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三村美衣
(みむらみい)

書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。


3月5日(火)S7#9『死の行軍』

9

■士官学校で集団自殺が発生
フロリダのサマーヴィル陸軍士官学校で、野外演習に出かけた生徒5人が、首吊り死体で発見された。遺体のそばの木には、「すみません」という文字が残されており、集団自殺と見られた。しかし演習に出たのは6人であり、現場からジョシュ・レディングが姿を消していた。サマーヴィル陸運士官学校は、第二次大戦中に創立された学校で、生徒の年齢は12歳から18歳まで。社会階層もさまざまだが、皆がひとつの寮で生活している。学校は創立当時の校風を頑なに維持しており、教職員も長く、校長のマッシー大佐と副官のトーズ中尉はすでに30年、この学校で教鞭をとっている。校内にはインターネット環境がないため、ガルシアも現地に向かうこととなった。また同校はFBI長官の母校で、連邦補助金の交付に尽力していることもあり、捜査にはストラウスも同行する。

■自殺は偽装で、犯人はジョシュなのか?
同校では、2週間前にも、新入生ベイリー・シェルトンが寮で首吊り自殺をしていた。そして、そのとき首吊りに使われたシーツが、今回と一致しているため、それが集団自殺の引き金になったと考えられた。しかしベイリーの自殺現場を見たモーガンは、すぐそばで寝ていたはずのジョシュが自殺に気づかなかったことに違和感を覚える。野営地を見たロッシが、ジョシュが孤立していたことを指摘。マッシーとトーズによると、彼は頭は良いが、反抗的で問題が多かったという。やがて森での首吊りは偽装で、殺してから吊られたことがわかり、ジョシュに疑いの目が向けられる。しかし、他の生徒や両親は、ジョシュは正義感と思いやりがあり、ベイリーの面倒も見ていたと、マッシーらとは真逆の証言をした。

■ワナにかかったのは?
一方、木に吊るされた5人はいじめっこで、なかでもタッカー・カルフーンは、誰彼かまわずに暴力をふるっていたという。ベイリーの死後、ショックを受けた父親に、彼の遺品を渡したのジョシュだった。そのときのジョシュの態度に事件を解く鍵があるかもしれない、そう考えたBAUは、大佐にベイリーの父親クリス・シェルトンに連絡をとるように依頼する。ところがなんと、そのクリスが、森でワナにかかり串刺し死体となって発見された。ワナを作ったのはジョシュと見られた。しかしクリスが持っていたバッグから、5人の偽装自殺に使われたシーツが発見され、事態は一変する。クリスは息子をいじめた相手への復讐で、5人を殺したのだ。そしてジョシュはクリスに殺されそうになって逃げていたのだ。しかし、ではクリスはどうやってジョシュのいる場所を知ったのかという、新たな疑問が生じる。

■士官学校の真実
やがて検屍官からベイリーの気管や手足に火傷の痕があったという情報がもたらされる。さらに同様の古傷が、死んだ5人の少年たちにもあったというのだ。この学校では新入生はみんな洗濯係をさせられる。そしてその洗濯室は寮と不自然なほど離れた場所にある。この学校には業務用の乾燥機に新入生を放り込んで回すいじめがずっと行われており、タッカーはそうやってベイリーをいじめていた。そしてそれはマッシーも承知の上のことだった。しかしベイリーの自殺で、ジョシュは脱走を計画。この話が外に漏れるのと恐れたマッシーは、ベイリーの氏をジョシュのせいにして、クリスに野営地の座標を教えたのだ。しかしクリスはそこにいた生徒全員を殺害、さらにジョシュは逃亡してしまった。マッシーとトーズはジョシュの口を封じようとするに違いない。そう考えたBAUは地理的なプロファイルから、ジョシュの逃亡ルートを割り出し、現場に急行。トーズに追い詰められたジョシュを間一髪のところで救出した。

【格言】
「物語はかわらない 我々が変わるのだ」『森の生活』で知られる、アメリカの作家・思想家・博物学者ヘンリー・デイヴィッド・ソロー(1817年7月12日-1862年5月6日)の言葉。
「生きている限り、人を外見で判断することのないように」『ラ・フォンテーヌ寓話』の著者として知られるジャン・ド・ラ・フォンテーヌの言葉。ラ・フォンテーヌには「全ての道はローマに通じる」など有名な格言がいくつかある。

