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三村美衣
(みむらみい)

書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。


3月22日(火)S5#9『死に神との決着』

9

■リーパーを捜せ!
かつてボストンで、フォイエットは、自分で自分をめった刺しにし、被害者を装うことで捜査を攪乱した。しかし彼はその傷の後遺症から、常に大量の薬を服用しなければ生きていけない身体になっていた。BAUはその薬の入手経路からフォイエットの居場所を突き止めようとしていた。しかし全米の調剤記録と照らし合わせても何も発見されなかった。家族と薬局にいたJJは、処方箋通りの薬でなくても同じ効果が得られることに気づく。そこでガルシアは、フォイエットの服用薬の中から、他の薬では代用の効かないものだけをピックアップ。アーノルド宛の郵便が発送された二つの町の中間地点から半径40キロ圏内で、その薬を処方された人間を洗い出した。その人数は153人にのぼったが、その中から「THE REAPER」のアナグラムである、「ピーター・レイ」という名前を発見。BAUとSWATはピーター・レイの家へと向かった。
■連邦保安官
フォイエットは、ネットで「ピーター・レイ」という名前が検索されたらアラームが作動するような仕掛けを作っており、自宅はすでにもぬけの殻だった。しかしデータは削除されているもののノートPCが残されており、ガルシアがデータを復元。復元した画像には、ヘイリーとジャックを保護している連邦保安官キャスマイアーが写っていた。キャスマイアーの自宅に急行した彼らは発見したのは、両足を銃で撃たれ、指を切断された瀕死のキャスマイアーだった。救急車の中で、キャスマイアーはホッチに、フォイエットの拷問にも頑としてヘイリーたちの居場所を語らなかったこと、しかし、フォイエットはキャスマイアーの携帯を使ってヘイリーへとたどりついたことを語り、息を引き取った。
■罠にかかったヘイリー
フォイエットは、キャスマイアーの携帯の登録番号に片っ端から電話をし、ヘイリーを発見。連邦捜査官を装った彼は、彼女たちの居場所がフォイエットに知られたうえに、ホッチも殺害されと告げた。さらに携帯を破棄、新たな携帯と車を用意させて、落ち合う場所を指定した。ホッチはひとり、車を走らせ、フォイエットに電話をかけた。電話に出たフォイエットは、自分が既にヘイリーの元にたどり着いていることを匂わせる発言をつづけた。さらにヘイリーからの電話に「ゲートをあけてもらえませんか」と語りかける。チームはフォイエットのプロファイルから、彼がヘイリーを呼び出した場所は、自らの支配力を誇示でき、なおかつそれをホッチに見せつけられる場所と考えた。そしてヘイリーが自らゲートを開くことの出来る場所――それはホッチとヘイリーが共に暮らした自宅にほかならない。
■ヘイリーの死、そして……
ホッチは自宅に向かって車を走らせ、モーガンたちもその後を追う。そんなとき、ホッチの携帯にフォイエットから着信が入った。電話の相手はヘイリーだった。死んだと聞かされたホッチが電話にでたことで、ヘイリーは捜査官を名乗る男の正体に気づいた。ホッチが電話でジャックに「パパのお仕事を手伝ってくれ」と伝えると、ジャックはヘイリーをハグした後、2階へと駆けだしていった。ジャックがいなくなった後、別れの言葉を交わすふたり。「人を愛せる子に育てたいの。一番大切なことだから。あなたが教えるって約束して」それがヘイリーの最後の言葉だった。電話から銃声が響き、ホッチは携帯電話をたたきつけた。自宅に到着したホッチは、銃を手に家の中へと駆け込んだ。激しい乱闘の末、ホッチはついにフォイエットを組伏し、殴りつける。「ホッチ、もう死んだ、もうやめろ。もういい、いいんだもう終わったよ」モーガンが羽交い締めにして止めるまでホッチの手は止まらなかった。その後、ホッチは2階にかけあがると、書斎のチェストの蓋を開いた。以前、ジャックがそこに隠れてホッチを驚かせ、「パパのお仕事を手伝ってるの」と主張したことがあったのだ。幸せだったあの日と同じように、そこにはジャックが無事に隠れていた。

