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三村美衣
(みむらみい)

書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。


6月22日(火)S4#24『バイオテロリストを追え』

24

■炭疽菌テロ事件発生
ワイントンDCに近いメリーランド州アナポリスで、たまたま市内の公園に居合わせた25人の男女が細菌に感染、身体に異変を訴えて一晩で12名が死亡した。細菌は炭疽菌の胞子を改造した新種で、病状の進行が早く、疾病予防対策センターも対処法を見いだせないでいた。捜査は陸軍生物兵器研究所との共同で行われることとなるが、生物兵器研究所のホイットワース将軍とFBIは、2001年の炭疽菌事件の際に対立した経緯があった。被害者が一般市民であることなどから、ホッチは犯人を、国内、炭疽菌をまいて利益を得る人間、生物兵器にアクセス可能な人間、大学や民間の研究員、細菌を保存しているラボの職員に絞り、将軍にも名簿の提出を要求する。リードは、犯人が科学者だとすれば、これが初めての犯行ではなく、もっと狭い場所でテストを行ったはずだと推測。調査により、2日前にも、たまたま同じ書店に居合わせた3人の人物が、炭疽菌感染とおぼしき症状で死亡していたことが判明する。
■プロファイル
BAUは、国防関係者を集めてプロファイルを発表した。「書店や公園など、散布場所が象徴的な場所ではないことから考え、犯人は科学や防衛の知識のある国内のテロリスト。視野が狭く、自分の行動が何よりも重要だと信じている人物。2001年の炭疽菌事件、対米テロの脅威について熟知しており、そのことについて熱弁を振るったり、論文を発表したりしている。偏執的で孤立しており、誰にも相手にされず、怒りを募らせている。降格、解雇など、仕事で屈辱を受けるような経験をしており、私生活でも離婚や別離を経験しているかもしれない」というものだった。プロファイルを聞いた将軍は、2002年に行われた「防衛と国土安全保障についての小委員会」の記録をBAUに見せる。そこには炭疽菌テロの危険性について、異常なほど熱弁を振るう科学者ローレンス・ニコルズ博士の姿が写っていた。博士はその後、精神的に不安定なことを理由に、生物兵器研究所から解雇されたうえに離婚も経験。プロファイルと完全に適合していた。
■博士とその弟子
ロッシとプレンティスは、ニコルズ博士の現在の職場である軍の下請け研究所へ、モーガンとロッシは自宅へと向かった。しかしニコルズ博士は書店への攻撃前から出勤しておらず、ラボから炭疽菌も発見されなかった。一方、ニコルズの自宅に向かったリードは、モーガンが電話に出ている間に、ひとりで研究施設に入り、そこで撲殺されたニコルズの遺体と、破損した炭疽菌の試験管を発見する。既に自分は感染している――。そう考えたリードは、ドアをロックしてモーガンを締め出し、自分はそのまま室内の捜査をはじめる。やがてリードの調査により、ニコルズにはパートナーが存在したことが判明。机にあった論本の内容から、その人物はニコルズの弟子で、社会科学系の研究者であることが判明する。ガルシアが、書店の従業員やクレーマーと、地元の社会科学系の博士号取得者をクロス検索した結果、メリーランド大学で公共政策を専攻したチャド・ブラウンの名前が浮上。さらに、ブラウンはフォートデトリックの求人に4回応募し、精神鑑定ではねられていたことが判る。ニコルズ博士は、フォートデトリックに入れなかった彼の憧れの対象だったのだ。
■プロファイルの勝利
ブラウンの自宅からは、地下鉄のマップと、飛散実験に使った電球が発見された。彼は地下鉄の駅で、電球に詰めた炭疽菌を投げようとしているのだ。果たしてターゲットはどの駅なのか――。将軍は、ニコルズがレポートで警告したレッドラインの駅を主張する。しかしホッチは、これまでの現場が全てブラウンが周囲から拒絶を受けた、個人的な場所であることから、彼の狙いを、自分を拒絶したフォートデトリックへの通勤鉄道の乗換駅だと分析する。ホッチの分析は的中。捜査陣が駅に駆けつけたところ、駅のホームには、炭疽菌電球を詰めた鞄を持つブラウンがいた。ホッチとブラウンが対峙した瞬間、ホイットワース将軍が割って入り、「大統領命令でブラウン博士をフォートデトリックに招く」と宣言。念願がかなったブラウンは、将軍の求めるままに、鞄を軍の人間に手渡した。しかし全てはプロファイルを元にホッチが書いたシナリオで、鞄を手放したブラウンはモーガンに捕らえられた。その頃、病院に運ばれたリード、そして公園の生存者4人は、ニコルズ博士の研究室から発見された治療薬によって、快方に向かっていた。

