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三村美衣
(みむらみい)

書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。


2月15日(火)S5#4『破壊者の群れ』

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■不満から暴力へ
FBIのお膝元であるワシントンDCのサウスイースト地区で、4人の人間が惨殺された。犯人は高級住宅地の一般住居に侵入し、ホームパーティに集まった白人と黒人の2組のカップルを鈍器で撲殺した。この一帯はもともと黒人労働者が多い地域だったが、このところ再開発が進み、高級住宅地が急増。格差が軋轢を生み、破壊行為が相次いでいた。先月には、高級車の窓ガラスが割られ、翌日には高級ブティックのショウウィンドウ、次いで高級レストランが荒らされた。そして今月に入ってからは、改装が済んだタウンハウスが持ち主の入居前に荒らされる事件が発生。盗まれたものが何もないことから、今回の殺害事件もこれらの破壊行為と同一犯と考えられた。オーソドックスな破壊行為から、いきなり4人殺害に転じた急激なエスカレートに、さらなる犯行が心配された。不安は的中。ほどなく次の事件が発生した。深夜の駐車場で、ウェイトレスの女性と、彼女を迎えに来た男性が殺害されたのだ。しかしこれまでと異なり、被害者が働いていた店はブルーカラー向けのレストラン。すでにイデオロギーも消え、犯行はただの暴力と化していた。
■プロファイル
警察に向け、BAUはプロファイルを発表した。「手際がよく、統制がとれていることから、年齢は25歳から35歳。社会から疎外された人間で、生き甲斐がなく、全ては人のせいだと思っている。目的は暴力をふるうことだけ。犯人を特定する鍵は、彼らがどこで出会い、暴力を渇望するゆがんだ心理を共有するに至ったかにある。犯人はこの地域に関係があり、町に溶け込んでいて、決して目立たない。犯行現場の状況、被害者をコントロールしていることから、犯人は大柄か、鍛えた身体を持つ3、4人のグループ。育った環境に問題があり、おそらく少年拘置所で出会い、人格を重ね合わせ一体となった。犯行の快感を思い出すために、マスコミの報道に注目しており、犯行現場に再び現れる可能性も高い」
■暴動発生
その頃、犯人がSNSでコミュニケーションをとっていないか調べていたガルシアは、「今夜、デュポン・サークルで暴動を起こそう」という呼びかけを発見する。呼びかけに不満を抱える多くの若者が集まり、警察が出動、多数の逮捕者を出した。しかしデュポン・サークルはこれまでの犯行エリアではなく、犯人も暴動をコントロールすることは出来ない。ホッチは殺人とこの暴動は別の事件だと指摘、さらに警察の過剰反応が、騒ぎを拡大させたと批判する。犯行の残虐さと、さらに暴動で警察官が負傷したことから、感情的になっていた地元警察のアンドリュースは、これ以上のBAUの介入を拒絶する。しかしホッチは、この騒ぎが犯人を刺激し、新たな犯行の引き金になると予想、チームに捜査の続行を指示する。
■群れの選択
ホッチの予想通り、サウスイーストで新たな犯行が発生した。犯人はパブでバーテンダーの手を釘でカウンターに打ち付けた後に殺害。居合わせた客も殴り殺した。バーテンダーの手を打ち付けたのは、専用の釘打ち機。犯人は区画整理が進むこのエリアに溶け込める人物、高級住宅街の建設に従事する作業員だったのだ! それを聞いたモーガンは、破壊行為がいきなり4人の殺人へ飛躍したのではなく、3番目のタウンハウスが荒らされた事件でも、実は殺人事件が起きていたのではないかと指摘する。モーガンの推理は的中。タウンハウスの構造壁から、行方不明になっていた作業員の死体が発見された。ガルシアが工事記録を調べたところ、下請けで壁を作ったのは、住所が同じ――つまり同居している3人の男性だった。警察とチームは彼らの住居に急行。在宅していたのは1人だけで、彼は、犯罪の一部始終を撮した映像を眺めていた。残る2人は既に自分たちが追い詰められたことを知り、改装中の家に逃げ込んだが、その後、まるで銃を所持しているかのようなフリをして屋外に飛び出し、包囲していた警官隊に射殺された。

