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三村美衣
(みむらみい)

書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。


3月12日(火)S7#10『血に染まった拳』

10

■残虐な犯行
フィラデルフィアで2人の男性が鉄パイプで殴られて死亡した。出張で街にきていた58歳のビジネスマンのサム・イークスと、近くのスーツ店の店員で32歳になるブルース・トーマスだ。遺体は過剰なまでに殴打され、腰掛けるような姿でおかれていた。BAUは犯行の残虐さから、犯人は現実を逸脱しており、すぐに次の犯行に及ぶと分析し、フィラデルフィアに向かう。当初は知り合いと見られていた被害者ふたりだが、実際には何の関連もないことが発覚。被害者ふたりに面識がないのなら、犯人とも面識がないと考えるのが自然であり、だとすれば過剰な暴行につながる、犯人の怒りの原因は何なのか……。捜査が行き詰まる中、やがて新たな犯行が行われる。やはり次なる被害者は激しい暴行を受け、頭蓋骨が完全に割れていた。

■プロファイル
「犯人は20代から30代前半のスポーツマンタイプ。殺人以外に性的暴行や略奪はなく、犯行後に遺体の血をぬぐうなど、後悔の姿勢が見られることから、衝動的な殺人と考えられる。しかし第二の事件では、後悔の念は弱まり、今では血に飢えた状態だ。被害者に加えられた暴行の量から考えても、身体を鍛えている人物だが、犯行後は疲労困憊して、まともに話ができなくなったり、痙攣発作を起こしている可能性もある。怒りにみちた犯行であることから、犯人は抑うつ状態にあるか、人生に不満を抱えている。そして血を見て興奮できる状態に自分を置くことで、人生をコントロールする力を得たと感じている」というのが、BAUがまとめたプロファイルだった。

■ボクサー
検視によって、第二の犯行の被害者は、素手で肝臓や腎臓のあたりを集中的に殴られ、眼窩(がんか)低骨も砕かれていることが判明する。こうして、犯人は格闘技のトレーニングを積んだボクサーに絞りこまれた頃、さらに新たな事件が発生。今度はノミ屋のルーとその用心棒が殴り殺され、金品が奪われたのだ。BAUはルーの帳簿を精査し、賭けで大損をしたボクシングジムのトレーナーのトニー・コールという男に着目する。しかしトニーの自宅に向かったところ、部屋は荒らされ、そこにトニーの姿はなかった。犯人はトニーではなく、ルーを殺してトニーを誘拐する動機のある人物と考えたチームは、トニーが見ている選手を調査し、ジミー・ホールというボクサーに行き着く。ジミーはいわゆる噛ませ犬と呼ばれる、打たれ役のボクサーだった。

■ファイターではなく、父親として……
ジミーの元妻パムの話から、ふたりの息子ライアンの白血病が再発し、3日前に病院に入院していることが判明。ジミーは生来の暴力性から、人を合法的に殴れるボクサーという仕事を選んだが、この子どもの病気が引き金となって、シリアルキラーになってしまったのだ。パムによると、ライアンの死の宣告に納得のいかないジミーは、今朝、病院に骨髄移植の費用を持ってきたという。ルーの殺害現場から金品が盗まれた理由はこれだったのだ。「子どもの具合が悪いと試合にでることがある」というパムの証言をもとに、チームはアンダーグラウンドの試合会場をまわり、ついに試合に出場するジミーを発見する。リングの上のジミーは、もはやサンドバック状態だが、決してギブアップしようとしない。彼はライアンのいる病院に運ばれるのを待っているのだ! やがてめったうちにされたジミーは、望み通りライアンのいる病院に運ばれる。そんな彼にホッチは「ファイターではなく、父親として彼にあい、死への恐怖をとりのぞいてやれ」と諭すのだった。そして、ジミーは死の淵にある息子に、自分が試合で負け、あきらめて先に進むしかないときもあることに気づいたと語りかけ、ライアンはその直後に、やすらかに息をひきとった。