【格言】
「それはエジプト全土を覆う細かい塵となり、エジプト全土の人と動物に腫れ物を生むだろう」出エジプト記9章9節。「出エジプト記」は『旧約聖書』の二番目の書であり、モーゼがユダヤ人を連れてエジプトを脱出する様子が描かれている。引用の箇所は、モーセとエジプトのファラオとの交渉が決裂した後、神がエジプトに起こした「十の災い」のひとつ。「腫れ物の災い」は6つ目で、残りは「水を血に変える」「蛙を放つ」「ぶよを放つ」「虻を放つ」「疫病」「雹を降らせる」「蝗を放つ」「暗闇が襲う」「長子を皆殺しにする」の9つ。
「安全とは迷信に過ぎない。自然界に安全というものは存在せず、子供も大人も、体験したことはないのだ」ヘレン・ケラー(1980~1968)の言葉。
【ゲストスター】
リンダ・キムラ博士を演じているのは、日系アメリカ人の父親と、日系フィリピン人の母親を持つタムリン・トミタ。沖縄県嘉手納基地生まれのLA育ち。「犯罪捜査官ネイビーファイル」の第8シーズンでトレイシー・マネッティを、最近では「HEROES」のヒロの母親役で出演している。ホイットワース将軍は、「素晴らしき日々」で主人公の父、ジャック・アーノルドを演じたダン・ラウリア。
【ハズマット】
ハズマットとは、Hazardous Materials(危険物)の頭3文字づつをとった略称。危険物を扱う訓練を受けた特殊ユニットのことも指す。
【2001年の炭疽菌テロ】
アメリカ炭疽菌事件は、同時多発テロの1週間後、2001年9月18日に始まった。炭疽菌の入った手紙が、複数のニュースメディアと2名の民主党上院議員に届き、ワシントンの郵便局員など5人が死亡・17人が病院で手当てを受けた。リードがJJに話した、皮膚にただれのでた7カ月の赤ちゃんというのは、ABCワールド・ニュース・トゥナイトのフリーランスのプロデューサーの息子で、無事に快復している。事件発生当初は「アメリカに死を イスラエルに死を アラーは偉大なり」という脅迫文が届いたことから、同時多発テロとの関連が取りざたされたが、その後、この炭疽菌の株が、ジョージア州国立疫病研究所で培養され、陸軍細菌戦術用に準備されたものであることが判明。2002年初春、司法省は疑わしい人物として、米陸軍感染症医学研究所の元研究員スティーブン・ジョン・ハットフィル博士の名前をあげた。博士は、生物兵器、特に炭疽菌の第一人者として特殊部隊の訓練にあたっていた人物で、これがエピソードの中で触れられたFBIとフォートデトリックの軋轢の原因。FBIの捜査官が、容疑者とするだけの証拠はないと主張していたにもかかわらず、司法省がごり押ししたと言われている。そして2008年。FBIはついに、バイオディフェンス研究所で働く科学者ブルース・エドワード・アイビンスに容疑者を絞る。しかし逮捕に踏み切ろうとした矢先の8月1日、アイビンスはアセトアミノフェンの大量服用で自殺。 その後8月6日に、連邦検察当局は、この事件がブルース・エドワード・アイビンスの単独犯罪だったと発表した。
【シプロ】
広域抗生物質シプロフロキサシン製剤のこと。細菌のDNAの複製を阻止する効果がある。
【チェント・アンニ】
ロッシがシプロを飲むときに言ったのは、cent'anni。イタリアの乾杯言葉で、centoは100で、anniは年。「百年ずっと、いつまでも」という意味。日本にもこの名前のイタリアンのお店があるが、インターネットで検索すると、世界中のイタリアン・レストランがヒットする。
【アフレコ収録現場訪問】
WOWOWからお誘いをいただき、今回のエピソードのアフレコ現場を見学させていただきました。アニメの取材仕事などもしているんですが、実はアフレコ現場を見たのは今回がはじめて。行くまでは興味津々だったんですが、しまった、エピドードが悪かった。ついつい話の方に夢中になってしまって、モニター画面に釘付け。リードがモーガンに「ごめんね」って言うシーンなんて、リードの顔しか見てませんでした(役立たずです、すみません~)。
さてさて、アフレコは全体をアバンと4つのパートに分けて収録されます。まず最初は、出演者全員がマイクの前に立ち、場所を譲り合いながらのランスルー。実際に使用されるテイクではないので、とちっても、つっかえても、最後まで止まりません。このランスルーの後、どのセリフが本線収録で、どれを別取りにするかが指示され、ここからが本番。日本語と画面の口の動きをあわせる作業がくり返され、演出家、編集者、翻訳家、プロデューサ、それにキャストの皆さんが意見を出し、その場でシナリオのセリフを手直しすることも。皆さん、言い難い言葉をくり返したり、シナリオに指示を書き込んだりしながら、収録が進みます。
ガルシアのジョークも出ないようなヘビーなエピソードなせいか、ランスルーの段階からびりびりするような緊張感が……。と思いきや、リードが「もうすぐ、素っ裸で……ゴシゴシこすられるんだけど、そんなとこが見たいわけ?」の後、モーガンが「ああ」って表情をするシーンで、咲野俊介さんがいきなり「見たい」と一言。もちろんシナリオにはないアドリブですが、あまりに絶妙なタイミングと内容にみんな大爆笑。エピローグでもゼリーを食べるシーンでも「むぐっ、うっめえ」とつぶやき、場をリラックスさせていたのが印象的でした。今回の収録でたいへんだったのが、リード役の森久保祥太郎さん。ただでさえリードは難解で長い台詞が多いのに、今回、研究室のシーンはほぼ全て別録り。「みなさん休憩していてください」と森久保さんは主張したにもかかわらず、共演者全員が席をはずさず。「虐めですか?」と、ホッチ=森田順平さんが笑って言ってましたが、みんなが見守る前での録音はやっぱり緊張するんでしょうね。

