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三村美衣
(みむらみい)

書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。


3月11日(火)S8#10『人形遣い』

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■箱詰めの死体
アリゾナ州ウィンズローで連続拉致殺人事件が発生した。一人目の被害者はブルース・フィリップス。3日前、金髪を黒く染められ、人通りの多い道端に置かれた箱の中から発見された。そして昨日、ジャスティン・マークスとコニー・フォスターのカップルが拉致され、今朝、ジャスティンだけが髪を黒く染められ、箱に詰められた状態で発見された。男性ふたりは年格好が似ており、また、遺体の首には幾度も吊るした痕があった。さらに検視によって、彼らの手足の関節が生きたまま外されていたことも判明する。やがて新たな拉致事件が発生する。被害者のバイロンは黒髪で本当のターゲットかと思われたが、やはりバイロンの遺体も箱詰めの状態で発見される。箱はまるで誰かへのプレゼントであるかのようにラッピングされており、被害者の掌と足に穴があけられていた。

■プロファイル
「犯人は男性。複雑な手口から見て年齢は30歳以上。妄想を実現するために、被害者の手足を引き伸ばすなどの拷問を繰り返し、男性の髪を黒く染めているが、妄想の実現は叶わずこれまでに3回失敗している。3人目の被害者は手足の穴は、磔にしたためにできたものと思われる。磔は重罪を犯した者への刑罰であることから、犯人は過去に被害者から不当な扱いを受け、審問にかけているつもりなのだろう。そして女性被害者はおそらく生かされて犯行を目撃しているか、参加させられている。犯人が求めるものを完成させるまで、犯行はエスカレートの一途をたどる」というのがBAUがまとめたプロファイルだ。しかしその後、検視によってバイロンは両腕にも索痕があるだけではなく、あごの関節も外されていたことが判明する。それを聞いたリードは、犯人は被害者を人間マリオネットにしているという仮説をたてる。両腕、あごの関節を外したは自由に操るため、手足に穴を開けたのは吊るためで、奇抜なメイキャップも説明がつく。さらに被害者の男性の体重が順を追って軽くなっているのは、人間マリオネットを吊り下げる道具が、男性の体重に耐えなかったからで、箱に詰めて遺棄するのはおもちゃ箱に入れているつもり、というのだ。

■人形遣い
モーガンとJJは、被害者が着せられていた服のタグを頼りに古着屋を尋ねるが、店長のタッカーに車で逃走されてしまう。そこに今度は親子連れが拉致されたという一報が伝わった。ホッチはガルシアに、この地域の人形遣いのリストから、父子絡みの事件に関係ある人物をチェックするように指示する。ガルシアは1950年代の後半に、人形遣いのアレックス・レインが、息子の目の前で強盗に殺害されたニュースを発見。さらに息子のアダム・レインは古着屋のタッカーの顧客であり、彼に頻繁に電話をかけていることが判明する。そして父親アレックス・レインは、「ミッチとステフ」という男女の人形の出し物で評判を呼んでいたが、その2体の人形、男のミッチは黒髪で女のステフは赤毛だった。BAUはアダムの父親が所有していた劇場へと急いだ。

■人形芝居「強盗」の開幕
アダムは交通事故で1年以上昏睡をつづけ、3ヶ月前に覚醒したが、頭部に受けた損傷が原因で、幼少期に遡って妄想が生まれた。アダムは、謎の人物「コンラッドさん」の助けを借りて、父親が殺された事件を人形芝居にしようとしていた。コニーをステフ、彼に危険を知らせにきたタッカーをミッチに、そして誘拐した父子に自分と父親を演じさせようというのだ。そしてついに満員の観客の前で人形芝居「強盗」の幕があがる。コンラッドさん演じる強盗に襲われた男の子は、マリオネットのミッチとステフに助けを求めるのだが……。芝居が佳境に差し掛かったそのとき、劇場にBAUが到着。ホッチは、人間と人形の区別がつかないアダムに、人形は生きていないのだと説得。こうしてBAUは父子とコニー、タッカーを救出した。コンラッドさんも客席を埋め尽くす観客も、アダムの妄想で、全ては物言わぬ人形だった……。

【格言】
「恋は目で物をみない、心で見るのだ」ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『夏の夜の夢』1幕1場のヘレナの台詞。
「愛することは人の宿命。ひとりでは見つけられない人生の意味も、ふたりであれば見つけられる」アメリカのカトリック教会厳律シトー会(トラピスト)の修道司祭で作家トマス・マートン(1915年1月31日-1968年12月10日)の言葉。

【ゲストスター】
マシュー監督のエピソードは、毎回、配役にも工夫があって面白いのだが、今回もアダム役にブラッド・ドゥーリフを起用。ドゥーリフは1975年の映画『カッコーの巣の上で』のビリー役が高い評価を受けた個性派スターだが、『チャイルド・プレイ』で殺人鬼と人形チャッキーの声を演じて注目を集めた。

