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三村美衣
(みむらみい)

書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。


1月7日(火)S8#1『沈黙の逃亡者』

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■口を縫われた死体
テキサス洲アビリーンで、刑務所を出た救急車が転落。救命士と運転手が死亡し、搬送中の受刑者が逃走した。犯人は逃走の際に刑務官を殺害しており、その口は糸で縫い付けられていた。その手口は、8年前の未解決連続殺人事件の犯人「サイレンサー」とまったく同じだった。サイレンサーは2004年に立て続けに3人の女性を殺害したが、その後、犯行が途絶え、未解決になっていた。実は別の事件で刑務所に収監されていたのだ。しかし8年前の被害者は殴打の末に、遺体は野ざらしにされていたが、今回は被害者のタイプも異なるし、そこまでの怒りをぶつけてもいない。なぜ犯行が変化したのか、そして口を縫い閉じる署名的行動の背景は何なのか。リードとロッシはそれを探るべく、刑務所へと向かった。

■連続殺人犯・サイレンサー
犯人は2004年に交通違反で捕まった。車中から消音銃が発見されたが、黙秘を続けたため、身元不詳のまま懲役30年を言い渡され、さらに服役中に2人殺害し、終身刑となった。独房を調べたリードは、サイレンサーがたいへんな読書家であることを発見する。それもマルチリンガルで、フランス語の本を読み、英語で書き記していた。しかし読む力は人並みはずれているが、文章表現はたどたどしい。ブレイクはそのギャップを、耳が不自由だったことが原因と推測する。一方、検視局に出向いたモーガンとJJから、殺された刑務官の口が、生きたまま縫い付けられたこと、そしてその口の中にビニール袋に入れた紙片が押し込まれていたことが報告される。その紙片には「向こうの世界から見る」と記されていた。やがて新たな殺人事件が発生する。サイレンサーは、逃走用の車を調達するために、車のガレージを襲い、店主を殺害した。そして今度は「蜜の味を待ちわびる 夏の香り」と書いた紙片が発見された。さらに犯行はつづき、子連れの父親が殺害され、車が奪われた。

■プロファイル
BAUは、「犯人が被害者の口を縫い合わせるのは、犯人自身が沈黙を強いられたことに由来する。言語障害を抱えており、母親から虐待を受けたために、自分の言葉に価値がないと思っている。言葉のことで貶められ、怒りを抱き続け、それがついに爆発して犯行に至った。犯人がこのエリアに留まっているのは、ここでやるべきことがあるからだ」と分析。さらに、8年前の事件の被害者が40代後半の女性であったのに、今回は全員が男性である点に着目。犯人が既に一番憎い相手である、母親への復讐は済ませているのではと推理。その観点から被害者を調べ直したBAUは、最初の被害者ジュリー・マイヤーズが、フランス領だった過去のあるルイジアナ洲の出身であること、3人の息子がいることを突き止める。さらに犯人の写真を分析したブレイクは、犯人の左耳の傷痕が、人工内耳の手術痕である可能性に思い至る。やがてガルシアの調査でマイヤーズの一番下の息子ジョンが、14歳で人工内耳の臨床試験の被験者になっていたことが判明。聴覚障害を持ち、沈黙の世界で本を友にして成長した少年は、14歳でいきなり手術を受けさせられ、音を消すことができなくなり、母親を憎んだのだ。

■「向こうの世界」へ
ジョン・マイヤーズが目指している場所、「蜜の味を待ちわびる 夏の香り」「向こうの世界」とは、果たしてどこなのか。紙片の言葉は、話し言葉の断片ではないかと考えたブレイクは、それぞれのフレーズを再検証。「待ちわびる」の助詞の使い方に、テキサス中北部の用法を見出す。マイヤーズは懲罰房に入れられていたために、彼に接触できた人間はほとんどいないが、隣の房の声は聴こえる。ホッチはガルシアに、他の受刑者を畏れて、わざと懲罰を受けたような、刑務所に慣れていない人間を洗い出すように指示。スイートウォーター出身のダニー・タッカーの名前が浮かぶ。スイートウォーターは養蜂業が盛んな場所だ。刑務所暮らしに耐えられないダニーは、正気を保つために楽園の話を語り、マイヤーズはその話しに魅入られたのだ。しかしダニーは既に土地を手放しており、楽園など存在しない。BAUはダニーの家に急行。失望したマイヤーズが、ダニーの口を塞ごうとしたまさにその瞬間に到着。ブレイクは手話で、投降するようにマイヤーズに呼びかける。マイヤーズは優しく語りかけるブレイクの説得に応じるが、しかし、刑務所に戻るしかないと知り、絶望から自らの命を絶った。