■キャストのブログ紹介!
リード役 森久保祥太郎さんのブログ
JJ役 園崎未恵さんのブログ「園崎未恵のゆらゆら日記。」
モーガン役 咲野俊介さんの「咲野BLOG」

2010.6.22|エピソード・ガイド|コメント(8)トラックバック(0)

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コメント

アフレコ現場面白そうですね。
しかも台詞にないおもしろ台詞を聞けるなんて、すっごくうらやましいですね。
番外編で見てみたい(笑)
今回のゲストスターはタムリン・トミタでしたね。「ベスト・キッド」で沖縄の女の子の役をやっていたのを思い出しました。
主役のラルフ・マッチオの相手役ヒロインでした。懐かしい。

今回のエピソードは炭素菌でしたが、地下鉄とか出てきてオームの事件を思いだしました。恐ろしい話です。無差別だし、少量でも殺傷能力が強く、持っていても外からみただけではわかりません。

JJの気持ちよくわかります。ルール違反でも自分の家族が危険なのに黙ってなんていられません。結局JJはルールを破らないで済みましたが、JJの行動や気持ちは視聴者の気持ち。そんなJJがいなくなるなんて、どうゆうつもりなんでしょう。なんとかJJには残って欲しいですね。

投稿: march | 2010年6月23日 (水) 00時18分

JJの涙の美しさに感激。デレクが俺達はチームだと言っていたように7人は完成されたチームなのに、何故?CBSの考え分かりません。エミリーの言葉通りに事件を解決するだけだったら、他の番組も同じ。ガラス1枚のこちら側で揺れ動くチームの心情を反映してこその人間ドラマなのに。お願いJJ残って、そして女性3人組の活躍期待してます。嘆願の成果が反映しますように祈ります。7人は家族よ!

