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三村美衣
(みむらみい)

書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。


5月21日(火)S7#20『奴隷契約』

20

■8年ぶりの再会
妹のデジレーが交通事故を起こしたという電話で、急ぎシカゴに戻ったモーガン。彼は病室でデジレーから驚くべき話を聞かされる。彼女の車が信号で停止したとき、なんと、隣の車に、8年前に行方不明になった従姉妹のシンディが乗っていて、デジレーはとっさにその車を追いかけたために事故に遭遇したというのだ。モーガンはシンディの件をホッチに連絡、チームはシカゴに急行する。そもそも事のおこりは8年前。シンディはジョン・ヒッチンスという男のストーカー被害にあっていた。しかし相手は、法的手段に訴えられる一線は超えていなかったため、困ったシンディはモーガンに相談、モーガンは転居をすすめた。しかしその引越しの最中にシンディは行方不明となった。そしてその2週間後、ヒッチンスはシカゴで拳銃自殺をとげ、警察は彼がシンディを殺したと結論づけた。

■奴隷契約
BAUはヒッチンスの自殺を再調査。自殺に使われた銃を購入したのは、ヒッチンスではなく、マルコム・フォードという男であることが判明する。マルコムの経歴を調べたところ、恋人や行きずりの女性から、暴行で複数回告発を受けており、むしろヒッチンスよりも彼のほうが、シンディのストーカーのプロファイルに当てはまる。BAUは、シンディには実はふたりのストーカーがおり、マルコムはライバルだったヒッチンスを殺し、容疑を彼になすりつけたと分析。マルコムの住所に急ぐ。家はもぬけの殻で、人影はなかったが、女性が暮らしていた形成があり、されに部屋から拷問道具、暖炉には証拠隠滅のために燃やした書類の燃え残りがあった。そしてその中から、シンディがマルコムと交わした「奴隷契約書」が発見される。

■ストックホルム症候群
BAUはプロファイルをまとめる。「シンディ・バーンズの自我は、マルコム・フォードのもとで8年に渡り監禁される中で、砕け散った。シンディは極度のストックホルム症候群であり、その結果、犯人は彼女が逃げないと確信し、ある程度の自由を与えている。またマルコムはSM愛好家のグループは、一種のロールプレイングとして、あたかも奴隷売買を行なっているかのようなフリをしている。しかしシンディは、『組織』の存在を信じさせられており、主人を怒らせたり、逃げたりすると、組織によって罰せられると思っている」というものだった。やがて、スーパーマーケットで、マルコムとシンディらしき二人連れがトラブルを起こしたとの通報が入り、モーガンとロッシが現場に急行。しかしマルコムを追跡し、その車を停止させてみたものの、車内にシンディの姿はなかった。連行されたマルコムは余裕の表情で、弁護士も要求しない。モーガンはシンディが殺害されたのではないかと動揺するが、やがて、そのシンディが弁護士を伴って現れ、マルコムの釈放を要求する。シンディは、かけつけた母のイヴォンヌに「ご飯を作ってあげなきゃ……」という言葉をつぶやき、マルコムと共に警察署から出て行ってしまう。

■ご飯を作ってあげる相手とは?
シンディがスーパーマーケットで通報されたのは、缶詰を万引きしたためだった。その缶詰のブランドを見たモーガンは、それが子供のころにシンディと一緒に食べていたものであることに気づく。「ご飯を作ってあげる」相手は、マルコムではなく、彼女の子供なのだ。マルコムの家に子供が暮らしていた形跡がなかったことから、どこか別の場所に子供が預けられており、それがシンディを縛りつけている。そう考えたモーガンは、弁護士に揺さぶりをかけ、子供を隠している山小屋の場所を白状させる。BAUは山小屋に急行、そこにはなんと、シンディの子供だけではなく、複数の拉致被害者の子供が隠されていた。モーガンはマルコムと乱闘になるが、銃を持ったシンディが、それをマルコムに向ける。彼女は洗脳されていたのではなく、子供のために、奴隷生活に耐え続けていたのだ。こうしてマルコムは逮捕され、シンディは8年ぶりに、母の元に戻ることができた。

