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三村美衣
(みむらみい)

書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。


3月3日(火)S3#9 『ペネロープ』

■ガルシア撃たれる!
コルビーが撃った弾丸は、ガルシアの胸部から入り腹部を傷つけていた。病院に搬送され緊急手術を受けるが、出血が激しく一時は心停止に陥る。しかし弾が心臓をそれたために、ガルシアは奇跡的に命をとりとめた。数日で退院できるという執刀医の言葉に、チーム一同はほっと胸をなで下ろした。ホッチは事件担当のいかんにかかわらず、犯人を捕まえるまで他の事件は受けないと宣言し、ロッシと現場検証に向かった。警察は物盗りの犯行と見ているが、人目につきやすいアパートの前庭で強盗を働くとは考え難く、ロッシはガルシアの強烈な個性に反感を抱くサディストの犯行ではないかと推測する。

一方、麻酔から目覚めたガルシアは、自分を撃ったのはデートに出かけた相手、弁護士のジェイムズ・コルビー・ベイラーであると語る。コルビーの法律知識が中途半端なことから本物の弁護士ではないことは明白だが、ガルシアの証言からも現場からも、彼の身許につながるものを見つけることはできなかった。
■ガルシアの過去
ホッチはガルシアのコンピュータのファイルから、コルビーに関する情報を探そうと局内のコンピュータ・スペシャリストのリンチに依頼する。しかしリンチがFBIの内部規則に反するセキュリティロックをかけたファイルを発見してしまったために、ガルシアは内部監査の対象となり停職処分にされてしまう。
なにごとにも理由がある。常にそう考えてきたガルシアは、自分でも事件を調査するために病院を退院し、モーガンに付き添われて自宅に帰った。ところが深夜、ガルシアの生存を知ったコルビーが、警備に当たっていた警官を射殺しアパート内に侵入。用心のために泊まっていたモーガンが反撃するも、コルビーを逃がしてしまう。しかしそのことが切っ掛けとなり、ガルシアはデート中のコルビーの奇妙な行動を思い出した。彼は勧められた窓際のテーブルではなく、わざわざ壁際のテーブルを選び、壁を背に坐った。それを聞いた一同は、コルビーはFBIの捜査官ではないかという疑惑を抱いた。
■なにごとにも理由はある
犯人が捜査官だとすればなおさら、狙われるには理由があるはずだ。ロッシに問い詰められたガルシアは、自分がボランティアで事件被害者家族のカウンセリングしていたこと、未解決の事件が風化しないように、事件のファイルにFBIが注目しているかのように見えるタグをつけていたことを告白した。犯人はその行為によって危機感を抱いた事件関係者に違いない。ホッチ、ロッシ、JJの3人は、クワンティコに戻り、ガルシアは自宅からFBIのシステムに侵入、リンチの妨害にあうが、ハッキング勝負で勝利をおさめ、タグをつけた事件ファイルを入手する。ファイルを検討したモーガン、リード、プレンティスは、それらの事件の3件で、同じ副保安官が事件現場に最初に駆けつけてていることに気づく。その副保安官の名はジェイソン・クラーク・バトル。ガルシアがジェイムズ・コルビー・ベイラーとして知る人物だった。バトル副保安官は、注目を集めるために事件を自作自演する「死の天使」だったのだ。
■犯人はBAUにいた!
その頃、BAU内部でガルシアの行ったことを追跡していたリンチもまた、バトルの情報にたどり着いていた。そのことを誰かに知らせようと部屋を出た彼は、驚くべき光景を眼にする。なんと当のバトルが、言葉巧みにBAUに入り込み、自分のファイルを削除させようとしていたのだ。リンチはガルシアの自宅コンピュータとBAUの監視カメラをリンクさせることで、彼女にそのことを伝えてきた。ヒーロー願望型のナルシストは、追いつめられたら何をするかわからない。ガルシアたちから電話連絡を受けたホッチとロッシが、気づかれないようにさりげなく距離を詰める。しかしその行動に気付き、追いつめられたバトルは職員を人質にとって応戦しようとする。とそのとき、バトルの背後のガラスドアの向こうから一発の銃声が響き、バトルは崩れ落ちた。隣室にいたJJが、モーガンから連絡を受け、背後からバトルを撃ったのだ。事件後、JJに人を殺させてしまったことを悔いるガルシアに、JJは「家族を護るためならなんでもするよ」と告げた。

