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三村美衣
(みむらみい)

書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。


6月15日(火)S4#23『トラックキラー』

23 ■凶器は車!
オレゴン州ベンドで、相次いでふたりの女性が轢き殺された。1人目は朝のジョギング中に殺されたマリア・デルガド(23歳)。2人目は山道で車がエンストし、助けを求めるために道路を歩いていたシャノン・メイクリー(43歳)。ふたりともはねられたあと、さらにバックで轢かれているために、同一犯の犯行と見なされた。ベントに向かう飛行機の中で検討を重ねるBAUは、この犯人はレイプ犯に近く、車から力や支配の快感を得ており、肉体に自信のない男性だと分析する。ただ、レイプの代償行為にしては、被害者に女性であること以外に共通点がないのが奇妙だった。しかし殺害現場に赴いたBAUは、現場の地理的状況や、シャノンの車がエンストするように細工されていたことから、この殺害がランダムなものではなく、ふたりを狙った緻密な犯行と断定。また、シャノンの夫の証言から、犯行に使われたのは国産の黒いトラックであることが判明した。
■共通点は赤いクーペ
なんと、次に殺されたのは男性だった。被害者はフット・ドクターのヴィクター・コステラ。オフィスのあるビルの駐車場で、黒いトラックに追い回されたあげく、轢き殺された。この事件はレイプとは関係なかったのだ! 被害者の共通点を探すリードは、3人が赤いクーペに乗っていたことを発見する。もし犯人が乗用車でターゲットを選んでいるとすれば、犯人と被害者の最初の接触は路上だったはずだ。そう考えたBAUは、被害者が日頃使っていたルートを照らし合わせ、全員が7号線を使用していることを掴んだ。街と郊外をつなぐその道路は、事故が多く「死のハイウェイ」と呼ばれていた。
■プロファイル
犯人は、40代の白人男性。駐車場に残されていたタバコの吸い殻が、軍隊仕込みのやり方で解体されていることから、陸軍か海兵隊の従軍経験者。衝撃で凹んだ車の修理や、エンジンへの細工ができる技術、知識を持つ。おそらく7号線で起きた自動車事故によって、身体にハンディキャップを負っている。そしてその事故の責任が赤いクーペにあると考えている――。プロファイルを受け、BAUと地元警察は共同で、過去の交通事故データを洗い、さらに犯人が事故後に通ったであろうリハビリ施設での聞き込みを開始する。一方JJは、プロファイルをメディアに発表、犯人とトラックの情報提供を呼びかけた。そんな中、リハビリ施設を回るプレンティスとモーガンは、施設のひとつで、イアン・コークリーという男性の情報を得る。コークリーは、昨年の7月、妻と帰宅途中に7号線から車ごと崖下に転落。妻は死亡し、イアンは命をとりとめたが脊椎を損傷、両足に麻痺が残った。従軍経験があり、自動車の整備士をしていたという。さらにコークリーは逆行性健忘症で、事故原因については覚えていないものの、施設で繰り返しキラーマシーンと赤いクーペの絵を描いていたことが判った。
■死のダイヴ
捜査陣はコークリーの住居に急行する。コークリーの姿も、凶器のトラックもなかったが、ガレージに4人の人物の写真が残されていた。3人の被害者ともうひとり。次のターゲットの写真だ。写真に写っていた車のナンバーから、次のターゲットがバーク・ギャレットであることが判明する。ギャレットの妻から、ギャレットがサイクリングに出かけていると聞いた捜査陣は、ギャレットを至急保護すべくサイクリングコースへと向かった。その頃コークリー宅を調べていたプレンティスとJJは、コークリーの妻が赤いクーペを所有していたことを知る。赤いクーペはコークリー自らが運転していた車で、事故は単独の自損事故だったのだ。自ら起こした事故で妻を亡くした彼は、その事実を受け入れることができず、責任を転嫁、殺人に走ったのだ。自転車のギャレットを探す捜査陣はついに彼と、そしてコークリーの黒いトラックを発見。ギャレットを襲おうとしたコークリーの車にホッチの車がが体当たりし、ギャレットは間一髪助かった。しかし事故の事実をクィン刑事につきつけられたコークリーは、車を発進させると、真っ直ぐに崖を目指し、そのまま谷底へ転落した。

