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三村美衣
(みむらみい)

書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。


5月7日(火)S7#18『翼』

18

■発見された少年
アリゾナ州の辺鄙な地域の道路で、ひとりの少年が発見された。長期に渡り、どこか日の当たらない監禁場所に閉じ込められていた様子で、目には黄疸、足首には鎖で繋がれた痕があった。そして、少年が保護された直後、現場から遠くない町で、13歳の少年ビリー・ヘンダーソンが行方不明になった。アリゾナでの誘拐の発生率の低さから、BAUはこの2件の事件に関連性があると見て捜査を開始する。モーガンとJJは保護された少年に面会するが、しかし事件解決の鍵をにぎる少年は、机の下にうずくまったままで、犯人についての語ることはおろか、極度の緊張から、治療のために近づくことすらできない状態だった。少年の状態を確認したモーガンは、発育不全や肌の状態を見て、行方不明の児童の検索を2000年頃まで遡るように指示する。

■忌まわしい記憶
BAUが現地に到着する前に、警察にサム・アレンという女性が現れ、30年前に同じように鎖に繋がれた少年を見たことがあると語った。しかし彼女はそれだけ言うと、気が変わったのか、突然、帰ってしまった。サムが写真を並べている棚を見て動揺した様子だった。そこには、前の署長と、警察署の建設を請け負った業者の社長が、握手している写真が飾られていた。そしてその社長こそが、JB・アレン、サムの父親だった。サムを訪ねたロッシとプレンティスは、「なぜお父さんが関与してると思うのか?」と核心に斬りこむ。しかしサムは父親の関与を否定して何も話そうとしない。

■翼あるもの
少年の心を開かせようとするモーガンは、彼に、自分のお守りであるチャレンジ・コインを手渡す。一方JJは、スペイン語で名前を聞くことを思いつき、実行する。優しく語りかけるJJに、やがて少年は、コインに書かれた鷲の翼を指さし、自分の肩甲骨のあたりを指した。背中に翼のある者。少年の名前はエンジェルだったのだ。しかしエンジェルという名前の失踪人記録がないことから、JJは不法就労者の子供である可能性を指摘。失踪届ではなく小学校の中退者名簿から捜索をかけ、2004年に2年生で学校をやめたエンジェル・スアレスの記録にたどり着く。こうして母親を発見するが、自分を恥じているエンジェルは母親に会う前に手首を切って自殺未遂を図る。

■父親の犯罪
一方、一度は全てを否定したサムだが、その後警察に現れ、プレンティスの認知面接を受け、幼い頃の記憶を蘇らせた。その夜、サムは窓の外で、父親が鎖に繋がれた男の子をトラックに閉じ込めようとしているのを目撃していたのだ。プレンティスはサムに父親の家の地下室を探るように頼むが、しかし、地下室からは異常なものは何も発見されなかった。エンジェルは、根気よく話しかけ続けるモーガンに次第に心を開き、ついに、自分の身体に犯人の歯型が残っていることを告げた。サムは父親が数年前に歯の被せ物がとれたという話をしていたことを思い出す。また父親が誘拐の記念品である犬をサムにプレゼントしていたことも判明、BAUはJBを犯人と断定し、彼の家に突入する。しかし秘密の地下室を発見するも、すでにそこはもぬけのからだった。やがてサムの証言から、JBがシャベルカーの試乗で少年たちの気を引き、ターゲットを物色していたこと。足繁く最初に手がけた分譲地に通っていたことが判明。その分譲地で、シャベルカーで生き埋めにされかけていたビリーを救出、JBを逮捕した。

【格言】
「記憶とは複雑なものだ。真実の親戚ではあるが、双子ではない」アメリカの小説家、詩人、バーバラ・キングソルヴァー(1955年4月8日-)の言葉。
「忘れたいという願いほど、強く記憶に働きかける力はない」著作『エセー』で知られる、16世紀ルネサンス期のフランスを代表する哲学者ミシェル・ド・モンテーニュ(1533年2月28日-1592年9月13日)の言葉。

