クリミナル・マインド

海外ドラマNAVI

WEEKLY NEWS

COLUMN/REPORT

ABOUT クリミナル・マインドについて

CATEGORY カテゴリー

WRITERS プロフィール

三村美衣
(みむらみい)

書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。


5月10日(火)S5#16『母の祈り』

16

■子供が消えた!
ヴァージニア州アッシュバーン。家族連れで賑わう冬祭りの会場で、隣にいた母親が周囲に気を取られたほんの一瞬の隙に、8歳のエイミー・リンチが掠われた。事件の捜査にあたっているBAUを、ひとりの女性が訪ねてきた。彼女の名前はサラ・ヒルリッジ。8年前に息子のチャーリーが誘拐されたが、生存を信じており、同じ年頃の子供が掠われるたびに、同一犯ではないかと考えてBAUにやってくるのだった。悲しみから酒を飲むようになり、家庭も崩壊させてしまったサラ。いつものことと、当初は取り合わなかったJJだが、やがてエイミーの誘拐の状況が、チャーリーの事件に酷似していることに気づいた。二人とも、人が多く、警備がゆるやかな環境で、母親が子供を捜す女性の声に気をとられた隙に誘拐されているのだ。やはり最初は懐疑的だったチームも、JJの分析に納得、過去10年の類似事件を洗いはじめる。
■なぜ希望を持ち続けることができたのか
やがてサラの独自の情報収集と、ガルシアの調査から、この10年、誘拐され、遺体の発見されていない子供たちが12人もいることがわかった。BAUは12組の家族を呼び、誘拐されたときの状況を再聴取する。するとやはり、子供を捜す女がいて注意をそらされていたことが判明した。子供を掠われた家族たちは被害者の会を作っていたが、ほとんどが脱会し、サラだけがチャーリーの生存を信じて捜しつづけていた。なぜサラはチャーリーの生存を信じ続けていられたのか。やがてサラの口から、驚くべき理由が語られた。実は、サラは3年前にチャーリーの姿を目撃していたのだ。それまでも何度もチャーリーの姿を夢に見ていたが、その姿は誘拐された8歳のままだった。ところがその日、道の向こう側にたっていたチャーリーは成長した姿で、名前を呼ばれて一瞬振り向き、そのまま姿を消したというのだ。
■児童福祉局が訪問した家庭を捜せ
サラの証言から成長したチャーリーの似顔絵を作成。それを見たエイミーの母親は、娘の誘拐現場にチャーリーがいたと証言する。チャーリーは生きていたのだ! チャーリーはストックホルム症候群に陥るか、脅されるかして、犯罪に荷担しているのだ。しかし、大勢の子供をおとなしくさせておくのは容易ではない。犯人は周りに民家のない場所に暮らしているが、それでもなおかつ、トラブルを起こし、警察に通報されたことがあるに違いない。ガルシアは「北ヴァージニア」「通報により福祉局の訪問を受けた家庭」「夫婦のどちらかは子供の世話をしているので単一収入家庭」で検索、容疑者を23件に絞り込んだ。その一軒一軒を訪問調査することとなり、モーガンとプレンティスはモズリーレーンに住むロイスウッド夫妻を訪ねた。
■モーズリーレーンの家
ロイスウッド家は、妻のアニタと子供たちは留守で、夫のロジャーだけが在宅していた。家のロケーションはプロファイル通りで、さらに部屋に飾られてた家族写真にチャーリーの似顔絵そっくりの少年が写っていた。プレンティスの連絡を受け、ホッチらが警察犬を連れてモズリーレーンに駆けつけ、隠し部屋や子供たちの写真が発見された。やがてガルシアの調査でアニタの実家が葬儀社を営んでおり、火葬施設も持っていることが判明。彼らは言うことをきかない子供を殺し、火葬にしてきたのだ。その頃アニタは、チャーリー、エイミー、メイの3人を連れて火葬場にいた。そしてアニタが嫌がるメイをとらえ、火葬にしようとしたとき、チャリーがアニタが隠していた銃を取り出して、アニタを撃った。そこにモーガンとプレンティスが到着。子供たちを保護したとの一報がモズリーレーンに届いたときには、ロジャーはバスルームで首を吊って死んでいた。

