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三村美衣
(みむらみい)

書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。


7月6日(火)S4#25『地獄からの帰還-前編-』

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■FBIを呼べ!
ミシガン州ポート・ヒューロンにある、アメリカとカナダとの国境で、ひとりの黒人男性が警備官の制止を振り切って守衛所に車を激突させた。警備官に取り押さえられた男は、その場で、デトロイトのストリートで10人を車に誘いこんで殺害、遺体をカナダに捨てたことを告白。それを裏付けるように、車内には10人の写真つきのプロフィールが置かれていた。その後、男は「FBIを呼べ」と主張。しかし、彼はなぜそのまま逃亡せずに、守衛所に車を激突させ、犯行を自供したのか。カナダの騎馬警察隊の担当者はベッティングは、途方に暮れてBAUに協力を依頼した。
■就寝点呼
男の名前はウィリアム・ハイタワー。2ヶ月前に片足を失って、名誉除隊したばかりの元陸軍軍曹だった。車内から発見されたプロフィールには、いかにも軍人らしい律儀さで、名前、写真、撮影した日付、撮影場所が記録されていた。しかし、10人の被害者は、性別もタイプもまちまちで、共通点はデトロイトのキャス・コリドーという地域で誘拐されたということだけ。デトロイトに向かったモーガンとプレンティスは、そこで意外なものを目にする。なんと群れないはずのホームレスや娼婦が、ここではグループを形成しているのだ。彼らは自分たちの周囲から人が消えていることに気づき、自衛を講じていたのだ。彼らによると、ウィリアムはこの地域に毎晩現れ、地域を巡回していたという。ウィリアム・ハイタワーは、戦場の就寝点呼のように、キャス・コリドーの人々の安否を確認していたのだ――報告を受けたホッチは、彼はシリアルキラーではないと確信、真実を聞くために取り調べ室に入った。
■11人目の行方不明者
2ヶ月前、ウィリアムがイラクから帰国してみると、彼の妹リーは、家を出て娼婦となっていた。妹を連れ戻すように母親に頼まれたウィリアムは、キャス・コリドーで彼女を見つけ、一旦は家に連れ戻したものの、2週間後にリーは再びストリートに戻ってしまった。ところがその夜、リーから何者かに拉致されたと、救いを求める電話が入った。ウィリアムが軍に頼んで電話の発信源を調べたところ、場所はカナダのポートヒューロンの国境付近だった。それからも妹を捜しつづける彼は、妹同様、忽然と姿を消す娼婦やホームレスがいることに気づき、就寝点呼を始めた。しかしそのことをデトロイト警察に訴えても、警察は相手がホームレスや娼婦であるためにとりあってもくれず、ついにウィリアムはFBIを動かすために国境に車で突っ込むという暴挙にでたのだ。ホッチに全てを話したウィリアムは、車のスペアタイアの中に11人目の被害者である、妹のプロフィールが隠してあることを告げた。
■プロファイル
ここ1ヶ月のデトロイトの犯罪報告を洗っていたガルシアは、拉致と同日にキャス・コリドーの医療施設が強盗にあっていることに気づいた。盗まれたのは輸液ポンプやOマイナスの血液など、素人が扱えるとは思えない医療器具だった。犯人のプロファイルは「性的サディスト。非常に頭が良く、秩序的で、医学的知識を持つ。被害者に実験か手術を施し、被害者を長時間生かし、苦しめることに喜びを見いだしている」というものだった。犯行のペースが一定であることから、今日、明日にも新たな拉致が起きると考えたBAUは、騎馬警察隊からウィリアムの身柄を借り受け、デトロイトのストリートに出、新顔の娼婦ケリーの姿がないことに気づいた。一方、ウィリアムの母親からリーが行方不明になったときの事情話を聞いたリードは、彼女が生活保護の小切手を受け取った翌日に姿を消した点に着目する。男性の誘拐は生活保護の支給日に集中していたのだ。グループを形成するホームレスたちの、お金を手にしたとき、売人に近づくときは1人になる。犯人は売春婦には客、ホームレス男性には売人を装って近づき、拉致していたのだ。
■そして捜査はカナダの農場に及ぶが……
娼婦のケリーが売人と会っていたとの情報を得たBAUは、犯人の車の特徴とケリーの写真を騎馬警察隊に送信。厳重な検問がしかれた。しかし犯人の車は検問にかからなかった。犯人は地図にはないルートを使ったに違いない。そのときウィリアムが、南北戦争時代に奴隷解放グループが使っていた出国ルートがあったことを思い出した。ホッチ、プレンティス、そしてウィリアムは、アメリカ側の渡河ポイントで1台の車を発見。車両登録番号から割り出した所有者はメイソン・ターナー、39歳。ミシガンの医学部を卒業した医師だった。捜査陣はターナーの所有する農場に急行。納屋で医療器具や血染めの手術台を発見するが、ケリーの姿はどこになかった。かわりに彼らが見つけたのは、さまざまな医療器具に繋がれた、ひとりの男性だった。身体を動かすことの出来ない、この寝たきりの病人が、なんとメイソン・ターナーだったのだ……。  (後編につづく)