【格言】
「ウソをつくよりひどいことは、ウソの人生を生きることだ」アメリカの著述家ロバート・ブロールト(1963年~)の言葉。

【ゲストスター】
シンディを演じているのは、『シェイムレス 俺たちに恥はない』のヴェロニカ役のシャノーラ・ハンプトン。モーガンの姉サラは、『ヴェロニカマーズ』でウォレスの母アリシアを演じたエリカ・ギンペル。

【ストックホルム症候群】
被害者が恐怖と生存本能に基づく自己欺瞞的心理操作から、犯人に対して必要以上の同情や連帯感、好意などをもってしまうことを言う。1973年にストックホルムで起きた銀行強盗人質立てこもり事件において、一週間に及ぶ監禁の後にようやく解放された人質が、犯人をかばい警察に非協力的な証言を行ったことから名付けられた。

【パトリシア・ハースト】
ストックホルム症候群の例として名前の出たパトリシア・ハーストは、新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハーストの孫娘で、1974年に左翼ゲリラによってサンフランシスコで拉致された。犯人は「カリフォルニア州の貧民6万人にそれぞれ70ドル分の食料を与える」ことを要求。その後、犯人一味が銀行を襲った際、防犯カメラの映像に銃を構えるパトリシアが映っていたことで、話題となる。その後も、パトリシアは犯人一味と行動を共にし、誘拐から一年半後にようやく逮捕された。そしてその後の裁判で、洗脳によるもので無罪を主張するが、判決は有罪で懲役35年が下された。しかし嘆願書によって刑は懲役7年に短縮、さらにその後、カーター大統領による特別恩赦で仮釈放された。

【海の牢獄】
シンディのエピソードはシーズン6の23話「海の牢獄」を受けている。フロリダ州ジャクソンビルで、海底の浚渫作業中に大量の白骨が発見された事件で、被害者の身元を示す手がかりは何もなく、行方不明者の家族に情報提供を呼びかけたのだ。その中にモーガンのおばイヴォンヌも混じっていた。イヴォンヌは娘を探し続けており、身元不明の遺体がみつかるたびに、娘ではないかとモーガンに問い合わせていた。やがてモーガンは、シンディを殺したのはこの事件の犯人ではないと確信するが、イヴォンヌを気遣うモーガンは、犯人が殺害を認めたと嘘をつき、全てを終わらせようとした。

【エピローグ】
家族が再会、そしてガルシアが現れる感動のエピローグ。流れる曲は、アメリカのバンド、ザ・フレイのBe Still。2011年にリリースされた3枚目のアルバムScars and Storiesに収録されている。

2013.5.21|エピソード・ガイド|コメント(3)トラックバック(0)

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コメント

チームのドラマが好きです。みんなそれぞれに大好きなので、辞めてほしくないです

投稿: チョコ | 2013年5月22日 (水) 08時03分

「海の牢獄」における、行方不明のシンディの決着のつけ方が中途半端だなぁ…「クリマイ」のことだから絶対にこれを受けたエピソードを作るよなぁ…と期待していたので、今回のエピソードは待ってました!でした。きちんと決着がついて良かったです。

過酷な状況の中、シンディが正気を保ち続けることがてぎたのは息子の存在があったからなのですね。モーガンが必ず手かがりに気づいてくれることを信じて残した「缶詰」や「ごはんを食べさせないと」の冷静なメッセージにも感嘆しまた。さすが、モーガンの従妹ですね。

それにしても…(^_^;) あの缶詰、イマイチ美味しそうに見えなかったのは私だけ?

投稿: ままん | 2013年5月22日 (水) 09時05分

シーズン7も後少しですね、そのままシーズン8、観れないでしょうねギディオン再登板!無理だろうか。少し期待してます。ブログいつもありがとうございます。

投稿: チョコ | 2013年5月23日 (木) 09時25分

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