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三村美衣
(みむらみい)

書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。


4月10日(火)S6#13『殺人カップル』

13

■強盗殺人
モンタナ州マイルズシティのガソリンスタンドで、6人が撃ち殺された。防犯カメラの映像はないが、発砲したのが2人であることは判明している。BAUは、暴走が始まっているため、すぐに次が発生すると分析。分析の通り、今度はビリングスのガソリンスタンドで8人が殺害された。犯人は男女の2人組。殺害方法は残酷で、バールなどで殴りつけたうえに、銃は至近距離から撃っている。床には米が撒かれて散乱していることから、犯人は新婚カップルでハネムーン中なのではないかと推測された。また店主がもっとも激しく暴行されていることに着目し、モンタナより東で同種の犯行がないか調べたところ、ジェームズタウンとボウマンでコンビニの店主が撲殺されていることが判明した。やがて新たな犯行が発生する。今度の現場は、ビリングスから160キロ西、断酒会の会場だった。
■プロファイル
BAUがまとめたプロファイルは、「犯人はノースダコダ出身のカップル。10代後半から20代半ばで、結婚して間もない。大胆でためらいもない殺し方は、アルコールの力によるもの。犯人は心に傷を負わせた誰かへの恨みから犯行に走っている。ふたりは断酒会で出会い、殺人は性的な刺激のため。ひとりは社会病質者(ソシオパス)、もうひとりは精神病質者(サイコパス)。精神病質者は邪魔者を全て破壊するように罪を犯し、社会病質者の方が誘われて罪を犯すケースが多い」というもの。ガルシアが、断酒会のサイトにアクセスした携帯を調査し、そこからノースダコダ出身のレイ・ドノヴァンの名前が浮上した。レイは実の親がドラッグ漬けで彼に虐待したため里子に出された過去があり、また恋人のエイミーをヘロインの過剰摂取で亡くしていた。
■9番目のステップ
その頃、レイ・ドノヴァンは、妻のシドニーと共に自分を虐待していた実父を訪ねていた。依存症を克服するためのプログラムの8番目と9番目の「責任を認め」「埋め合わせ」をするという文言を、レイは自分のこととして解消するのではなく、父親に埋め合わせさせようとしていたのだ。しかし父親は、銃を向けられてもレイへの性的虐待を認めようとせず、レイもまた、父親を撃つことにためらいを見せる。それを見たシドニーは、無言でレイの父親の頭を撃ち抜く。次に2人は、シドニーをレイプした彼女の実父のもとに向かった。そのシドニーの父親はガソリンスタンドの経営者だった。つまりこれまでの犯行は、シドニーの父親への恨みが根底にあったのだ。シドニーの父親は改心し、敬虔なキリスト教徒となっていたが、2人はシドニーの異母姉妹ヘザーが父親の命乞いをするのも聞かず、射殺する。
■銃弾のシャワー
レイの実家に向かったBAUは、彼の母親から、一緒にいた女性がシドと呼ばれていたとの証言を得る。ガルシアは、ワシントン州のシドニー・マニングという女性が2日前に婚姻届を提出したこと、そのシドニーはアルコールとヘロインを摂取してひき逃げ事件をおこし服役、リハビリ施設に強制入所させられていたことをつきとめた。シドニーがサイコパスでレイがソシオパスだとすれば、サイコパスは邪魔者を破壊する。モーガンは、シドニーがレイの恋人エイミーを殺害したのではないかと推理する。捜査陣はシドニーの実家ワシントン州スポケインに急行。そして、父親を殺害したレイとシドニーが店を出ようとしたまさにその瞬間に現場に到着。出会い頭に撃ち合いになり、モーガンが発砲した弾がシドニーの肩に当たる。ふたりはヘザーを人質に店の中に立てこもり、車と飛行機のチケットを要求する。モーガンはその交渉の過程で、シドニーがレイの恋人だったエイミーを殺したことをレイに伝える。ショックを受けたレイは、シドニーの首を締めて殺害。そして死を決意した彼は、シドニーを助手席に乗せた車で外に飛び出し、待ち受ける捜査陣によって射殺される。

【格言】
「苦悩に対する怒りは、苦悩自体に向けられるのではなく、その意味のなさに対するものである」ドイツの哲学者フリードリッヒ・ニーチェ(1844年10月15日-1900年8月25日)の言葉。ニーチェは)S5#16『母の祈り』でも使用されている。
「過去に体験した苦痛は今日の自分と大いに関係がある」アメリカの精神科医ウィリアム・グラッサー(1925年5月11日-)の言葉。ウイリアムグラッサーは、人の行動はほとんどすべて選択したものであり、人は、生存、所属、力、自由、楽しみという5つの基本的欲求を満たすために、遺伝子によって内側から動機付けられているとする「選択理論」を提唱した。
【ライスシャワー】
コンビニの床に米が撒かれていたのは、欧米での結婚の伝統的な風習。教会で結婚式の際、式が終了して教会・チャペルの外に出て来る新郎新婦に、ゲストが雨のようにお米を降り注ぐセレモニー“ライスシャワー”をなぞっている。米は豊潤な恵みと子孫繁栄の象徴とされ、新郎新婦の豊かな生活を願ってのものだ。花をまくフラワーシャワー、シャボン玉をとばすバブルシャワーなどの習慣もあり、ガルシアがシャボン玉を吹いているのはそのためだろう。
【ゲストスター】
シドニー役はエイドリアン・パリッキー。『スーパーナチュラル』のサムの恋人ジェシカ、Friday Night Lightsのタイラ・コレット、最近では『アリー my Love』のデヴィッド・E・ケリー製作総指揮のリメイク版『ワンダーウーマン』のヒロインにも抜擢されて話題となった。レイ役はジョナサン・タッカー。『テキサス・チェーンソー』や『ヴァージン・スーサイズ』、『告発のとき』 などの映画に出演している。
【The Thirteenth Step】
今回のエピソードの原題はThe Thirteenth Step。これはリードが説明する断酒プログラムに由来する。アルコール依存症であることを認めるステップ1から、酒を断ち霊的に目覚める12段階まで、酒を断つだけではなく、酒を取り除いた空洞を信仰心や何か生き甲斐のようなもので埋めるように作られている。ただしこのプログラムは12ステップまで。13ステップとはリードの指摘するタブー、断酒会で知り合ったふたりが性的関係をもつことをさして使われることが多い。
【プレンティス】
プレンティスにショーン・マカリスタという人物から入った1本の電話。「モトカレ?」というガルシアの質問に、「ただの友達」と返しているが、しかし後日顔を合わせたふたりの様子は「ただの友達」の再会にしては、あまりに深刻で、「イアン・ドイルが脱獄した」「私危険なの?」「我々みんな」という意味深長な会話が交わされる。我々とはなにを意味するのか、そしてイアン・ドイルとは何者なのか。これまでも意外な過去が明かされてはみんなを驚かせてきたプレンティスですが、さらなる秘密の過去が彼女を襲う!

2012.4.10|エピソード・ガイド|コメント(1)トラックバック(0)

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コメント

こういった行動分析などの内容を見ていると、本当に徹底していますし、ムチャクチャ勉強になりますね。映画は好きなのですが、このような映画はみたことなかったので、とっても興味がわいてきました★

投稿: フランクリンプランナーに挑戦中 | 2012年10月22日 (月) 20時54分

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