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三村美衣
(みむらみい)

書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。


3月15日(火)S5#8『蘇ったキツネ』

東北地方太平洋沖地震により被害を受けられた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。


8

■犯人は模倣犯か?
ラングレー空軍基地を擁するヴァージニア州ハンプトン。エアショーが近づき、頭上を戦闘機が飛び交うこの町で、イラクに出征中の軍人ダウニー大尉の家族が惨殺された。
何者かが家に侵入し、まず最初に母親、次に兄弟を射殺。最後にプールで泳いでいた12歳の娘のルーシーを溺死させ、庭に掘った穴に4人を並べて埋めたのだ。さらに一年前、近隣のニューポートニューズでもやはり父親が出征中のウィリアムズ一家が殺害されており、このときも最後に殺害されたのが娘で、性的暴行はなく、死因は窒息だった。
やがてガルシアよりチームに驚くべき情報がもたらされた。ヴァージニア州の刑務所に服役中の囚人に、「崇拝者」と名乗る人物から、事件を報じた新聞の切り抜きと「私のやったことを見てくれ」というメッセージが入った封書が届いているというのだ。囚人の名前はカール・アーノルド。通称「キツネ」。4年前に8家族を殺し、BAUによって逮捕された男だ。ホッチはカールから崇拝者の情報を引き出すべく、プレンティスを伴って刑務所に向かった。
■ストレスの原因
最初から一家全員を殺す犯人はいない――、そう考えたモーガンはガルシアに、過去に同一犯による犯行がないか探すよう指示した。しかし、ガルシアの調査能力を持ってしても、犯人の余罪、過去、そして殺された二組の家族の接点も発見されなかった。そんな折り、第三の犯行が行われた。新たな被害者も出征中の軍人の留守宅で、母親と子供ふたりが殺害された。そしてやはり、最後に殺されたのは娘で、死因は窒息死だった。犯行の間隔が1年から3日に縮まったのは、犯人が精神に破綻を来たしたためではないか。リードは、犯人が自分の過去の体験をトレースしており、ストレス要因は、毎年、この時期に開かれる空軍基地のエアショーの、戦闘機の爆音ではないかと推測する。今年はメモリアルイヤーで、例年に比して大規模なエアショーが行われ、ひっきりなしに戦闘機が飛び交っていることが、犯人の精神を崩壊させているのではないかと考えられた。
■虐殺の記憶
エアショーのストレスが犯行の要因であるとの連絡を受けたホッチとプレンティスは、カールの崇拝者は犯人のプロファイルには合致しないと結論づけた。プレンティスは、カールが常に一家の主を最後に殺したことを、今回の犯行に当てはめて考えて、最後に娘が殺されるのは犯人が女だからではないかと思い至った。その頃、リードは、被害者家族の埋められ方がまるで集団墓地のように見えることから、犯人は集団墓地が作られるような戦場の育ちなのではないかと指摘。ガルシアは余罪の捜索範囲を、インターポールの国際データに広げた。その結果、98年にクロアチアのザブレグで女性と8ヶ月の赤ちゃんが殺害、2年後にイタリアのモデナ、2007年にはロンドンの若いカップルを殺害していることが発覚する。
■対決
犯人は白人で20代の女性。東ヨーロッパの出身で、ボスニアの内戦を経験。2、3年前にアメリカにやってきたものを思われる。言葉はほとんど収得しておらず、徒歩で移動しており、被害者家庭と同じエリアに居住していると考えられる。BAUが警察にプロファイルを発表していたとき、ガルシアから連絡が入った。なんと被害者家庭は皆、フォトバグという同じ写真共有サイトを使用しているというのだ。フォトバグの下請け業者の名簿とプロファイルを照合した結果、82年にサラエボで生まれ、親を失い、スレプニツァの家庭に引き取られたミランダ・ドラカールの名前が浮上。ミランダの家に急行し、自宅にあった写真から次のターゲットが海兵隊員のヤング家であることを突き止める。ヤング家に駆けつけたモーガンは、ミランダと格闘の末、射殺。一家は救出された。

