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三村美衣
(みむらみい)

書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。


1月21日(火)S8#3『家族ゲーム』

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■狙われたファミリー
カンサスシティで、日系人のヤマダ一家が自宅から失踪。5日後に、夫婦と16歳の娘の射殺死体がハイウェイ脇で発見された。凶器の銃は遺体のそばから発見され、父親の右手からは硝煙反応が検出された。しかし、一家には大きな問題もなく、父親が左利きであることから、BAUは事件を無理心中を偽装した殺人事件と判断。また発見されていない息子のスコットが真のターゲットだったという可能性も考慮に入れて捜査を開始。そこに新たな事件発生の連絡が入った。カンザスシティ郊外で、17歳の娘と11歳の息子がいるアクリン一家が自宅から失踪したというのだ。両家の家族構成は似通っており、同一犯の可能性が高い。もし犯行のパターンが同じなら、アクリン家に与えられた猶予は3日。BAUは急ぎカンザスシティに向った。

■幸せ家族の本当の顔
失踪現場である自宅を検証したBAUは、犯人が息子を人質にとることで家族を制圧したと分析する。両家の男の子はおとなしい性格で、アクリン家のブレイデンはアスペルガーの診断を受けており、性犯罪のターゲットとなりやすいタイプだ。しかしその後、スコットの遺体が工事現場で発見されたが、レイプや拷問の痕跡もなく、性犯罪者というプロファイルとは合致しない点がでてきた。さらにどちらの家族も、ブログやHPを作成し、幸せファミリーをアピールしていたが、聞きこみや家宅捜査から浮かび上がってくるのは、それとは真逆で、借金やメンタルの題をいろいろ抱える病んだ家族像だった。

■プロファイル
犯人は40代半ば。誘拐と殺害を計画するだけの知性がある。家族はなく、自分の手に入らないものを羨み、破壊している。崩壊した家庭で育てられ、家族が殺されたということも考えられる。犯行は無作為ではなく、ネットで、自分の家庭と似た構成の家を選び、犯行に及んでいる。父親の犯行に見せかけているのは、家族が抱える問題を父親のせいにしているためで、少年に自分を重ねている。ただし、その少年も安全だというわけではなく、救うために殺すこともあり得る。拉致現場と死体遺棄現場の地理に詳しい人物――というのがBAUが出したプロファイルだ。

■鏡越しの対面
その頃、アクリン家の両親マイクとデブラ、そして娘のマッケンジーは、一方の壁がマジックミラーになっている一室に閉じ込められていた。やがてマジックミラーの向こうに、椅子に縛り付けられたブレイデンの家庭教師ヴァネッサが現れる。そしてスピーカー越しに男の声で「彼女が誰か家族に言え」とマイクに命令する。実はマイクとヴァネッサには肉体関係があったのだが、マイクがそのことを伏せて「家庭教師だ」と返答するや、ヴァネッサは射殺されてしまう。その後、真実を言わないとブレイデンを殺すと脅されたマイクは家族の前で関係を告白する。つぎにミラーの向こうに現れたのは鎮痛剤の瓶で、マッケンジーが母親の鎮痛剤をドラッグ代わりに使用したことを暴き立てた。その次は、拘束されたマッケンジーのボーイフレンドのダレン。犯人はデブラに「人の息子の命か金か、どちらかを選べ」と要求する。マッケンジーが薬に手を出したのはダレンのせいだと考えて恨んでいたデブラは、迷わずに金を選択。マッケンジーの目の前でダレンが射殺されてしまう。最後にミラーの向こう側にブレイデンが現れる。そして犯人は一家に銃を与え、3人が自殺すればブレイデンを助けると告げるのだった……。

■完璧な家族
両家の住まいを再度調査したBAUは、家のあちこちに取り付けられた監視カメラを発見する。どちらの家もリフォームされており、施工会社は異なるが、下請けには共通した会社が散見された。そしてその中にスコットの遺体の発見者アーサー・リコフがいることが判明する。リコフは46歳独身で未婚。母親を早くに亡くし、父親は宗教に傾倒。16歳のときに近所の家庭に憧れていたが、ある日、その家の父親と学校の教師がキスをしているのを目撃し、完璧な家庭を壊した教師を襲撃した。リコフはそれ以来、代わりになる家族を探し続け、そして2年前に広大な農場を手に入れ、この犯行に着手したのだ。その頃、自殺を迫られたアクリン家では、デボラが耐え切れず、自らの腹に銃を向けて引き金を引いた。そこに捜査陣が到着。リコフを逮捕、ブレイデンは救出される。さらに銃は空砲でデボラも無事だった。しかし壁には自動小銃が隠されており、リコフは一家を助けるつもりはなかったとBAUは分析する。

【格言】
「行動とは、その人の本当の姿が映し出される鏡である」ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(1749年8月28日-1832年3月22日)の言葉。ゲーテは小説『若きウェルテルの悩み』、詩劇『ファウスト』など、詩人、劇作家、小説家として知られているが、それあけではなく自然科学者、政治家、法律家と多方面で活躍した知の巨人だ。引用は1809年に刊行された長編小説『親和力』の中の言葉。二組の男女の姦通をテーマに、情熱や理性など心の動きが描かれ、賛否両論を呼んだ作品。示唆に富んだ言葉が多く、これ一冊からゲーテの格言集が編纂されているほどだ。
「人生の奥底にある秘密。他人のための行いにこそ価値がある」ルイス・キャロル(1832年1月27日-1898年1月14日)の言葉。キャロルは『不思議の国のアリス』で知られる、英国の作家で数学者。今回のエピソード「家族ゲーム」の原題THROUG THE LOOKING GLASSは、『不思議の国のアリス』の続編で、アリスが姿見を抜けて異世界に旅する『鏡の国のアリス』からとられている。しかしこの引用は『鏡の国のアリス』ではなく、ルイス・キャロルが女優のエレン・テリー宛て手紙の一文。キャロルが目をかけていた女優志望の少女にエレン・テリーが助力したことに対する感謝の言葉だ。

【ゲストスター】
アクリン家の父親役は、『私はラブ・リーガル』ジェーンの上司J・パーカー役のジョシュ・スタンバーグ。デブラ役は『The O.C.』などに出演していたダニエル・ビスッティ。

【マシュー・ホフマン】
2010年11月10日、オハイオ州のアップルバレーで、ティナ・ハーマンの家に侵入。ティナ、その友人、11歳の息子を殺害し、13歳の娘サラ・メイナードを誘拐・監禁し、レイプを繰り返した。誘拐から4日後にホフマンは逮捕され、サラは保護された。犠牲者の遺体の遺棄場所を明らかにすることを交換条件に死刑を回避、2011年1月6日に仮釈放の可能性がない終身刑となった。

2014.1.22|エピソード・ガイド|コメント(1)トラックバック(0)

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コメント

三村さん、すみません。私の見当違いだったら申し訳ないのですが、ダレンは救急車の前で手当てをされている映像が映っていたように思います。おそらく撃たれていないのではないでしょうか?

今回のエビソード、本筋はともかく、ブレイクのリードに関する発言にギョッとしてしまいました。リードもかなりストレートなモノの言い方をしますけれど、ブレイクもすごいなぁ…と。いつも、リードに気を使いすぎるくらい気配りをしてくれていたエミリーが恋しくなってしまいました。

投稿: ままん♪ | 2014年1月22日 (水) 07時55分

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