【格言】
「暴力から希望は生まれない。絶望が一時的に紛れるだけである」アメリカの教育者、キングマン・ブリュースター・ジュニア(1919年6月17日-1988年11月8日)の言葉。イェール大学の学長をつとめ、後に駐英大使も勤めた。
「破壊的な喜びには、破壊的な結末が伴う」イギリスの劇作家ウィリアム・シェイクスピア(1564年-1616年)の悲劇『ロミオとジュリエット』の台詞。2幕6場の台詞で、ジュリエットに恋い焦がれるロミオが、彼女を妻に迎えられるなら、たとえ我が身に何がおきようとも、死が訪れようともかまわないとい語ったときに、ロレンス神父がたしなめて言った台詞。
【ゲストスター】
地元警察のアンドリュースは、『プリズン・ブレイク』の怖くて嫌な刑務官ベリック役でブレイクしたウェイド・ウィリアムズ。犯人3人組のひとりヴィンセントは「24ファイナルシーズン」のケビン・ウェイド役のクレイン・クロフォード。ベイカー役は「HEROS」のシーズン3から登場したレベル5の脱獄者フリント・ゴードン ジュニアを演じたブレイク・シールズだ。
【タマラ・バーンズ】
被害者と犯人になんらかの接点がないか聞き取り調査をした際に、モーガンが担当したのは、被害者ウィリアムの姉、タマラ・バーンズだった。たった1人の身内を失って取り乱すタマラを心配し、モーガンは話を聞いたり、家まで送ったり。そんな彼にガルシアは、被害者の家族に必要以上に近づいてはいけないと忠告するが……。タマラを演じているのはサリー・リチャード=ホイットフィールド。映画「アイ・アム・レジェンド」の主人公の妻や、「ユーリカ~事件です!カーター保安官~」のアリソン・ブレイク役で知られる。
【BGM】
犯人たちが犯行の一部始終を撮影した映像をPCで見るシーンで流れるのは、デッド・ウェザーのTreat Me Like Your Mother。デッド・ウェザーは、2009年に結成された、女性1名、男性3名からなるアメリカのロックグループ。スーパー暗黒カルテットの異名をもつ。バーでの犯行シーン。店でかかっているのはフランク・シナトラのSummer Love。最後のシーンからエピローグで流れるのはパターソン・フッドのHeavy and Hanging。アルバムMurdering Oscarに収録されている。
【犯行に駆り立てたものは?】
「おまえら何なんだ」仕事もあるのに、世間に八つ当たりして、罪のない人を虐殺した犯人に、当惑混じりの怒りをぶつけるモーガン。しかし殺害の一部始終を撮影した録画を繰り返しながめ、酒を飲んでいた犯人は、悪びれるふうもなく、「ただの遊びだよ」と言い切る。さらに逃走した2人は、建物を包囲する警察官の囲みに飛び出し、射殺される道を選ぶ。まるで伝説のならず者、ブッチとサンダンスのように……。絶望的な結末を予想し、早々に現場から立ち去るホッチ。犯人に対して憤りを抱きながらも、少し悲しげな眼差しでその様子を見つめるモーガン。重苦しいエピローグにパターソン・フッドのHeavy and Hangingの陰鬱な歌詞が響きます。

2011.2.15|エピソード・ガイド|コメント(2)トラックバック(0)

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コメント

今回の犯人はかなりムカつくタイプでした。
しかも最後も犯人の思うつぼ。。。。
うぅぅぅ。。。

投稿: march | 2011年2月15日 (火) 23時59分

今回のエピソードは興味深く、とても見入ってしまいました。残虐的でしたが現代をリアルに写しているようにみえたような。エンディングBGM気になってたのでの分かってスッキリしました!

投稿: Kate | 2011年2月16日 (水) 00時50分

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