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三村美衣
(みむらみい)

書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。


3月13日(火)S6#9『帰れない森』

9

■森の中の死体
ペンシルヴァニア州の州立公園で、ビニール袋に包まれた少年の遺体が発見される。被害者はダニエル・ラーナム、10歳。昨年の11月、父親とのキャンプ中に姿を消していた。発見場所は、14の州をまたぎ全長3500キロに及ぶアパラチアン・トレイルのすぐそば。発見されただけでも奇跡といえる。様々な状況から、これが単独や行きずりの犯行ではなく、アパラチアン・トレイルにシリアルキラーがいると考えたBAUは、至急現地にとび、地理的プロファイリングを開始する。
■父親
地元警察はダニエルの父親を容疑者と考えていた。彼は息子が姿を消した後、毎週のように森に入り、息子の行方を捜していたが、ある時を境にぷっつりと捜索をやめてしまっていた。そしてその時期は、ダニエルが殺害されたと見られる時期と一致していた。しかし、彼と面談したホッチは、彼の「なぜだかわからないが、息子が死んだと感じた」、「ヒーローであるべき父親が、息子を守れなかった」と語る言葉に嘘はないと感じる。やがてそれを裏付けるように、ダニエルの発見現場から別の遺体が発見される。被害者はダニエルと同年代の少年タイラー・ストルツ。捜索願が出されたのは、ラーナムが現場近くに引っ越してくるはるか以前のことだった。
■森を行く者
ダニエルやタイラーと同じタイプの行方不明者を10年前まで遡って調べたリードは、犯行の時期と場所が離れているために、これまで発覚しなかったが、この犯人がアパラチアン・トレイルの端から端まで、半年かけて移動し、過去に12人の少年を誘拐して殺している可能性があると示唆。しかし以前は一年中移動しながら狩りを続けていたのが、この2年はペースがおち、半径50キロ圏内に留まって、秋に誘拐して春まで同じエリアで過ごしている。越冬のための隠れ家があると推理された。
■兄と妹
捜査が難航する中、両親とキャンプに来ていた10歳のロバート・ブルックスと8歳のアナの兄妹が姿を消す。子供たちが誘拐されたのは12時間前。子供連れなので、時速3.2キロとして半径38キロ圏内にいると考えたBAUは、警察犬随行の捜索隊をそのエリアの山中に送り込み、やがてモーガンとプレンティスたち捜索隊は、山中で幼い少女を保護する。兄のロバートが身を挺して逃した、妹のアナだった。アナの証言から、犯人が足を引きずっていたことが判明。一方捜索隊は、山中で犯人の隠れ家を発見する。そこには既にロバートも犯人の姿もなかったものの、慌てて隠れ家を出た犯人は、薬品とパウチに入れた薬用植物を残しており、その植物から犯人は関節になんらかの問題を抱えていることが判明する。
■悪の巣窟
ガルシアは、90年代前半に8歳から9歳の少年への性的犯罪で有罪になり、かつ、2001年に仮釈放者の面談を欠席、それ以降行方を絶っている者を検索。2ダースほどの該当者のうち11人が、なんと姿を消す前に同じ住所にいたことが判明する。さらに刑務所の医療記録の変形性関節症で絞りこんだ結果、94年に10歳の少年をレイプした、シェーン・ワイアランドの名前が浮上する。街に犯罪者が集まる住居が存在すると考えたBAUは、先の住所に向かい、そこにシェーンが薬を調達している売人がいることを突き止める。ロバートは薬代の代わりに、その売人に売られていた。逃げようとするロバートが売人によって殺されかけたそのとき、モーガンら捜査陣が駆けつけ、間一髪無事に保護する。しかし警察の動きを察知したシェーンは逃走し、再び森に姿をけしたのだった。

【格言】
「僕が誰にも見えないのは、誰も僕を見ようとしないからだ」アメリカの作家で評論家ラルフ・エリスン(1914年3月1日-1994年4月16日)の『見えない人間』の一節。『見えない人間』は、ニューヨークのハーレムに住む黒人の青年を主人公に、社会の周縁に押しやられ、組織からも疎んぜられる行き場のない黒人の状況を描いた小説。「悪の輝きはほんお一瞬、あとは燃えかすが残るばかり」アメリカの詩人エリース・キャボットが1919年に発表した「アリゾナ」の一節。
【アパラチアン・トレイル】
東部のアパラチア山脈にそって作られた長距離自然歩道。北はジョージア州から、南はメイン州まで、14州にまたがり、全長は約3,500kmある。1921年に考案され、1923年から順次オープンされた。
【エピローグ】
今回のエピソード、誘拐された少年は無事に救出したものの、捜査陣は犯人を取り逃がしてしまう。シリアルキラーは依然として森の中で野放しになっているのだ。帰りの飛行機の中は、その事実がチームにのしかかり、なんとも重苦しい空気が漂う。ロッシは、失踪後24時間を過ぎてのロバートの救出、これまで存在すらわかっていなかった山中のシリアルキラーの存在を、全国の森林警備隊に知らせることができたことを思えば、「結果は敗北ではない」と全員を励ます。が、殺されたダニエルの父親を思うリードは「今までの被害者と家族は報われませんけどね」となおも沈痛な表情。「ヒーローであるべき父親が、息子を守れなかった」というダニエルの父親の後悔の言葉に誰よりも共感を覚えたであろうホッチの最後の「捕まえるさ」という強い決意の一言が頼もしい。

2012.3.14|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

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コメント

雨のせいで、[字幕版]見にくかったweep

ロバート偉い!
シェーン、いつか逮捕出来るよね。

投稿: Lead | 2012年3月18日 (日) 00時25分

リードがだんだん大人っぽく、たくましくなってますね〜。

以前のシリーズの、変質者夫婦にさらわれた子供たちの時や、
今回のシリーズの、犯人に仲間にされるのを拒んだ女の子もそうだったけど、
小さな子供たちの演技、「頑張れ〜」って思わず力が入ります。

それにしても、JJのいない専用機内はなんだか寂しいweep
予告編の美女?はどなかかしら?
次回が楽しみですね。

投稿: リードlove | 2012年3月18日 (日) 08時47分

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