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三村美衣
(みむらみい)

書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。


2月8日(火)S5#3『仕置き人』

3

■ロッシの故郷で殺人事件が発生
ロングアイランドのコマックで、ベン・ヴァンダーウォールという男性が殺され、妻のヘザーが行方不明になっていた。ベンは至近距離から22口径で心臓と頭に一発ずつ撃ちこまれたうえに、手首が切り落とされ持ち去られていた。ロングアイランドではこの一年に、同一犯の犯行と見られる事件が2件起きていた。一件目は、自宅から連れ去られたリタ・ハズラットが、4週間後にゴミ捨て場で遺体となって発見された事件。リタは拘束され拷問を受けていたらしく、遺体はガリガリに痩せていた。もう1件はビル・レヴィントンで、頭と心臓を撃たれたうえ、性器が切り落とされていた。ドクターストップのかかったリードをクワンティコに残し、チームはロングアイランドに向かった。到着早々、ヘザーが路上で保護されたとの一報が入った。ベンの検視の結果、弾に旋条痕がないことから、使われたのは手製の銃。手口から見て犯人は殺しのプロで、遺体の一部を持ち去ったのは依頼人への報告のためだと考えられた。
■幼馴染み
しかし犯人がプロの殺し屋だとすると、ヘザーはなぜ殺されなかったのか。ヘザーの背景を調査したガルシアは、彼女が最近、娘アリソンの養育権を前夫に渡しただけでなく、家族法が専門の法律事務所に多額の小切手を切っていたことをつきとめる。JJにそのことを聞かれたヘザーは、ベンの携帯にアリソンの裸の写真があったことを話した。プロの犯行だと聞いたロッシは、幼馴染みで裏社会の顔役レイ・フィネガンに会いに出かけた。レイは目をかけているショーンへの情状酌量を条件に、犯人の情報を明かした。殺し屋の名はボソラ。キャリア20年の殺し屋だが、滅多に人と会わない、幽霊のような存在だという。さらにレイはボソラを呼び出し、FBIに引き渡すと約束した。しかしそのことをボソラに察知され、逆にボソラに殺害されてしまう。
■プロファイル
クワンティコに残ったリードとガルシアは、被害者がいずれも児童絡みの犯罪の加害者であることを掴んだ。ヴィントンは未成年者連続レイプ犯、ハズラットはソーシャル・ワーカーだったが担当家庭の7歳の少年を餓死させていた。被害者の身体の切断は、被害者の罪の象徴だったのだ。犯人のプロファイルは、「男性二人組。一人目は一連の犯行の立案者で、被害者の犯した罪を知ることのできる司法関係者。個人的に大きな悲劇を経験しており、年齢は50代後半から60代。そしてもう一人が実施者で、正義を果たすために雇われた殺し屋。二人は裁判所で出会ったと思われる」というものだった。裁判資料を閲覧できる人間の数が膨大で、立案者からの絞れこみが困難と判断したチームは、犯行の実施者からアプローチをかけた。その結果、ロングアイランドで起きたマフィア絡みの殺人で、被告は殺し屋で、審理無効になったトニー・メカッチの名前が浮上する。その公判の判事の名前をみたロッシは愕然とする。ボイド・シュラー。ロッシの幼馴染みで、初恋の相手エマの夫だった。
■初恋の女
エマは2年前に酒気帯び運転の車とぶつかって死亡している。シュラーは最愛の妻を失い、さらにその後、癌の宣告を受けていた。プロファイルは完全にシュラーと一致している。BAUがシュラーの元に向かおうとしたそのとき、当のシュラーが署に出頭してきた。殺人リストにはまだ続きがあり、シュラーの出頭は時間稼ぎをしていると考え、ロッシはシュラーからターゲットを聞き出すために、エマのことを語り始める。一方、シュラーの金銭関係を洗っていたガルシアは、彼がこの一年で3回にわたり5万ドルを、さらに2日前に10万ドルを振りこみ、残りの財産は全て被害者支援グループに寄付していることがわかった。10万ドルのターゲットは誰なのか。ロッシはエマとの情事をちらつかせ、その情報と引き替えにシュラーから「パットンが最後だ」という言葉を引き出した。エマの事故の相手パットンがターゲットだったのだ。ホッチは、パットンの家に急行するが、既にボソラに殺害された後だった。
■最後のターゲット
その頃、高等裁判所の判事という地位を考慮し、シュラーの移送が決定していた。しかしホッチはシュラーが最後に振り込んだ金額がそれまでの倍であること、そしてまだ余命は半年あるのに、全財産を手放したことが気にかかっていた。これまでターゲットの死亡を確認してから降り込んでいたのに、最後はそれができないということではないか。そう直感したホッチは、シュラー移送中のモーガンに電話で警告しようとする。しかし、署の前はマスコミでごった返しており、電話の声もかき消されてしまう。「ウソをついた」虚空をみつめながらシュラーが呟いたその瞬間、銃弾がシュラーを撃ち抜いた。最後のターゲットは、彼自身だったのだ。その後、ゴルフに出かけたボソラの前にショーンが現れ、レイの敵を討った。