【格言】
「人はずる賢さを他人の影響とは認めない。その他人が敵でない限り」理論物理学者アルバート・アインシュタイン(1879年3月14日 - 1955年4月18日)の言葉。
【ゲストスター】
カール・アーノルドは「レスキュー・ミー NYの英雄たち」や「ロー・アンド・オーダー:性犯罪特捜班」で準レギュラーとして出演していたニール・ジョーンズ。
現場捜査の責任者ハドソン役は、「バビロン5」で商業テレパス、タリア・ウィンタース役を演じていたアンドレア・トンプソン。ミランダ役は『ゾーン・オブ・ザ・デッド』ではミーナを演じたクリスティーナ・クレベ。
【カール・アーノルド】
カール・アーノルはシーズン1の7話「一家惨殺事件」に登場した、8家族を殺害したシリアルキラー。カールはセラピストの助手で、自分の患者の中から、旅行に出かける予定の家庭を選んだ。犬用の出入り口から家に侵入、家族を監禁し、しばらく一緒に暮らした後に、全員を殺害。記念品として結婚指輪を奪った。このときのプロファイルは、「秩序型の殺人犯で、全てを自分の力で制御しようとし、細かなことまでノートや日誌に記録するタイプ」というもの。その性格が今回のエピソードでも効果的に使われている。キツネという呼称は実はエピソード内では使われていない。このときの原題が The Fox(キツネ)で、冒頭の引用がトマス・フラーの「キツネを相手にするときは、キツネの発想で立ち向かえ」というものだった。このエピソードの冒頭、ヘイリーが生まれたばかりのジャックをBAUに連れてくる、幸せそうなシーンが挿入されている。カール・アーノルドの事件を確認するために、見直していて、このシーンに不意を打たれ胸が詰まった。DVDや録画を持っている人は、次回の「死神との決着」の前にぜひとも見直しておいてください。
【ジェイムズ・ファロン】
冒頭、リードが授業に出ているジェイムズ・ファロンは、実際にカリフォルニア大学アーバイン校の大学教授で神経科学者。番組内の講義していたシリアルキラーの脳の分析についてのレポートが、ウォール・ストリート・ジャーナルの2009年11月に27日号に掲載されているらしい(実物は未確認です。ごめんなさい)。
【スレブレニツァの虐殺】
今回の事件の背景となった出来事は、1995年にスレブレニツァで起きた虐殺事件だ。ユーゴスラビアから独立したボスニア・ヘルツェゴビナで、セルビア人と、クロアチア人、ボシュニャク人(ムスリム人)が対立、1992年から1995年まで内戦が続いた。セルビア人勢力は民族浄化政策を断行、20万人以上の殺害、数万人に対する強姦、拷問、虐待が行われた。スレブレニツァの大虐殺が起きたのは、内戦の末期の1995年7月。セルビア人勢力は、国連が定めた安全地帯であるスレブレニツァに侵攻し、ボシュニャク人8000人以上を殺害した。その遺体は各所に作られた集団墓地に埋葬され、墓地の数は数十カ所に及ぶ。
【崇拝者の正体が明らかに!】
犯人は突き止められたが、では、カール・アーノルドに手紙を送っていた崇拝者は何者だったのか。「差出人は見つける」というホッチの言葉に、カールは笑みをうかべ、「彼の方でもうあんたを見つけてる」と答える。慌ててカールの手帳をめくるホッチは、中に、プロヴィデンスの目を書き込んだ、自分が襲われたことを報じる新聞記事を発見する。カールに手紙を送っていたのはフォイエットだったのだ。フォイエットは、こうすれば、カールのもとにホッチがやってくることを知っていたのだ。カールの「彼の方ではもうあんたを見つけている」その言葉に慄然とするホッチ。果たしてホッチとヘイリーそしてジャックの運命は。次回の放送100話記念エピソード「死神との決着」で、ついにフォイエットとの戦いが終結する。お楽しみに、なんて軽々しく言えない重苦しいエピソードです。覚悟して見てね。

2011.3.15|エピソード・ガイド|コメント(1)トラックバック(0)

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コメント

まさか…犯人女性だったなんて…!?

投稿: Lead | 2011年3月24日 (木) 15時01分

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