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三村美衣
(みむらみい)

書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。


1月29日(火)S7#4『失われた痛み』

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■悪夢ふたたび
アイダホ州ボイシーのノースバレー高校は、かつて男子生徒ランディ・スレイドが、銃と爆弾を持ってカフェテリアにたてこもり、銃を乱射した後に自爆し、彼自身と13人の被害者を出した。それから10年が経過、メモリアルイベントを開催しようとした矢先、事件以来高校を支えてきたダグ・ギブンス校長が、自宅で、爆弾によって殺害された。ノースバレー高校の生徒名簿を入手したガルシアは、その中に、ランディ・スレイドの弟であるブランドンの名前を発見する。当時7歳だったブランドンは17歳になり、兄と同じノースバレー高校に通っていたのだ。ブランドンにはアリバイがあったが、10年前にもブランドンに会っているロッシは、彼の態度から、兄が狙った相手が誰なのか知っていると推測。やがて彼の部屋から、ランディスが書いたターゲットリストが発見される。

■共犯者
新たな犯行は、ホテルの一室で行われた。当時カフェテリアにいて生き残った卒業生のひとりが、今度は素手で殴り殺されたのだ。被害者はチェルシー・グラント。ランディのリストに名前が載っていた人物だ。校長とチェルシーの接点はそのリストだけだが、しかしリストの存在を知っているブランドンは、ロッシたちと一緒にいた。チームは、かつてのランディスの共犯者を探すために、残されたリストを分析する。リストに名前を連ねているのは、スポーツ選手や優等生などの人気者と、それとは真逆の劣等生のはみ出し者の2グループに大別できた。ランディは高機能サイコパスでスポーツも成績も優秀でガールフレンドも多い前者のグループに属する。共犯者は落ちこぼれの後者に属するのではないか。そう考えたホッチは、ガルシアに、10年前にトラブルの多かった生徒で、追悼式に出席予定で、なおかつリストに載ってない人物を洗い出すように指示。ルイス・ラムジーの名前が浮上する。

■プロファイルの見直し
ルイスは自分がリストを作ったことは認めたが、今回の事件への関与は否定。薬物依存からようやく抜けだした彼は、立ち直るための新たなステップとして、追悼式に出て自分がリストを作ったことを告白しようとしていたのだ。またリードは、リストに書かれた、「負け犬」という単語の中に、ルイスの頭文字が埋め込まれていることを発見。ルイスは駐車場でマリファナを吸っていたために、カフェテリアには行かなかったが、実はランディは、共犯者のルイスも殺そうと考えていたのだ。しかしルイスが犯人でないのだとすると、事件はリストとは無関係ということになり、プロファイルの見直しが余儀なくされる。一方、10年前、カフェテリアにいながら、生き延びたジェリー・ホルツから話を聞いていたプレンティスは、供述内容にでっちあげではないかという疑惑を抱いていた。しかし、ホッチが改めてジェリーから話を聞こうとした矢先、今度は、彼が殺害されてしまう。

■トップ10とは?
ジェリーの認知面接を行うことを知っていたのは、当日、カフェテリアにいながら生き残った生存者だけであり、犯人はその中に絞られた。また、リードは、犯人が被害者に対して異常なほどの残虐性を見せていることや陳列棚のガラスを破っていることなどから、「痛覚失認」を抱えており、痛覚失認は外的要因によって脳が傷ついて発症する、爆発によって引き起こされたのではないかと推測。当時の医療カルテから、ロバート・アダムスが犯人であることがわかった。10年前、生存者にはマスコミからの取材が殺到した。その中でも、ギブスン校長が選んだ「トップ10」と呼ばれる生徒たちは、事件後も長くワイドショーに出たり、他校に呼ばれて体験を話したりしていた。あの日、ロバートはカフェテリアでランディの目を見て、直接言葉をかわしていた。ところが退院してみると、自分の経験をジェリーが自分のこととして話していたのだ。当時も、そしていまも、目立たず孤立し続けてきた彼は、自分のストーリーを取り戻すために今回の事件を計画したのだ。ロバートはトップ10の残りのメンバーが集まるレストランに爆弾を仕掛け、彼らに銃を向けた。そこにホッチらが到着。ホッチはロバートに投降するように呼びかけるが、彼はボイラー室に逃げ込み、そこで銃撃戦となり射殺された。