【回復記憶】
あまりに辛い記憶があるとき、人は、自己防衛のために、その記憶を抑圧することがある。そしてそれが蘇ったものを回復記憶と呼ぶ。1988年、エレン・バスとローラ・デイビスの著書『生きる勇気と癒す力』が出版されたが、この中で女性が理由もわからず鬱に悩んでいる場合、少女・幼児期に受けた性的虐待の記憶を抑圧されている可能性が高いと指摘、大きな注目を集めた。この本に刺激を受けた、生きにくさを感じている多くの女性が、その原因を抑圧された記憶に求めた結果、父親の虐待という偽の記憶を主張。社会問題となった。また、エイリアンによるアブダクションの記憶も、この一種と考えられる。

【チャレンジコイン】
アメリカ軍やFBI、消防署などの組織において、帰属意識や士気を向上させるために隊員に与えられる直径4センチほどのコインのこと。部隊名、ロゴ、参加した作戦名などが刻印されている。コインと呼ばれているが、貨幣ではなく、記念メダルだ。コインは兵士や隊員の誇りであり、運転免許証やクレジットカードとともに自分の財布に入れいつでも持って歩き、執務室にコインを飾る士官も多い。モーガンが語るパイロットのエピソードはチャレンジコインの歴史でも有名な逸話。また、酒場で誰かが「チャレンジコイン」とコールすると、その場にいる人はみなポケットからコインをテーブルにだし、持っていなかったものが酒代を払うというルールもある。

【モーガン】
モーガンがエンジェルに語るカール・ビューフォードとは、モーガンが育った地域の青少年センターの責任者で、彼にフットボールを指導したコーチだ。しかし親切な仮面の下で、彼は少年たちに性的虐待を繰り返していた。詳しくは、シーズン2の12話『疑惑のプロファイラー』を参照ください。

2013.5. 7|エピソード・ガイド|コメント(7)トラックバック(0)

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コメント

「回復記憶」と「チャレンジコイン」の詳しい説明、ありがとうございました。本編を観ているだけではわからなかった部分が補完されました。いつも助かります。

モーガンが、自身の辛い体験を踏まえてエンジェルに優しく寄り添う姿がとても印象的なエピソードでした。

「クリミナル・マインド」や「ロー&オーダー」シリーズは、実際に起きた事件をベースに制作されている…ということは頭ではわかっていたのですが、いつもは「これはフィクション。これはドラマ」と思いながら(でないと辛いので)観ていました。でも、今回は誘拐監禁事件のニュースを聞いたばかりだったので、このエピソードも現実の延長線上にある事件なのだ…とあらためて思い知らされて、切なくなりました。

投稿: ままん | 2013年5月 8日 (水) 07時30分

今週は更新ないのでしょうか??
毎週楽しみにしているので残念です。

投稿: とおりすがり | 2013年5月16日 (木) 22時28分

私も更新を待ってますぅ。

投稿: しっぽ | 2013年5月17日 (金) 00時17分

更新まだなんですね。
何時までも待ちます。

投稿: Lead | 2013年5月17日 (金) 15時31分

私も更新を楽しみに待っています。

投稿: 今日子 | 2013年5月18日 (土) 08時36分

無理なさらないで、ゆっくりでいいので、ゆっくりで。

投稿: るな | 2013年5月18日 (土) 12時49分

いつも楽しみに拝見しています。たまに誤字脱字があるものの読みやすく、また、本編がより楽しめる情報もたくさんあり、毎週欠かさずに、そして過去のものも振り返り読ませていただいています。

今回、更新されていないので、ライターさんに何かあったのではと心配しております。
何事もなければ、それで良いのですが…

またの更新、楽しみに待っています。

投稿: とも | 2013年5月19日 (日) 02時22分

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