【格言】
「誰もが天国に行きたがるが、死にたがる者はいない」アラバマ州ラファイエット出身。身長187cm、体重89kg。元ボクシング世界ヘビー級王者ジョー・ルイス(1914年5月13日-1981年4月12日)の言葉。11年間の王座在位中に、全階級通じて世界王座25連続防衛の記録を持ち、褐色の爆撃機とも呼ばれた。
「しがみつくことで強くなれるという者もいるが、手放すことで強くなる時もある」ドイツの作家ヘルマン・ヘッセ(1877年7月2日-1962年8月9日)の言葉。地方出身の優等生が、思春期の孤独と苦しみの果てに破滅へと至る姿を描いた自伝的物語『車輪の下』などで知られるノーベル文学賞受賞作家。この格言、「愛とは何か」という一文が引用箇所の前に付されているバージョンを英語サイトで見つけたが、出典元が調査しきれませんでした。

【ゲストスター】
「TOUCH/タッチ」ジェイク役のデヴィット・マズーズ(役名:ジェイク・ボーム、声:竹内順子)が出演。
ジミーの元妻のパムは、『ザ・ユニット』でティフィーを演じていたアビー・フランメル。『ザ・ユニット』からは、今シーズンの第3話『抜け出せない迷宮』で、ティフィーの夫マック役のマックス・マーティーニも登場している。

【ロッキー】
1976年のアメリカ映画で、2006年の『ロッキー・ザ・ファイナル』まで、全6本が制作された。モハメド・アリ対チャック・ウェプナーの試合を観たシルヴェスター・スタローンが、3日で脚本を書き上げ、映画会社に持ち込み、自らの主演で映画化。無名だった彼をスターダムに押し上げた作品だ。

【Bittersweet Science】
今回のエピソード、原題はThe Bittersweet Science。ボクシングは本来、野蛮なスポーツというよりも、理性的かつテクニカルなスポーツとして、欧米では「スイート・サイエンス」という表現が使われるところから来ている。

【ホッチにセカンドラブ?】
トライアスロン出場のためにトレーニングするホッチに、声をかけてきた女性ベス。一緒にトレーニングをしようと言う彼女。かわいい女性だと思いながらも、ヘイリーのことを忘れられず、なかなか次の一歩が踏み出せない。そんなホッチの様子を見たロッシは、「人生は短い。幸せになっていいんだ」という言葉をかけて、背中を押す。ヘイリーを失ってから2年と19日(リード談)。ロッシとキャロライン、そにJJの家庭など、どうやら今シーズンのクリミナル・マインドは、メンバーの恋愛や家庭問題が大きなテーマになっている模様。というわけで、ホッチのセカンドラブの行方が楽しみですね。ベスを演じているのは、『ダーティ・セクシー・マネー』や『私はラブ・リーガル2』に出演のベラミー・ヤング。WOWOWの海外ドラマファンには『CSI:マイアミ4』でCSIの敵にまわった州検事モニカ・ウェスト役の悪役ぶりが印象に残っているかもしれませんね。

2013.3.12|エピソード・ガイド|コメント(3)トラックバック(0)

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コメント

おはようございます。
最後、ホッチの涙と、父と子の情愛にぐっときました。
子供を失う、これ以上の試練はないですよね。
命あるものに寿命は仕方がないことかもしれませんが。。。
ホッチに幸せが訪れますように(^^)

投稿: かなこ | 2013年3月13日 (水) 07時29分

べス役の女優さん、どこかで見た覚えが??と思っていたら、CSI:マイアミ4のあの方でしたか(^_^;) 三村さん、ありがとうございます。 べスは、ヘイリーとは外見も性格も対照的ですね。うまくいくと良いですね。ホッチがぐいぐい押されている姿なんて、滅多に見られるものではありませんから。

それにしても、ヘイリーと死別してからの歳月をきっちり勘定していたリード(苦笑)をはじめ、BAUのメンバーが皆、ホッチの心配をしている姿は微笑ましかったです。特に、ロッシが世話焼きのおばちゃんみたいになっていて笑ってしまいました。一見ドライに見えて、ロッシって実はギデオンよりも情が深い気がします。

投稿: ままん | 2013年3月13日 (水) 09時12分

ホッチの誠実さ、奥手なところがいじらしい程に感じられました。仕事以外ではホントにチャーミングな彼。幸せになって、笑顔を取り戻して欲しいです。

投稿: hyper-graphia | 2014年8月21日 (木) 17時16分

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