【格言】
「地獄がないと人はケダモノのようになるだろう。地獄がなければ尊厳もなくなる」フラナリ・オコナー(1925年3月25日-1964年8月3日)の言葉。オコナーは、ジョージア州生まれの作家でエッセイスト、39年という短い生涯で、O・ヘンリー賞を4度受賞した、短編小説の名手として知られる。引用は書簡集The Habit of Being: Letters of Flannery O'Connor に収録された、文通相手のルイーズ・アボットあてた1959年の書簡の一文。アイルランド系カソリック教徒で、友人との書簡では、頻繁にキリスト教について議論していた。なお同書の翻訳版『存在することの習慣 フラナリー・オコナー書簡集』(横山貞子編訳/筑摩書房)は抄訳で、残念ながらルイーズ・アボットへの手紙はカットされている。
【ゲストスター】
ウィリアム・ハイタワーは、「ER 緊急救命室」のマイケル・ガラント役のシャリフ・アトキンス。メイソン・ターナーは、「ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ」のクロマティ(ターミネーター)を演じたギャレット・ディラハント。「ER 緊急救命室」のシーズン12~13で、看護師サムの元恋人スティーブ役で出演している。
【音楽】
冒頭のデトロイトのシーンで流れるのは、アメリカのロックバンド、ジェーンズ・アディクションの Chip Away 。87年に発売されたライブ・アルバム『ジェーンズ・アディクション』にも収録された楽曲。昨年、再結成をした際に同曲をスタジオ録音した。
【騎馬警察隊】
ドラマ「騎馬警官」でもお馴染みの王立カナダ騎馬警察は、FBIと同じ連邦警察。騎馬警察隊本部のシーンで、赤い制服に帽子の騎馬スタイルのポスターが一瞬画面に映るが、あれは式典向けで、普段の仕事は普通にパトカーを使用している。
【地下鉄道】
南北戦争の頃、奴隷制が認められていたアメリカ南部から、奴隷制を廃止したアメリカ北部、カナダへ黒人の逃亡を手助けした組織のこと。各地の支部を駅、停車場と呼び、逃亡黒人を匿い、次の駅へと橋渡しして北に逃がしたことから、地下鉄道と呼ばれている。実際に地下道を堀ったとかそういうことではない。奴隷廃止論者や、聖職者、アメリカ先住民や自由黒人などが組織の主なメンバーだった。
【ボイスキャスト】
ものすごくいまさらですが、ボイスキャストをご紹介。前回のアフレコ訪問と併せてお読みください。
■森田順平(ホッチ役/福岡県出身)
俳優活動では『3年B組金八先生』シリーズの、数学担当のカンカンこと、乾先生役がことに有名で、NHKの大河ドラマにもなんと10回以上も出演している。「轟轟戦隊ボウケンジャー」の敵幹部のリュウオーンでは、声だけではなく人間体も演じた。吹き替えではアンディ・ラウやヒュー・グラントが持ち役。
■小川真司(ロッシ役/東京都出身)
ダスティン・ホフマン、マイケル・ダグラス、リチャード・ギア、ロバート・デ・ニーロなど、主に映画の吹き替えで活躍。「アポロ13」などでゲイリー・シニーズの吹き替えも担当しており、実は「CSI:マイアミ2」23話で初登場したときの、「CSI:NY」のチーフ、マック・テイラーの声は小川真司さんでした。
■咲野俊介(モーガン役/宮崎県出身)
「NUMBERS 天才数学者の事件ファイル」チャーリー・エプス、「CSI:科学捜査班」デヴィッド・ホッジス、「HEROES/ヒーローズ」アイザック・メンデスなどなど。「七色の声」って表現がありますが、知っていてもホッジスと、モーガンと、チャーリーが同じ人の声だとは思えません。なお、「クリミナルマインド」の後番、7月20日スタートの「救命医ハンク セレブ診療ファイル」でも主人公のハンクの声を担当。ハンクは、NYのERを追われ、ハンプトンズの富豪相手のコンシェルジェ・ドクターとなった救急救命医。ドア・キックするシーンがあるそうです。
■深見梨加(プレンティス役/埼玉県出身)
アンジェリーナ・ジョリー、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、シャローン・ストーン、ジョディ・フォスター、ハル・ベリー(シェマー・ムーアと交際していた)が持ち役。アニメでは「美少女戦士セーラームーン」セーラーヴィーナス、海外ドラマでは「フレンズ」モニカ役で知られる。「アボンリーへの道」オリビア、「リ・ジェネシス バイオ犯罪捜査班」ジル・ラングストンなど。
■森久保祥太郎(リード役/東京都出身)
アニメでは「魔術士オーフェン」オーフェン、「GetBackers-奪還屋-」天野銀次、「あまつき」露草、「テニスの王子様」切原赤也など。海外ドラマでは、「トゥルー・コーリング」ジェンセン役が印象に残る。舞台や歌でも活躍しており、1998年にはじまったラジオ番組「あんずジャム」で番組内 ユニット「あんず」を結成し、ギターとボーカルを担当。現在はバンド AN's ALL STARS のメンバーとして活躍。
■園崎未恵(JJ役/東京都出身)
「24 -TWENTY FOUR-」キンバリー・バウアー、「CSI:ニューヨーク」リンジー・モンロー、「ヤング・スーパーマン」ロイス・レインなど。近年はアニメの仕事も増え、「ストライク・ウィッチーズ」ゲルトルート・バルクホルンなどを演じている。
公式サイト Twitter
■斉藤貴美子(ガルシア役/長野県出身)
「ダーティ・セクシー・マネー」リサ・ジョージ(主人公ニックの妻)、台湾ドラマの「イタズラなKISS」細井小百合(斗南大学病院看護師長)、「DEATH NOTE」レムなど。
【いよいよシーズン・ファイナル!】
いよいよ次回がシーズン・ファイナル。農場の豚は、メイソン・ターナーの、そして実行犯の正体とは……。身の毛もよだつ農場の秘密、地獄の正体がつまびらかにされます。覚悟してご覧くださいね。

