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三村美衣
(みむらみい)

書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。


5月28日(火)S7#21『金髪コレクター』

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■死刑執行、そして模倣犯の誕生
オクラホマ州で25人の女性を殺害した連続殺人犯ロッド・ギャレットの死刑が執行された。ところが刑が執行された直後、同州のイーニッドでキャラ・スミスという女性が、自宅で殺害された。凶器はアイスピッグで心臓を一突き。手口はギャレットのものに酷似していた。一行は飛行機でオクラホマ州に向かうが、その機内に、新たな犯行の知らせが届く。殺害のインターバルはわずか6時間。ホッチとモーガンはギャレットの信奉者による模倣の線を捜査するために、刑務所を訪ねる。しかし刑務所長は、ギャレットは収監されていた7年間、誰にも心を開くことはなく、妻のヘレンだけが毎日かかさず面会にきていたと語る。さらに、ギャレットはその7年間で2度、刑務所内で襲われているが、ナイフを奪って逆に相手を刺し殺しているというのだ。

■殺人犯の妻と、殺人犯の信奉者
ロッシとプレンティスは、ギャレットの妻ヘレンと会うために自宅を訪ねる。ヘレンは10年前にギャレットと出会ったが、その後すぐに病気が見つかり、化学療法や手術を繰り返していた。ギャレットはそんな彼女を見捨てることなく寄り添い、病気が治った後に結婚した。犯行が始まったのは、結婚後すぐだが、ヘレンは、自分が病気のためにギャレットの求めに応じることができず、彼が犯行に走ったのではないかと自分を責めていた。そのために、逮捕後もギャレットを見捨てず、最後まで支えつづけたのだ。ロッシたちはヘレンからギャレット宛に届いたファンレターを預かる。そこにはギャレットに対する賛辞が溢れており、その中の1通に、ギャレットが死ぬ直前に暗唱したという『千夜一夜物語』の一節が書かれていた。

■金髪コレクター
やがて第一の被害者も、第二の被害者も共に、犯人によって髪を切られていたことが判明する。さらに第3の犯行が発生し、その被害者からは、頭髪の一部が剃り取られていた。ギャレットは記念品を持ち帰ることはなかった。これは模倣犯ではない! BAUは急ぎ、プロファイルを発表する。「犯人が30歳から40歳の白人男性。若くて体力のある女性にも抵抗させないだけの腕力がある。現場に物証を残さない周到さも持ち、自信家で、犯行後、すぐに発見させて、捜査陣を嘲笑っている。細かく立てた計画通りに成功していることから、犯人は定職に従事する力があるが、その仕事には満足していない。金髪女性ばかりをねらっているのは、被害者の一部を所有したいのか、被害者の象徴である女性を貶めようとしているのかもしれない。犯人はギャレットのことを最初は称賛していたが、今はその地位を奪おうとしている。また殺害インターバルは6時間。次の犯行は午前0時に行われる」

■ハートで囲まれているのは……
BAUは市民へ警戒を呼びかけたが、しかし第4の犯行を阻止することはできなかった。用心のためにボーイフレンドを伴って帰宅した被害者は、犯人に拉致され、めった刺しされて自宅そばに遺棄された。そして遺体からは、頭皮ごと金髪が奪われていた。なぜ犯人はわざわざ拉致した被害者を、自宅そばに遺棄しに戻ったのか。犯行現場の地理に意味があるはずだと考えたBAUは、現場をつなぐ線がハート型であることを発見する。そしてそのハートは、ギャレットの妻、ヘレンの自宅を囲んでいた。犯人はヘレンに思いを寄せ、ギャレットにとってかわろうとしている。刑務所でギャレットが襲われたのも、犯人の仕業だったのだ。しかし、ヘレンはこの7年間、刑務所と自宅を往復するだけの毎日だった。そんなヘレンと接点を持ち、刑務所内での殺害を仕組める人物とは……。こうして、刑務所内でのシャトルバスの運転手ディラン・コーラーの名前が浮上。さらにガルシアの調査で、彼がかつらを作る道具一式を注文していることが判明。彼は、化学療法と手術で毛髪を失ったヘレンのために、金髪のかつらを作ろうとしていたのだ。BAUは、ディランの作業場に急行、拉致したヘレンに、無理やり、自作のかつらをかぶらせているところに踏み込み、ディランを逮捕した。

