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三村美衣
(みむらみい)

書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。


2月18日(火)S8#7『英雄との再会』

7

■黒焦げの死体
サンタモニカで相次いで、三体の死体が発見されたが、最初の2体が男性、最後が女性という以外は、身元も年齢もわからないほど焼け焦げていた。事件の間隔は最初が4日、次が2日と短くなっているため、BAUは急ぎ現地に向かった。サンタモニカは観光地で、犯人の遺体のさらし方には、注目を集めたがっているように見えた。やがてガルシアの調査で女性の身元が判明する。名前は、リンジー・リーマン。ミネソタ出身の19歳で、2ヶ月前に歌手を目指してサンタモニカにやってきたところだった。

■ホームレス・シェルターでの再会
やがてリンジーが母親に教えていた住所も民間の郵便センターで、彼女がホームレスであったことが判明。リンジーについて聞きこみのためにホームレス・シェルターに向かったロッシは、そこでベトナム従軍の新兵時代の上官スコット軍曹と再会する。やがてBAUの危惧した通り、4件目の犯行が発生。今度は、ホームレス・シェルターの前に、遺体が遺棄された。遺体は焼かれてこそいないが、消毒液に浸されて全身がただれていた。しかしスコットの協力によって、その遺体がホームレスで画家のジェレミーであることが判明する。ロッシらは、スコットの助けを借りて、ホームレスの人々に警告、自衛を訴えた。

■英雄の失墜
スコットはホームレスに転落しているが、ロッシの命の恩人であり、ベトナム戦争の英雄だった。ロッシはそんな彼に救いの手を差し伸べようとするが、スコットは頑なに拒んで立ち去ってしまう。しかしその夜、彼の目の前で、ホームレス仲間のサラが拉致される。犯行を阻止できず自暴自棄になっているスコットに、ロッシは飲酒問題を指摘すると同時に、認知面接による協力を要請。スコットは元海兵隊員ならではの観察眼で、犯人が使用していた車の車種とナンバープレートの一部を見ていたことを思い出す。ガルシアが車の登録から絞り込んだ結果、三代つづく消防士一家のチャド・ミルズの名前が浮上する。ミルズは、ホームレスが不法占拠していた倉庫火災で6人を救出、しかしその火事では9人が死亡していた。ミルズの家に急行したBAUは、サラを発見保護する。一方、自宅から逃走したミルズは、計画を台無しにしたスコットを逆恨みして連れ去った。

■殺菌
やがてミルズは倉庫火災での救出の際に、ホームレスから結核に感染、そのために消防士をやめていたことが判明する。ホームレスを焼却したり消毒剤に浸けていたのは、殺菌の手段だったのだ。彼は結核感染のトラウマに、元来の強迫性障害が加わり、ホームレスを根絶やしにすることで病気の感染拡大を防ぐという妄想にとらわれているのだ。BAUは、ミルズは、スコットをトラウマを受けた場所に連れて行くと考え、火災のあった倉庫に向う。BAUが倉庫に到着したのは、まさにミルズがスコットにガソリンをかけて火をつけようとしているところだった。このままでは全員が火に巻かれると判断したスコットは、軍隊時代の口調で、ロッシに撤退するように命令する。しかしそれは、ベトナムでのある経験をもとにしたスコットからのメッセージだった。それを理解したロッシは、撤退するふりをして犯人の背後にまわり、無事にスコットを救出。犯人のミルズは自らに火を放ち息絶えた。

【格言】
「真実に向き合ったときはじめて自分がわかる」アメリカの女優、歌手のパール・ベイリー (1918年3月29日-1990年8月17日)の言葉。
「倒れても構わない。そこから立ち上がることができれば」第16代アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーン(1809年2月12日-1865年4月15日)の言葉。

【ゲストスター】
スコット軍曹を演じるのは、メシャック・テイラー。アトランタのインテリアデザインの会社を舞台にしたコメディ『浮気なおしゃれミディ』で唯一の男性社員アンソニーを演じている。

【ベトナムの真実】
ベトナム戦争の英雄ハリソン・スコット軍曹。ロッシの思い出の中の彼の姿は、新兵を鍛える鬼軍曹のイメージそのものだが、やがて、退役後に彼を苦しめ酒に逃避させた原因が明らかになる。ロッシはジャングルの行軍中、地雷のトラップの中に足を突っ込んでします。動けば爆発する状況に、スコットは部隊に退避命令を出すが、自らはロッシに付き添い、爆発の瞬間に溝に飛び込めば助かると励ましたのだ。スコットの計画は功を奏し、ふたりとも命は助かるが、ロッシはその際に負傷。意識のないまま隊を離れ、そのまま本国に送還された。そしてスコットは英雄的行動を讃えられ、勲章を授与された。しかし、この一件にはロッシの知らないもうひとつの真実があった。実は、前線でロッシとスコットに命を助けられたことのあるエルナンデスが、自分の身を挺して、地雷から2人を守っていたのだ。しかしプロパガンダのためには、死者よりも生きた英雄が欲しかった軍は、エルナンデスの行為をなかったことにし、スコットをまつりあげた。スコットはその事実から逃れるために、酒に逃避していったのだ。サンタモニカでの事件後、ロッシが上奏し、エルナンデスには勲章が授与される。こうしてスコットのベトナム戦争はようやく終わりを迎えることができたのだ。

【ニュー・ディレクションズ】
ニュー・ディレクションズ・フォー・ベテランズ。退役軍人のためのサポート施設。薬物やアルコール依存症からの回復、ホームレスへの住宅提供などに力を入れている。

【献辞】
ロッシは新作『眠らない悪魔』の献辞を誰にするかで頭を悩ましていたが、事件解決後「この本をハリスン・スコット軍曹と、アントニー・エルナンデス一等兵に捧げる。彼に救われた命によって、私は他の生命を救うことができたのだ」と記して脱稿した。しかし、「虐殺者の復活」、「歌うピアノマン」とか、「レディX」とか、なんだか聞き覚えるある事件のような……。

2014.2.19|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

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コメント

ロッシが海兵隊出身とは驚きました\(◎o◎)/! そして、古傷があることも。今まで一度も言及されていないですよね?

三村さんも書いていらっしゃいますが、ロッシの作品タイトルがどれも聞き覚えのある事件で「いいのかしら?」なんて思ってしまいました。「キャッスル~ミステリー作家のNY事件簿~」の劇中小説がキャッスル名義で発売されているように、デヴィッド・ロッシ名義の小説も上梓されるとよいなぁ。ぜひ、読んでみたいものです。

投稿: ままん♪ | 2014年2月19日 (水) 09時33分

ニュー・ディレクションズってgleeのチーム名ですよね?スー先生繋がり??
そんなことないかぁ…^^;

投稿: hyper-graphia | 2014年8月21日 (木) 17時24分

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