【格言】
「希望は最悪の災いだ苦しみを長引かせるのだから」ドイツの哲学者フリードリッヒ・ニーチェ(1844年10月15日-1900年8月25日)の著書、人間的な、あまりに人間的な ―― 自由精神のための書』の一節。
「希望は心の中の枝で羽を休める小鳥 言葉のない調べをさえずり 決して休むことがない」アメリカの詩人、エミリー・ディッキンソン(1830.12.10-1886.5.15)の言葉。エミリー・ディキンソンは今シーズン第2話『閉ざされた記憶』につづいての引用。希望を鳥に喩えた詩で、1861年の作品。この後、嵐の中でも、冷え切った土地でも、果ての海でも、鳥は歌い続けるという意味の節ががつづく。
チャーリーが生きているかもしれないという希望を捨てなかったサラは、10年目についに奇跡を起こしたが、その一方で、希望に苦しめられ酒におぼれて家庭を崩壊させてしまった。さらにスティーヴンの両親は、一度は諦めたにもかかわらず、ひょっとしたら息子が生きてるかもしれないという希望を抱く。しかしスティーヴンは戻ってはこず、さらにチャーリーから、彼が1日前まで生きていたことを知らされ、悲しみの底に突き落とされることとなる。希望は心の支えとなるが、同時に、とても残酷なものにもなるのだ。
【ゲストスター】
サラ役はアン・キューザック。俳優一家の長女で、1992年に映画『プリティー・リーグ』でデビュー。「プライベート・プラクティス」(第3シーズン)や、「ザ・ユニット」(シーズン4)など様々なドラマゲスト出演している。息子のチャーリーは「22世紀ファミリー~フィルにおまかせ」のセス、映画『キックアス』のトッドのエヴァン・ピーターズ。誘拐犯のロジャーを演じているのはバッド・コート。ハル・アシュビー監督の1971年公開のカルト映画『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』で79歳の女性モードに恋心を抱く19歳のハロルドを演じて高い評価を受けた。アニタは映画『レインマン』をはじめ「ジェリコ」など様々なドラマに出演しているベス・グラント。エイミーの母親は「グレイズ・アナトミー 恋の解剖学」の外科医師エリカ・ハンを演じているブルック・スミス。
【マシュー・グレイ・ギュブラー初監督作品!】
今回のエピソード、監督を務めたのは、リード役のマシュー・グレイ・ギュブラー。学生時代には映画製作を学んでいたマシュー。監督は自ら志願し、やるなら異常な作品がいいということで、このエピソードを選んだ。来日したときのインタビューで、スタッフもキャストも気心がしれているし、優秀なので苦労はしなかったが、自分自身が登場する場面を演出するのが難しかったと語っていた。「これからは毎シーズン1本はやってきたい」といっていたが、なんと第6シーズンでも、とあるメンバーの運命に関わる重要なエピソードでメガホンをとったらしい。
【BGM】
誘拐されたエイミーがスティーヴンと会話する前のシーンと、アニタがそのスティーヴンを鼻歌を歌いながら火葬にするシーンの背景、モーズリー・レーンの家の背景で流れるオルゴールのようなメロディーは、英国出身の電子音楽Tipper の Illabye。2003年に出たSurroundedというアルバムに収録されている。アニタの鼻歌の方は、マザーグースの子守歌ハッシュ・リトル・ベイビー。終盤、火葬場でチャーリーがアニタを撃つシーンで流れる曲の方は、 スウェーデンのバンドFredrikのOmbergという曲。セカンド・アルバムTrilogiに収録されている。

2011.5.10|エピソード・ガイド|コメント(6)トラックバック(0)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/503483/51556733

この記事へのトラックバック一覧です: 5月10日(火)S5#16『母の祈り』:

コメント

こんにちは。ブログ、いつも楽しみに読んでいます。今回は犯人達の意図や背景などがさっぱり分からなくて不気味でした。前日まで生きていたのに〜というのは哀しいですね。 母親の強さを見たエピソードでした

投稿: ろん | 2011年5月11日 (水) 12時34分

こんにちは。
私も今回はかなり説明不足に感じました。いつもは納得いくかいかないかは別にして、ある程度犯行の意図とか描かれていたのに…。脚本のせいですか。それともリード、君の演出か…?