【格言】
「成し遂げられぬ欲望を育むより、ゆりかごで赤子を殺した方がよい」イギリスの画家、詩人、銅版画職人であったウィリアム・ブレイク(1757年11月28日-1827年8月12日)の詩「地獄のことわざ」(『天国とと地獄の結婚』)の一節。
「恋愛と殺人においてのみ、人は今も誠実である」、スイスの劇作家、推理作家、エッセイスト、フリードリッヒ・デュレンマット(1921年1月5日-1990年12月14日)の言葉。

【銃殺刑】
現在、アメリカでの死刑執行の方法は、主に薬殺かガス室のどちらかであるが、一部の州では死刑囚本人の希望により、電気椅子や銃殺を選択できる。銃殺が選択できのは、アイダホ州とオクラホマ州の2州。ユタ州では現在は禁止されているが、禁止法案成立以前の死刑囚には遡及しないために2010年6月に銃殺刑が行われ、大きな反響を呼んだ。

【千夜一夜物語】
妻の不貞によって女性不信となったシャハリヤール王は、以来、国の若い女性と一夜を過ごしては翌朝、その娘を殺害するようになった。大臣の娘シェヘラザードは、その行為をやめさせるため、自ら志願して王と一夜を共にするが、床入りが終わったあと、シェヘラザードの妹ドゥニヤザードが姉にお話をねだり、姉はさまざまな物語を語りはじめる。しかし話が佳境に入った所で「続きはまた明日」とシャハラザードが打ち切る為、王は次の話が聞きたくて、シェヘラザードを殺すことなく、それが千夜にも渡った。というのが、『千夜一夜物語』(アラビアンナイト)物語の外枠。死刑囚のロッド・ギャレットが最後に口にしたのはこの最終章、シェヘラザードは王の正妃となり、国王も残虐な行為を改めたという大団円の部分。花嫁姿のシェヘラザードを称える詩の一部である。物語の本篇はシェヘラザードが夜毎語る説話集で、「アラジンと魔法のランプ」や「シンドバッドの冒険」などが含まれる。さまざまな翻訳、注釈つきのバージョンが存在し、リードの指摘するバージョンとは、おそらく「バートン版」のことと思われる。バートン版は、1885年から1888年にかけて博学を誇った探検家リチャード・バートンによって英語に翻訳され出版されたもの。アラビア語で出版されたさまざまなバージョンからエピソードを拾い、さらにバートン自身による脚色も含んでいる。性風俗に関する注釈が豊富なことでも有名だ。

【占い棒】
今回のエピソードのタイトルは、ディヴィニング・ロッド。これは水脈や貴金属を探す、ダウジングに使用する占い棒で、二股にわかれた木や、L字型の棒を手に持ち、振り子のように振動させ、その動きで水脈などを発見するというもの。「悪い男を嗅ぎ分けて、惹き寄せられる、占い棒のような存在」と父親に言われてしまったヘレンが、哀れに思えてならない。がしかし、エピローグ、惹き寄せられるだけの受動的な立場から、自ら働きかける者へと変貌するヘレンの姿には恐怖を禁じえません。

2013.5.28|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

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コメント

シーズン7はチームが仲良くてアットホーム的でうれしいです、しばらくはこのまま続いてもらいたい

投稿: チョコ | 2013年5月29日 (水) 08時15分

見終った後も謎が残ったのは「千夜一夜物語」の一節が書かれたあの手紙が、いつ誰によって何の目的で書かれたのか…でした。

ディランに読み聞かせていたところから察するに、あれを書いたのはディランではない。ということは、他の誰か…ギャレットの別の信奉者…が書いたものか、そもそもヘレンが書いたものだったのか…のどちらかですよね?

他の誰かが書いたものだとすると、ヘレンをぴったり描写しすぎているのが気にかかります。

ヘレンが書いたものだとすると、ヘレンが受動的な立場から働きかける立場に変貌したのは、今回の事件後ではなかったようにも思えてきます。そもそも、ギャレットをシリアルキラーに変貌させたのも、ヘレンだったのかしら…と?

「悪魔の花嫁」もラストはオカルトテイストでしたが、今回のラストもなかなかなものでした。ゾゾッとしました。

投稿: ままん | 2013年5月29日 (水) 09時12分

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