2010.7. 6|エピソード・ガイド|コメント(9)トラックバック(0)

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コメント

わお、続きなんですね。早く続きがみた~い。
でも、最終回でもあるんですよねぇ。

ところで、ボイスキャストの紹介読んで、ホッチは乾先生だったんですね。驚きでした。
モーガンの咲野さんはホッジスもされてるのは知っていたんですが、本当に「七色の声」ですね。全然わかりません。

さあ、次のシーズンはいつかなぁ?

投稿: march | 2010年7月 7日 (水) 00時06分

つづきがどうなるのか、あれこれ怖いことも考えてしまって頭の中がごちゃごちゃした状態です。
また覚悟がいるんですかねぇ・・・(涙)

願わくは、もう誰も傷ついて欲しくない。クリミナル・マインドは好きだけど、誰かが傷つくのを見るのはもう疲れたというのも正直な感想です。


DIRTY SEXY MONEYのリサって斎藤さんだったのですね(気づかなかった・・・すみません)。ブライアンの声が咲野さんですが、ゲスト出演のエディ・シブリアンの声がサード・ウオッチに続いて咲野さんで「ホッジスとモーガンの声を1度に聞けた!」ってニヤニヤしてしまったことがありました。

小川さんはディスカバリーチャンネルの番宣、特に犯罪ドキュメンタリーの番宣はロッシが話しているように感じられて好きです。

森田さんのホッチも好き、そしてホッチとはトーンが違うマードック・ミステリーのウィリアムも好きです。


咲野さんがホッジスを演じている時とモーガンを演じている時それぞれの表情を見てみたいです!
今度のスペシャルクリップはそれでお願いします!


投稿: ホッチKISS | 2010年7月 7日 (水) 01時19分

ペネロープ役の吹替が、「ダーティー・セクシー・マネーのリサ役」となっていますが、リサの吹替は斉藤梨絵さんで、ペネロープ役の斉藤貴美子さんは、同ドラマのカルメリータ(パトリックの性転換した愛人)だと思うんですけど・・・

投稿: BG | 2010年7月 7日 (水) 20時57分

>ペネロープ役の斉藤貴美子さんは、同ドラマのカルメリータ(パトリックの性転換した愛人)だと思うんですけど・・・

やっぱりそうなのですか?ガルシアとカルメリータの声って「同じ人?」って思ってました。

投稿: ホッチKISS | 2010年7月 7日 (水) 22時37分

うわあ、すみません! そうです。カルメリータです。ごめんなさい! 
斉藤貴美子さんのプロフィール
http://www.aoni.co.jp/actress/sa/saito-kimiko.html

投稿: 三村美衣 | 2010年7月 9日 (金) 00時42分

ガラントだぁ−!懐かしい。 (ERでは降板してますから)
とにかく…不気味の一言。 車の持ち主は、あの男とは別人。一体何のために???
次回で、皆とお別れなんですね。

投稿: Lead | 2010年7月11日 (日) 08時16分

前篇を見た時点では1902年ジョセフ・ブリゲンがモデルの事件みたいで怖いです。
BTKやテッドバンディなど有名な事件をモデルにドラマチックに見せてくれるので、犯罪史の勉強になります。
リードは全部、記憶してるんだろうなぁ・・・

投稿: Joel | 2010年7月13日 (火) 16時53分

カナダで豚とくればジョセフ・ブリゲンじゃなくてロバート・ピクトンでしょう。
いずれにしろ歴史にはこんな人間がいるんですね……

投稿: カズト | 2010年7月18日 (日) 20時52分

もう見ました、とても好きです

投稿: テニスの王子様 | 2010年10月13日 (水) 17時08分

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