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三村美衣
(みむらみい)

書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。


2月14日(火)S6#5『安全地帯』

5

■招かれざる客
ネブラスカ州のベネット家、アイオワ州のアーチャー家と、2晩連続して一家惨殺事件が発生した。ネブラスカ州オマハ支局はこれを同一犯の犯行とみて、BAUに協力を依頼した。どちらの事件も家族4人全員が殺害されており、子供は絞殺、両親は刺殺だった。子供たちに性的虐待はないが、2件目の犯行では父親の内蔵が切り裂かれていた。どちらの家にも押し入った形跡がなく、4人家族なのに5人分のテーブルセッティングがされていた。ベネット家で現場検証を行ったロッシとリードは、手の込んだ料理のメニューから、犯人は客としてもてなされ、さらに犯行に使われた道具から、両親から子供の相手を任されていた人物と推測する。また検視結果から、解剖は死後行われており、雑なやり方であること。どちらの家庭でも、苦しみを与えられたのは母親であることがわかった。
■犯人は少年?
サンドラ・ベネットは小学校教師、モニカ・アーチャーは総合病院の看護師。両家とも熱心なクリスチャンでボランティア活動にも熱心だった。現場の状況は犯人が知人であることを示しているが、しかし両家に共通の友人も見つからない。つまり犯人は、見知らぬ人物なのに、やすやすと家庭に入り込むことができたのだ。やがて新たな被害者が6号線沿いの車の中で発見された。被害者は牧師で、車を運転中に同乗していた犯人に刺殺され、死後、腕を解剖されていた。犯人は激しい怒りから、他の車にぶつかる恐れも顧みず、運転中の相手を刺したが、その後、突然落ち着いて腕を解剖している。「先のことを考えず、集中できる時間が極端に短く、感情の起伏が激しく、そして衝動的」ロッシの分析を聞いたリードは、犯人は十代ではないかと推測。もし十代の子供なら、警戒せずに子供の相手を任せたことも納得できるし、思春期前であれば、性的な行為がないことの説明にもなる。そして遺体を切り裂くのは、子供特有の純粋な好奇心からだと考えられる。
■プロファイル
「育ちは中産階級で、外見はか弱い印象を与える少年。極端な虐待か育児放棄を経験し、実の家族と引き離されている」プロファイルが発表され、ガルシアがオマハとその周辺で、行方不明の子供、精神病院や少年拘置所から逃げた子供、里親家庭や育児保護施設から行方不明になっている子供を検索。ところがなんと、ネブラスカ州には「病院に捨てれば罪は問われない」という避難所法が存在。その法律に当初年齢制限が設けられていなかったため、病院に捨てられる少年が後を絶たないことが判明。容疑者を絞り込むには至らなかった。そこでモニカ・アーチャーが病院の看護師だったことに着目したBAUは、犯人はモニカが務める病院に捨てられたのではないかと推測、再度モニカの周辺を洗い直すためにロッシとリードをアーチャー家に向かわせた。
■シリアルキラーと母親
その頃、犯人のジェレミーは、迷子を装い、新たな被害者であるリヴァートン家に入り込んでいた。母親のナンシーが、ジェレミーの家族と連絡をとりたいと言ったため、彼はモニカ・アーチャーの自宅に電話。ナンシーはそうとは知らず、アーチャー家の留守電に、「息子さんを一晩お泊めします」とのメッセージを残した。そしてそのメッセージをアーチャー家を再捜索することとなったロッシとリードが発見する。ナンシーが預っている少年こそが犯人であると考えた捜査陣は、リヴァートン家に急行。そこには縛られた二人の子供が残されていたが、ジェレミーとナンシーの姿はなかった。ジェレミーはナンシーの運転で、自宅に向かったというのだ。モーガンは、犯人には弟妹に対する虐待歴があるに違いないと分析、その読みは的中し、妹が腕を骨折してERに運ばれたセイヤー家が浮上する。モーガンとプレンティスは急ぎ、ジェレミー・セイヤーの母親に連絡をとる。しかしそのとき、既にジェレミーはナンシーを刺して放置、自宅に侵入していた。駆けつけた母親の前で、ジェレミーは妹に包丁を突きつけ、自分を捨てた母親を責めたてる。そこに一足遅れてモーガンが到着、ジェレミーに銃を向ける。その気迫に押されたジェレミーは、やがて刃物を捨て投降。「僕は13だ。5年たったら会えるから」感情のこもらない声で捨て台詞を残して連行された。

【格言】
「人類はひとつの家族だ。どれほど邪悪な魂の持ち主をも私は切り捨てられない」マハトマ・ガンジーの言葉。
「でも私には眠る前に果たすべき約束と進むべき道のりがある。何マイルもの道のりが」アメリカの国民的詩人ロバート・フロスト(1874年3月26日-1963年1月29日)の詩Stopping by Woods on a Snowy Eveningの最後の一節。夜に森の縁に佇み、雪に覆われた森を見ている様子が描かれている。森は美しく暗く深い。その美しい闇の世界で永久の眠りにつきたいが、しかし、私にはまだやるべきことがある、というような内容。
【ゲストスター】
ローティーンのシリアルキラーという難しい役どころを演じるのは1995年生まれのスターリング・ボーマン。6歳からCMや子役で活躍。『LOST』でベンジャミン・ライナスの少年時代を演じている。ジェリミーをコントロールしてわが子の命を守ったナンシー役はメア・ウィニンガム。『ER』に医師免許のない偽ドクターのアマンダ役、『グレイズ・アナトミー』ではメレディスの父親の再婚相手スーザン役で出演している。
【カール・アーノルド】
飛行機の中で名前の出たカール・アーノルド、通称フォックスは、シーズン1の7話「一家惨殺事件」、シーズン5の8話『蘇ったキツネ』に登場したシリアルキラー。カールはセラピストの助手で、自分の患者の中から、旅行に出かける予定の家庭を選び、家族を監禁し、しばらく一緒に暮らした後に、全員を殺害した。
【エリー】
暗闇王子に殺害されたマット・スパイサーの娘エリー。モーガンは彼女のことを気にかけ、メールのやりとりを続けていた。ところが里親が見つかったと聞いて安心したのもつかの間、なんと彼女がその家庭に馴染めずに家出してBAUに現れたのだ。里親家庭は既に6人の子供がいて、エリーの家出にも気づいていなかった。モーガンはガルシアに、マットと別れ、行方不明になっている母親を探すように指示。事件解決後、ガルシアの魔法で発見されたエリーの母親がBAUにやってくる。彼女は旅に出ていたために、マットの死を知らなかったのだ。精神的に追い詰められマットと別れ、娘もしょうがなく手放したが、彼女の旅の手帖にはエリーに宛てた言葉がぎっしり書き込まれていた。最初は母親のことを拒絶したエリーも、その手帳を見て、心を動かされ、やがて母親に向かって笑顔を向ける。生まれる前から拒絶しつづけたジェレミーの母、娘を愛していながら別れを選んだエリーの母。どちらも子供にとっては理解しがたい仕打ちだったのではないでしょうか。二組の親子の運命がドラマチックに対比された今回のエピソード、「どれほど邪悪な魂の持ち主をも私は切り捨てられない」という冒頭のガンジーの言葉が重く響きますね。

2012.2.15|エピソード・ガイド|コメント(0)トラックバック(0)

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