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三村美衣
(みむらみい)

書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。


6月11日(火)S7#22『プロファイラー入門』

22

■2012年
ロッシは、古い友人であるグラント博士に頼まれ、大学で犯罪学の授業のゲスト講師に招かれ、BAU全員がその授業に協力することになった。授業で扱うのは、BAU史上、最多の殺人を犯したシリアル・キラーのケースについてだった。この日、ロッシにはもうひとつ、刑務所である人物と面談を行なうという、重要な仕事があった。ところがその刑務所で暴動が発生したとの電話が入る。ロッシは、ホッチの司法省へのツテを使ってでも、刑務所での面会を取り付けようとするのだが……。

■1992年シアトル
事件の発生は1992年に遡る。被害者は、レイチェル・ムーア、17歳。出身はワシントン州スポケーンだが、実家は貧しく、酔っては暴力をふるう父親に愛想をつかして、母親が出て行き、家庭は崩壊状態で、家出中だった。手首、足首に拘束されていた痕があり、食事も水も与えられないまま数日監禁され、そして生殖器を切除して殺害された。レイチェルは53ヶ所刺され、遺体は裏道のゴミ捨て場に、遺棄されていた。過剰殺傷と呼ばれる状態で、犯人の憎しみや欲求不満、それに経験の未熟さを表している場合が多く、BAUは、犯人はこのレイチェルの殺害が初犯で、この後、手口を確率していったと考えた。そして2週間後、シアトルの大学生ティナ・ダイソン、19歳の遺体が、郊外で発見され、遺体の状態から同じ犯人による犯行と断定された。ティナの実家は裕福で成績優秀、家族からも愛されていた。その日、夏休みでシアトルに帰ってきていたティナは、女友だち2人と、年齢を偽ってロックバーに入店。飲み過ぎて気持ち悪くなり、店外に出、1人になった隙に拉致されたのだ。1992年当時BAUに在籍していたロッシは、市民への警告が必要であると考え、新聞社やTV局に連絡、そのせいか、犯人の動きが止まったため、捜査も打ち切られた。

■1997年サンフランシスコ
1997年、サンフランシスコのゴールデンゲート・パークで2つの新たな遺体が発見された。1人目は1ヶ月ほど草むらに放置されていた状態で、そして2人目はやはり土に埋められた状態で発見されており、検視で死後1週間と判断された。1人目は25歳の麻薬中毒患者の娼婦、2人目は27歳の主婦。やはり2人共、数日間食事なしで監禁されたあげく、生殖器を切除されていた。ロッシはマスコミに流す情報をコントロールし、犯人をあぶり出そうと考えるが、マスコミをうまくコントロールすることが出来ずに、「子宮ハンター」というセンセーショナルな名前が一人歩きする結果となった。しかし犯人は話題となっても、大胆になってボロを出すようなことはせず、沈黙を守り、捜査はまたもや行き詰まった。

■2005年ロサンジェルス
その次の事件は2005年。ロサンジェルスで、娼婦の遺体が発見され、遺体の状態から同一犯によるものと断定された。このときのプロファイルは「犯人は30代前半から半ばの白人男性。社交性はなく、自己評価は低い。日雇いか、雑用係のような、一時的で単調な仕事に従事し、仕事につけるだけの愛想はあるが、決して目立つことはない。被害者を何時間も監禁しておけるスペース、被害者を運ぶためのトラックかバンを所有している。子宮を切除するのは、臓器フェチ、生まれてきたことを恨むような深い自己嫌悪、誕生にまつわる何かがトラウマになっている、または母親への憎しみの現れ。被害者は犯人の怒りを表すための復讐道具に使われている。また、いつでもまず娼婦や家出人をまず誘拐、その後、学生や主婦を選んでいる。次は30代の子持ちの主婦が選ばれる」というものだった。しかし、その後、子持ちの主婦の遺体も、失踪事件も起きず、捜査は打ち切られた。

