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三村美衣
(みむらみい)

書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。


5月20日(火)S8#20『錬金術』

20

■連続バラバラ殺人事件
リードは購読している地方紙の記事から、連続殺人事件を発見する。サウスダコタのパインリッジ先住民保留地と森林で、森林伐採業に従事する男性のバラバラ死体が発見されていたのだが、保留地がFBIの管轄であったため、関係性に気づかれなかったのだ。BAUは、被害者の年齢、身長、体重、肌の色が似通っていることから、誰かの身代わりと分析。森林伐採に嫌悪感を持つ、環境保護活動家、動物保護活動家。また被害者の背中に吸い出し療法の吸引カップとおぼしき痕が残っていたことや、死因がソラニン中毒であることから、薬草師や呪術医(シャーマン)の犯行も視野に入れて捜査が開始される。やがて新たな行方不明者の情報が入る。容姿は前の2人と似ているが、行方不明になったチャド・デュモンは観光に来た空軍大尉で、これによって犯行動機から、環境保護活動家や動物保護運動家の可能性が消える。やがて被害者の身体に残されていた吸玉療法が、生殖機能を高めるためのものであることが判明する。

■プロファイル
BAUはプロファイルをまとめる。犯人は妊娠を強く望む女性で、薬物によって被害者を支配下に置き、子供の代わりを手に入れるための生殖相手にしている。妊娠が目的であることから考えて、年齢は30歳以上で40代の前半まで。病的なまでの母性願望は、最近失った子供の代わりを求めているからと思われる。失った子供の父親はもう殺されているかもしれない。子供を失った原因は男の責任であると信じ、被害者たちに復讐している。遺体を切断したのは運びやすくするためだが、切断するにも運ぶにも、それなりの力が必要となることから、彼女には従順なパートナーがいる。これまで、被害者をパーティーやバーで誘いだし、48時間後に殺害している。チャドの失踪から30時間、彼はまだ生きているが猶予はない。

■子供を失った女
リードの熱意に動かされたFBI支局の捜査官が、12年前に保留地の呪術医に薬草術を学び、他の弟子にソラニンを盛ろうとして追放された人物がいることを掴む。非先住民のロジャー・ウィトコムという男だが、しかしウィトコムは2001年に転居し、それ以降のデータが何も発見されなかった。JJは、チャドが失踪当夜に、滞在先のモーテルをキャンセルしていること、他の被害者も宿や簡易施設での仮住まいであったから、犯人が滞在先を提供したと推測。ホテルの経営者で子供を失った人物を検索した結果、ホテル経営者を夫に持つテス・マイノックの名前が浮上する。彼女は3年前に5歳の息子アダムを亡くし、その命日の週に最初の事件が起きていた。アダムの父親はテスの元恋人で、ふたりがアダムを連れて湖にピクニックに行った際に口論になり、その間にアダムは湖で溺れ死んだのだった。

■洗脳
現在のテスの夫で、ホテルの経営者であるラウールには、2002年以降の記録しかなかった。モーガンは、ラウールとロジャー・ウィトコムは同一人物ではないかと推測する。主犯はテスではなく夫で、保留地に遺体を捨てたのは、12年前の追放の仕返しなのだ。テスはアダムを亡くした後に難病を患ったが、ラウールの治療で回復、その縁で彼と結婚した。ラウールは治療を通してテスを洗脳し、彼女を利用することで人を殺したいという昔からの夢を叶えているのだ。その頃ホテルでは、テスがラウールに対して不信感を募らせていた。これまでラウールの命じるままに従ってきたが、一向に妊娠の兆候はなく、さらに彼が従業員のアンバーを殺したことが引き金となった。薬を盛られ、朦朧としていたチャドだが、テスとラウールが揉めた隙をついて反撃にでる。そして、ふたりが揉み合っているところにBAUが到着。チャドは一命をとりとめるが、しかしテスは現場から逃走。もうアダムが戻ってこないことを確信した彼女は、息子が死んだ湖に身を投げて後を追った。