【格言】
「怪物と闘う者は、自らが怪物とならぬよう気をつけなければならない。底知れぬ深みを覗き込んでいるとき、向こうもお前を覗き返しているのだ」ドイツの哲学者フリードリッヒ・ニーチェ(1844-1900)の言葉。『善悪の彼岸』の第146節「怪物との戦い」の全文。5年前のシーズン1の第1話でも同じ引用が使われている。
「人間の最も良いところは家族への愛情に尽きる。それは安定の尺度だ。なぜなら忠誠心の尺度でもあるから」アメリカの詩人で作家ハニエル・ロング(1988年3月9日-1956年10月17日)の言葉。
【冒頭のシーンは】
どこか遠いところで鳴っているようなサイレン、静かなBGMが流れるなか、一軒の家の前で慌ただしく駆け回る警官やFBI。冒頭のシーンは、ホッチの家にかけつけた救急隊員の目線で進行する。最初はわからないが、最後まで見てから見返してみるといろんなことが描かれているのがわかる。家の前庭でJJが前屈みになっているのは、草むらで隠れて見えないが、目の前にジャックがいるのだろう。家の中の1階で白いシーツに覆われているのは、フォイエットだ。やはり画面には映らないが2階ではホッチがヘイリーを抱きしめ、モーガンが傍らにいる。「ここはいいから」という救急隊員への言葉は、もうヘイリーに対してほどこせる手がないこと、全てが終わってしまったことを表しているのだ。
【面談】
物語は事件後、ストラウスがチームのひとりひとりと面談し、ことの推移、そしてホッチの行動の是非を確認する形で進行する。ストラウスは、今回の事件でのホッチのやり方に自分が納得しない限り、チーム自体の存続が危ういと語る。そんなストラウスに対し、反発や怒りを抱きながらも、実際に起きたことを語りはじめるメンバー。解決に向かう選択はホッチの独断ではなく、チームとしての判断であると主張する。しかし「もしフォイエットをあなたが殺さなかったらどうなったと思いますか?」というストラウスの問いに対する「間違いなく私の息子を殺そうとしたでしょう」というホッチの答え。そしてそれに対する「納得できました」というストラウスの結論は衝撃的だ。
【こぶた】
フォイエットがキャスマイアーの指を切断するシーン。「このこぶたはもうどこにも行けない」というのは、マザー・グースのThis Little Piggyに由来する。この歌、This little piggy went to market.This little piggy stayed at home.と指一本一本を指さしながら歌う遊び歌だ。
【ゲストスター】
ケヴィンに久々のウィルも登場して、そういう意味ではちょっと嬉しい今回のエピソード。他にも「顔だけじゃないんです」というアンダーソン捜査官は、フィッシャーキング事件(「地獄からの挑戦状」)でエルを家まで送って行って、家の中まで確認せずに帰って来たあの人。なぜか『血塗られた黙示録』など、節目となるようなエピソードに必ず登場している。そして今回のエピソードでJJの息子ヘンリーを演じているのは、なんとA・J・クックの実子。2008年9月13日に生まれたMekhaiくんだ。
【BO CRESE】
今回のエピソードのシナリオ名義はBo Crese。これは、このドラマのシナリオライターであるBreen Frazier、Oanh Ly、Chris Mundy、Rick Dunkle、Erica Messer、Simon Mirren、Ed Berneroの7人のイニシャルをとった、100話限りの合作ネームだ。
【100話!】
2007年の放送開始(本国では2005年)から、ついに100話を迎えた「クリミナル・マインド」。シビアではあるが、扇情的な展開を避け、捜査官の内面は描いても、人間関係については深く立ち入ることのなかったドラマが、ついにひとりの捜査官に対して牙を剥いた。第1回の放送で、幸せそうにもうすぐ生まれる我が子の名前を考えてたホッチとヘイリー。二人の離婚も、決して憎んでいたのでもなければ、裏切りがあったわけでもなく、行動分析という職務がホッチを追い詰め、それが家庭生活を崩壊させてしまったのだ。そしてその同じ家で、シリアルキラーに愛するヘイリーを奪われ、絶望と怒りと哀しみにくれるホッチ。ジャックだけは守れたという微かな希望を拠り所に、ホッチは仕事をつづけていくことができるのか。次回の101話はお葬式でホッチがヘイリーの思い出を語るシーンから始まります。

2011.3.22|エピソード・ガイド|コメント(13)トラックバック(0)

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コメント

圧倒の迫力でした。是非生声、原語で視聴したい…土曜日が楽しみです!!最初、一体誰の視点なのかと思いきや、S2以来の"アンダーソン"だったのが妙ーに嬉しかったり。もっと出て来てくれるといいのになぁ。
ホッチが電話越しに息子だけでも助けようと策をうつところはちょっと泣けました。ヘイリーのことは別に見捨てたわけじゃないけれど、冷静な捜査官としての頭が、より助かる可能性の高い息子の方を瞬間的に選んだ感じ……となると、守れなかった後悔や自責がより深くより重くホッチの心に圧し掛かりそうで、ホッチのこれからを思うと胸が苦しいです><ほんと、熱演故の感情移入。
とか本編は暗かったですが、ラストのインタビューではちょっと救われました。雰囲気全然違う…といったら、家人に「だってコメディやってた人じゃん」と言われました。確かに…!もう彼の笑顔とか思い出せない…!