【マシュー・グレイ・ギュブラー監督作品】
S5#16『母の祈り』、S6#18『もう一人のプレンティス』、S7#19『悪魔の花嫁』と、毎シーズン恒例となったマシュー・グレイ・ギュブラー監督作品。ちょっとホラーがかった味付けがいかにもマシューらしい雰囲気。アダムの手の刺青のウサギのデザインもマシューによるものだそうです。

【BGM】
人間マリオネットのシーンで流れるのは、有名ロックアーティストの曲を子守唄にアレンジしたアルバムRockabye Baby!に収録されたPixiesのWhere is my mind?だ。

【リードとメイヴ】
メイヴはストーカーに狙われていて、変装しないと外出もできなかったのだが、2週間ほど前からメールも電話もかかってこなくなったという。ストーカーの心配がなくなったメイヴは、リードに気持ちを伝える。「会いたい」と。突然のことで動揺して言葉も返せないリードの様子に電話越しにメイヴが笑う。そしてエピローグ。それぞれの部屋で出かける支度をするリードとメイヴだが、どちらも襟元が決まらず、なんども鏡を見直す様子が微笑ましい。リードはメイヴへのプレゼントに用意した本にリボンをかけ、待ち合わせの店に出かける。しかしその店で自分の方ばかり見る男を見かけたリードは、メイヴに電話、ストーカーがいるから店に入らずに帰るように指示する。こうして、リードとメイヴは結局会えずに終わってしまったが、メイヴはお店のひとにリードへのプレゼントの本を託していった。その本はコナン・ドイルの『ジョン・スミスの物語』リードが用意したのと同じ本だった。そしてその本の表紙をめくったページにトマス・マートンの言葉が書かれていた。これまで横顔や後ろ姿しか見せなかったメイヴ。謎めいた存在でしたが、素顔は知的で素朴で、リードととても良く似た女性で一安心。ストーカーはリードの勘違いだったのか、気になりますね……。

【ジョン・スミスの物語】
リードとメイヴがお互いにプレゼントと用意したのは、まったく同じ本。アーサー・C・コナン・ドイルの『ジョン・スミスの物語』だ。この本、残念ながら日本では翻訳出版されていないが、コナン・ドイルが1983年に23歳で執筆した幻の処女作だ。ドイルはこの原稿を出版社との間で紛失し、後にもう一度書き直そうとしたが、完結させることはできなかった。死後、長らく原稿は行方不明とされていたが、2004年に大英博物館がオークションで入手。2011年10月に大英博物館はコナン・ドイル展を開催し『ジョン・スミスの物語』を出版した。痛風で動けなくなった中年男性が、自室から、自分の人生や身の回りの様々なものを記述するというものでミステリではなく、ホームズやワトソンも登場しない。

2014.3.12||コメント(5)トラックバック(0)

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コメント

こんにちは@いつも愉しく拝読させてもらっています!悲しいことに我が家では衛星契約?をしていないので、DVDが出るまでseason8はおあずけです。涙目(゚д゚lll)ですが今回のおはなし、大好きなコナンドイル氏の本も出てくるとあってとっても楽しみです!

投稿: 14 | 2014年3月12日 (水) 01時26分

シーズン5#12の「人形の館」をお気に入りのエピソードに挙げていたマシューが今回の監督ということで覚悟はしていましたが…気合入りまくりでやっぱりエグかったです(^_^;) ラストシーンで観客席いっぱいに並べられていた人形も、きっとマシューチョイスでしょうね。

ところで、他のメンバーには過干渉を恐れて沈黙を貫いているリードも、適度な距離を保ってくれるブレイクにはメイブのことを相談できていて良かったです。エミリーがいれば、きっとエミリーに相談していたのではないかな。それにしても、髪型のことをママとおばさんに言われる…って。おばさん?リードのおばさん?初耳な気がしますが。諸事情あって出演しないリードママに代わって、今後おばさんが登場する布石でしょうか。気になってしまいました。

投稿: ままん♪ | 2014年3月12日 (水) 09時47分

リードの恋が気になります。
今回の犯罪も痛々しく…でもいつも追い詰めていく過程が面白いです。
毎回楽しみに見ています。

投稿: 福山友起子 | 2014年3月12日 (水) 16時13分

あのマリオネットになってしまう女性は、本当に関節が外れているんでしょうか?ほら、関節が自由に動かせる人ってよく(よくではないか)いるでしょう。
ところで、ドイルの初版は1883年のあやまりでは?
ジョン-スミスといえば、キングのテッドゾーンの主人公の名前じゃないですか。まあ、他にもつかわれてますが。

投稿: アイリーン | 2014年3月19日 (水) 18時01分

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