【格言】
「歳をとるにつれて私は人の言葉より行動に注目するようになった」アンドリュー・カーネギー(1835年11月25日-1919年8月11日)カーネギー鉄鋼会社を創業し「鋼鉄王」と称されたアメリカの実業家。晩年は慈善事業に捧げ、図書館や学校の創設に私財を投じた。
「沈黙はその人を物語る」オリヴァー・ハーフォード(1863年~1935年)アメリカの作家・詩人・芸術家。

【アレックス・ブレイク】
新しくチームに加わった捜査官アレックス・ブレイクは、カリフォルニア大学バークレー校で2つの専攻をおさめ、FBI勤務の傍らで、クリントン大統領や緒方貞子など、多くの政治家や著名人を排出する私立の名門校ジョージタウン大学で教壇にも立つ才媛。24歳でFBIにスカウトされ、1996年のユナボマー逮捕で活躍した。しかし10年前、炭疽菌事件の誤認逮捕で矢面に立たされ、出世コースから失脚。ストラウスとはこの一件で確執が生じている。

【ジーン・トリプルホーン】
アレックスを演じているジーン・トリプルホーン(1963年6月10日 - )は、オクラホマ州タルサ出身で、タルサ大学を卒業後地元ラジオのDJとして働き、1986年には名門ジュリアード学院に入学し演技を学んだ。1990年に卒業、その後『氷の微笑』のベス役で映画デビュー。シャロン・ストーンの美貌が話題となった映画だが、物語後半のジーン・トリプルホーンの存在感も印象深い。最近では、宗教的な立場から一夫多妻制を実践する家族の物語を描いたTVドラマ『ビックラブ』に出演。プライベートでは2000年にリーランド・オーサーと結婚、2002年に男児が産まれている。

【ユナボマー】
1978年5月、ノースウェスタン大学の材料工学科教授に小包爆弾を送りつけたのを皮切りに、1995年までに、全米各地の大学・航空業界・金融関係者に爆発物を送りつけた。大学・航空会社爆破犯 University and Airline Bomber 略してユナボマーと呼ばれた。一連の事件で3人が死亡、29人以上が重軽傷を負っている。1995年に、犯行声明文の全国紙への掲載を要求し、 ニューヨークタイムズとワシントンポストが紙面を割いた。しかしこの犯行声明の文体が兄の文章に似ているとの通報から捜査が進み、1996年に逮捕された。犯人はセオドア・ジョン・カジンスキー。16歳でハーバード大学に進学、ミシガン大学大学院に進学し、数学の修士号と博士号を取得した人物だ。卒業後は1969年までカリフォルニア大学バークレー校の助教を務めたが、その後大学を辞し、モンタナ州の郊外で自給自足の生活を始めた。裁判では、仮釈放なしの終身刑とする司法取引が成立、公判を開かないまま刑が確定し、カジンスキーは現在もコロラド州にあるフローレンス刑務所で服役している。

【第8シーズン開幕!】
待望の第8シーズン開幕です。チームに新たなメンバーアレックス・ブレイクを迎え、さらにエピローグには、BAUの写真を現像する謎の男が登場。このシーンがどう展開していくのか、気になりますね。恒例となったマシュー・グレイ・ギュブラーの監督作品は、今回は10話と20話の2作。さらになんとホッチ役のトーマス・ギブソンも、14話の監督を努めているそうです。また、気になる情報としては、リードの恋愛エピソードも盛り込まれているとか。ドラマともども、ブログもよろしくお願いします。

2014.1. 8|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

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コメント

待望のシーズン8開始ですね。

新規加入のブレイク女史は、リードのお株を奪うほどの才媛ぶりで、今後どんな風に活躍するかが楽しみです。リードも、専門的なハナシを遠慮せずに思いっきりできる同僚ができて良かったかな?…あ、今までも遠慮ナシでしたっけ(^_^;)

エミリーがいなくなってしまったのはさみしいけれど、悲しい別れでなかったのが救いでした。ガルシア同様、変化に対応して新しいメンバーを見守っていきたいと思います。

三村さん、今年もよろしくお願い致します♪

投稿: ままん | 2014年1月 8日 (水) 16時17分

メンバーがエミリーともまだ仲良くしている感を
冒頭から感じて嬉しく思った第一話!
濃い内容を期待しつつ、楽しみに見ていきたいです。

私は相変わらずモーガン押しで行きます!(笑)

ブログ更新も楽しみにしています!coldsweats02

投稿: ぱんちょす | 2014年1月 8日 (水) 17時46分

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