【士官学校の格言】
「ヴィヴェレ・エスト・ヴァンチェレ=生きるとは勝つこと」という学校のモットーは、古いラテン語の格言。『ポカホンタス』の逸話で知られるイギリスの探検家で軍人のジョン・スミスがモットーにしていたことでも有名だ。
「人が生き抜くには兄弟愛が必要不可欠である」マッシーが口にし、モーガンが「カルロス・ロムロ」と指摘する珍しいパターンの格言は、サンフランシスコ会議にも出席した、フィリピンの外相カスロス・ロムロの言葉。
「士官候補生は嘘をつかず、不正を働かない」という、下級生が唱えたスローガンは、士官候補生倫理規定(Cadet Honor Code)と呼ばれるもの。正式な文言は、「士官候補生は、嘘をつかず、欺かず、盗まず、またそれらをする者を許さない」である。
「我々はいかなる犠牲を払っても、祖国を守りぬく。敵の上陸地で戦い、着陸地で戦い、野で戦い、町で戦い、山で戦う……」ジョシュが森の中で唱えるのは、チャーチルが1940年に英国下院議員で行った勇ましい演説の一部。

【ゲストスター】
マッシー大佐を演じているのは、『スタートレック:ディープ・スペース・ナイン』のオドー役のルネ・オーベルジョノワ。

【うるし】
ツタウルシは、ウルシの中でも、もっともかぶれやすい種類で、蔓状で木に巻き付いたり、地面に這うようにして広がっている。ロッシが口にする「葉っぱが3枚はかぶれ放題」というのは、このツタウルシの葉の特徴を教える言葉。ツタウルシは、石壁などによく這わせてあるアメリカヅタと形状がよく似ているが、アメリカヅタは5枚の掌状複葉で、毒性がない。ツタウルシは日本全土にも分布しているので、ロッシにならって「葉っぱが3枚はかぶれ放題、葉っぱが5枚はだいじょうぶ」とおぼえておくと役に立つかも!

【幽霊】
リードとガルシアの会話に出てくる、レヴァレットという幽霊の話。「ぼくの知ってる3歳児」というのは、JJの息子のヘンリーのことのように思うのだが、しかしいったいレヴェレットの幽霊って何だろう? 第二次大戦期にマサチューセッツ州知事だったレヴェレット・ソルトンストールのこと? この先のエピソードで謎解きされることに期待して、この項目はまたいずれ。

【さよなら、ストラウス】
このところやや情緒不安定気味だったストラウスだが、なんと飲酒問題を抱えており、ホッチはそのことを知っていた! ストラウスにあわや捜査を台無しにされるところだったモーガンは、それを自分に隠していたホッチに対し、「あんた俺が他人を信用しないとか言うけど、俺にいわせりゃな、あんたこそ誰も信じてねえ」と、ずいぶん前(S4#1「消えたテロリスト」)に言われたことを蒸し返すほどの激怒ぶり。そしてエピローグ。ホッチはモーガンを伴ってストラウスのオフィスに出向き、依存症の治療に専念するように言い渡す。さようならストラウス。ことあるごとにチームと対立してきた彼女だが、最近は、人間的な部分が垣間見えることがあっただけに、ちょっぴり残念ですね。

2013.3. 5|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

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コメント

今回のエピソード、自殺と見せかけた他殺までは予想どおりでしたが、容疑者や動機、その背景などがどんどん展開していって面白かったです。

でも…ベイリーのお父さん強すぎですよね(^_^;) 「抜け出せない迷宮」のドーランのように、彼もかつてはネイビーシールズやグリーンベレーのような特殊部隊に所属していたのかしら?と思ってしまいました。そのあたりの説明があるともっと良かったかなぁと思います。

今回、出番が少なかったリードでしたが、三村さんが書かれているように、「3歳児」はヘンリーのことですよね(^^) リードとヘンリーが直接絡むシーンが見たいです。

ウルシの説明、ありがとうございました。葉っぱ3枚には気をつけます。

投稿: ままん | 2013年3月 6日 (水) 09時01分

今回のエピソード、とても興味深く拝見しました。
どこの世界でもある「いじめ」「新人へのしごき」
相撲界での「可愛がり」を思わず思い出してしまいました。
士官学校といえばアメリカの防衛の中枢を担う組織。
でも歪んだ優越感は人間を狂わせていく。
校長がいじめを見つめる時の、頬をピクピクさせて笑みを浮かべていた、あの表情にぞっとしました。
日本の某組織でも似たような事件が発生しています。
考えこんでしまいました。

投稿: かなこ | 2013年3月 6日 (水) 18時09分

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