■2009年シアトル
さらに4年が経過。2009年、再びシアトルで40歳の娼婦の遺体が発見された。BAUは、これまで犯人は常に南下していたのに、シアトルに戻った点に着目。戻らなければならない、何らかの理由があったと分析する。やがて42歳の主婦グレイス・パウエルが誘拐されたとの報が入るが、その誘拐現場は、なんと92年の女子大生ディナ・ダイソンと同じ場所だった。ガルシアはその場所のあらゆる情報を収集、ついに、1966年にそこで16歳の少女ジョージナ・イエイツがレイプされ、レイプ犯の子供を産んでいたことを突き止めた。ジョージナは出産中に死亡し、トーマスと名付けられた子供は祖父母に引き取られた。トーマスは二度、放火で学校を退学、15歳のときには、自分を虐めた相手を刺殺し、少年院で3年、刑務所で7年服役。最初の事件の直前に仮出所したことが判明する。また、トーマスは服役中、精神科医に、祖母が自分のロクな食事も与えず、犬小屋で眠らせたり、暴力をふるっていたことを告白していた。さらに調査で、つい最近、祖父が死亡し、祖母が末期がんでホスピスに入院したことが判明。トーマスはそのためにシアトルに戻ったのだ。捜査陣は祖母の入院する病院で入手した住所に急行、間一髪のところでグレイスを救出、トーマスを逮捕した。しかしトーマスは尋問に対して一切口を開かず、無言のまま、死刑判決を受けた。

■2010年~2012年、そして……
そして2年前の今日。ロッシはそのトーマスから電話を受け、刑務所に向かった。彼は101人の殺害を告白、減刑と引き換えに、被害者の名前を教えるというのだ。彼はまず40人名前と遺棄した場所のリストを提出。そして今後、1年に1人ずつ、彼が選んだ日に、名前と遺棄場所を告白するというのだ。自分の誕生にトラウマを抱えるトーマス・イエイツが選んだ日は、ロッシの誕生日だった。以来、ロッシは毎年誕生日に刑務所に出向き、トーマスから被害者の情報を聞き、遺族にそれを伝えるという恒例行事を淡々とこなしているのだ。そして今日が、その日だったのだ。授業終了後、ホッチの力添えもあり、ロッシはトーマスとの面会に刑務所へと向かった。

【格言】
「生きるものには敬意を、死者には真実のみ伝えるべし」フランスの哲学者であり、作家、文学者、歴史家ヴォルテール(1694年11月21日-1778年5月30日)の言葉。
「悪人にとっての勝利は、善人が何もしないことだ」アイルランド生まれの哲学者、政治家エドマンド・バーク(1729年1月12日-1797年7月9日)の言葉。『フランス革命の省察』、『崇高と美の起源』などの著書でも知られる。

【チカチーロ】
リードが子宮を食べた例として名前をあげるアンドレイ・チカチーロ(1936年10月16日-1994年2月14日)は、ロシアのシリアルキラー。「ロストフの殺し屋」、「赤い切り裂き魔」などの呼び名を持つ。1978年から1990年にかけて、52人を殺害。インポテンツであったが、相手の抵抗や、めった刺しにすることで性的興奮を覚えていた。内蔵や性器を切り取り、それを食べることもあった。死刑判決を受け、1994年に刑が執行された。

【シリアルキラー】
KY学生ジマーマンくんの「その犯人聞いたことない」との発言のあとにモーガンが並べる名前は、全て、大量の人間を殺した殺人鬼だ。エフレン・サルディヴァー(1969年9月30日-)は、ロサンジェルスの死の天使と呼ばれた呼吸技師。1988年から1998年の間に、筋肉弛緩剤で高齢者を殺害、6人の殺害で仮釈放なしの終身刑を言い渡されているが、本人は1度、50人の殺害を告白。専門家による内部調査では120人に関与の疑いが持たれている。デイヴィッド・パーカー・レイ(1939年11月6日-2002年5月28日)は、別名、トイボックス・キラー。おもちゃ箱と呼ばれる拷問部屋で14人~60人の女性を拷問し殺害したとされている。2002年に心臓発作で死亡した。ジョン・エドワード・ロビンソン(1943年12月27日-)は、インターネットのチャットで知り合った女性8人を殺害、史上初のインターネット殺人鬼と呼ばれている。

2013.6.11|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

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コメント

過去と現在が交錯しながら物語が進んでいく今回のエピソード、シーズン3の「記憶を失くした殺人犯」を思い出しました。

テロップに20××年…etcと出ましたが、それよりもリードの髪型で時代がわかりました(^^)。マシューは当然カツラを使ったので大変だったでしょうが、ひとつのエピソードの中で色々な髪型のリードを見ることができて得した気分でした♪それと、久々にギデオンの名前が出たのも嬉しかったです(^^)

もちろん、内容は喜ばしいものとは真逆でした。ロッシはこのままずっと、自分の誕生日が来るたびに、あの犯人に会い続けなければならないのですね。切ないです。

投稿: ままん | 2013年6月12日 (水) 07時51分

ホツチとロッシの初対面。こんなシーンが毎回欠かさず見ている喜びデス

投稿: チョコ | 2013年6月12日 (水) 08時21分

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