【格言】
「私は車というものに不安を抱いている。猛スピードで前に進むということは、文明を後退させるのではないだろうか」アメリカの作家ブース・ターキントン(1868年7月29日-1946年5月19日)の言葉。1919年にピュリッツァー賞を受賞、映画化もされた『偉大なるアンバーソン家の人々』の一節。
「人の声が届かないほど遠くにも、静かなる善意の声は届く」非暴力主義を提唱したインド独立の父マハトマ・ガンジー(1869~1948)の言葉。ガンジーの格言は、S1#17「マンハッタンの処刑人」、S2#9「ふたりのシリアルキラー」、S2#19「哀しみの業火」につづく4回目だ。
【悔恨と記憶】
今回のエピソード。プロローグに、謎の男が登場する。丘の上から、7号線をじっと見下ろす男。彼の名はギル・ボナー。7号線で事故の原因を作ったという記憶に、半年間悩まされ続けていた彼は、TVでJJの会見を見て警察に出頭。自分こそが、犯人を事故に遭わせた加害者だと告白する。昨年の12月頃、病気の母親を見舞った彼は、7号線を自宅に向かっていた。そして携帯の呼び出し音に気をとられた一瞬、車が反対車線に侵入。そこに対向車がやってきたというのだ。車はこすりもしなかったが、バックミラーから相手の車は消えてしまった。対向車は確かに黒のトラックだった――というのだ。しかし調査によって、ボナーが接触しかけたのはフォルクスワーゲンであったことが判明する。コークリー逮捕後、JJはボナーにそのことを告げた。「あなたは誰にも言えず、長い間苦しんでいた。でもあなたは誰も傷つけてない」JJの言葉に救われたボナーは、それまで見せなかった、柔らかな表情を見せる。コークリーは死を選んだが、ボナーには前に進んで欲しい。今回の締めの格言はそんなJJの祈りの結晶ですね。そしてエピローグも再び、同じ丘のショット。一歩間違えば、自分の行動は被害者と、そして殺人鬼を生む引き金になっていたかもしれない。7号線を見つめる真剣な眼差し、子どもの呼びかけに振り返って見せる晴れやかな笑顔。
【ゲストスター】
そのギル・ボナー役はデイル・ミッドキフ。映画『ペットセマタリー』や『2012』などの主演でも知られる。クイン刑事は「CSI」では、キャサリンの元夫のエディー・ウィロウズを演じていたティモシー・カーハート。なんでキャサリンはこんな男と結婚したんだろうと誰もが訝ったあの嫌キャラぶりとは一転、百戦錬磨の渋い刑事を好演している。
【ビッテイカーとノリス】
ローレンス・ビッテイカーとロイ・ノリスは、共同で購入したGMCのヴァンにマーダー・マックという名前をつけ、その車で女性を誘拐、レイプし、殺害した。1979年6月に16歳のシンディ・シェイファーを皮切りに、5人を殺害。ビッテイカーには死刑、ノリスには45年から終身の不定期刑が言い渡された。
【ガルシアとケビン】
ガルシアが転職?! 恋人のケビンが国家安全保障局のサイバー戦争の分析官に転職する話が舞い込んだ。それもなんと海外勤務。「いっしょに行かないか」というケビンの言葉に揺れるガルシア。しかしケビンの転職話は、ハッカーがプロジェクトのデータベースに侵入したため、プロジェクトそのものが霧散してしまう。もちろんハッカーはガルシア。「いいよ、怒ってないから。どうせ、君のことは置いてはいけなかった」というケビンに、「わたし、ついては行けなかったよ。ここが家なの」と答えるガルシア。バカップルぶりにはあきれちゃうけど、この2人には(もちろんJJにもです)のほほんと幸せでいて欲しいと思いますね。

2010.6.15|エピソード・ガイド|コメント(14)トラックバック(0)

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コメント

交通事故が犯行の原因。自分がその原因を作ったと名乗り出る男。
まさか自ら起こした事故だったとは思いませんでした。
最後のJJのフォローさすがです。JJは必ずフォローしてくれると思ってました。
でも、見たことあるなぁと思っていたらギル・ボナーは「ペット・セメタリー」の人だったんですね。
それにクイン刑事、キャサリンのダメ旦那だったんですね。見てる間「だれだっけ?」と考えてました。
必ずこのブログが私の悩みを解決してくれると思っていました(笑)
いつもモヤモヤがこのブログでスッキリです。ありがとうございます。

投稿: march | 2010年6月16日 (水) 00時19分

犯人の最期、テルマ&ルイーズみたいだと思いました。


男性って本当に車が好きですよね。
大きくていい車に乗るのは、ライオンの鬣や孔雀の羽を持たない人間の男性のセックスアピールの手段なのだそうなので、本能なのでしょうね。


先月トーマス・ギブソンが車の試乗でドリフトしているのを見て「危なくないのかなぁ・・・」と思ったので(余計なお世話ですが)、ホッチの追跡と体当たりは心配を映像化されたみたいで息を呑みました。


それにしても、ガルシアの手に掛かれば恋愛も国家の機関も思いのままに。


そしてJJ。
こんなにいい慰めをしてくれるBAUに必要な人なのに、AJの契約が終わりだなんて・・・。JJが出てくる度にいろんな思いが脳裏をよぎって集中できませんでした。

投稿: ホッチKISS | 2010年6月16日 (水) 00時37分

二人目の被害者の人が電話で『罪悪感が癌の原因になる』というようなことを、話していたのが、まるで、名乗り出て来た男性のことを表していたかのように感じました。

投稿: あや | 2010年6月16日 (水) 00時42分

次回#23「バイオテロリストを追え」の二カ国語版はWOWOW公式のエピソードだとHV放送になっていて、次回予告にも「次週は標準画質放送」のテロップはありませんでしたが、電子番組表やWOWOWプログラムガイドだと標準画質放送として記載されていますがどちらが正しいのですか?

