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三村美衣
(みむらみい)

書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。


5月17日(火)S5#17『寂しい王様』

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■ハイウェイ・シリアル・キラー
ニューメキシコ州エッジウッドのハイウェイ沿いで、バテンダーのタニヤ・ヒルの死体が発見された。半年前から40号線と25号線では、女性の遺体が遺棄される事件が相次いでおり、タニヤが5人目の被害者だった。被害者は全員首を絞めて殺されており、レイプの痕跡はない。居住地域、掠われた場所はまちまちで、その範囲は150キロ以上もあった。遺体からは、同一人物の皮膚が発見されており、さらに被害者全員の爪から、金属の削りカスが発見されていた。今回の事件は地元警察やFBIからの依頼ではなく、ハイウェイ・シリアルキラー・データーベースから、BAUが独自に発見した連続殺人事件だった。リードは遺体投棄場所の地理的プロファイルから、犯人の安全圏がエッジウッドであると断定。また犯行ペースから考え、すぐにつぎの死体が見つかると考えたチームは、エッジウッドへと飛んだ。
■犯人はトラックの運転手だ
検視によって、タニヤからディーゼル燃料、また被害者全員からテーブルシュガーが検出されていることが判明する。地元警察のサンダースは、トラック運転手が、手や服についた燃料を落とすのに砂糖を使うと指摘。BAUは犯人をトラック運転手に絞り込んだ。予期した通り、その夜、新たな事件が発生した。高校生の娘を持つ母親ナンシー・キャンベルが、ハイウェイ沿いのサービスエリアから誘拐されたのだ。しかし、ナンシーは中年女性であり、これまでの20代の被害者像とは大きく食い違っていた。さらに犯行場所も、これまでの衆人環視の中とは異なり、夜の人気のないサービスエリアだ。モーガンは、犯人がここに、死体を遺棄しにきたのではないかと推測。その予想は的中し、森で6人目の被害者の遺体が発見された。さらにガルシアが、4件の余罪を発見、被害者は10人となった。
■プロファイル
犯人は最初は娼婦を殺した。しかしやがて狙いやすい女性から社交的で温かい女性、つまり妻にふさわしい女性へとターゲットを変えた。しかしそれでも、彼の求める条件は満たされず、12時間から24時間では殺害している。そして殺害までの時間は短くなる一方だった。ところがナンシー・キャンベルの遺体はいまだ発見されていない。ホッチは、ナンシーはこれまでの被害者と全くタイプ異なるがために、生かされているのではないか。彼は、妻ではなく、母親を捜しているのだと分析。犯人が必ずエッジウッドに戻るのは、ここに子供が暮らしているからに違いない。ガルシアは、エッジウッドに出入するトラックドライバーから、時間を自由に使えるフリーの運転手で、最初の犯行から数ヶ月前に離婚をしたり、養育権を争っている者に絞り込み、ウェイド・ハチェットという人物にたどり着く。ウェイドの妻は火災で亡くなっており、さらに保護者不的確として7歳の娘ジョディは里親に預けられていた。
■物語の終わり
そのとき、40号線脇で女性の遺体発見の一報が入った。しかしそれはナンシーではなかった。またその遺棄の仕方には、これまでに見られなかった恨みが混じっていた。やがてその遺体が、ジョディ・ハチェットの里親リン・クレモンズのものであること、そしてジョディには養子縁組の話が進んでいたことが判明する。ウェイドはジョディを手元に引き取るために、彼女の母親を捜していたのだ。彼は、娘を取り返しに来る。そう考えたチームは、クレモンズ家に急行する。ジョディの部屋には、父親の話をもとにジョディが描いた絵が何枚も飾られていた。それは寂しい王様が、お妃様をつれてこようとするが、果たせないというおとぎ話だった。やがて、ジョディと捜査陣が待つ家にウェイドが現れた。BAUはジョディに、王妃さまを解放するようにと、父親に呼びかけさせる。ウェイドはそれに応えてナンシーを解放した後、銃で自らの命を絶った。

【格言】
「人は皆、皮膚という独房に、障害閉じ込められた囚人だ」アメリカの劇作家テネシー・ウィリアムズ(1911年3月26日-1983年2月25日)の戯曲『地獄のオルフェウス』の一節。『地獄のオルフェウス』は、アメリカ南部の小さな町に、若い男が流れ着くところから始まる。彼は、雑貨屋の女主人と関係を持ち、それが町の平穏をかき乱し、やがて人々の心に潜む暴力性が顕わになっていく。引用は2幕1場、流れ者のヴァルが雑貨屋の女主人に向かって語った台詞だ。この『地獄のオルフェウス』は、1960年に『蛇皮の服を着た男』というタイトルで映画化された。監督は『十二人の怒れる男』で知られるシドニー・ルメット、主演はマーロン・ブラン。ウィリアムズ自身が脚本に加わっている。
「家庭は無情な世界の安息の地」アメリカの歴史学者で社会批評家クリストファー・ラッシュ(1932年6月1日-1994年2月14日)の言葉。1977年に上梓した本のタイトルにもなっている。
【ゲストスター】
ナンシー・キャンベルを演じているのは、「ビバリーヒルズ高校白書」「ビバリーヒルズ青春白書」のアンドレア役でお馴染みのガブリエラ・カーテリス。髪の色が変わってるが、あの口元の表情は昔のまま。「私も元高校生よ」という母娘の会話に思わずニヤリとした人も多いのでは? サンダース保安官役のオッバ・ババタントは、「ドーソンズ・クリーク」の校長先生。ジョディ・ハチェットを演じているのは4歳から子役でTVや映画に出演しているモーガン・リリー。エメリッヒ監督の映画『2012』で売れないSF作家でリムジン運転手のジャクソン(ジョン・キューザック)の娘リリーを演じていた。
【BGM】
タニヤが働くバーでかかっている音楽はジョニー・キャッシュの"Solitary Man"。ニール・ダイアモンドの1966年のヒット曲のカバーで、このエピソードの原題にもなっている。
【ヘルズ・エンジェルス】
1948年にカリフォルニア州フォンタナで結成されたバイカー組織。世界中の22カ国に189の支部を持ち、およそ2,000人のメンバーが所属している。非合法活動に関わっており、「バイクに乗ったギャング集団」とも呼ばれる。

2011.5.17|エピソード・ガイド|コメント(1)トラックバック(0)

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コメント

今回の犯人は、背景は同情出来る部分もありますが、だからといってなあ〜、共感は出来ないなあ〜という感じでしたね。子供の事を考えて欲しかったなあ。ロッシとリードの会話に笑いました。

投稿: ろん | 2011年5月20日 (金) 17時27分

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