クリミナル・マインド

海外ドラマNAVI

WEEKLY NEWS

COLUMN/REPORT

ABOUT クリミナル・マインドについて

CATEGORY カテゴリー

WRITERS プロフィール

三村美衣
(みむらみい)

書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。


1月28日(火)S8#4『神コンプレックス』

4

■足を奪う殺人鬼
ニューメキシコで、1週間に2人の男性が拉致され、右足を切断されるという事件が発生した。1人目の被害者リチャード・ハベルは足の切断中に死亡し、死体はメキシコ側に遺棄された。2人目の被害者のトニー・アンダースは、足の切断後、モーテルに放置されたが、一命をとりとめた。切り口は縫われていたが、しかし切断面は壊疽を起こしており、医師にしては技術的にも知識的にも疑問点があった。また人体売買絡みの組織犯罪の線も考慮されたが、右足しか奪われていないのは不自然であり、その可能性も消去された。1人目の被害者の検視に赴いたリードは、足の切断面と骨にあけられた穴を検証、犯人は医者ではないが訓練をきちんと受けた人物。そして目的は金儲けでも殺人でもなく、科学的な実験、それも移植手術をしようとしていると分析する。またロッシとモーガンはトニーと認知面接を行い、トニーが足を切断された場所が、民家のガレージであったことを突き止める。その頃、3人目の被害者が、自らの足で病院に辿り着き、そこで死亡した。そしてリードの分析通り、その被害者の右足には別の人間の右足が移植されていた。

■プロファイル――神コンプレックスの医者
犯人は、「神コンプレックス」の医者。自分を神だと信じており、生物学や解剖学の常識に逆らえると思っている。極度のナルシストなので、トラブルも多く、免許を剥奪された医師や、学則を犯した医学生などの可能性も高い。サイコパスではないため、反社会的な態度をとることはなく、生活レベルは中流から上流で既婚者。社交的な性格で、世間でも一目おかれるような存在だ。ナチスの医師などに見られたダブリングと呼ばれる心理状態で、虐殺を行う顔と、よき家庭人としての二面性を持っている――。以上がBAUのプロファイルだった。

■葬儀師
ところが、この地域の医者と医学生には該当者が多く、絞り込みは杳として進まなかった。リードは、足の接続に使われていた人工器具の成分から、犯人は医師ではなく、葬儀師ではないかと推理する。医師ではなく、葬儀師だとすると、犯人はどうやって被害者を見つけていたのか。医療データベースは厳重に管理されているために、犯人がアクセスすることはあり得ない。トニーに再度聴取した結果、彼が、拉致の直前に献血車で献血をしていたことが判明。犯人は献血車を装い、被験者のデータを収集していたのだ。

■誰のために?
やがて新たな被害者が発見される。被害者はヒスパニックの女性で、死因は失血死。そして左足に、白人女性の足が移植されていた。まだもうひとりの女性は生きている可能性があると見たBAUはプロファイルを進め、犯人は他人の命を犠牲にしても治したい相手、配偶者か子どもがいると分析する。一方、犯人が被害者の選定に献血で検査を行った背景には、被害者の共通因子を探る目的があるのではないかと推理するリードは、メンバーにも秘密にしている謎の女性に電話で相談、水疱瘡による先天性四肢切断の可能性に到達。これらの情報をもとに、ガルシアが2ヶ月前に葬儀社を退職したジョン・ネルソンの妻が水疱瘡が原因の先天性四肢切断を患っていることを突き止める。その頃、犯人のネルソンは移植の成果を妻のリンダに見せようとしていた。リンダは夫が人を実験台にしていたことにショックを受ける。そこにBAUが突入、ジョンは白人女性を人質にとるが、妻のリンダの説得に応じ、ジョンは劇薬の入った注射器をおろし、投降した。

【格言】
「悪事に走った医者は第一級の犯罪者となる度胸も知識も持ちあわせているから」英国のミステリ作家アーサー・コナン・ドイル(1859年5月22日-1930年7月7日)の小説「まだらの紐」の一節。「まだらの紐」はホームズが活躍する短編のひとつで、引用の一節は、物語の終盤のセリフで、ホームズはこの後、この例として、ルーグレーの毒殺魔ウィリアム・パーマーと、アンチモンで妻と妻の母親を殺したエドワード・プリチャードの名前があげている。なお、今回のエピソードでリードが電話ボックスから謎の女性に電話するときに手にしている本はホームズものの長編『四つの署名』、彼女の部屋にあるのは同じく短篇集『シャーロック・ホームズの思い出』だ。
「治療において体と心はひとつであり、切り離して考えてはいけない。体同様、心を癒やすことも必要なのだ」アメリカの遺伝子学者ドクター・ジェフ・ミラー(1874年-1936年)の言葉。

【ゲストスター】
レイ・ワイズは、『ツイン・ピークス』のローラ・パーマーの父親リーランド役、『24シーズン5』の副大統領役、映画『ロボ・コップ』のレオン・ナッシュ役などで知られる。妻のリンダは、全7話制作された女性版ダーティ・ハリー『女刑事レディ・ブルー』シリーズで主演を務めたジェイミー・ローズ。足を切られた大学生のトニーは『パーセプション 天才教授の推理ノート』に助手マックス・ルウィッキ役で出演しているアージェイ・スミスだ。

【ダブリング】
アメリカの精神科医ロバート・J・リフトンが、ナチスのホロコーストについて論じた際に使用した言葉で、家ではよき家庭人である医師が、ナチスのホロコーストに加担し虐殺を行った、自我の二重構造性を意味する。

【リードに彼女が!?】
リードに謎の相談相手が登場。どうやら頭痛に悩まされていたころに、リードが発表した論文に手紙をくれたことで交流がはじまった遺伝子の専門家らしい彼女。演じているのは、髪の色も雰囲気もまったく違うが、『レバレッジ ~詐欺師たちの流儀』のパーカー役で人気を得たベス・リースグラフ。リードと対等に会話する頭脳明晰なドクターらしいのだが、名前もまだわからないし、なにやらワケありの様子。今後の展開が気になりますね。

2014.1.29|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/503483/58900962

この記事へのトラックバック一覧です: 1月28日(火)S8#4『神コンプレックス』:

コメント

今回は、リードと謎の相談相手とのやり取りにくぎづけでした。抜群の頭脳を誇るリードと対等、それ以上に会話できる彼女。でも部屋のカーテンは閉め切りでどうやら「彼」の存在に怯えている様子。「彼」はストーカーでしょうか?

「愛している」と言われたリードが、動揺のあまり電話ボックスから出て逆方向に歩き出したシーンが何とも微笑ましかったです。

投稿: ままん♪ | 2014年1月29日 (水) 10時52分

懐かしい!
ローラ・パーマーの父リーランドだぁ!
リードが、女性と!?いったい何者?何が目的なの!?
しかし…妻のために…あんな事!?狂ってる。

投稿: Lead | 2014年1月29日 (水) 16時40分

コメントを書く