投稿: 帰蝶 | 2010年6月23日 (水) 13時04分

ps リードかわいい、JJにまだスペンスと呼ばれてました。それもJJ特有の気使いかも?ギデオンの頃から見てる人にはわかりますよね。JJ降板になったらwouwouもう見れません、他の新メンバーなんて心つぶれ見れません。DVD待ちます。

投稿: 帰蝶 | 2010年6月23日 (水) 13時20分

JJの気持ち分かります。
BAUの規則を守るか、我が子を守るか…。
母親なら当然我が子を守りたいはず。
でも、JJは自宅に電話した自分を責めているようでした。

24のジャックなんて、こっそりキムに電話して、叔母さんの家に行くよう指示してたのに!!(24の時は、バイオテロじゃなく、核爆発だったかな?)
JJ偉いっ!!

投稿: moody | 2010年6月28日 (月) 11時49分

ジョー・マンテーニャがWalk of fameに選ばれたといういいニュースがありましたが、AJ降板の決定は覆らず、ですか・・・。


不安を和らげようとするかのようなロッシの言葉、ジャックに電話をするホッチ、正義のための嘘に思い悩むエミリー、リードを気遣うモーガン、遺言を残そうとするリード、仲間の無事を祈るガルシア、そしてJJの涙。

最近のシーズンは、事件に立ち向かう捜査官たちの揺れ動く心情がメインになっていると個人的には思います。それを描くのにJJもエミリーも必要な存在になっていると思います。例えがおかしいかもしれませんが「サザエさん」みたいに誰も欠くことができない7人だと思っています。


最初に制作コスト削減の為と聞いて、新しいドラマをスタートさせる余裕があるのに?と思いました。次に製作コスト削減に名を借りたリストラ、女性蔑視と聞いて、厳しい競争世界だから役を失うこともある、という話でもなさそうだと思いました。そして仕舞には内容をリフレッシュしたいと聞き、視聴率も悪くなさそうなのにそんな必要があるのか?と思いました。視聴者が飽きてしまってからでは遅いのでしょうが、代わりのキャストを入れるなんて視聴者を蔑ろにし過ぎでは?と思います。誰か大物俳優の”誘致”にでも成功したというのでしょうか。
CBSが何を考えているのか、疑問です。シーズン6を見てみるまで分からない、ということでしょうか。

アテレコの現場はBAU同様結束してますねぇ。楽しそうな様子が目に浮かびます。そして素晴らしい声を聞かせてくれる。
先週のエピソード、森田さんの「捕まってろ!」にはシビれました。マードックも大好きです。

投稿: ホッチKISS | 2010年6月28日 (月) 18時15分

心が痛いです。でもJJを愛しているんですね、A.Jクックは。2話だけでも出演する。プロですね、せめてCSIのようにいつかカムバックの可能性を残して。ホッチの居ない、リードの居ないBAUのように、私にはJJの居ないBAUは考えられません。WOUWOU解約しました。シーズン5はDVD発売待ちます。その後のCMがどんなに人間味あふれる秀作でも、見れません。JJ有難う
あなたのように真摯に私も仕事したい。さようならCMファンの皆様。

投稿: 帰蝶 | 2010年6月28日 (月) 23時36分

あれだけの署名が集まったのに、決定が覆らなかった事が悔しくて仕方ないです。

投稿: マル | 2010年6月29日 (火) 15時58分

JJ、居なくなるのは寂しい……悲しい。…ですが…
あと「1シーズン」は、彼女を観れますよね!

嘆願書が、どれだけあったのかは知りませんが…残念です。韓国ドラマの様には成らないんですねアメリカドラマは。

投稿: じょー | 2010年7月 5日 (月) 20時09分

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