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三村美衣
(みむらみい)

書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。


3月19日(火)S7#11『天才vs.天才』

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■ゾディアック復活か?
カリフォルニア州マリン郡の夜景を臨む公園に車を停めていた男女のカップルが射殺された。そしてその車のフロントガラスには、40年前に世間を賑わせた、あのゾディアックの印が書かれていた。それだけではない。ゾディアックはタクシー運転手を殺した際に、新聞社に被害者が着ていた血のついたシャツの切れ端を送りつけているのだが、今回の現場にもそっくりの布と、さらに未公表の現場の写真が置かれていたのだ。ゾディアック事件からすでに40年もの年月が流れているが、手口は単なる模倣の域を超えていた。しかしリードは直感的に「これはゾディアック本人の犯行ではない」と感じていた。やがて未公表の事件写真は当時の担当刑事が撮影したもので、彼のもとにはひっきりなしにゾディアックの研究家が訪れており、写真は誰かに盗まれたものだということが判明。さらに布の切れ端も、細工をした偽物であることが判明、模倣犯であると断定される。

■プロファイル
地元新聞のネット版の読者コメントに目を通したリードは、その中に、ゾディアックからの暗号が隠されているのを発見。読解した場所に行くと、メッセンジャーが「お前はそれほど利口じゃない」と書かれたリード宛の手紙を持って現れる。その頃犯人は、新たな犯行に及び、またもカップルを殺害。BAUは捜査陣向けのプロファイルを急ぎまとめる。「犯人は20代から30代。高い知性を持ちながら、単調な仕事に従事しており、友達も少なく、妄想で自分を支えている。ゾディアックの犯行を模倣しているのは、その知名度と影響力にあこがれているからだが、集団ヒステリーを起こそうとしたゾディアックとは異なり、この模倣犯の犯行は、ひとりの女性に対するメッセージだ。拒絶されたか、手の届かない存在であるため、犯人は、彼女とそのパートナーを激しく憎んでいる。ゾディアックを模倣しているにしては、犯行のインターバルが短いことから、相手の女性を失いそうになっているのかもしれない」

■天才の正体
犯人に出し抜かれたリードは、さらにコメント欄を精査、もうひとつの暗号を発見する。そこには「中国週報Fの4ページ」という言葉が隠されていた。そしてその中国週報の当該ページには、「君はもっとできるはずだ」というメッセージが掲載されていた。またもやゾディアック事件をなぞるように、今度はタクシーの運転手が殺害された。血飛沫から、後部座席には誰かが乗っていたことが伺え、さらにシートには男の子のデジタルの写真が1枚置かれていた。その後ガルシアの調査で、写真の男の子は2000年にミルバレーで失踪したロビー・ショーであることが判明する。リードはさらに、F4がチェス盤の座標を示しており、殺害現場とチェス盤を重ねると、それが史上最高と言われるチェスの一戦の投了前の3手に符合することを解明する。IQは160以上の天才で、ゾディアック研究家で、そしてチェスのプレイヤー。この3点絞り込んだ結果、ケイレブ・ロスモアとハーヴェイ・モレルという親友の名がが浮かぶ。ハーヴェイの婚約者マリッサは女性被害者に似ており、BAUは、事件の引き金は、ハーヴェイの婚約にあると分析する。

■ソウルメイトの裏切り
その頃、ケイレブとハーヴェイはこの事件の謎解きを楽しんでいた。小学生のときにチェスの試合で出会ったふたりは、共に天才のいじめられっ子で、親友となったのだ。ゾディアックに興味をもったふたりは、担当刑事にも取材をし、学校新聞の犯罪コラムを執筆していた。高校卒業後は疎遠になり、ハーヴェイは中国系IT企業のエンジニアとして働き、学園のアイドルだったマリッサを射止めた。しかしケイレブは、公園局で単純労働に従事しており、神童時代の自分のことが忘れられず、ハーヴェイの婚約が引き金となって事件を計画したのだ。ケイレブはタクシーからマリッサを誘拐、ハーヴェイをその場所に誘導し、マリッサの前でハーヴェイの過去を暴露する。なんとふたりは、かつてロビー・ショーを殺害していたのだ。「もしそのチェスの試合が3手で投了せずに続いていたら、次はどこに駒を進めたのか?」リードは次の一手を予想し、ケイレブたちの居場所を突き止めた。マリッサに銃を向けるケイレブに、リードは、ロビー・ショー事件の首謀者がハーヴェイであること、そして彼がケイレブにも内緒で上海に引っ越そうとしていることを指摘。それを聞いたケイレブは銃をおろし投降、そしてロビー・ショーの死体を埋めた場所も告白するのだった。

【格言】
「3人でも秘密は守れる、ふたりが死んでいれば」ベンジャミン・フランクリン(1706年1月17日-1790年4月17日)の言葉。フランクリンはボストン生まれの、科学者、出版業者、哲学者、経済学者、政治家など様々な顔を持つ、アメリカ建国の立役者。
「不幸のどん底で幸福だった時代を思い出すことほどの哀しみはない」イタリアの都市国家フィレンツェ生まれの詩人で哲学者、ダンテ(1265年-1321年9月14日)の言葉。

【ゾディアック】
1968年12月20日、サンフランシスコでのダーレン・フェリンの殺害を皮切りに、少なくとも5人を殺害した、未解決の連続殺人犯。自らゾディアック(黄道十二宮)と名乗り、サンフランシスコ湾域警察、タイムズ・ヘラルド、サンフランシスコの2紙に、犯行を知らせる手紙を何度も送りつけた。1969年10月11日にタクシードライバーを殺害、事件後、被害者のシャツの切れ端を地元の新聞社に届いた。1974年には、サンフランシスコ警察に、自分が37人を殺害している、新聞でもっと大きく取り扱わないと「何かすさまじいこと」をやるという趣旨の手紙が届いているが、タクシードライバーの事件以降、ゾディアックの犯行と断定されたものはない。
今回のエピソードで、ゾディアック事件の模倣犯として、ぺネロープが「サカキバラセイト」とたどたどしく発音するのに気づきましたか?