【格言】
「武力なき正義は無力であり、正義なき武力は暴力である」フランスの哲学者ブレーズ・パスカル(1623年6月19日-1662年8月19日)の言葉。
「厳正な正義より、実り豊かなものは慈悲の心である」第十六代アメリカ大統領エイブラハム・リンカーン(1809年2月12日 - 1865年4月15日)の言葉。
【ゲストスター】
ロッシの幼馴染みレイを演じたのはウィリアム・サドラー。『ダイ・ハード2』のスチュアート大佐や、「ロズウェル/星の恋人たち」のカイルの父親のバレンティ保安官(途中から味方になるけど)など筋の通った悪役が印象に残る。
【ボソラ】
ボソラというのはエリザベス朝期の劇作家ジョン・ウェブスター(1580年頃-1634年頃)の悲劇『モルフィ公爵夫人』に登場する男の名前。物語は、未亡人のモルフィ公爵夫人が家令アントニオと恋に落ち、極秘結婚をあげたことに端を発する。公爵夫人の双子の兄ファーディナンドともう一人の兄の枢機卿は、この結婚を認めず、不貞を働いた公爵夫人と子供を殺害するように手下のボソラに命じた。しかしボソラはファーディナンドの裏切りにあり、ファーディナンドをも殺害、彼自身もファーディナンドに刺されて命を落とす。
【クレーターを作った公式】
今回の見所のひとつは、ドクターストップでクワンティコに残ったリードとガルシアが、二人並んで後方支援をするシーン。一つの画面に二人並んで、競い合って応える様子が、まるで学校で一番を競い合ってる子供みたいでかわいい! ところでレイが質問したクロスワードパズルの質問。ガルシアの答えは「アークタンジェント」。アークタンジェントとは逆正接関数のことで、なぜそれががクレーターを作るのか、正直に言ってよくわかりません。クレーターは円なので、円を表す公式の中で、10文字の単語というような意味なんじゃないか思うのですが……。数学が得意な人、教えて!
【理想の夫】
「6歳のとき父親のジョンが白黒ブチの仔猫を拾った。オスカーと名付けた。大好きなオスカー・ワイルドにちなんで」そのオスカー・ワイルドの作品中でもエマが1番好きだったのが『理想の夫』。1895年の作品で、将来を嘱望された政治家ロバートと、美しく聡明な妻のガートルードを主人公にした喜劇だ。ガートルードは、清廉潔白な政治家で理想の夫だと信じていたロバートが、若い頃に不正行為を働いていたことを知りショックを受ける。が、やがて過去が露呈して変わったのは自分が勝手に作り上げた理想の夫像であり、目の前にいるロバートは何も変わっていないということを悟り、元の鞘におさまる。しかし6歳でオスカー・ワイルド好きって、リードなみ?
【殺人リスト】
アバンでうつる殺人リスト。よく見ると全部で5件あり、1番下の名前はBoyd Shullerと読める。
【ジョーク】
最後のシーンでボソラが「アイルランド人が」といって死ぬのは、たぶん「アイルランド人と、イングランド人と、スコットランド人が××しました。アイルランド人は~、イングランド人は~、スコットランド人は~」というパターンで語られる民族性をジョークだと思われる。会話の意図はよくわからないけど……。
【ロッシの過去】
事件の起きたコマックは、ロッシの生まれ故郷。30年前に故郷を捨てたロッシは、事件からはずれたいとホッチに告げるが、リードにドクターストップがかかったために、観念して現場に向かった。ロッシは1958年にニューヨーク州コマックで誕生。12歳でエマと出会い、相思相愛の仲となる。しかし海軍除隊後、FBIに入局し、仕事にかまけてエマを失った。3回の離婚の背景には、ひょっとしたら初恋の彼女への尽きせぬ想いがあるのかな。
【今週のホッチ】
コマックに向かった日は、なんとジャックの誕生日。映像の中の息子に「誕生日おめでとう」と語りかけるホッチが切ない! エピローグでは「一番大切なものを手放して後悔にくれる、そんな寂しい男に君はなっちゃいけない」とロッシから励まされる。ホッチがんばれ。
【メールニュース】
■ロングアイランドのコマックで、男が銃殺され死体の手首が持ちさらえた。過去に同一犯と見られる事件が2件あり、片方の被害者は食事も与えられずに拷問されており、もう一歩は性器が切り取られた状態で発見されていた。凶器から、犯人はプロの殺し屋とみられたが、いったい死体損壊の目的は何なのか……。
■事件の舞台はロッシの故郷。ロッシはチームにも行き先をつげずに、情報を求めて訪ねた先は……。そして容疑者とロッシの関係は!? 初恋の相手や幼馴染みなど、ロッシの過去が明らかに!
■今回、リードにドクターストップがかかり、クワンティコでお留守番。冒頭で、前回の出張も実は虚偽の申告の結果であることがばれたリード。「ドクターが出張許可したってウソついたろ」とホッチに指摘されたリード。ウソなんてついてないと主張するリードのいいわけが秀逸。
■リードがクワンティコに居残り、回戦の向こう側はガルシアとリードの連弾状態。ふたりで競いあうようにリサーチし、質問に答える様子は、今回限りのお楽しみです。

2011.2. 8|エピソード・ガイド|コメント(3)トラックバック(0)

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コメント

ガルシアとリードかわいかったです。
殺人リスト全然気がつきませんでした。
いつもここを読んで気がつくことがいっぱいです。
再放送で確認ですね。

投稿: march | 2011年2月 9日 (水) 00時08分

generates craterのアナグラム?

投稿: クレーターを作った公式 | 2011年2月11日 (金) 22時32分

リードとガルシアのコンビもいいですね!今回の事件は立案者に哀しみを感じてしまいました。

投稿: ろん | 2011年2月12日 (土) 09時27分

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