投稿: コルム | 2011年3月23日 (水) 09時28分

これは45分のテレビドラマじゃない!
ホッチとヘイリーとの電話そして3発の銃声・・・。画面に釘付けでした。なんという緊張感。
見終わったあとはへろへろでした(苦笑)こんな状態で職務を継続できるのか?ホッチ!
もしかしたらJJがチームから離れる(降板)のは、このエピソードに影響されたと言う事にするのかな??
今となってはスーパーでのお買い物シーンが妙に意味深に感じてしまう。しかし、AJクックの実子だったとは^^;
これからも目が離せない「クリ・マイ」です!

投稿: yass | 2011年3月23日 (水) 09時57分

ドキドキ・ハラハラの100話目でした。
100話目ということで、いままでの出演者続出でうれしかったです。
ホッチはリーパーからは開放されたものの、ヘイリーへの贖罪、ホッチの苦悩は続くのでしょうか?
ヘンリーがAJクックの実子というのも100話目の特典的な感じですね。

投稿: march | 2011年3月23日 (水) 10時56分

字幕版見てから書き込みお願いしたいです。

投稿: 匿名希望 | 2011年3月23日 (水) 17時27分

匿名希望さんのコメント、何が言いたいんでしょうか?記念エピソードの内容が良かっただけに、なんか後味悪い。もっと良いコメント載せろって事が言いたいの?
皆さんそれぞれ想いが伝わるコメントだと思うんですが。

投稿: のりぃ | 2011年3月24日 (木) 01時31分

ホッチ−−−

投稿: Lead | 2011年3月24日 (木) 15時03分

ヘイリ―――

投稿: Soloist | 2011年3月24日 (木) 23時43分

けっこうそういう方いらっしゃいますが、字幕版を見てもいないのにわかったような感想を書くなという考えの方のようですね。ドラマは娯楽であり楽しみ方どれを見て良しとするかは人それぞれの価値観なのにクリマイを見てるのにそれを人に匿名で押しつけてくるなんて本当にファンの方でしょうか…残念ですね。

投稿: ナツメ | 2011年3月25日 (金) 05時52分

つらいつらいエピなのに、食い入るように見てしまいました。ジャックの無邪気さが救いかなぁ…。ただ、この先のジャックを思うと…。強くて優しい人に育ってほしいです。
個人的には、キャスマイヤーの「頑張ったんだ」という言葉に「わかってる」って言ってほしかった…。だって、本当に頑張ったわけだし。あれだけの拷問に耐えぬいて答えないってすご過ぎ。とは言え、もちろんそんな言葉をかける余裕がない程、切羽詰まっていたのは十分過ぎるくらいわかってますから。
それにしても、ホッチは先シーズンから心がズタボロにされっ放し。ホッチに笑顔が戻ることを祈ってます。
私は、クリミナルマインドでトマス・ギブソンを知ったので、コメディ出身と聞いてひっくり返ってしまいました。…そうなんだ。
同じトマスでも、リーパーをやったハウエルの方は、カワイイ頃を知ってるだけに、この怪演にぶったまげた。役者としてはイイことなんでしょうね。
最後に、ヘイリー。あなたの意思は、必ずホッチが継ぐからね!! ジャックがステキな人間に育つのを見守っていてね。

投稿: さかさま | 2011年3月25日 (金) 15時38分

見ていて、辛かったです。ホッチやヘイリーの気持ちを思うと苦しくて。でもヘイリーは気丈でしたね。ジャックの成長する姿を見たかっただろうにな。ホッチとジャックが心配です。BAUの皆〜支えてあげてね〜!

投稿: ろん | 2011年3月26日 (土) 20時27分

辛いエピcrying

ジャックは片親だけになってしまったけど…その分BAUの皆が、親代わりになってくれる事でしょう。

投稿: Lead | 2011年3月26日 (土) 21時12分

私の知人の中に、聴覚障害の方がみえます。 吹替は見れないので、「海外ドラマ・映画」は、字幕放送を楽しみにしているそうです。

投稿: Lead | 2011年3月28日 (月) 15時57分

ようやく昨日見ました。粗筋を知っていたので、なかなか見る勇気がなくて…
第三者の目線で淡々と進んでいくのが、かえってホッチの味わった苦痛やチームの苦悩がよく表現できたんでしょうね。

投稿: でぶっち | 2011年4月19日 (火) 23時23分

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