【パトリシア・コーンウェル】
冒頭のリードとプレンティスが出席した犯罪セミナーで、スピーチをし、リードを紹介するのは作家のパトリシア・コーンウェル。『検屍官ケイ・スカーペッタ』シリーズで知られるベストセラー作家だ。警察担当の新聞記者として働いた後、1984年からバージニア州のリッチモンドにある検屍局で、テクニカル・ライター、コンピュータ・アナリストとして勤務。ボランティアで警察でも働きいた経験がある。ドラマの中でサインしている本は、『血霧』。2011年にアメリカで発表され、翌2012年には日本でも翻訳刊行されている。コーンウェルの公式ページにBAU全員がこの本を読んでいる写真が貼られている。

【リードの憂鬱と誕生日】
凶悪犯罪セミナーで「樹木性愛」について語り、客席をドン引きさせたリード。彼はそこで、画期的な医療技術を開発した学生起業家に出会い、自分の人生に疑問を抱き始める。自分には不可能はなかったはずなのに、なぜFBIに入ったのか、そしてギデオンが去った後もなぜここに残っているのか……。しかし事件を通して、自分にとって、BAUのファミリーがかけがえのない存在であることを確信する。そしてそんな彼を待っていたのは、30歳の誕生日を祝うサプライズ・パーティだ。リードの誕生日は、過去にも、シーズン1の4話「白昼のレイプキラー」で、24歳の誕生日パーティが開かれている。みんなに無理やりケーキ型の帽子を被らされ、ロウソクを吹き消したリード。ギデオンに「願いはしたか?」と問われ「この帽子脱ぎたい」と答えていた、あのときからもう6年が経過したんですね。リードも大人になったなあ(親戚のおばさんのような気分w)。

2013.3.19|エピソード・ガイド|コメント(3)トラックバック(0)

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コメント

Happy 30th Birthday Reid!

もう30歳だなんて、おばちゃん信じられない…って気分です。(演じているマシューは現在33歳…見えない\(◎o◎)/!) 三村さんも書いていらつしゃるように、シーズン1のエピソードが懐かしいです。あの頃のリードはまだJJに片思いしていて、事件解決後の機内でギデオンに(JJが好きな)アメフト試合のチケットをプレゼントしてもらっていましたね。勇気をふりしぼって行ったJJとのアメフトデートはおそらく撃沈だったようですが…。今回、ゴージャスなラッピングの大きな箱がたくさん並んでいましたけれど、BAUのメンバーはリードにどんなプレゼントをチョイスしたのでしょう?とっても気になるところでした。普段はつれないのに、ここぞという時は盛大にリードに愛情表見するツンデレ・ロッシにはクスリとさせられました(^^)リードの両頬にむちゅーっとキスしていましたね。さすが、イタリア系!

冒頭、パトリシア・コーンウェル女史が登場していたのには驚きました。クリミナル・マインドのファンなのでしょうか?カメオ出演…という感じなのでしょうが、せっかくだから、もう少しリードやプレンティスとの絡みがあっても良かったのになぁと思いました。

投稿: ままん | 2013年3月20日 (水) 07時44分

こんばんは。
今回のエピソードにも驚かされました。
まずパトリシア・コーンウェルの出演!
アメリカでいかにクリミナル・マインドがメジャーかよくわかりますね。
それからゾディアック事件と酒鬼薔薇事件。
コピーキャットだったとは。。。
IQ120位上で成功するには「他の要素」も必要というリードの一言。
世渡り、処世術等々のことを言っているのでしょうね。
エミリーの「神童は大抵、大人になるとアベレージ(凡人)になる」という一言にもウー〜ーんでした^^;
「少年老いやすく学なり難し」

救われないストーリー展開だ、と思ってましたが、
最後の「サプラーーーイズ」JJの掛け声に思わずこぼれたリードの笑顔と、みんなのハグとガルシアのお手製と思われる特製ケーキと、「30」のキャンドルを吹き消した際のリードの満足そうな表情が本当にステキ\(^o^)/

それにしてもリードって凄い!

投稿: かなこ | 2013年3月21日 (木) 20時19分

はじめまして♪
クリミナル・マインド8とパトリシア・コーーンウェルの検索でこちらにお邪魔しました。
クリミナル・マインドは毎週録画して観ています。それで今日、この「天才」を観ていたら なんと冒頭でパトリシア・コーンウェルが出ていたので驚きました。そして「血霧」という著書の写真も出ていましたね。ちょうど1週間ほど前に読み終えたばかりでしたのでほんとうにびっくり!
ドラマに出演することもあるんですね。
最後のクレジットにパトリシア・コーンウェルは本人と出てました。
きっとクリミナルのファンなのかもしれませんね。

リードも30歳! これからも楽しみです。

投稿: タロママ | 2013年3月28日 (木) 19時46分

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