【格言】
「すべての人を愛し、わずかの人を信じ、誰にも災いをもたらすな」
シェイクスピアの戯曲『終わりよければすべてよし』のセリフ。『終わりよければすべてよし』は、伯爵家の跡継ぎバートラムに思いを寄せるヘレナが、結婚のために科された無理難題を機知で乗り越え、結婚にこぎつけるというストーリー。ヘレナ側からすればハッピーエンドだが、肝心のバートラムが身分の低いヘレナとの結婚が嫌で無理難題を出しているところが微妙な作品。格言に使われたのは第1幕のセリフで、フランスに国王の元に伺候することになったバートラムに母親の伯爵夫人が贈った人生訓だ。この後「敵にたいしては力を用いずして威圧し、友人にたいしてはおまえのいのちの鍵をかけて大事にすることです。口数の少なさを責められるのはいいが、多すぎるといって非難されぬよう」(小田島雄志訳)とつづく。
【デヴィッド・ボウイって神?】
ガルシアが救急車の中で聞こえたというデヴィッド・ボウイの「ヒーローズ」は、1977年にボウイがベルリンで録音したアルバム HEROES に収録されたボウイの代表曲だ。淡々と刻むリズムにのせて、ボウイの劇的な声がWe can be Heroes Just for one day(たった1日ならヒーローになれる)と繰り返す。東西の壁を題材にしたとも言われるこの歌詞、言葉は簡単だが含意は多く、ポジティブにも刹那的にも解釈することができる。エピソードの最後、ガルシアとケビン・リンチが会話しているシーンで流れるのがその曲だ。
【ゲスト・スター】
ガルシアに絡む男性ふたりは共に「バフィ ~恋する十字架~」に出ていた俳優。犯人のジェイムズ・コルビー・ベイラーを演じたベイリー・チェイスは第4シーズンに登場。イニシアチブのメンバーのグレアム・ミラー役。「女捜査官グレイス」ではグレイスの元カレで同僚の刑事を演じている。一方ケヴィン・リンチを演じているニコラス・ブレンダンは、バフィの高校時代からの親友ザンダー・ハリス役(大人になったのもあるけど、それよりちょっと太った?)。トマス・ギブソンとは映画「サイコ・ビーチ・パーティ」で共演している。ガルシアを調査するFBIの内部監査官フックスを演じたのはマーク・ヴァーン。「CSI」で長らくグリッソムと対立していたエクリーでお馴染みの彼。CSIでは、チーム解体に乗り出す局長代理を演じていただけに、一瞬、いや~な雰囲気になりますが、BAUに命を救われてガルシアも問題なく復帰できそう。まさに「終わりよければすべてよし」ですね。
【勝てないなら雇え】
リードがガルシアを雇った経緯が一緒だと指摘したフランク・アバグネイルは、映画「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」のモデルにもなった実在の詐欺師。現在はセキュリティコンサルティング会社を経営して成功している。クラッカーでは、FBIに逮捕されてその後やはりFBIに協力してセキュリティコンサルティング会社を設立したのケビン・ミトニックが有名。
【ギルマンストリート】
ガルシアのセキュリティーコード。ギルマンストリートはカリフォルニア州バークレーの通りの名前。この通りにあるThe 924 Gilman Street projectというクラブは、ボランティアによって運営される非営利のライブハウスで、1986年に創設されたロックの聖地ともいうべき場所。彼女がコンピュータにセキュリティロックをかけるようになったのは、フィッシャーキング事件の後で、コンピュータに記録されたBAUの情報から仲間に危険が及ぶのを畏れてのことだった。JJの最後の一言が語っているように、仕事柄どうしても精神的に危険な領域に足を踏み入れざるをえないメンバーにとって、チームこそが拠り所であり、一番大切な家族なのかもしれないですね(で、そんなだから奥さんに出て行かれちゃうのかも……)。でも最大の問題発言はモーガンの「愛してるんだぜ」ですよね。あれもやっぱり家族愛なのか、はたまた……。
【ガルシアの過去】
今回の事件からガルシアの過去がいくつか明らかになった。ガルシアは現在年齢は30歳。両親は元ヒッピー。自転車に乗って遊んでいる過去の風景にゴールデンゲートブリッジが入っているので、サンフランシスコ育ちと思われる。18歳のときに両親が交通事故で死亡。それが原因でカリフォルニア工科大をドロップアウト。しかし暗号学は独学でつづけ、その後FBIのブラックリストに名前を連ねる、危険なクラッカーとなった。以前モーガンにFBIに入った理由を聞かれ、医大に落ちたからと語ったガルシア。「まあそりゃ落ちるだろうな」といったモーガンに「ひどいパパと同じこと言って」と答えた笑顔の裏側に、実はこんな複雑な過去があったんですね。

2009.3. 3|エピソード・ガイド|コメント(7)トラックバック(0)

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コメント

リードとモーガンに守られているガルシアが羨ましい(笑)!!

BAUはチームプレーなんだと実感できて、個人的には好きなエピソードでした(・∀・)

(前回がグロかった分余計に…)

投稿: にこ | 2009年3月 3日 (火) 23時52分

リンチ役の人、絶対どこかで見たことある!!でも何だっけ?

このもやもやを解くために探していたら、ここを見つけました。

バフィのザンダー・ハリス!!!

すっきり!
ありがとうございます。

投稿: sara | 2009年3月 4日 (水) 12時00分

ガルシアの部屋、面白そうなものがいっぱいあって遊びに行ってみたいです。
リンチともいい雰囲気・・・彼はまた登場するのでしょうか、目が離せません。

投稿: flowers | 2009年3月 4日 (水) 17時11分

今回のエピ面白かったぁ。
ガルシアよかったです。
ガルシアの部屋かわいかったですね。

投稿: march | 2009年3月 4日 (水) 21時51分

今回も面白かった!
ガルシア最高にキュート!
BAUのチームワークの良さに乾杯!!

投稿: life | 2009年3月 4日 (水) 22時25分

毎回、サディストまがいのヘンな事件が多く、心が暗くなってましたが、今回は、ほのぼのとしたエピでしたねshineconfident
やっぱりガルシアだよdeliciousBAUを明るく照らしてくれるのは…winkheart04
モーガンも、「愛してる」って言うしさっsmile
やっぱり、ガルシアの部屋は、素敵でしたねdelicious

投稿: ゆぅ | 2009年3月 5日 (木) 13時55分

はじめまして。

急いで帰宅したのにこの放送回の最後しか
見られなかったので、気になって検索してこちらのサイトを拝見いたしました。

とてもわかりやすくまとめてくださっていて、本当にどうも有難うございます!
(エントリをアップされてから9年後の書き込みで大変恐縮です)

これからも拝見させていただきたく存じます。どうも有難うございました

投稿: まめこ | 2018年12月18日 (火) 23時14分

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