投稿: あめ | 2011年5月11日 (水) 17時00分

誘拐したおばさんとおじさんの目的は結局何だったのか、判る方 教えてください。火葬して骨を粉砕しバラの庭に撒いていたが灰は回収できないですよね。スティーブンのご両親がお気の毒でした。
ヴァージニア州ならBAUの地元だし8年間も訴えていたサラの話をよく聴いていればチャーリーも幼い内に早く救えたのに…。
しかし今回は何だかとても泣けました。特にサラに感情移入してしまったようで親子再会の場面はとても良かったです。その後でリードの初監督作品と知り、なかなかやるじゃん!という感想です。クリミナルマインドで泣いたのは①エルが自宅で銃撃された②ホッチの奥さんヘイリー(?)が亡くなった③今回のサラ親子再会 でした。今後のリードの監督作品楽しみです。

投稿: ひろりんママ | 2011年5月11日 (水) 21時49分

最後の火葬場でのシーンを見ていて、頭の中で「ヘンゼルとグレーテル」を思い描いていました。
そうです。私は、彼らがあのおばさんを火の中に押し込んでしまうのか?と想像したのです。結果は少し違ってましたが。。。
あの二人の目的が何だったのかは二人とも死んでしまって追及できない、と言う展開はプロファイルの分析データとしてBAUにとっても残念な結果ですね。
理想の家族に固執するための理不尽な犯行って多い気がします。映画の見過ぎかな?
実際アメリカでは牛乳パックの包装が、行方不明の子供たちの情報提供を呼びかける顔写真リストだったりするくらい、誘拐などの犯罪に巻き込まれる子供の人数の多さに驚きます。
でも日本では不明者の全対数を知らされていないから、私に実感がないだけなのかも知れません。
家族には耐えられないことですね。

投稿: tristan | 2011年5月13日 (金) 13時31分

いつもの早いテンポに慣れていたせいか、今回はちょっと間延びした感じがしちゃいました。
犯行の動機や目的が明らかにされないのも、何だか釈然としないというか、気持ち悪いですね…

投稿: マル | 2011年5月24日 (火) 10時36分

※女性の児童性愛者は珍しいって台詞があったような?(動機についてですが。。。

投稿: ミナミ | 2011年6月17日 (金) 11時41分

コメントを書く

   

海外ドラマ WOWOWオンラインへ

New 最新の記事

Archive 過去の記事

Comment 最新コメント

フル・フロンタル
on 3月25日(火)S8#12『ツークツワンク』
Sofia
on 5月6日(火)S2#18 『ニューオーリンズの切り裂きジャック』
よしか
on 3月20日(火)S6#10『シリアルキラーの娘』
hyper-graphia
on 12月 過去シーズン再放送のお知らせ
hyper-graphia
on 2月18日(火)S8#7『英雄との再会』

Others 関連情報

クリミナル・マインド関連

  • FBI心理分析官〈2〉
  • FBI心理分析官
  • グレイズ・アナトミー シーズン2 コレクターズ・ボックス パート1
  • グレイズ・アナトミー シーズン2 コレクターズ・ボックス パート2
ブログ:ココログ

「クリミナル・マインド:ブログ」は@niftyのウェブログ(blog)サービス「ココログ」で運営しています。
あなたもココログ始めてみませんか?ココログ(フリー)は、だれでも無料でご利用いただけます。

【ココログって何?】
【ココログ使い方ガイド】
RSS