【格言】
「学校というのは、サヨナラした後もお前につきまとう」ロックバンドXTCのボーカル・ギターのアンディー・パートリッジ(1953年11月11日-)が書いた歌詞。2000年発表のアルバム「ワスプ・スター」の収録曲 PRAYGROUND の最後の部分だ。
「痛みとは、理解を閉じ込めていた殻が割れた証である」ハリール・ジブラーン(1883年1月6日-1931年4月10日)レバノン生まれ、NY育ちの詩人。大いなる存在への畏敬の念や壮大な視野が高い評価を受け、その作品は多くの人に影響を与えた。

【ギャツビーと緑の灯火】
ブランドンが提出した小論文のタイトルは「『グレート・ギャツビー』と緑の灯火のくだらなさ」というもの。『グレート・ギャツビー』(偉大なるギャツビー)は、アメリカの作家F・スコット・フィッツジェラルドの小説のタイトル。この作品の中には、ギャツビーはデイジーの家の桟橋に掲げられている緑の灯火を、いくども、対岸からを眺める描写がある。この「緑の灯火」とは、ギャツビーにとっては、デイジーという女性とその富、作品全体においてはアメリカンドリームや未来の象徴となっており、『グレート・ギャツビー』読解のキーワード手がかりとなっている。

【ヘザース】
殺害リストを見たガルシアが例える『ヘザース』とは、1989年制作のアメリカの学校を舞台にした青春映画、マイケル・レーマン監督の『ヘザース/ベロニカの熱い日』のこと。スクールカーストを描いたシニカルでブラックなコメディ。特権グループ“ヘザース”のひとりをシャナン・ドハーティ、いじめられる側をウィノナ・ライダー、クリスチャン・スレイターが演じた。現在、現代に舞台を移した続編テレビシリーズが製作中だ。

【復讐】
周囲よりも小さくていじめられっ子だったリードは、なんとバスケ部の戦略コーチを努め、いじめを回避していた。そのことを知らないモーガンは、舐めてかかって、バスケでリードに惨敗。その仕返しで、なんと取材に集まったマスコミに、連絡先としてリードの電話番号を教えた。絶え間なく鳴る電話にブチ切れたリードは、モーガンの音楽プレイヤーと携帯に細工、自分の絶叫を割りこませたのだ。その様子を見ていた、ロッシは白旗代わりのナプキンを差し出すが、モーガンは「やる気だなリード、復讐ってのは高くつくぞ」と宣言。この戦いは今後につづく?(なわけないか)。

【工学博士】
ところで、音楽プレイヤーに入っていたリードの「工学博士におかしなイタズラを仕掛けると」云々という部分、原音では実は「MITの出身者に」となっているんですが、これは脚本家のミスと思われます。リードはMITじゃなくてカルテックです。今回の脚本ほかにもちょっと疑問な部分があって、ロッシとホッチは10年前の爆発事件の現場にいたと語っているが、ロッシは10年以上前に一度FBIを退職しているはずなんですよね。

2013.1.29|エピソード・ガイド|コメント(1)トラックバック(0)

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コメント

「工学博士」の部分、聞いてみたら確かに MIT graduate って言っていますね(^^) 脚本家さんのミスなのは間違いなさそうですけれど、ずっと演じているマシューがそのままにしてしまうって…??です。

だからこれは、「僕は音楽プレイヤーにいたずらしてないよ。だって僕はカルテック卒だからね」としらばっくれるためにMIT卒と詐称したのかな?と考えることにしました。

ロッシの件も、「あれ?その頃ロッシはBAUにいなかったはず…??」と思ったのですが、アドバイザーとして参加していた…ということにしておこうと思っております(^^)

長く続くシーズンで、複数の脚本家さんが担当しているからこそ、こんな矛盾も出てくるのでしょうね。面白いですね。

投稿: ままん | 2013年1月30日 (水) 07時59分

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