【格言】
「夢は、続く限り現実。我々も夢に生きている」ヴィクトリア朝時代のイギリス詩人アルフレッド・ロード・テニスン(1809年8月6日-1892年10月6日)の言葉。The Holy Grail and Other Poemsに収録された「より高き汎神論」の一節だ。
「泣くなとは言わない、涙が悪いものとは限らないから」英国の作家J・R・R・トールキン(1892年1月3日-1973年9月2日)の『指輪物語』の一節。この言葉は、長大な物語の最後、西の国へと旅立つ別れの場面でのガンダルフの言葉だ。

【マシュー監督作品】
今シーズン2話目のマシュー・グレイ・ギュブラー監督作品。ホラー的な味付けがマシューらしい持ち味。そしてメイヴの事件に苦悩するリードの姿が幻想的に描かれている。メイヴの夢を見るのが怖いから眠らない――。夢でメイヴに踊ろうと言われ、そして夢に身を任せると、永遠に彼女を失いそうで、だから無理に起きていると語るリード。クワンティコに帰る飛行機の中で、ロッシはそんなリードに、夢は錬金術と同じで、嫌なものを黄金に変えることができる、だから「成り行きに任せろ」と助言する。そしてその後、夢の中でメイヴに会ったリードは、メイヴの求めに応じてダンスを踊る。「記憶のかけらになる前に抱きしめて欲しい」というメイヴの最後の言葉が切ない。このシーンでかかる曲は、、アメリカ人兄弟のインストゥルメンタル・デュオSANTO & JOHNNY が1959年に発表した「Sleep Walk」。スティーヴン・キングが脚本の『スリープウォーカーズ』や、『12モンキーズ』や『ラ・バンバ』など、さまざまな映画でBGMとして使われ、ラリー・カールトンやジェフ・ベックなどさまざまなギタリストがカバーしている名曲だ。

【ゲストスター】
テスを演じているのはアンジェラ・ベティス。映画『尼僧の恋 マリアの涙』やサイコホラー映画『MAYメイ』で主演。2013年に公開された、26監督によるホラー・オムニバス映画『ABC・オブ・デス』の「Exterminate 駆除」では監督もつとめている。チャド役は、『アルカトラズ』でヒロインの祖父トミー・マドセンを演じたディヴィッド・ホフリンだ。

【ペルティエの件】
保留地がFBIに対して批判的である理由としてロッシが口にした「ペルティエの件」というのは、アメリカ先住民の人権運動家レナード・ペルティエの殺人容疑と逮捕のこと。ペルティエはアメリカインディアンの権利運動団体AIMのメンバー。1975年6月26日、FBIがAIMのキャンプを襲撃、銃撃戦となり、AIMの18歳の青年と、FBIの捜査官2人が死亡。FBIはペルティエを含むAIMのメンバーを指名手配する。ペルティエは逃亡先のカナダで逮捕され、現在も服役中だが、免罪を訴えている。事件に至るFBIの先住民に対する行動にはさまざまな問題があり、さらにペルティエ逮捕には法的手続きに問題があるとも言われている。現在、アムネスティなどの複数の人権擁護団体がペルティエの釈放を訴えている。

2014.5.20|エピソード・ガイド|コメント(5)トラックバック(0)

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コメント

今回は何と言ってもリードとメイヴのラストシーンが印象的ですね。本当にお似合いの2人だったのに…。今更ながら、残念でなりません。お互いを抱きしめあう2人がとても美しくて、だからこそ余計に切ないシーンでした。

投稿: ままん♪ | 2014年5月21日 (水) 08時54分

ロッシはモテるな〜〜(笑)◎◎羨ましい(@_@)!!!
今回はリードとロッシの会話がポイントでしたね☆最愛の元妻を亡くしているロッシの言葉は深い!!

投稿: JJラブ◎ | 2014年5月21日 (水) 18時41分

大切な掛け替えのない人を亡くした人の、夫々の哀しみが織りなす物語にやりきれない思いで観ていましたけど、最後のシーンに救われた思いがしました。あのSleep Walkは大好きな曲なので、特に、グッときて。ここで、この曲かって。

投稿: choco | 2014年5月22日 (木) 00時23分

格言や最後の補足説明が本当にありがたいです。ネットで調べてもよく分からない事があるので。このブログだけでなく、他の海外ドラマのブログでも是非載せて頂きたいです。

投稿: ゆう | 2014年5月23日 (金) 18時34分

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投稿: Johne187 | 2014年5月30日 (金) 21時31分

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