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三村美衣
(みむらみい)

書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。


3月6日(火)S6#8『銀幕の女王』

8

■唇のない遺体
深夜、ワシントンDCのジョージタウンで女性の遺体が発見される。通報者はホームレス。遺体は時代がかったドレスを身につけており、さらに唇が切り取られていたため、一件目の犯行にもかかわらずBAUが呼ばれる。被害者の名前はケリー・ランディス。3日前に失踪、2日前には地元の新聞社に被害者の写真が届けられていた。唇が切り取られた死体はBAUでもはじめてことであり、犯人の唇に対する強い愛情か嫌悪感の現れだと分析する。やがて被害者の喉から、文字の書かれた紙切れが、そして遺体の発見された路地のホームレスのねぐらの壁からも同じ文面の血文字が発見される。しかしそこを縄張りにするホームレスは通報者とは別の人物。通報者は犯人の変装だったのだ。
■3幕の惨劇
やがて新たな事件が発生する。アーリントンに住むペニー・ハンリー(19歳)が、出勤途中のユニオン駅付近で誘拐されたのだ。BAUは犯人は40代半ばから後半の白人。身長は180でやせ形、地元民で孤独を好み、ひとり暮らしで無職。古い型だが整備の行き届いた車を所有。喉に押し込まれた紙切れの文字はタイプで打ったもので、50年代の映画の脚本。さらに新聞社に届けられたケリーの写真もマリリン・モンローを思わせる50年代調のメイクが施されていたうえ、誘拐から遺棄までが3日というのも、芝居や映画の3部構成を連想させる。芝居がかった演出から見て、芸術関係に縁のある人間と分析。やがてユニオン駅の防犯カメラの映像や、車の駐車時間から、犯人は駅周辺エリアに住む住人と断定。そのエリアを封鎖する。
■女優とその息子
その頃、ペニーは、犯人によって化粧をほどこされたうえで、シナリオを渡され、演技を強要されていた。最初は抵抗していたペニーだが、やがて犯人に調子をあわせて油断を誘い、隙をついて逃走を試みる。しかしそれも薬をかがされて失敗。意識を取り戻したときには、小道具のサイズのあわない靴に足が入るように、足の指が傷つけられていた。犯人は母親と言い争いを繰り返しており、母を見返すために、母以上の女優を作ろうとしているのだ。
■ヒル・リッパー
マスコミはこの犯人に「ヒル・リッパー」という呼び名をつけ報道していた。ホッチはその報道を逆手にとって犯人を罠にかけようと、ガルシアに記者会見を指示する。ガルシアは記者の前で、ペニーのことだけを話し犯人を刺激。そして最後に「犯人の住所がわかった」と公表した。路上には警察や、BAUの捜査陣が巡回。犯人が出てくるのを張っていた。そしてBAUの読みは見事に的中。ホッチとロッシは今まさに、車中でペニーを殺害しようとしている現場を発見。犯人はペニーを置いて逃走するが、ホッチの銃弾が足に命中した。残された車から犯人の身元が判明する。犯人はレット・ウォルデン。母親のメイ・ウォルデンは女優だったが、出演作は1作のみ。撮影中に共演者の子供を身ごもり、引退を強いられたのだった。包囲されたレットは、母親の手をとり、まるでスポットライトの中に歩み出るように屋敷から出てきた。しかし実際に彼の腕の中にいるのは、ミイラ化した母親の遺体で、その顔にはケリーから切り取った唇が貼り付けられていた。

【格言】
「名声はうつろうもの。出会っても、すぐにお別れ。気まぐれだというのは、前から知っていた。だから経験するのはいいとして、浸るべきものじゃない」マリリン・モンロー(1926年6月1日-1962年8月5日)の言葉。1951年に『アスファルト・ジャングル』、『イヴの総て』に出演、以降「アメリカのセックスシンボル」と称されるようになる。作中で犯人が、元女優の母から聞いた言葉として、映画スターは歩き方が美しくないといけないといということを語っているが、マリリン・モンローの腰を振って歩き方は注目を集め、モンローウォークよ呼ばれるようになった。
「人生は葛藤の中から生まれる。だからすべての人間は闇を抱えるのだ。そこへ飛び込むものもいれば、引きずりこまれるものもいる。戦う者も。でも闇は、空気と同じくらい自然に存在する、誰もがいつかは真実と向きあわなくては。自分自身と」ペネロープ・ガルシアの主演舞台『葛藤』より。今回、驚くべきガルシアの秘密が明らかにされている。彼女はなんと女優として舞台にあがっていたのだ。この格言はかの自身が脚本を執筆、主演した作品の中の台詞。シリアルキラーに全てを奪われた女性が、やがて相手に反撃、最後にはその命を奪うという内容だ。
【ゲスト・スター】
犯人を演じているのは『プリズンブレイク』のティーバッグ(セオドア・バッグウェル)を演じてブレイク、他にも『HEROES』で“カーニバル”のリーダーのサミュエル・サリヴァンを演じたロバート・ネッパー。母親役は、映画『アンナ』(1987)で、年老いて精神に破綻をきたした女優を演じ、アカデミー賞最優秀主演女優賞にもノミネートされたサリー・カークランド。引退直前の老刑事役は『CSI』であのジェフリー・マッキーン副保安官を演じたコナー・オファレルだ。
【ヒル・リッパー】
犯人の呼び名のヒル・リッパーのヒルは、キャピトル・ヒルからきている。このキャピトル・ヒルというのはワシントンDCの東部。連邦議事堂がある小高い丘の一帯を指す呼び名。また連邦議会のことを指しても使われる。

2012.3. 6|エピソード・ガイド|コメント(1)トラックバック(0)

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コメント

犯人が屋敷から出てくるシーン、「サンセット大通り」と「サイコ」を思わせるようなものでしたね。

投稿: maru | 2012年7月28日 (土) 10時26分

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