得と、息子の「愛してる」という言葉を聞き、銃をおろして投降する。

【格言】
「私は死んでいる。私を蘇らせるのは復讐のみ」アメリカのファンタジー作家テリー・グッドカインド(1948年-)の言葉。《真実の剣》シリーズの第2部『魔石の伝説』の中のヒロイン、カーランの言葉。
「光が修復できないものを、闇が蘇らせる」ロシアの詩人ヨシフ・ブロツキー(1940年5月24日-1996年1月28日)の言葉。1972年6月4日にソ連から国外追放され、1980年には米国の市民権を得た。その後1987年にノーベル文学賞を受賞。紀行文『ヴェネツィア―水の迷宮の夢』などが翻訳されている。

【疑惑のプロファイラー】

今回の事件の根底にあるのは、シカゴのユースセンターの所長、カール・ビューフォードが子どもたちに行っていた性的虐待だ。詳細は第2シーズンの12話「疑惑のプロファイラー」のブログをお読みください。

【ピーチコブラ】

アメリカの家庭で作られる定番スイーツ。桃を切って砂糖などをかけて焼き、さらに上にビスケット状の生地をのせて焼いたもので、果物はブルーベリー、りんご、プラムなど、焼いても美味しい果物ならなんでも材料になる。それってクランブル? と思って調べてみたんですが、どうやらクッキー生地がそぼろ状だとクランブル、板状だとコブラと呼ぶようです。

【モーガンと虐待】
6年前には誰にも何も打ち明けず、全てをひとりで解決しようとしたモーガンだが、しかし今や、過去を恥じるのではなく、それを乗り越えてきた自分と、そして自分を支えてくれる仲間を信じられるようになったモーガンは、皆にビューフォードに虐待された過去を語る。しかしそれでも、刑務所でビューフォードに握手を求められ、トイレで嘔吐する。ロドニー逮捕で全てが終わるわけではない。虐待による心の傷を身を持って知っている彼は、TVカメラの前でカミングアウトし、同じ虐待を受けた被害者に強くなるように語りかける。その姿にジェームズやケロンをはじめ、多くの人々が感銘を受けた。しかしこの会見を目にしたのは、街の人々だけではなかった。アメリカの刑務所では、児童に対する性的虐待犯は他の囚人より制裁を受ける事が。そしてビューフォードもまた刑務所で他の囚人に囲まれ、リンチの末に殺害されてしまう。飛行機の中でビューフォードの死を知らされたモーガン、そして瞬時に何が起きたか悟ったであろうチームのメンバーたち。エピローグ。修復されたフラットの窓から空を見上げるモーガンの、ガラスに映る祈るような表情が印象に残ります。

2014.5. 7|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)