投稿: ホッさん | 2010年6月16日 (水) 01時22分

契約終了について、CBSへの嘆願署名活動が行われています。出演者たちもtwitterでリツイートしてますので本物かと思いますが、興味をお持ちの方はぜひご署名を!

http://www.PetitionOnline.com/cmwomen/petition.html

投稿: TJ | 2010年6月16日 (水) 11時48分

AJの契約終わりって?どういう事ですか?シーズン5のYouTubeでは、活躍していますが??辞めてよして そんな!心配事が増殖。JJがいないCMなんてリードやホッチの居ないCMと同じです!間違いですよね?

投稿: 帰蝶 | 2010年6月16日 (水) 20時02分

AJクックの降板だけじゃなく、パジェット・ブリュースターの登場も減らされるそうです。
↓↓↓
http://am6.jp/bj4dZk

TJさんが書かれてる署名活動、名前とアドレス入れるだけなので簡単です。

Twitterで誰かが書いてましたが、スピンオフなんて作らず、彼女たちを残してほしいです。

投稿: madamebvc | 2010年6月16日 (水) 21時10分

アメリカでは現在シーズン5が放映中のようですね。署名運動の趣旨をざっと読むと,次の9月から始まるシーズンに向けて,CBSが経費削減を目的に,JJとは契約更改をせず,プレンティスは出演回がかなり削られる,女性キャストのうちフルタイムで残るのはガルシアのみ,ということのようです。
で,なぜこの二人なのかというところが意外で,署名運動を始めた皆さんは,根本的な原因がCBSが女性軽視の体質であって,それはこの21世紀にあり得ない,と怒っているのです。
元々,BAUにしてもCSI各シリーズで活躍する女性たちの姿は,頑固な男社会である警察組織の中で,高い能力や意欲,そして女性らしさも十分に発揮して日々健闘する女性たち,という位置付けでもあるのに,制作側がそのキャストをはずすという矛盾に満ちたやり方で解決しようとするのが理解できない,ということなんですね。
結婚したら夫側の姓を名乗り,結婚したり,子供を生めばどうせ十分に働けないと軽視され,子供を生んでも男の子でないと言われ・・・そんな差別は枚挙に暇が無い・・等など,でせっかくの人気番組なのにお金が無いといって女性から削られる・・・。
日本に比べれば女性の活動の範囲も地位も断然恵まれていると思っていたアメリカ社会でもこういうことになるのかと意外な気がしましたし,反対署名のポイントがそこというのが興味深いです。

ともかく,JJもプレンティスもBAUメンバーではもはや欠かせないキャラクターです。
CBSは是非残留の方向で再考してほしいですね。

投稿: リードlove | 2010年6月16日 (水) 23時15分

JJがいなくなっちゃうなんて悲しすぎです。
最初からいるし被害者の家族にとっても重要な仕事してるのに。
エルやギデオンみたく役者がやめたいわけじゃないんですよね?
考えなおしてほしいです。

投稿: めい | 2010年6月17日 (木) 22時00分

JJ降板について、次の記事を見ました。他のキャストの声も出ています。なんとか、今までのクリマイで、続けてもらえないかなぁ。悲しすぎる。
http://dramanavi-news.cocolog-nifty.com/news/2010/06/ajjj-58f2.html

投稿: だいだい | 2010年6月18日 (金) 12時57分

さっそく嘆願書サインしました。AJクックによってJJは実際の人間のように感じられます。恐ろしい事件を通して、成長してきた、恋をし母になり犠牲者を救おう、遺族のためを考える人間的質の高さ、精神の輝き、物語のキャストだけどJJはいつも現実世界の相談役です。お願い 本当のクリミナルマインド好きなら、今の出演者全員でシーズンずっと続けて。スピンオフ作る予算あるなら二兎追わず、オリジナル大事にして下さいな。

投稿: kitilyou | 2010年6月18日 (金) 16時22分

JJがいなくなってしまうなんて信じられません。不動のキャラなのに…今のメンバーで誰も変わって欲しくないのが心境です。
CSIラスブガスでも、オリジナルメンバーからガラリと代わり少し寂しいような。

投稿: プチJJ | 2010年6月20日 (日) 16時48分

えっ!!!JJ降板なんですか!!!初めて知りました。
CSIもキャストの変更があると報道されているし、CBS(米TV業界全体?!)はそんなに大変なのでしょうか?
キャストの削減は、番組に打撃を与えるだけなのに…。

投稿: moody | 2010年6月28日 (月) 11時24分

ファンからの嘆願書も…叶わず。(彼女曰く…もう決まった事だから…) JJ…シーズン6=2話分出演し降板。
エミリーは、契約更新したそうです。


寂しいですね。

投稿: ユンス | 2010年7月 2日 (金) 22時15分

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